※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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擬似雷神と覚醒魔女

カルゴ「…そうだ。弾幕ごっこやるんなら、神社守る結界作っとかないとな。霊夢、頼む!」

 

背後にいる霊夢に頼んでみる。

 

霊夢「霊力使わないならあんた張れば?」

 

カルゴ「そうしたいが…俺の結界の強度は霊夢も知ってるだろ?霊夢より数段劣る。強度だけなら霊愛にすら負けるかもしれないレベルなんだよ」

 

魔理沙「思ったよりしょぼいな」

 

カルゴ「そうストレートに言ってくれるな…」

 

魔理沙(…ん?霊愛に負けるかもってレベルで、あの強度なのか?エスカルゴでそれならやっぱり霊夢と霊愛はヤバいな…)

 

霊夢「はいはい、神社は私が守るわー」

 

カルゴ「助かる…」

 

霊夢が結界を張ったのを見て、改めて魔理沙正面から向き合う。魔理沙は、自信に満ち溢れているような晴れやかな表情をしている。今回の戦いのことを全く不安には思っていないらしい。

俺たちの戦いは、時として自然すらも蹂躙する。

その際は、荒れた自然を直すために母さんを召喚して、土や木などを創造してもらったものだ。

小規模なら俺も可能なのだが大規模だと無理だ。

「少しは加減を覚えなさい?」と注意されるが、戦いに夢中になると相手にしか目がいかなくなるのが暴走中の悪いクセだ。要反省である。

まぁ今日は雷と魔力だけなので、俺の「人格の」暴走の心配はない。

 

魔理沙「ルールはいつも通りでいいよな?」

 

カルゴ「その方がいい」

 

俺がそう答えると縁側から霊夢の不満そうな声が飛んでくる。

 

霊夢「毎回思うけど、スペルカードルールに違反してない?枚数設定とか無しじゃない」

 

そうだ、俺たちが普段行っている弾幕ごっこは、枚数の制限や被弾の回数など特に決めていない。決めているのは、勝敗の付け方くらいだ。

しかしそれならば俺たちにだって言い分はある。

 

魔理沙「逆に問うがな、異変解決の時にいちいち枚数設定しているのか?設定した記憶が無いのは私だけなのか?」

 

カルゴ「俺も無い」

 

霊夢「ぐう正論」

 

そう、異変解決の時には設定していない。ならば

「模擬異変解決」とすれば、この弾幕ごっこにも制限はつけられない。それが魔理沙の言い分だ。

俺も全くの同意見である。

格式ばったルールよりも、気楽に安全で楽しめるこちらの方が割と合っている。輝夜曰く「格ゲーみたいで楽しいわよね!確かに、美しさも重要。だけど、魔理沙が言うように『弾幕はパワー』!お堅いルールは捨て置きましょう♪」とのこと。

異変解決の時は、美しさを競っていないと思う。

通常弾幕だけで突破することすらあるのだから。

 

魔理沙「異変解決だって殺し合いじゃないんだ。ルールに則り枚数を設定すべきだと思うんだが、そこん所はどうなんだよ?ん?異変解決を生業としている霊夢さんよ?」

 

霊夢「あーもーうっさい!わかったってば!」

 

魔理沙「へへっ、論破してやったぜ♪」

 

カルゴ「流石だ」

 

短く言葉を送って、戦闘態勢に入る。俺の魔力は少ないので、通常弾は電力弾にするべきだろう。そもそも魔理沙相手に魔法を見せるタイミングがあるのだろうか。俺の魔法は彼女の魔法と違って詠唱するタイプだ。だがそんな隙は無いと思う。

…とすれば、スペル化させている魔法に限定して使っていくべきだろう。

殆どの年月を電力で戦ってきたのだから、ここで電力を使ったらいつもと変わらない戦いになる。

無属性魔法のバリエーションも増えたから、今日ここで披露すると考えれば……うむ、悪くない。

 

魔理沙「私も魔法の改良や開発をしてきたんだ。今は負ける気しないぜ!」

 

カルゴ「悪いが負ける気しないのは俺も同じだ」

 

魔理沙「だったら…そうだ、何か賭けしないか?

『勝った方は負けた方に1つ命令できる』!!」

 

カルゴ「いいね、面白そうだ。やろう」

 

爽やかな微笑みでそう返す。余裕ぶっているわけではない。自分を落ち着かせる為に敢えて偽りの平静を装っているのだ。

 

霊夢(どちらが勝っても面白い事になりそうね)

 

魔理沙「よっしゃ、いくぜっ!はあぁっ!」

 

カルゴ「ふんっ!」

 

相変わらず魔理沙の弾幕は綺麗だ。星型で、クルクルと回転しながら何重にも重なり俺に向かって飛んでくる。

相変わらず密度が濃い。だが、まだノーマルってところだろうか。まだまだ力を残している。

魔理沙は俺の電力に限界があると思っているので少しでも削ろうとしているのだろう。流石の俺も戦闘中には充電出来ないのだから。

電力を削るのが魔理沙の策なら、そんな策に乗る道理はない。無尽蔵であっても、乗りはしない。

先手を打たねば。

 

カルゴ「雷雨『地を濡らす天照雨』!」

 

降ったり止んだりの雨のように落ちたり止んだりする不規則な雷のスペルを発動させる。不規則なスペルは避けるのも作るのも苦手だ。

 

魔理沙「っ…先手を打たれたかっ…うわっ!」

 

カルゴ「不規則…そして…美しい。だろ?」

 

魔理沙「はは…チカチカして目が痛くなるぜ…!魔符『ミルキーウェイ』!」

 

カルゴ「────ッ!!」

 

大きな星弾幕を螺旋状に発射しながら左右からも小さな星弾幕を発射する。3方向からの弾幕だ。これも割と苦手なパターンだ。苦手意識が未だに拭えていない。さとりに特訓をお願いしたいな。

 

カルゴ「なぁ。魔理沙の弾幕は魔力弾だよな?」

 

魔理沙「そうだぜ」

 

カルゴ「なら……!魔空『魔力増幅(キャパシティレイス)』!」

 

魔理沙「ん……?」

 

これも、パチュリーから教えてもらった魔法だ。

魔力の上限を一時的に上げる。そう、あくまでも一時的なので、油断は出来ない。

魔力増幅の文字をとるが、実際は増えていない。

俺の魔力の上限を1000としよう。そして、現在の

魔力は満タンとする。この魔法を使い、一時的に

容量を増やすと、上限が10000になるが、魔力は

1000のままだ。

が、俺の作戦はここからだ。

 

カルゴ「大魔術『魔力吸収結界』!!」

 

俺と魔理沙を大きく囲うように魔力による強固な結界を張る。すると、魔理沙は目を見開く。

 

魔理沙「おいおいおい…当たった弾幕が…っ!」

 

俺が避けて行き所を失くした弾幕は結界に当たり吸収された。その魔力は、俺の中に還元される。

 

カルゴ「あぁ…俺の中に魔力が満ちてくる…」

 

魔理沙「どういう事だ…!?こんな魔法が使えるなんて…。ふっ…見くびってたぜ、へへへ…!」

 

カルゴ「せっかく魔力があるんだから鍛えないと勿体ないものな。満タンまで溜まれば大技の発動だぜ、魔理沙…!」

 

魔理沙「楽しみたいが…お前の大技はヤバいし、逆転されるかもだからな………よし、その結界を破壊するぜ!」

 

カルゴ「!!」

 

すると、魔理沙は弾幕の発射を止めてミニ八卦炉を俺に向ける。否、俺の頭上に向けた。背中を向ければ俺に攻撃されるのを見越してのことだろう。

 

魔理沙「恋符『マスタースパーク』!!!」

 

カルゴ「うわわわっ!?」

 

すんでのところで左側に回避できた俺は、右側の焦げた髪を撫でながら、結界に魔力を流し込む。もしも結界が破壊されれば、背後の霊夢の結界に被害が及ぶ。それは少し避けたい事態だ。

 

魔理沙「うおおお!!壊れろおおおおおっ!!」

 

カルゴ「うぉっ…すげーな魔理沙…へへ、へ…」

 

魔理沙が力を注ぐ毎に、とんでもない量の魔力が俺に流れ込んでくる。しかし破壊力が勝れば破壊される。今こそ拮抗しているが、吸収を終えれば追加で吸収できずに破壊されるだろう。

容量を増やすあの魔法は重ねがけできない。

 

魔理沙「もう一押しだァァァァッッ!!!」

 

すると、ガラスが砕けるような音が境内に響き、魔力による俺の結界は破壊され、マスパは霊夢の結界にぶつかり、彼女はマスパの発射を止めた。

 

カルゴ「っ!!壊れた…!」

 

魔理沙「よぉーしっ、壊してやったぜっ!」

 

確かに結界は壊れた。が、何とかマスパの魔力は吸収できた。俺の魔力は、平常時の上限を超えて満タンになった。数字で言うなら10000ほどだ。

 

カルゴ「でも魔力は吸収できたよ。何とかね」

 

魔理沙「なん……だと……!?」

 

カルゴ「魔力は異なるものを創造する魔の力…」

 

魔理沙「…?」

 

カルゴ「…一定以上溜めたこの魔力を、他の力に変換する技術も母さんから教わっている……が、それだと今回の制約に背くことになるな」

 

魔理沙「ほっ…。そうだぜ、驚かすなよ…」

 

10000の魔力から100の神力を生み出す。その際、

100分の1になってしまうので、大量の力が必要となってしまうのだ。その詠唱はそれなりの時間もかかるし、今回はどの道その技術は使えなかっただろうが…な。

魔力変換魔法は扱いが難しいのだ。

 

カルゴ「だからその代わりに大技をみせてやる。せいぜい驚きすぎて気絶すんなよ?」

 

魔理沙「ちっ…。ま、見ておいてやるよ」

 

カルゴ「紅武器『紅魔槍血(ブラッディ・グングニル)!!』」

 

ガリッと親指の付け根を噛みちぎって、流れ出る血液に魔力を込め、紅に輝く魔槍を生み出した。流体に形を与えるのは容易だが、このように固定するのは極めて難しい。氷でも、温度によってはいつかは溶ける。大体それと同じようなことだ。

刃先が欠けたり折れたりしたところで、この槍に込めた膨大な魔力が尽きぬ限り無限に再生する。

たとえ弾き飛ばされても、その魔力の持ち主へと返ってくる。が、この魔力はほぼ魔理沙の魔力。

つまりだ。この槍が俺の手を離れたが最後、槍は魔理沙へ向かい続けるのだ。

当然、俺個人の魔力でもこれは作れる。しかし、俺の魔力は少ないので、長時間は使えないのだ。雷武器は再生に雷エネルギーを使用しているが、この武器は魔力を使用している。少ない魔力を、武器の再生に使っていられるか、という話だ。

 

カルゴ「そぉぉぉぉ…れっっ!!!」

 

魔理沙「うおおおおい!武器投げるとか、なんて危ない事すんだ!恋符『マスタースパーク』!」

 

カルゴ「レーザーを放つ魔理沙が言えた事か…」

 

魔槍を投擲した俺はレーザーを回避する。しかし魔理沙は向かってくる槍を壊そうと、レーザーを槍に向けて発射するばかり。

 

魔理沙「なんだこりゃ、ホーミング機能かよ!」

 

カルゴ「ああ、そうだよ。魔理沙の魔力を主力に武器を作ったからな!!しつこく追いかけてくる武器なんて聞いたことないだろ!」

 

魔理沙「くっそぉぉ…壊せない…!」

 

赤黒い魔槍は、極太レーザーの中で破壊と再生を幾度となく繰り返しながら、確実に魔力の持ち主である魔理沙へと向かっている。

 

カルゴ「その隙に俺は魔理沙の背後に回り込んで弾幕の準備をする…っと。ふふっ、どうだ?」

 

魔理沙「マジかよ…!」

 

カルゴ「殆ど魔力だけで戦えるようになったな。俺も少しは成長したもんだろう?」

 

無論、誰かの魔力を吸収したら、の話であるが。

 

魔理沙「ああ…まさかここまでとは…驚いたよ、ホントにさ…。だがな、私はまだ負けないぜ!」

 

ポケットに手を入れる魔理沙。予備の道具か何か取り出すのか、と警戒した俺は、彼女目掛けて、電力弾を放つ。それらは、バリバリと激しく放電しながら魔理沙へ向かっていく。

被弾する…と思ったその時。

 

魔理沙(今だっ!)

 

彼女の姿が消え、マスパの発射が中断され、俺は魔理沙の姿を見失ってしまう。

 

カルゴ「はぁ!?ちょ、どこだ!?」

 

魔理沙「ここだぜ♪」

 

カルゴ「!!」

 

背後で、してやったりと言わんばかりの、弾んだ声が聞こえてきた。手刀で彼女を気絶させようと振り返るが、直後、腹に激痛が走る。

 

カルゴ「ごっ……ぼ…ぉ……」

 

俺の腹からは赤黒い魔槍が突き出していた。先程魔理沙に向かって投擲したものだ。

 

魔理沙「ちぇっ、もう少しだけでも上なら息の根止められてたんだがなぁ…」

 

カルゴ「ふ…ふふ、ふ…俺を盾に使ったのか…。大胆なことするじゃねーか、魔理沙ァ…」

 

抜くのは痛い。仕方ないので、武器を解除した。

その間彼女が攻撃してこなかったのはせめてもの慈悲なのか慢心なのか…俺には、知る由もない。

 

カルゴ「あーあ、クソ…せっかくの大技がな…。何で…いや、どうやって急に移動したんだよ?」

 

再生した腹を撫で、彼女を見やる。

 

魔理沙「ネタバレになるから言わないぜ。お前が勝ったら教えてやる。私が勝てば言わん」

 

カルゴ「いーね。是が非でも聞きたくなったよ」

 

そう言うと、魔理沙は改めて帽子を被り直して、箒を右手に持ち、両手を広げる。

 

魔理沙「だがもう本気出すぜッッ!!私は今日!この場で!お前に勝つッッ!!!ハァァッ!!」

 

魔理沙から感じられる力が急激に高まり始めた。

体調が良かった時のパチュリーのような…そう、大魔法使いと呼べるような、膨大な魔力だ。

そして、魔理沙から滅紫(けしむらさき)色の柱が立ち上ったかと思うと、そこには俺の知る魔理沙とは別な姿の…翼を生やした魔理沙が居た。

フランの翼に似ているが、結晶の色は白である。

 

霊夢「ちょっ…何よその姿!?」

 

縁側から霊夢の声が飛んでくる。俺なんか驚きで声も出ない。魔理沙が変身するなんて驚きだ。

そして、霊夢に答えるように軽く解説を始めた。

 

魔理沙「驚いたか?これは魔力の翼だぜ。魔力を高めることはできるが、あまりにも膨大だとな、どこかの誰かみたいに制御がしにくくなるんだ。そこで、魔力を何かしらの形にして制御しやすくしてやったってワケだ」

 

カルゴ「へぇ……!」

 

そんな事ができるのか…やっぱすげぇ魔理沙…!

 

カルゴ「その翼、千切れたら痛いのか?」

 

魔理沙「物騒だな…。これは魔力を翼の形にしただけだから、痛みは無い。触られても感じない。千切れたところで魔力は減らないからいくらでも再生可能だ」

 

カルゴ「……」

 

なるほどわからん。つまり今の魔理沙は今までの魔理沙よりずっと魔力の量が多くて、遥かに強くなってる。これは間違いないだろう。

あの量だと、結界を張っても、吸収する間もなく破壊されてしまうに違いない。ならば俺の手段は1つだけだ。

 

カルゴ「俺も本気を出させてもらうよ、魔理沙。勿論、雷の力でな」

 

魔理沙「おぉーよ!来い!!」

 

カルゴ「眷属『擬似神化』」

 

暴走『オーバードライブ』と同じように、今度は電力のリミッターを解除する。すると俺の体から白い光の柱が立ち上る。これは、電力が無尽蔵になったからこそ可能な芸当らしい。

 

魔理沙「眩し………えっ…」

 

光が収まり、魔理沙は俺を見て目を丸くさせた。

 

カルゴ「どうだ?」

 

頭上には輪っかがあり左目は黄色に輝いている。

雷神形態だ。…今回は、彼らの力は借りていないので、擬似雷神形態とでも呼ぶことにしよう。

 

霊夢「あんたも姿を変えんの!?」

 

「刻まれた記憶」。神になった時に、母さんから後天的に刻まれた自分に関するデータ。これには容姿、自分の持つ力、使い方等が刻まれている。

霊夢の狂気が発現した時は本物の神になったので神力があったが、今の俺にはそれが無い。なので

「雷の力に関するデータ」を引き出し、その力のリミッターを解除する方法を実践する。すると、雷神の眷属としての真価を発揮可能になるのだ。

⑨でもわかるように言えば、「狂気の雷Ver.」。それが、「擬似雷神形態」だ。

 

魔理沙「お前、なんだその姿…!」

 

この前、魔理沙には人里でこの姿を見られたが、記憶を消去したので、初めて見るような反応だ。

 

カルゴ「これが俺の本気だ」

 

魔理沙「ははっ…ハンパねぇ…!よし…もう容赦無し、100%でいくぜ!」

 

カルゴ「なら俺は120%でやろう。勝負だ」

 

互いに本気を出した俺と魔理沙は、再び境内にて激しいぶつかりあいを始めた。




見た目、色は秋霜玉の魔理沙から想を得ました。
しかしその翼が膨大な魔力を制御するための制御装置とか痛みが無いとか、そこらへんは完全なるオリ設定ですので悪しからず。
あくまでも見た目だけを参考にしたので、能力や何やらの細かい指摘は無しで。禍霊夢の時と同じですわな(白目)

さて、どっちに勝たせよう。どっちに勝たせてもいいように命令の内容は考えてあるっていう…。
(しかも複数の候補があるw)
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