2話に分けたくなかったので、少し長めですね。
次回は…恐れていたあの事態がとうとう…!?
カルゴ「たっだいま〜…ん?」
泥酔状態で萃香との行為を終え、朝方に目覚めた俺は、スキマではなく空から神社へと帰還した。
そこで、微弱ではあるが誰かの妖気を感じたが、寝惚けている俺は、「気のせい」と結論づけた。
カルゴ「霊夢…は、まだ寝てるか。霊愛らも多分まだ寝てるよな。…作り置きして二度寝すっか」
二日酔いのせいで頭痛が酷い。というか、全身がとてもダルいのだ。しかも何故か腰が特に痛い。腰が痛い理由は、変な格好で寝ていたからかも…としか考えられない。
カルゴ「あーもーダメ…寝る…おやすみ…」
4人分の朝ご飯を作り終えた俺は、それを近くの棚に仕舞い、布団も敷かずに、二度寝を始めた。
─────スキマ空間
霊愛「あっぶなー…ギリ間に合ったね」
霊麗「そーだね…こんな中途半端な時間に帰ってくるとは思ってなかったね。今4時でしょ?」
茜「私の妖気残ってない?大丈夫かな…」
彼女たちの父親が感じた「誰かの妖気」は決して勘違いなどではなかった。そして、妖気の主は、スキマ妖怪二世である茜だ。
子供たちは、このように不定期に集まって、情報共有や子供たちだけでの雑談をしている。当然、レイチェルはまだ参加したことは無い。解放区の際に、提案したのは穹だが、参加者をこのように1箇所に集めたのは茜だ。
霊愛「大丈夫大丈夫、萃香と酒飲んでベロベロに酔ってたっぽいしさ。ああなったら、警戒には値しないね。別な意味では気を付けなきゃだけど」
茜「酒癖悪いからね、お父さん…」
霊愛「まぁ、そのおかげで私たちが神社に居ない事がバレないから、今回は感謝だね。…で、まだお姉ちゃんたちは呼ばないの?」
茜「みんな着替えてるとこ。終わったら呼ぶね」
小さなスキマを複数開いて他の皆を見守っている茜は、霊愛の問いにも即答する。伊達にスキマを使っていない。
霊愛「皆?…あの馬鹿、いつも寝坊するのに?」
茜「何でも、妖夢のお祖父ちゃんが帰ってきて、すごく規則正しい生活を始めたみたいなの。妖舞から見たらひいお祖父ちゃんだね」
霊愛「妖夢のお祖父ちゃん…随分と長生きだね。半人半霊かな?」
茜「うん」
妖忌は、ハロウィンパーティもだが、そういった催しには顔を出さない。それ故に、妖忌の存在も顔も9姉妹の中では妖舞と茜しか知らないのだ。茜は、ちょこちょこ色々な所を覗いているので、他の家庭では知らない事でも頭に入っている。
霊愛「やっぱりか…。あの妖舞が規則正しい生活って、全く想像出来ないのは私だけかな?」
霊麗「私も」
茜「同じく。…あ、終わったから呼ぶね」
姉妹「うん」
暗めのスキマ空間にいくつもの太い光の筋が入り込み、それと同時に、いつものメンバーがそこに集合し、静かだったスキマ空間が煩くなった。
穹「おはようございますっ!こうして集まるのは久方ぶりですね!解放区直前以来でしょうか?」
弦月姫「ですね。あれからは色々と忙しかったりして、集まる機会はあまりありませんでしたし」
妖舞「はよ〜…。まだ寝みー…」
樹里愛「目、赤いね。どしたの?また泣いた?」
妖舞「う、うっせ!何でもねーし!」
霊愛「ひいお祖父ちゃんにシゴかれて、泣いたんでしょ?憐れな憐れな妖舞くん……ぐすん」
妖舞「嘘泣きウゼェェ!!」
弦月姫「あら?ひいお祖父さんなんて、白玉楼に居ましたっけ?」
茜「最近帰ってきたんだってさ」
弦月姫「なるほど」
巫月「おはよー」
霊愛「あれ、お姉ちゃん風邪?マスクなんて…」
巫月「ううん、保湿」
霊愛「な、なるほど…?」
巫月(声大き過ぎたかなー、少し喉が痛いよ…。でも鈴仙の方が大きな声で喘いでるし…。これは経験の差なのかなぁ…)
これにて、全員がスキマ空間に集結した。いつも話すのは、近況やその他雑談、遊びの計画等だ。今回は、他でもない霊愛が先に発言した。
霊愛「近況報告いい?解放区の時に軽く話した、お父さんの力についてなんだけど」
無言で霊愛に視線を向け、うんうんと何度も頷く姉、妹たち。それを見て、霊愛は報告を始める。
霊愛「…妖怪の山の裏にあるあのクレーターさ…解放区の時は『ホントかウソかよくわからない』みたいな結論に至ったじゃん?」
弦月姫「ですね。茜や穹お姉様の話でも、結局は伝聞な訳ですし」
穹「天魔様や母上の事ですしね、多かれ少なかれ誇張してそうですよね。10割が本当だとは、到底思えないですよ」
茜「まぁ…あのお母さんだしなぁ…少しわかる。疑いたくもなるね」
霊愛「で、私たちは『お父さんにそこまでの力があるのか?』って疑問を持った」
茜「そこまで強気のお父さん見た事ないし…ね」
霊愛「そうだよね。でもこの前、幻想郷の端で、お母さんと本気で戦ったんだ。もちろん、端って言っても、何も無い平野ってことね」
弦月姫「霊夢さんと…?」
穹「ええっ!?なんで私を呼んでくれなかったんですか!?撮影したかったですよぉ〜…」
霊愛「ごめんごめん。…でもね、激しすぎて私と霊麗の結界でもその余波を防ぎきれなかったの。お母さんもお父さんも『自分の身は自分で守れ』っていう考えだったらしくて、自分で張ったんだけどね。何回も結界張り直したよ。…ね?」
霊麗「うん」
妖舞「姉上の結界で防げないってどういう事…?あれ全く傷つかないんだけど…」
霊愛「妖舞は攻撃力が低いんだよね。お父さんの本気の攻撃だと…呆気なく壊されちゃった。結構自信あったんだけどね、ガッカリだよ。まさか、直撃してないのに壊れるなんてさ」
巫月「…私の攻撃でも、霊愛の結界って簡単には壊れないよね。私でもそんなに強い力は…見た事無いなぁ。(月での事は秘密にって言われてるし、黙ってた方がいいよね)」
霊麗「その攻撃の威力が、ホント凄かったんだ!地面がボッコボコに抉れて、山のクレーターとかよりも大きな穴が何個も空いてたんだ!」
両手を広げてその穴の大きさを示そうとする霊麗だが、手の長さが全く足りていない。
穹「いやいやいや、そんな攻撃を喰らって、霊夢さんが無事なはず無いですよ…」
霊愛「お母さんは穹みたいな全攻撃を無効化するチート技持ってるから無傷だよ」
穹「ひえっ……あぁ、確か前に言ってましたね。
『夢想天生』…でしたっけ?」
霊愛「そうそう」
弦月姫「地面はボコボコで本人はケロッとしてるとは…何だか恐ろしい話ですね」
樹里愛「それでそれで、最後はどうなったの?」
霊愛「最後は…真正面からぶつかったんだけど…お父さんが力負けしたよ。ていうか、お母さんの耐久力がえげつなかった。最後の一撃で、さらに大きな穴空いてたし…」
穹「うーむ…やはり生で見てみたいものですね。写真も撮りたいですし」
霊愛「あの様子を写真に納めるのはなぁ…文でも難しいと思う。なんて言うか、圧がすごかった。私たちとお父さんたち、50mは離れてたのにさ」
巫月(エスカルゴの本気、凄いなぁ…。神様の力無くても十分強いじゃん。で、神様の力が入ると限界突破してパワーアップ、か。あーあ、私にも霊力があればなー…)
穹「…そういえば、姉上も霊夢さんと同じ能力を持っていませんか?とすれば、姉上もその『夢想天生』を使えると思うのですが?…霊麗も」
霊愛「それ思った。けど出来ないんだよね。前にお母さんに聞いた所によるとさ、『程度の能力を極限まで高めた究極奥義』…って言ってたから、私はまだ極められてないんだと思う」
穹「ひぇぇ…最近は全く姉上に勝ててないのに、更に力をつけるというのですか…」
霊愛「そう簡単には行かないと思うけどね。でもお母さんは10代前半で『夢想天生』会得したって言ってたから、私もイケるよ、きっと」
穹「もう10代前半ですしね、姉上は」
霊愛「いつかは、お父さんにも勝ちたいなぁ…。
…とまぁ、私からは以上だよ〜。今んとこは」
妖舞「はいはいはーい!次俺!次俺喋りたい!」
霊愛が話し終えるのと同時に、妖舞が大声で叫びながら手を上げる。そんな幼い男子特有の独特なノリに慣れていない幻想女子たちは、妖舞を鋭い目で睨みつける。
口を出すのは、いつも通り霊愛だ。
霊愛「煩いよ、普通に挙手すればいいじゃん」
妖舞「あ、うん…。えっと、俺のひい爺ちゃんについてなんだけどさ。白玉楼に帰ってくるなり、父上と激しい衝突したんだぜ!」
霊愛「激しいって言っても、お父さんが一方的に押したんじゃないの?」
妖舞「それがちげーんだよなー。あの人、すごく強くてさ。序盤は父上が押されてたんだ。重力の能力をかけたのに、空間を斬ったとか言って力を無効化してたしさ!」
霊愛「空間を斬るとか意味わかんない…さすがになんか嘘くさい…」
妖舞「いやまぁ疑う気持ちは俺もわかるけどさ」
弦月姫「しかし以前、妖夢さんは、剣を極めれば時間を斬ることも可能だ、と仰っていましたし…あながち嘘でも無いかもしれませんよ。妖舞…はともかく、妖夢さんは嘘なんてつきませんしね。それに、時間を操る私やお母様は、時間を集めて空間に作用させてますから…空間の事ならば多少学があります。そんな私から言わせれば、時間と空間は密接に関係しているので、時が斬れるなら空間も斬れると思います」
霊愛「妖舞は弦月姫の語彙力を見習いな」
妖舞「言い返す言葉も無い。…ひい爺ちゃんは、母上をすんごく可愛がってるらしくてさ。勝手に結婚してたり子供…俺を産んでることを知って、すごいショック受けてたぜ」
穹「自分が勝手に帰ってきておいてその反応…」
樹里愛「なんかドンマイ」
妖舞「…樹里愛は何も無いのか?」
樹里愛「んー…そうだなぁ…。ママはいつも通りだけど、諏訪子様が少しワガママになったかも。神奈子様とママとよくケンカしてるよ」
妖舞「ええ…」
穹「神の喧嘩とは恐ろしいものですね。それで、主な原因はなんですか?」
樹里愛「覚えてない…けど、ホントに大したことないことで喧嘩するんだよね。パパ、いつもその喧嘩止めるのに苦労してるよ」
茜「この前私が見たのは、早苗と神奈子と自分の胸のサイズの差についての喧嘩だね」
樹里愛「あったね〜そんな喧嘩も…」
霊愛「ん?お父さんってまな板派じゃない?別に喧嘩する必要ないと思うけど」
巫月「いや微乳でしょ」
霊愛「あっそうだった」
妖舞「幽々子様サイズじゃないのか?」
霊巫「巨乳派は黙れ、お前の好みは聞いてない」
妖舞「ひえっ」
穹「ぶっちゃけ、好みのサイズとか無いと思うんですが。だって鈴仙さんや母上、早苗さんなどはお見事な胸をお持ちですし」
霊愛「わかってないなぁ。お父さんはね、自分で好みについて発言してるんだよ。小さい方が好きってね」
巫月「『女を胸で見てない』とも言ってたね」
霊愛「うん。…結論、女の人たちが気にするほどお父さんは胸なんて気にしてない。これでしょ」
巫月「言えてる」
霊麗「そんな感じするよね。どちらかと言うと、胸よりも頬の柔らかさで判断してるんじゃないかって思うほど触りまくってるし」
巫月「そっちの好みはよくわからないなぁ〜…」
霊愛「そういえばここ数年、私触られてない…。何でだろ?」
霊麗「お姉ちゃんが前に拒否ってビンタしたからそれが堪えてるんじゃないの?」
霊愛「あー……何年前だろ。霊麗が1歳ぐらいの時だよね。…やっちゃったなぁ…」
霊麗「たまにはデレてみたら?いつものお母さんみたいにさ♪」
霊愛「えーヤだよ恥ずかしいし…」
霊麗「でもお母さんがトイレとかに行くと私たち3人だけになるけどさ、雰囲気悪いよね。未だにちょっとギスギスしてるし。それについてはどう思ってるの?」
霊愛「何とか…したいかな。息つまる感じがするんだよね、あの雰囲気は…」
霊麗「お姉ちゃんがちょっとデレるだけで、その現状がぶっ壊せるとしたら?」
霊愛「………善処する」
霊麗(何もしないパターンじゃないかなそれ…)
妖舞「俺なんて触られた記憶無いんだけど」
霊愛「男の頬触って何になんの?」
妖舞「んなっ…!俺だって、父上の子供だぞ!?なんで俺だけ!?」
霊麗「まぁまぁ。お父さんは女の頬にしか興味が無いんだよ。ていうか、お姉ちゃんから男として見られてるって言ってることに気付きなよ妖舞…だから馬鹿扱いされるんだよ?」
妖舞「気付けねぇぇぇ!!そんなの、直接言ってくれなきゃわかんねぇ!」
霊愛「だから馬鹿だって言ってんのに…。バーカバーカ(棒)」
妖舞「なんか悔しいぃぃ!!」
霊愛「じゃあ、何か問題でも出す?寺子屋行ってなくてもわかるほど簡単なやつ」
妖舞「よっしゃこい!」
霊愛「…紅魔館からバスが出て、始めに3人乗りました。白玉楼で1人降りて、半人だけ乗りました。八雲さんちで2人降りて、結局乗客合計何人だ?」
妖舞「えーと…3…1…で2で、半分で…2人が降りたから…半人!」
霊愛「答えは0人だよ」
妖舞「なんで!?」
霊愛「幻想郷にバス無いでしょ」
妖舞「アッー!」
穹(それ、問題というよりもなぞなぞでは…)
霊愛「大体、バスわかんの?」
妖舞「知らん!問題だから人数だけ数えた!」
霊愛「そこは賢かったけど根本的にミスってる。残念でした。基本を忘れる者は強くなれないよ。お父さんもそう言ってるし」
妖舞「うわーなんか悔しいぞー!くっそー!」
地団駄踏む妖舞と、冷たい目でそれを見る霊愛。9人の中で唯一の男だからか、8姉妹との相性はあまり良くない。…特に霊愛との。
このままいつものように言い合いに発展するかと思われたが、穹が発言し、そんな空気を破った。
穹「ところで、父上と霊夢さんって頻繁にイチャイチャしていますよね?何の話してるんですか?あっ、あまりにプライベートな事は言わなくても大丈夫ですよ、ただの興味なので!」
霊愛「普通の話やら夜にしてほしい話まで、色々話してるね。でも最近は、なんか相談してるよ」
穹「相談?」
霊麗「3人目の子供の名前だね」
穹「えっ?霊夢さん、また妊娠したんですか?」
霊麗「ううん、まだみたい。…だけど、なんか…2人共ヤル気だね」
霊愛「因みに、2人共男子所望で合意してるよ。性別なんて運で決まるのに」
妖舞「弟!?」
霊麗「うん、弟」
霊愛「女多すぎだもんね、そりゃ男も欲しくなるってものだよ。どこかの誰かみたいに、トコトン馬鹿じゃなきゃいいんだけどね」
穹「候補としてはどんなお名前が?」
霊愛「今のところは、霊夢の霊と魔理沙の魔で、
『
穹「『れいま』では無いのですね」
霊愛「私もそれ思ったんだけど、聞いてみたら、語感的にりょうまの方が良いって言ってた。まぁ何となくわかるけどね。それに、れいまってのはあんまり良くないし」
霊麗「他の候補は…覚えてない。ほぼ確定だね」
霊愛「そだね。相談って言っても『他にいい名前無いかなぁ?』って感じだったし」
穹「ほぉ〜…10人目ですかー…。随分とまぁ数が増えましたね」
霊愛「そういえば、私たち上の4人と下の4人で差があるのはなんでだろ?年齢的な意味でね」
霊麗「お父さんがその気にならなかったとか?」
霊愛「んー…今のお父さんとあんまり変わらないような気がする。…ってことは、お母さんたちが妊娠を拒否したとか?」
霊麗「それもそれで想像出来ない…」
巫月「それよりも、性欲の塊の鈴仙が、2人目を欲しがらないことが不思議だなぁ」
霊愛「妊娠するとさ、しばらくヤレないじゃん?多分、ヤリたいから妊娠したくないと思ってるんじゃないかな?」
巫月「そっか。ほとんど会う度にヤッてるのに、中々デキないから、不思議に思ってたんだよね。咲夜さんって真面目だけど、普段はどうなの?」
弦月姫「お母様は、たまに時間を止めてお父様とイチャついてます。妊娠するかもっていうソレもたまーにだけしてますし」
穹「咲夜さんがですか!?…えぇ…父上にデレる姿があまり想像出来ないですよ…?完全で瀟洒なイメージが強いですし」
霊愛「それ絶対に他人は認知できないやつだ…」
弦月姫「時間を止められたら、実質上3人だけの世界ですからね」
霊愛「ていうかその時って弦月姫は何してるの?絶対暇だよね。特訓とか?」
弦月姫「昼寝か、おやつを作って食べてますね。植物さん達の時間も止まっているので、そちらの練習が出来ないんです」
妖舞「なんか楽しそう!」
弦月姫「お父様とお母様が別室に居れば私だけ。音の無い空間で1人は寂しいです」
妖舞「はっはー、もっと気楽に生きよーぜ?」
弦月姫「時間が止まった空間を体験してないからそんな気楽な事が言えるのよあなたは」
妖舞「いんや、姉上が寂しがり屋なだけだな!」
弦月姫「…よほど喉を掻き切られたいようね」
妖舞「ひぃっ!」
弦月姫がナイフを取り出すと、喉を押さえて逃げ腰になる妖舞。やはり馬鹿である。
弦月姫「ま、それはそれとして…。時間を止めなければ、お母様とお父様がイチャつくのは、現状だと難しいんです。夜は時間が短いですから…。お嬢様や妹様、レイチェルのこともありますし」
霊愛「なんか色々大変だねー…文はどうなの?」
穹「そうですねぇ…ここでは父上が母上にかなり甘えていますよ。『大丈夫ですか?おっぱいでも揉みます?』とか言っても、『ほっぺぇ…』と、それを拒否してますけど」
妖舞「えぇっ!?なんで胸じゃねーの!?」
霊愛「性癖が違うんだよいい加減黙ってよ」
妖舞「むぅ…」
またもや悪い空気になるが、今度は樹里愛がその空気を和ませるべく発言する。
樹里愛「あっ、そーだっ!私ね、やっと雹と霰の使い分けが出来るようになったんだよ!」
霊愛「それ、この前はできないって言ってたやつじゃん。おめでと」
樹里愛の天気操作も、ある程度細かい調整が効くようになってきた。雹と霰は苦手分野だったが、それができるようになったことを素直に褒める。
茜「私も少しは能力使えるようになってきた〜」
霊愛「茜は元々じゃ…」
茜「ううん、出来ないこともあるよー。私でも、人格の破壊とかは出来なかったんだけどね、昨日試しにやってみたら、割とできたんだ〜!」
霊愛「え、待ってそれどこの誰にやったの?」
茜「もちろん外の世界の人間だよ〜」
霊愛「なら関係無いか。妖舞の人格も、ちょいと矯正してあげてよ」
妖舞「!?」
茜「矯正はまだできないなー」
霊愛「残念」
妖舞「ほっ…」
茜「境界を操るとは言うけど、実質上は概念的なものを操る能力に近いんだよねー」
穹「同じでは?」
茜「意味的にはほとんど同じなんだけど…なんていうんだろ、少し違うんだよね。その気になれば記憶の書き換えも出来るよ?」
霊麗「書き換え!?」
茜「皆のその記憶は本物…かな?♪」
霊愛「こっわ…」
妖舞「俺のは本物だな!鮮明に覚えてるし!」
茜「鮮明に書き換えてたら?書き換えられても、本人は一切認知出来ないよん♪」
妖舞「うっ…」
茜「…安心してよ。お父さんと皆、そのお母さんたちには手出ししないから」
巫月「ならいいんだけど…」
ここで会話が一旦途切れ、そろそろ解散かな、とほとんどのメンバーが思った頃、またもや霊愛が口を開く。
霊愛「弦月姫、草も操れるんだよね?私たちの前では全く見せないけどさ、お父さんや早苗、叔父さんには披露したの?」
弦月姫「? いいえ?草はあまり操らないですね。戦闘にもあまり使えませんし、観賞用にしても、まだまだ物足りませんし。何故です?」
霊愛「そうなんだ。お父さんと早苗と叔父さん、たまーにだけ『草生えるわ』って言ってるから、弦月姫のそれかと思った」
弦月姫「あぁ、お父様からたまに聞く、謎の言語ですね。きっと、外の世界の言葉なのでは?」
霊愛「同じ日本人のはずなのに理解できないや」
弦月姫「ですね」
そろそろ話題も尽きたかなとそれぞれが思う中、次は穹が口を開く。やはり人数が多ければ簡単に話題が尽きることは無い。
穹「そうそう!私ですね、とうとう加速の能力を空間にも作用させられるようになりました!」
霊愛「?どゆこと?」
穹「その
霊愛「うーわ…」
穹「方向は一定に設定してますからね、私側から見れば加速してるのに、反対から見たら減速するという具合です!父上はこれについて『マリカのベルトコンベヤーみたいだ』と言ってました!」
霊愛「ベルトコンベヤー?なにそれ」
穹「河童の工場に行けば見られますよ!流れる床みたいなものですね!その上に乗ると加速または減速する、動く床なのです!」
霊愛「何となく理解した。つまり穹のは、それの床が無いバージョンなわけだ。でしょ?」
穹「そういう事です!空間に作用しますからね、鳥などの生命体は勿論、弾幕でも可能です!」
霊愛「すごく厄介なやつだ」
穹「また今度、勝負しましょう!」
霊愛「そだね」
穹「ただ、そのスペルの名前が思い付きません。何となくは思い付くんですけどね」
霊愛「じゃあさ、もうそれでいいんじゃないの?フィーリングだよフィーリング」
穹「あははっ、そうですね!」
弦月姫「空間に作用させる…恐ろしいですね」
茜「スキマは全て解決するけどね〜」
穹「それが怖いところです…加速と減速の境界を操るなんてことが出来るのかはわかりませんが、出来るとしたら、形勢が一気に逆転しますから。
今のところ、レイチェルの能力が不明なのが少し気になる所です。生後…1ヶ月くらいですよね?弾幕発射や武器生成といい、異常なまでの成長を見せてくれますね。いつの日か、強大な敵になるかもしれないですね。恐ろしや…」
弦月姫「確か…お父様と神綺様が能力についての話をしていたはずですよ。聞いていませんが…」
茜「レイチェルも、巫月お姉ちゃんみたいに能力2つ持ちだよ。ちょっと盗み聞きしてたもん」
穹「え〜…何故こうも2つ持ちなのでしょうか?私が言えたことではありませんけどね」
樹里愛「パパと神奈子様も能力の話してたよ〜。混血だと複数持ちなんじゃないかって言ってた」
霊愛「私1つなんだけど…」
妖舞「俺も1つなんだが…」
樹里愛「妖夢さんの能力ってパパのやつみたいにハッキリと目で見てわかるやつじゃないじゃん?多分そこら辺だよ。パパのを継いでないのは単に運が悪かったって感じ?」
妖舞「ちぇー」
霊愛「あ〜…確かにお母さんの血が強いかもね、私も妖舞も。…いや、それ言ったら全員だけど」
霊麗「私たちの中で、お父さんの血が1番強いのって…巫月お姉ちゃんじゃないかな」
巫月「ふふーん♪」
霊愛「雷を操る能力、超再生力…見た目は鈴仙で中身はお父さんだよね。程よく混ざったね…」
妖舞「俺って、見た目…顔は父上に似てるよな!てことは将来モテるんじゃね!?」
霊愛「『モテたい』って思ってるとモテないよ。それ以前に馬鹿はモテないけど」
妖舞「あのさぁ、そうやって誰かを馬鹿馬鹿言う奴が馬鹿なんだぞー?」
霊愛「実際妖舞は馬鹿だから。妖夢もお父さんも馬鹿じゃないのに…。隔世遺伝?」
妖舞「?」
巫月「そういえばエスカルゴ、『クソ親父はクソ馬鹿でクソ野郎だった』って言ってた」
霊愛「馬鹿も遺伝するんだね」
妖舞「か…かく、せ?なんだそれ…」
霊愛「…はぁ…」
巫月「穹、物理の勉強は続けてる?」
穹「もちろんです!姉上こそ、最近はどのような勉強をしているのですか?」
巫月「最近は、3次元+時間の、4次元について調べてるよ。永琳先生は博識だし、本もいっぱい持ってるんだよ」
穹「時間といえば、ここに時間のエキスパートが居ますね。弦月姫は、4次元について何か知識はありますか?」
弦月姫「無いですね…」
巫月「…時間は操れなくても、空間について理解すればあるいは…対策を練られたり、時間停止を無効化させられるかもね。ま、何十年もかけて、じっくりやっていけばの話だけどさ」
弦月姫「お姉様なら本当にやりかねませんね…。寺子屋へはまだ通っているんですか?」
巫月「うん」
穹「姉上のレベルだと、慧音先生を遥かに超えていると思うのですが…」
巫月「そうかもしれないけど…寺子屋ってやっぱ楽しいしね。文系はまだ苦手だから授業受けてるけどさ、それ以外は自主勉させてもらってるよ。教材は永琳先生の本ね」
穹「なるほど…」
巫月「穹は同じ天狗内では何かあったりする?」
穹「何かって…随分あやふやですね。特には無いですよ。男子達の目がいやらしいのを除けば」
巫月「あーわかる…。里に行くと、男の目が醜く歪んでこっち見てくるんだよね…」
弦月姫「ホント嫌ですよねあの視線は…。悪寒がしますよ…」
霊愛「でもお父さんがそばに居ると畏れるような視線に変わるヤツだ」
巫月「そうそう!やっぱエスカルゴ居なきゃね、まともに里で行動できないよ。里の中で力を解放するのはあんまり望ましくないから」
霊愛「もし被害出たら博麗の巫女が動くから気を付けてね」
巫月「わかってる。…里行くのやめよっかなー…気持ち悪い思いしてまでお団子食べたくないし」
霊麗「お団子食べてるんだ…」
巫月「うん。もし、私にも分身が作れたら、エスカルゴの姿にして一緒に団子屋行くのになー」
霊愛「分身に嫉妬しそう」
霊麗「独占欲強いからね、お父さん」
弦月姫「ですね。……ところで最近、やけに美鈴さんが上機嫌なんですが、誰か理由知ってます?いつも鼻歌歌ってたりするんですけど」
霊愛「紅魔館に住んでる弦月姫が知らないんなら私たちは知る由もない……あっそうだ、茜は?」
茜「知ってるけど言わない方がいいかも」
霊愛「やっぱり知ってるんだ…」
弦月姫「言わない方がいい、ですか?了解です」
巫月「歌って何を歌ってるの?」
弦月姫「『はるがきた』ですね。リピートしてるおかげで頭の中でもグルグルしてますよ…」
霊愛「それ美鈴に春が来たってことじゃない?」
妖舞「まだ真冬にもなってないぞ?」
霊愛「そういう意味じゃないから。察して?」
妖舞「?????」
弦月姫「なるほど、納得です」
穹「しかし、美鈴さんの想い人って…あっ…」
巫月「やっぱり…」
7姉妹「エスカルゴ(父上)(お父様)(お父さん)…」
霊愛「何人目なのさ一体…茜わかる?」
茜「ううん、流石に全員は把握できてないよ…。地底の何人かとも関係持ったらしいけど」
霊愛「あ、それなら本人から聞いたよ。さとりとお空の2人だってさ。こいしは、遊び半分なのか本気なのかまるで分からないから除外とも」
霊麗「吸血鬼のチャームスキル…なのかなぁ?」
弦月姫「そうなんですかね…。特定の誰かにだけチャーム出来ればいいんですけどね」
霊愛「特定の誰か…って誰に?お父さんとか?」
弦月姫「えっ!?ち、違いますからね!?なぜ、実の親にそんなことを…!?」
霊愛「弦月姫ってお父さん好きそうだしさ」
弦月姫「ちちち違いますっ!もうそろそろ朝食の仕込みをしますので帰ります!茜、帰りのスキマお願いします!」
茜「はーい」
弦月姫「ではまた!失礼しますっ!」
茜にスキマを開いてもらった弦月姫はそれに身を投じ、スキマ空間から姿を消した。
霊愛「あちゃー…からかい過ぎちゃった?」
穹「いえ、真っ赤だったので図星だったのかと」
霊愛「だよね」
樹里愛「怒ったんじゃないの?」
穹「弦月姫が怒ると先程のように静かにナイフを取り出すので違いますよ、樹里愛」
樹里愛「そっか」
妖舞「怒ると怖いからなー姉上は」
霊愛「怒らせるあんたが悪い」
妖舞「怒らせてないけどなぁ」
霊麗「そこだよ、そこ。そういう所でお姉ちゃん怒るんだよ?」
妖舞「そこぉ?わっかんねー…」
霊愛「封印されたくなければ黙りなよ。私の気はそんな長くもたないよ」
妖舞「へいへい」
穹「…さて。話題も尽きましたし、そろそろ解散としますかね」
巫月「だね。もう朝だし」
霊麗「うん。お父さんなら朝ご飯作ってくれてるかもだしね」
霊愛「うーん…多分、今は二度寝してるでしょ。萃香と飲むといつも二度寝するしさ」
霊麗「そっか」
妖舞「今日も一日頑張りますかね…はぁ…」
樹里愛「ため息つくと幸せ逃げるよ〜」
茜「今日は何の練習しようかな〜」
こうして、朝早くから始めた集まりを終えた子供たちは、それぞれの日常へと戻っていった。