女苑「ねー、まだお金くれる気にならないの〜?女苑ちゃんがオネダリしてるゾ♪」
カルゴ「しつけーな…ビタ一文やりゃせんよ」
女苑「ケチぃ〜…」
カルゴ「…ここの代金は払うからもうマジ黙れ…頼むから…。そんでもう絡まないでくれ。そんで今日はもう帰ってくれ…」
女苑「もし次もまた絡んできたら?」
カルゴ「意識トブくらい犯して孕ます」
女苑「…よくこんな店の中で堂々と言えるわね、あなた…。本当に恐ろしい男…」
カルゴ「フン…」
女苑「うん、割と美味しかったわ。…ねぇ、少しだけ貢いでくれない?何でも言う事聞くからさ」
カルゴ「………」
女苑「お・ね・が・い♡」
手を合わせて可愛らしくオネダリする女苑。少し昔の俺なら…確実にオチた。が、今の俺はそんな色目を使ってもオチない。
カルゴ「…しゃーないな…」
女苑「おお〜!よっしゃぁっ、やっとオチた!」
カルゴ「ちょっと来て。耳貸して」
女苑「ん?イイよイイよ〜!」
手招きをして女苑を呼び寄せヒソヒソ話を始める
…フリをする。
カルゴ「檻よ降り注げ」
ガシャンガシャンと大きな金属音を立てて三重の檻を降らせ、身動きを取れなくさせる。しかし、外側の檻が机と女苑の椅子を粉砕してしまった。危うく、俺の足まで潰れてしまいそうになった。
女苑「きゃあっ!?ちょっと、何よこれ!?」
カルゴ「言っても分からんようだからな、白蓮の所に連れていく。長々しい説教でもしてもらえ」
女苑「イヤァァァ!!あそこはイヤァァァ!!」
出してくれと叫ぶ囚人のように、檻を掴んで声を上げる女苑。客の視線が集まり始めたので、早くここを退散しなければなるまい。
店員「あ、あの〜…」
カルゴ「すいません。彼女が座ってた椅子と机を粉砕してしまいました。ガレキの片付けと弁償はしますのでどうか許して下さい。……黒塗りで、背もたれの柱は4本か。……ほいっ」
店員「すみませんねぇ…」
カルゴ「いえいえ、こちらこそすいません」
女苑「どんな交渉術よ…」
カルゴ「ガレキはスキマで…無縁塚に送るかな」
床にスキマを開いて、檻に押し潰されて粉砕した机と椅子を無縁塚に送る。そういえば、コップと皿も割れていたので、それも創造魔法で創り上げ欠片は無縁塚へ飛ばす。後で燃やそう。
会計を済ませた俺は、檻に入れた女苑をスキマで命蓮寺の庭へ落とす。そばには縁側があるので、誰かしらが発見していることだろう。
カルゴ「お会計オナシャス」
店員「はいはい、ええと…」
会計を済ませた俺は、スキマを使って退店する。その先は、檻を落としたあの場所だ。…予想通り何人かは檻に群がっていて、檻の中にいる女苑を大笑いしていた。
ぬえ「あはははっ、捕まってる女苑面白〜い!」
星「何度も迫れば流石に怒りますね。…ぷぷっ」
女苑「笑ってないで出せぇぇ!!!」
星「今、ナズーリンが白蓮を連れてきますから、少々お待ち下さい」
女苑「ぎゃあああああああ!!!」
カルゴ「オッス、久しぶり」
獄中の女苑には目もくれず、星とぬえにいつもの軽い調子で手を上げる。俺に気付き、星は丁寧な挨拶を返し、ぬえは人懐っこい笑顔で手を振る。
一輪と雲山は縁側からこちらを見て笑っている。
星「おや、噂をすれば。お久しぶりです」
ぬえ「やっほ〜!またまた女苑に迫られたんだ、大変だね〜」
カルゴ「ホント大変だよ。…白蓮は今どこに?」
星「今ナズーリンが呼びに行っているので、安心して下さい」
カルゴ「おお、呼ぶ手間が省けたぜ、サンキュ。良かったな、女苑」
女苑「イヤだぁぁぁぁぁ!!!」
直後、屋内から縁側にナズーリンと白蓮が来た。
やはり、いつ見ても白蓮は神々しく感じられる。
だが俺はそんな白蓮が酷く苦手である。
ナズ「こっちこっち…あ、あの男は…」
白蓮「…!お久しぶりですね、エスカルゴさん」
カルゴ「……。久しぶり、白蓮。女苑がしつこく迫ってくるからつい連れてきちゃった。また説教お願いしたいんだけども…」
白蓮「分かりました、女苑は引き取りますね」
カルゴ「ありがとう」
女苑「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!ここから出せェェエエエエ!!!」
格子を強く握り、叫びまくる女苑。それを見て、さらに大笑いするぬえ。このまま帰ろうとすると何故か白蓮が俺に目を向ける。
白蓮「ところで、エスカルゴさん?」
カルゴ「ん?」
白蓮「風の噂で聞きましたが…とうとうあの幼い吸血鬼にも子供を産ませたそうですね?」
カルゴ「げっ……誰だよそんな噂流したヤツ…」
白蓮「これは事実ですか?」
カルゴ「うん、事実だね。幼い吸血鬼っていうかレミリアの事なんだけど」
白蓮「あなたは本当に見境が無いですね…何年か前にもここで説教したはずでは?」
早苗が孕む少し前の話だったか。…てことは茜や霊麗、妖舞、樹里愛が生まれるおよそ1年前か。いやはや、時が流れるのは早いものだな。
カルゴ「あれからさらに子供5人増えたけどね」
ぬえ「凄っ!?」
白蓮「少し説教をします。中にいらっしゃい」
カルゴ「…とか言われて、この俺が『はい』って素直に頷くとでも?」
白蓮「あなたなら或いは。事実、あの時は素直に応じてくれましたからね」
そう言って、柔らかく微笑んだ白蓮。その笑顔に魅せられ、一瞬だけ『行こうかな』と思ったが、咲夜さん以外の説教はゴメンなので、俺の答えは
「逃げる」一択だと強く思い直した。
カルゴ「そりゃあ…まさかあんな長い説教だとは思わなかったからな。という訳で俺は逃げるぞ」
カルゴ「檻よ降り注げ!!」
白蓮「ッ!!」
白蓮を檻で囲むことに成功した。このまま俺は、逃げ仰せてみせる。
白蓮「逃がしませんよ!フンッ!!」
カルゴ「うわぁ怪力!!」
身体強化したらしい白蓮は、女苑すら破ることが出来なかった檻をいとも簡単に破壊し、脱出して俺を追いかけてくる。急いで飛ぼうとすると俺の右手を掴んで引き止める白蓮。
カルゴ「うわああああ俺が捕まったぁぁぁ!?」
女苑「はっはぁーっ!ざまぁ見なさい!!」
白蓮「ふふっ、逃がしませんよ♪」
カルゴ「いや、逃げてやる!雷武器『雷刀』!」
白蓮「!!!」
左手に刀を出し、肩から腕を切り落としてトカゲの如く逃げる。
カルゴ「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙
腕は再生するが、痛みが激しかったので、思わずそんな声が漏れてしまった。
白蓮「星、ナズ、ぬえ!みんなで追いますよ!」
3人「はい!」
女苑「いけいけー!捕まえちゃえー!」
ああもう、スキマ開いちゃ─────。
一輪「雲山、正面!」
雲山「フンッッ!!!」
カルゴ「うわわっ!?」
前に向き直ると雲山の巨大な拳が目の前に迫っていた。俺は慌てて足元にスキマを開き、スレスレで雲山の拳を躱した。
一輪「あー逃げられたー!ちょっと雲山〜!」
雲山「スマン…」
白蓮「そう雲山を責めてはいけませんよ、一輪。彼の事は放っておきましょう。今更私が言っても彼の生き方は変わりませんから。はぁ…」
全員(聖(白蓮)が匙を投げた…!?)
白蓮「────さて。こっちはこっちで、説教の時間ですよ、女苑?」
女苑「ひぃぃぃぃぃっ!!!」
旦那が女苑に絡まれ始めた頃。あの手紙を読んだ霊夢は、紅魔館へ到着した。門前には、フラン、レミリア、咲夜、鈴仙、巫月、諏訪子と、それに加えて、萃香が仁王立ちしていた。さらに、その上空では文がいつものカメラを構えてその様子を見下ろしていた。
霊夢「…レミリア?どういう事よ、この手紙は」
レミィ「内容の通りよ」
霊夢「今更、この流れに不満があるって何でよ?何で今まで何も言わなかったのよ?」
咲夜「あなたって、いつも『退治してやる』って言って私たちを黙らせてきたわよね?その事にも不満があるって言っているの。旦那様を愛してる事は私たちも同じなのに…。何故こうもあなたは旦那様を独占しようとしているのかしらね?」
霊夢「…あの事件の事忘れたのかしら?」
咲夜「忘れるわけが無いでしょ。でも、その事とあなたのその判断はまた別よ。何故、博麗神社が2日に1回なのかしら?」
霊夢「私が1番の妻だからよ」
咲夜「…この際だから言わせてもらうけどね…。それが一番気に入らないのよね。順番なんて関係無いでしょう?それにね、旦那様が多くの女性にモテるのは周知の事実。妹様以外の女性はそれを利用して旦那様との繋がりを手に入れた。だから更に彼女が増えても、特に口出しはせず、平等に共に刻を過ごしてきた。なのに、何故あなただけその和を乱すようなことをするのよ?」
霊夢「じゃあ退治されたいのかしら?」
咲夜「そうやってあなたは独占しようとする…。それに不満がある人は多いのよ。…今日は私達があなたを退治してあげるわ」
霊夢「…!やれるものならやってみなさいよ!」
咲夜「賭けるものは『旦那様と過ごす時間』よ。私達が勝てば…博麗神社には5年泊まらせない。この数字は、あなたが旦那様を独占した年数よ」
霊夢「知ってる」
咲夜「あなたが勝てば…このままで良いわ」
霊夢「はぁ?何で?」
咲夜「…?不満でも?」
霊夢「それじゃあ現状維持じゃないのよ。もしも私が勝ったら、1ヶ月間ずっと博麗神社よ」
咲夜「なっ…!?」
レミィ「流石に横暴過ぎるわよ霊夢!」
霊夢「?別にアイツを監禁するわけじゃないし、こっちに来させるけど?」
咲夜「来させる…ですって…?その上から目線が気に入らないと言ってるのがまだわからない?」
霊夢「別にあんたに気に入られなくてもねぇ…。私は私だし。で、ノるの?ノらないの?」
フラン「ノらない!」
咲夜「不満があるのはこの『現状』。だからこの
『現状』を変えるために勝負を挑むの。あなたが条件を提示する権利はない」
霊夢「チッ…しょうがないわね。その条件のんであげる。さぁ、かかってきなさい!」
霊夢が御札とお祓い棒を構えると、門前で彼女を待ち受ける側も身構える。
咲夜「諏訪子さん、足止めしてくれる第三者とやらは大丈夫なんですか?」
諏訪子「もう少し…あと30分くらいかかる…」
萃香「大丈夫だよ、天人を通して疫病神を行かせたから!」
諏訪子「何で疫病神なのかなぁ…。まぁ私の加護が勝るから大丈夫だけどさ」
霊夢「何ゴチャゴチャ喋ってんの!いくわよ!」
レミィ「皆、やるわよ!」
フラン「うんっ!」
咲夜「今度こそ…!」
彼が女苑と茶屋に入った頃。ついに霊夢とその他
彼女(嫁)たちとの衝突が始まった。彼は、未だに
そんな事が起こっているとは知らない────。