カルゴ「お空〜!」
お空「うにゅ?あっ、お兄さーーーんっ!!!」
地霊殿の奥にある広い広い部屋の入口で、彼女にそう声をかけると、パッと振り向き飛んで来た。
そのあまりの勢いに、こいしとお燐は少しばかり距離を取り、お空の墜落に備える。
お空「むぎゅーっ!」
カルゴ「ふごっ……」
毎度の如く、無邪気な笑顔で抱きついてくるが、胸の赤い宝石が当たってとても胸が痛い。
カルゴ「くぅ…その宝石痛てぇぇ…」
ジーンと響くような痛みだ。怪我ではないので、すぐに治ったりはしない。なので余計に痛む。
お空「お兄さ〜ん…会いたかったよ〜……」
抱きついたままそう呟き、スリスリと頬ずりするお空。その可愛すぎる行動と発言に、思わず胸がドクンと大きく高鳴る。
お燐(ナチュラルに堕とすねぇ、お空…)
こいし(お兄ちゃんチョロいな〜。顔真っ赤♪)
カルゴ「ありがとなお空〜…はーhshs…」
お空「うふふっ、擽ったいよぉ〜♪」
カルゴ「スーーー…ハァァァ……イイ匂いだっ!汗っぽいけどイイ匂い!」
お空「やぁんっ、もうっ♪」
こいし「お兄ちゃん匂いフェチ?」
カルゴ「おうよっ!」
お燐(キャラがコロッと変わった…怖いなぁ…)
暑い中でそのように抱き合っているとやはり汗が出てくる。恐らくまた一緒にお風呂に入るようになるだろう。
お空「お兄さん、あのね…」
カルゴ「んー?」
お空「この前、間欠泉センターに入ってきた氷の妖精に、私負けちゃったの…」
カルゴ「ありゃ…。妖精に負けたのか?」
ごめんお空…。(2回目)
お空「チルノ…って名乗ってた気がする。でね、そのチルノがそばに居ると、寒くて体があんまり動かなくなっちゃって…。それで負けちゃった…ごめんなさい…せっかく稽古してくれたのに…」
そんなにしゅんとしないでくれよお空、罪悪感がすごいんだ…なんて言うかホントごめん、まさかそこまで気負うとは思っていなかった…。
カルゴ「誰だって負ける事はあるよ。仕方ない。次は勝てるように頑張ろうな」
お空「うん!私、頑張るね!」
カルゴ「ただし、完全に溶かしちゃダメだぞ?」
お空「わかってる♪」
頭を撫で回すとニコニコと顔をほころばすお空。
見た目は高校生〜大人ほどだが、中身はまだまだ子供だなとつくづく思う。
お空「八咫烏様の力もあるんだし、お兄さん以外には負けたくないなー…」
カルゴ「八咫烏の力があるんなら、制御できりゃ後はどうにかなりそうだけどな…。何か八咫烏と話したりできない?」
お空「お話とかできないよ…うにゅにゅ…」
カルゴ《確か、お空に八咫烏の力を授けたのって神奈子様でしたよね?》
神奈子《うむ》
カルゴ《俺と違って神の力を操れていないような感じがしますが。八咫烏も限界はあるということですかね?》
神奈子《いいや 、違う。暴走しないよう、扱える力に限界を設定したまで。結果は…うん…まぁ…暴走してしまったがな。しかもそのあとは霊夢が封印したからかなり抑えられている》
カルゴ《あー…そういえば封印しましたね。ならその封印を解いちゃおっと》
神奈子《霊夢の封印が解けるのか?》
カルゴ《俺と霊夢が2人で封印したんですから、術者の1人である俺が術式を乱すだけでも封印は解けますよ。お空が力を操れるようになったのは霊夢も知ってますし、大丈夫でしょう。それなら残る枷は神奈子様が仕掛けた枷だけです》
神奈子《……》
そうかー、二重に抑えられてたのかー…それでも娘たちを途中までは圧倒してたんだから、やっぱお空の潜在能力には目を見張るものがあるよな。磨き上げれば、あるいは……。
カルゴ「よしっ、1つ封印を解くぞ」
お空「誰か封印されてるの?」
カルゴ「お空の力がちょっと…ね。もっともっと強くなりたいんだろう?お空が望むなら解くが、どうする?」
お空「解いてっ!もう暴走なんてしないから!」
カルゴ「よし。ちょっと待って」
過去に霊夢に教えてもらった、封印解除の祈祷をその場で行う。思ったより霊夢の力が強く、少々時間が掛かってしまったものの、俺と霊夢がかけた封印は解除できた。
霊夢「んっ…?」
霊愛「どしたの?」
霊夢「どこかで、私のかけた封印が破られた…。しかもちゃんとした手順を踏まないで強制的に。このやり方…少しだけ私のやり方に似てる…」
霊麗「封印が?それってまずくない?」
霊夢「…しーらない。解いたの、あのバカだし。何かあったらアイツに丸投げするわ」
姉妹「あっ…(察し)」
カルゴ「…2人でかけた封印のはずだが…7割は霊夢の力が影響してたな。それでも、俺の術式の部分を破壊すりゃ解除できたが…」
まぁ、この頃の俺は未熟だったし、仕方ないか。
今の俺なら、過去にかけた封印も楽に破れるって事が証明されたな。ふーん…解いてみたい封印、幾つかあるんだよねー……解いてみようかな?
カルゴ「で、封印は解いたが…力出てくるような感じする?」
お空「うーん…少しだけ。でもあんまり変わった感じしない…」
カルゴ「えええ…」
神奈子《かなりキツく枷をつけたからな。恐らく今は、八咫烏の本気の5割程度じゃないか?》
カルゴ《あれで半分なんですか?》
神奈子《八咫烏は太陽の化身とまで呼ばれる者。本気で暴れれば世界が滅ぶかもしれん》
カルゴ《ならばせめて7割くらいに上げてほしいものですが…。八咫烏が本気を出したところで、その力を行使するのって結局はお空なんだし…》
神奈子《その烏もお前のような暴走癖があるかもしれんというのに、そんな危ない橋を渡る訳にはいかない。せめて6割だな》
カルゴ《おぉー…》
神奈子《今度間欠泉センターに来た時に6割程に引き上げておく。心配はするな。あと余計な事は吹き込むなよ。お前は、自分に甘えてくる者にはトコトン甘いからな。諏訪子を見ててよくわかるようになったよ》
カルゴ《うっす…》
カルゴ「…神様には話つけたよ。さて、これからどうするよ?稽古するか?遊ぶか?」
お空「お兄さんと稽古したいけど……お兄さんと遊びたい…。うにゅぅ…どっちにしようかなぁ…迷うよ〜…」
カルゴ「…迷うんなら両方やらないか?まだ午前だから、午前はこのまま稽古して、午後は遊ぶ。地上は寒いからこの地底で散歩とかしてさ」
お空「うん、そうするっ!やっぱりお兄さんって頭いいね!両方できるなんて思い付かないよ!」
いや、普通に思い付くぞお空よ…。1つの事しか考えられないお空ならではの発言かもだけど…。
カルゴ「そうかな?じゃ、稽古するか!」
お空「はーいっ!お燐もやろっ!」
お燐「あたいはここから見守っているよ。お空は稽古に集中しな」
お空「わかった!やろっ!」
カルゴ「おうよ。俺相手なら本気でいいぞ」
お空「わかってる♪」
彼女に腕を引かれ、広い部屋に入り互いに弾幕を発射し合う。封印を解いたからか、弾幕の温度と速度が上がっているような気がする。
カルゴ「うわぢゃっ!?」
お空「やったっ、当たったぁ♪」
カルゴ「やっべー、手ぇ溶けたなぁ…」
気の所為…ではない。手のひらで受け止めた弾が俺の手のひらを溶かした。もう殺人的な弾幕だ。
次異変を起こしたらお空にも手伝ってもらおう、などと考えていたが、これではいけない。
カルゴ「お空、試しに力抑えてみよう。この熱さだと弾幕ごっこでは使えないな。制御の練習だ」
お空「はーい!抑えて…抑えて……」
カルゴ「……うん、温度は落ちてるね」
手のひらは酷く焼け爛れた程度だ。更に、温度を落とせば速度も落ちた。まだまだ稽古が必要だ。
そこら辺の細かい調整は練習するしかない。
カルゴ「…あれ?」
入口を見ると、そこにはお燐しかいなかった。
こいしはどこかに行ったらしい。見えなくさせているのか、俺やお空の周辺にはいない。
お空「お兄さーん!余所見はダメだよー!」
カルゴ「お、おうよっ!」
そのあと、さとりの甲高い悲鳴が響くまで、俺とお空の稽古は続いた。それからパルスィや勇儀、ヤマメ、キスメなど、いつものメンバーで楽しくお昼を食し、みんなで散歩に出かけた。
アリスをデレさせる方法を思いついた。
てなワケで、次回はアリスでイキます。非エロ。