カルゴ「はいはい来たよ来たよ…うわっ、何これどういう状況…?」
ヘカT「言った通りよ、エスカルゴ君…。恨みやイラつきが最高まで達した純孤は狂うの…」
確かにそこには、見るからに狂った純孤がいた。
純孤「じょーがーじょーがーじょがじょがじょーがー、じょーがーぶっ殺す〜♪」
何故か笑顔で、しかも歌っている。だがその目は笑っておらず、溢れ出ている気配も二手に別れる前よりドス黒いものになっていた。
都を見つめるその目はもうイッている。
カルゴ「恨み怖っ…」
ヘカT「そうなのよん、こうなるともうしばらく手が付けられなくなるのよん。だから、疲れてるところ悪いんだけど、この結界…パパッと壊してくれるかしら?」
カルゴ「うん、すぐやるよ。でも作戦通り、俺と巫月は嫦娥殺しには参加しないからね」
ヘカT「ええ、それで大丈夫よん」
そもそもの話、まだ幼い娘の手を汚させる訳にはいかないからね。俺が手を汚すのはともかく。
カルゴ「じゃあ…『霊力遷移』!!」
妖魔雷霊剣を構え、結界を斬り裂くために霊力を前面に出す。そして結界へ斬り込むが……。
カルゴ「んぎゃっ!?」
ピース「What!?」
ヘカT「だ、大丈夫!?」
純孤「じょーがー♪」
バチバチと弾かれてしまい、傷を付けることすら出来なかった。強度が霊夢の結界とは訳が違う。そして、斬り込んでみてわかったが、この結界は霊力によるものではない。無論、魔力でもない。
カルゴ「妖力、魔力、霊力のどれでもないな…。ちょっと待て、破壊とかできるのか…?」
ヘカT「多分これは神力と科学による結界よん。月の科学は日々進歩していて、神の力はとっても強力。…力押しするしかないわね…」
カルゴ「力で押してダメだったんだがそれは…」
ヘカT「大丈夫よん、あなたには何人もの神様がついてるわ!科学を力でブチ破りましょ!」
カルゴ「月の方がもっと多くの神…いや、いい。
とりあえず、ただ剣を振ったんじゃダメだ。少しやり方を変えなきゃ」
ヘカT「私とピースの最高のスペルでも、結界はビクともしなかったわよん。あなたのだったら、もしかしたらイケルかも…?」
カルゴ「この前は戦えなかったけど…多分、神の援護無しの俺の本気とへカーティアの普通って、大して変わらないと思うんだよね」
ヘカT「そう思えないのは何故かしら…。まぁ、とりあえずやってみて頂戴!」
カルゴ「うん。とりあえず喚ばずにやってみる。ちょっと離れて」
幸い、建御雷を喚んでいたからまだ電力に余裕はある。大技の1つでもぶつけてそれでもダメならまた彼を喚ぶ事になるだろう。
カルゴ「巫月も、俺に合わせて雷落としまくれ。都では戦わないからここで全力を出し切るんだ」
巫月「わかった!」
カルゴ「一閃『Mishap of Thunder』!!!」
半球状で薄紫色の結界の上空を、巨大な魔法陣が覆っていく。これに俺の電力を全て注ぎ込んで、更に強力にするために────。
カルゴ「覚醒『生命の輝き』!」
魔法陣を広げつつも生命力を削り、最強へと昇華させていく。先日の霊夢との戦いでこのコンボを使ったからか、あの時の様子が脳裏にフラッシュバックする。あの時は、ギリギリで霊夢の結界を破れたのだったか。…また結界か。
カルゴ「はぁーっ……はぁーっ…やべ、死ぬ…」
ヘカT「そりゃあ生命力を削ってるんだもの…。無理は禁物よん?」
カルゴ「わかってる…もう拡張も終わったから、あとは落とすだけ…。巫月、合わせろよ…?」
巫月「もっちろん!」
前回は、魔法陣を見る余裕がなくて全く気付かなかったが、最高まで高めると青白く光るらしい。
力を無くした剣を杖にし、ヨロヨロ立ち上がる。
震える手を空に掲げ、声高々に叫ぶ。
カルゴ「召喚!」
巫月「『
一筋の太い雷が落ち、結界を震わせる。そこに、巫月のピンク色の稲妻が、荒れ狂うように結界に襲いかかる。俺は地面に膝をついて、その様子をただ見守る。
煙が晴れ、視界が良好になってきた。
カルゴ「うっそーん……」
巫月「え〜…」
結界は傷が1つもついておらず、そのままの姿を保っていた。
カルゴ「無念〜…。ちょっと誰か殺してぇ…俺の生命力ががが…」
ピース「殺す!?」
ヘカT「…しょうがないわねん…」
ピース「ご主人様!?」
純孤「じょーがー♪」
ヘカT「あなたの得物、借りるわよん」
カルゴ「おっす…」
巫月(目瞑ってよっと…)
ヘカT「正面から心臓を一突きでOK?」
カルゴ「OK…」
数秒後
ピース「死んで生命力を復活させるとか乱暴すぎだぜエスカルゴぉ〜…」
カルゴ「そう?そんな事よりもまず、どうやってこの結界を壊す?」
ピース(そんな事よりって…)
ヘカT「こうなったらもう、神の力を借りるしか無いでしょーね!霊力も電力も復活してるんだしそれが良いわ!」
カルゴ「そうなるかー…」
カルゴ《建御雷…もう1回助けて…》
建御雷《おっ?…なんだ、まだ壊せてないのか。仕方ないかもしれんが》
カルゴ《諏訪子。建御雷だけで壊せると思う?》
諏訪子《え…う、うーん…どうだろう。建御雷はどう思う?あの結界》
建御雷《我も少し不安ぞ。あの強度は異常だ》
諏訪子《だよねー。…さっき言おうとしてた事、言う時が来たみたいだね!》
カルゴ《こんな早く?…教えて》
諏訪子《あのねあのね、『加護』にもいくつかの段階があるんだよ》
カルゴ《そう…なの?》
諏訪子《神社にお祈りしてくれた人へちょっぴり幸運を分け与えるのが、一番初歩の初歩なのね。こうして会話するのが2段階目。建御雷みたいに力を貸すのは3段階目なの》
カルゴ《へー…。あれ?確か、神奈子様と諏訪子って早苗に力貸してた…よね?》
諏訪子《そう!私と神奈子は、早苗に対して1と2を飛ばして3をやってるわけ!ねっ!》
神奈子《うむ》
諏訪子《それで、4段階目で憑依するの!》
カルゴ《前に建御雷に憑依してもらったな》
諏訪子《勿論、本人じゃなくて分霊なんだけど、そこは置いとくとして…。今回は、私と神奈子、建御雷の3人で3段階目までヤッちゃお!》
神奈子《お前がそれ言うとどうしてもマズイ方に聞こえるが…そういう事だ。少しは力を貸そう。殺生には力貸さんがな》
建御雷《え、なんで?》
神奈子《なんでってお前…はぁ…昔から戦闘狂なところは変わらんな》
建御雷《戦闘こそ我が全てナリ!》
神奈子《はいはい。…まぁ、そういう事だ》
カルゴ《ありがとうございます》
最強の布陣じゃないですかヤダー…これでも結界破れなかったら悲しいヤツだよ…。
神綺《勿論、私も力貸すわよ!魔界神の力、思い知らせてやるんだから!》
諏訪子《ざァんねんだったねェ!一度に力を貸し与えることができるのは3柱までだよォォォ!!おかーさんは入れませーん!あっかんべー!》
神綺《なっ…八百万の神にはそんな面倒臭い設定まであるの!?》
諏訪子《まぁね、出来るっちゃ出来るけどねっ!器にかかる負担が大きすぎてブッ倒れまぁ〜す!
(多分そんな事ないと思うけどね!)》
どんだけ母さんを嫌ってんだ諏訪子…。そんなに後から母ポジに来られたのが気に入らないわけ?
早苗《じゃあ私も出来ないんですかぁ!?》
諏訪子《出来ませーんっ!残念でした〜!》
早苗《ムキィーッ!!》
ヘカT《あらぁ…?神綺さんは唯一神だから……多分、同時に出来ると思うけど?やっぱりそこは八百万の神とは違うわよねん♪》
神綺《そうなの!?》
諏訪子《チッ!》
ヘカT《ちなみに私も八百万じゃないからねん♪
多分、力貸せると思うわ〜》
諏訪子《何で皆して私とエスカルゴの恋路を阻むのかなぁ!?そこら辺、普通空気読まない!?》
神奈子(恋路とは(哲学))
ヘカT《時間が無いのよん、少しお黙り?》
諏訪子《はぁ!?ギリシャだか何だか知らないが後から来てイチャモンつけんの!?》
ヘカT《なら、地球に帰ったら勝負しましょう?それで満足してくれるかしら?》
諏訪子《…チッ!何なのさ、もう!良いもんね、私がいっちばん力貸しちゃうもん!》
ヘカT《力量に自信があるのは、あなただけじゃなくってよ♪》
神綺《世界を創造する私に力量で適うとでも?》
神奈子(あーうるさいうるさい…)
建御雷《頭の中でもハーレムとは。…大丈夫か?先程から黙っているが》
カルゴ《ごめん、うるさすぎて頭痛がしてきた》
諏訪へカ神《ごめん(なさいカルちゃん)…》
ちょっと…喋ってるの聞いてるだけでもキツい。
この力が流れ込んでくるとか大丈夫なのか…?
ヘカT《ともかく!今は全員力を合わせてよね!この厄介な結界を、即刻破壊するのよん!》
早苗《私は置いてけぼりですかぁ〜…》
建御雷《破壊破壊破壊ィ!》
諏訪子《よーしっ!》
神奈子《うむ》
神綺《八百万よりも強力な力…見せてあげるわ》
カルゴ「っっ────!!」
その瞬間、5柱の強力すぎる力が一気に俺の体に流れ込み…その猛烈な圧に耐えきれなかった俺の肉体・精神は限界突破し、一妖怪の枠に収まらず神の力に染まり…新たな境地に達した。
永琳「…あら?結界に反応が…」
鈴仙「へ?なんの結界ですか?」
永琳「都を囲む結界。あれを張るときは私も少し関わったからね、結界に何かあるとわかるのよ。霊夢とエスカルゴもそうだし」
鈴仙「あ…お師匠様も都創始者の1人でしたね」
永琳「でもやっぱり、賢者と科学と神の力には、流石に抗えなかったようね。あれを破るにはね、八雲紫のような頭脳、解析能力が無ければダメ。エスカルゴもそこそこ頭良いけど、所詮元人間。たかが知れてるわ。ゴリ押しなら何とかなるかもだけど…私と同じかそれより強い力じゃなきゃ」
鈴仙「それって、お師匠様なら都の結界を破れるということですか?」
永琳「そうよ」
鈴仙「ひえぇ〜…」
永琳「私たち月の賢者の結界とエスカルゴの力…あなたはどっちに勝ってほしい?」
鈴仙「うーん……。破ってほしいような、破ってほしくないような…。やっぱり、複雑ですね…。お師匠様とエスカルゴが戦ってるみたいで…」
永琳「…とりあえず彼を応援したらどうかしら?思いが届いて覚醒するかも…なんてね♪」
鈴仙「あははー…」
永琳「さ、月のことよりも、明日の薬売りの準備しなさい。まだ終わっていないでしょう?」
鈴仙「そっ、そうでした!」
その彼が頭痛に悩まされている頃…地上の永遠亭では、元月の兎と元月の賢者よる、そんな会話がなされていた。
そしてその直後、彼は神の力に染まるのだった。
〇〇専用の〇〇が発現。
これについての詳細な設定は次回かな。今言うと絶対ネタバレになるし。制約やそこら辺も。
インフレ……見方によればそうなりますが(実際そうだし)、○○○○ー○○では絶対に使えない〇〇にしてるのでそこは本当に安心して下さい。
次回をお楽しみに。
月都侵攻編のあとは、〇〇推しの人お待ちかねのアレが待ってるので、そちらもお楽しみに!!!
411話くらいにそれ書けたら良いなー。