カルゴ「…はあぁぁぁ〜〜……」
守矢神社にて、諏訪子の肩を抱いたまま目覚めた俺は、寝起き早々、大きな溜め息をついた。俺の身体も枕も酷く汗びっしょりだった。気持ち良く眠れたと思ったら、最悪な夢を見てしまった…。
これは予知夢であり、未来に必ず起こることだ。
数年前とは違って予知夢の内容は把握出来ているので、どうにかして回避をしたいのだが…。俺の予知夢には必ず幾つかの欠点がある。
予知夢の内容としては「大人っぽい誰かとショタ建御雷と俺の3人で人里内を歩いてて、建御雷が
『〇〇で〇〇食べたい!』と、子供らしさ全開で駄々をこね始め、その現場を鈴仙に見られ、その大人っぽい誰かとの隠し子だと勘違いされ、他の彼女や嫁たちに広められ、弾幕地獄に遭う」という、酷い内容だった。
今回の欠点としては「大人っぽい誰か」と人里の店の1つであろう「〇〇」がわからないことだ。
そもそも何故、その誰かさんと建御雷と俺で里を歩くなんて状況なのだろう。誰かとは誰だろう。
ああ、頭が痛い……。
諏訪子「ん…もう起きてたんだ、おはよ…」
カルゴ「おはよう」
諏訪子「へくしゅっ…なんか寒いなぁ…」
小さく震えた彼女は、白い息を吐きながら両腕をさする。寒いのは仕方ない。
カルゴ「そりゃ裸だし。しゃーない」
諏訪子「うわぁぁっ!?何で裸なの!?」
やっと気付いた諏訪子は慌てて胸を隠すが、特にその行動に意味が無いことがわかったのか、すぐその腕を下ろした。
カルゴ「確か昨日の夜、歯磨きしたあと夜中までずっとヤリまくってたからだと思う。でも長時間続けて疲れたからか、諏訪子が寝落ちしたんだ。服着せようと思ったが、俺も寝落ちしたらしい」
諏訪子「寝落ちっていうかな…気絶に近いような気がするけど…」
カルゴ「諏訪子が気絶したことあったっけ…?」
諏訪子「んー…無いかも。じゃ、お風呂行こ!」
カルゴ「ああ」
そうか、守矢神社で見た夢だから建御雷が夢にも出てきたのか。建御雷はこの守矢神社に住んでるから、俺がここから出かけようとするとアイツが俺についてくるってわけだ。
だけど、俺が今日宿泊するのは永遠亭。共に歩くならば鈴仙か巫月、もしくは鈴仙と巫月、更には輝夜くらいしか有り得ない。だが輝夜なんてそう外には出ようとしない。またあのエロゲで自慰に勤しんでいるから。だが………そうか、輝夜か。あの大人っぽい誰かは輝夜だったのか。
ショタ建御雷の髪色は黒…輝夜も黒。俺もだが。
なるほど、これならば俺の隠し子だと思われても仕方ない組み合わせだな。しかし、鈴仙も輝夜も同じ場所に住んでいるのに、鈴仙が輝夜の妊娠に気付かないなんてことが果たして有り得るのか?
というか輝夜が大人っぽいだと?…見た目ならば確かに落ち着いた雰囲気で大人っぽいとは思う。だが輝夜が大人っぽいなんて、俺には思えない。めっちゃわがままだし。
諏訪子「どしたの〜?難しい顔してるよ?」
カルゴ「いや、何でもないよ」
無論、諏訪子でもない。何をどう見たら諏訪子が大人っぽく見えるのだろう。どう見ても子供だ。それが魅力だから別に良いんだが。
っていうか、「大人っぽい誰か」を考えるより、建御雷がついてくるのを拒否すればいいんじゃ?
うわ俺天才!そうすりゃ2人でデートじゃんか!
どこの誰かもわからないけど!
俺の彼女達の中でも、大人っぽいのは誰だろう。
咲夜さん…美鈴…慧音…純孤…早苗…妖夢かな。
さとりは見た目こそ子供だが中身は大人っぽい。
けどここで言う「大人っぽい」はきっと見た目の事だと思うんだよな…直感的に。ならお空も…?
あー余計ゴチャゴチャしてきたよ…。
カルゴ「それじゃーまた今度な」
諏訪子「うんっ、またヤろーね!」
今日は昼前から永遠亭に向かおう…と思っていたのだが、あの予知夢の事もあり、少々俺の行動を普段と変えてみようと思う。
建御雷「おっ、どこか行くのか?どこに行くのか知らんが我もついて行っていいか?邪魔はせん」
そらきた。
カルゴ「悪いが、俺は1人で行動したいのでな」
建御雷「チッ、つまらん。なら神奈子にでも相手してもらうか」
カルゴ「そーいや天魔はどうだったんだよ?」
建御雷「取るに足らぬ。神綺の方がよほど強い。神代の頃の諏訪子や神奈子もな。…うむ、神綺の方に行くか」
カルゴ「母さんには手出しさせねぇぞ」
建御雷「クハッ、このマザコンが。よし神奈子!我の相手してくれ!」
子供らしくタタタッと走り、建御雷は守矢神社の屋内へ戻っていった。神奈子と交渉をするつもりなのだろう。
カルゴ「じゃ」
諏訪子「うん!またねー!」
往来用のスキマを開き、俺はその中に飛び込む。出口は、純孤の仙界だ。