※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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「萃夢想風弾幕ごっこ」のタグを追加しました。これまた今更感やばいね。



誰と異変に向かおうか

カルゴ「ただいまー」

 

姉妹「おかえりなさーい」

 

霊夢「遅い。もう夕方よ」

 

カルゴ「悪い、魔界行ってた」

 

霊夢「長居しすぎ。お腹空いた〜」

 

カルゴ「はいはい、今作るよ」

 

普通に返事をする姉妹と、時間的なことで文句を言う母。少しでも長く一緒にいて欲しいのかな?などと妄想してしまう。

異変解決のプロ(霊夢)の力を借りるために、少し機嫌を取らなければいけないだろう。霊夢を怒らせれば後が面倒なのだ。色々と。

 

カルゴ「霊夢ー、ちっと手伝ってー」

 

霊夢「えーやだー、自分でやってー」

 

準備しながら話そうとするが、見事に玉砕した。

まぁ、仕方ないことではある。それから、手早く料理を済ませ、全員でそれを食し、姉妹が風呂に入っている時を見計らって、話しかけてみる。

 

カルゴ「…なぁ、霊夢。魔界で異変が起こってるらしいんだけどさ。俺、それの解決に行ってきていいかな?」

 

霊夢「行くなら明日からね」

 

カルゴ「うん、元からそのつもり。…で、解決にあたって、霊夢の力を借りたいと思ってさ…」

 

霊夢「魔界の異変には行かないわよ、私は。まだ全っ然スペルカードルールが広まってないから。向こうに解決できる人が居ないからあんたが依頼されたんでしょ?簡単なやつだろーし任せるわ」

 

カルゴ「いやまぁそうなんだろうけど…。霊夢を魔界に連れてくって訳じゃなくてさ」

 

霊夢「え、違うの?」

 

カルゴ「異変解決のコツを俺に教えて欲しいなと思ったんだよね。俺1人でどーにかできるわけが無いからさ。まだ……」

 

霊夢「あんたってば私が居なきゃダメだものね。説明が面倒だから、今回はついて行ってあげてもいいわよ。だから見てコツを覚えなさい」

 

フンッ、と鼻を鳴らして胸を反らす霊夢。しかし俺は、そんな霊夢を見てゆっくり首を横に振る。

 

カルゴ「ううん、霊夢は置いて行く」

 

霊夢「…は?何でよ?」

 

何だかんだ言ってついて来たいのかな…?

 

カルゴ「今回の異変はガチの命のやり取りになりかねない。そんな所に、博麗の巫女である霊夢を連れていくわけにはいかないんだよ」

 

霊夢「何?私が負けるって言いたいの?」

 

カルゴ「違う。何があるか全くわからないんだ。相手は死を司る大天使サリエル、居所も弾幕も、全くわからないんだ」

 

霊夢「………どんな異変なのよ?」

 

カルゴ「魔界人が次々と死ぬ」

 

霊夢「────ッ!」

 

「死ぬ」と聞いた途端に、霊夢の表情が真剣そのものになる。俺が霊夢を遠ざけたがる理由が漸く彼女に伝わったらしい。そしてトドメとばかりに俺は言葉を続ける。

 

カルゴ「だからコツだけ教えて欲しい。俺は不老不死だから、完全に死ぬ心配は無い。けど霊夢は不老不死じゃないんだ。相手が本気になったら、行く全員を殺すことも不可能じゃないんだよ」

 

霊夢「……」

 

カルゴ「頼む…わかってくれ霊夢。少しでも死ぬ可能性があるのなら絶対に連れていきたくない」

 

それだけ言うと、はぁ、と大きな溜め息をついた霊夢。どうにか、諦めてくれたらしい。

 

霊夢「はいはい、わかったわよ。私のことが大事だから危ない所には連れて行けないってことね」

 

カルゴ「…そうだな」

 

どこかヤケクソ気味に聞こえるのは何故だろう。

仲間はずれに感じたのだろうか。

 

霊夢「そんなのは私だって同じよ、バカ」

 

カルゴ「………」

 

そう言うと思った…。

 

霊夢「…でも、死んだらおしまいだし…あんたの言いたい事はわかるわ。イチャつけなくなるのは私だってゴメンだし」

 

カルゴ「霊夢……サンキュ…」

 

霊夢「コツって言われても、私って、勘に従って進めば何とかなるタイプだから、具体的なことは何も言えないわよ?」

 

……どうやら、もう心配は無さそうだ。納得してくれたらそれに越したことはない。 俺はただ俺のやるべき事を遂行するだけだ。

 

カルゴ「勘はちょっとな…わかりやすく頼むよ」

 

霊夢「だから勘に従って行動する他無いってば」

 

カルゴ「ちぇー。……ちょっと出かけてくるよ。留守番頼む」

 

霊夢「こんな夜に?どこに?」

 

コタツから出る俺を見て不思議そうに顔を上げる霊夢。嘘を吐けばあとから面倒なことになるのは目に見えているので、正直に言うことにする。

 

カルゴ「異変解決手伝ってくれそうな奴のとこ」

 

霊夢「はぁ!?何で私を置いてくのにそいつの事誘おうとしてんの!?」

 

……当然の反応か。

 

カルゴ「妹紅だよ。同じ不老不死なら死を司る者にだって対抗出来る」

 

霊夢「っ……そういう、ことか…なるほどね…。それならまぁ…うん…納得できるわ。(それで結局解決できなくって、私に泣きついてくれれば最高なんだけど…。まぁいっか、妹紅は。エスカルゴも手出しはしないだろうし、妹紅の方も手出しはしないだろうし…)」

 

カルゴ「納得してくれてよかった。んじゃ、少しいってきまーす」

 

霊夢「いってらっしゃい」

 

 

 

博麗神社を出た俺は妹紅の家へスキマを繋げた。

妹紅の家の場所はわかっている。問題は、彼女が今家に居るかどうか、そしてどうやって誘うか。正直、妹紅が参加しても彼女には何のメリットも無いので、普通は断られる。全ては俺のこの拙い話術に掛かっているのだ。

 

カルゴ「妹紅〜、今いるー?」

 

玄関の扉を叩きながら声を掛けると、すぐ玄関の扉が開き、妹紅が出てきた。返事も無く、突然に開いたので、少し驚いてしまった。

 

妹紅「エスカルゴ?どうしたんだ、こんな夜に」

 

カルゴ「こんな夜にすまない。ちょっとだけ時間もらってもいいか?」

 

妹紅「上がってけよ。今は私以外誰もいない」

 

カルゴ「そっか。………ん?妹紅って一人暮らしじゃなかったっけ?」

 

妹紅「ちぇっ、バレたか。へへっ」

 

カルゴ「ははは…」

 

どうやら妹紅は、囲炉裏に火をつけて暖を取っているらしい。暑くもなく寒くもなく、丁度いい。

火に手をかざして、冷えた指から温める。そして暖を取りながら話を切り出す。

 

カルゴ「妹紅、頼みがあるんだ」

 

妹紅「唐突だな。内容にもよるけど、とりあえず教えてくれよ」

 

カルゴ「ああ。…実は、魔界で起こってる異変の解決を手伝ってほしいんだ」

 

妹紅「魔界ぃ?」

 

当然、聞き慣れない言葉を聞いた妹紅は、言葉を繰り返して首を傾げる。

 

カルゴ「魔界ってのは、幻想郷とは違う別世界と捉えてもらって構わない。そんで、その魔界で、住人が次々と死ぬっていう異変が起きてるんだ」

 

妹紅「ま、まずいなそりゃ…。幻想郷の異変とは質も何もかも違うじゃないか。ところで、なんでお前はその魔界の存在を知ってるんだ?」

 

カルゴ「望むなら詳しい話は後でするが、簡単に言うなら、俺の義理の母親が魔界に居るんだ」

 

妹紅「複雑そうだな…。後で聞かせてもらうよ。それで、なんで私なんだ?」

 

カルゴ「異変の犯人は、わかっている。でも死を司る者なんだ。詳しいことはわからないが、多分

『死』を自在に操れるんだと思う…」

 

妹紅「死を司る者ってなんだそりゃ、神様かよ」

 

カルゴ「神様よりかは位は低い大天使って奴だ」

 

妹紅「あー…慧音から聞いたことあるぞ。背中に羽があって輪っかがあるっていう天の使いだろ」

 

カルゴ「輪っかがあるかはわからんが多分そう。

それでなんで妹紅なのかっていうと、その能力に対抗出来るのが、不老不死だけだからなんだよ。普通の生物が行けば死ぬかもしれない。だったら絶対に死なない俺たち不老不死の者が行くべき。

…そんな結論に至ったんだ」

 

妹紅「…霊夢には死なれたくないが私ならいくら死んだって完全には死なないから、死んでも構わない……ってか?」

 

カルゴ「ッ!?」

 

そうきたかぁ〜……そうは考えてなかったぞ…。

 

カルゴ「いや、その…妹紅の不老不死の体質が、異変解決に役立ちそうだから、協力をお願いしただけで……」

 

妹紅「『死ぬかもしれない』って前以て予防線を張っといて、死んでも大丈夫とは考えてなかったとは言わないよな?」

 

カルゴ「う………」

 

妹紅「それはつまり、お前にとって私は死んでもいい存在ってことじゃないのか?」

 

カルゴ「……。そう感じさせたのなら謝る。でも本当にそんなことは考えてなかったんだ…。誰も死なせたくないから、絶対に完全には死なない、妹紅を誘おうと…思って………」

 

パチパチと燃える火を見つめ、頭をたれる。中々鋭いところを突いてくる妹紅に返す言葉もない。しかし、そんな俺を見て、妹紅が小さく吹き出す。

 

妹紅「…………ぷふっ……やっぱお前らしいな…くくくっ…!」

 

カルゴ「ど、どういう意味だよ…?」

 

妹紅「いや、深い意味は無いよ。お前を見てるとついついイジりたくなっちゃうんだ。さっきのは冗談だ、そんな気にしないでくれ」

 

カルゴ「何だよ〜……怒らせちゃったかと本気で焦ったんだぞ〜…?」

 

妹紅「はははっ、私の迫真の演技ってやつだな!騙されてくれてありがとな!」

 

カルゴ「へいへいどいたまどいたま…」

 

妹紅「んで、異変解決にはいつ行くんだ?誰かが死ぬんならなるたけ早い方がいいだろ?」

 

カルゴ「妹紅さえよければ明日かな」

 

妹紅「よしきた。それじゃ、今は互いにゆっくり休んで、明日に備えよう」

 

カルゴ「ああ」

 

良かった、これで安心だ。後は解決するだけだ。

俺と妹紅ならやれる。大丈夫。

 

妹紅「今日ってお前どこなんだっけ?」

 

カルゴ「博麗神社」

 

妹紅「じゃあ、朝飯食べた頃見計らってそっちに行くよ。お前が朝から来るとなると、また霊夢がアレだろ?」

 

カルゴ「アレって何じゃアレって…」

 

妹紅「いやいや、気にしないでくれ」

 

火に紙くずを放り込みながらそう笑う妹紅。

 

妹紅「魔界…楽しみだな!どんな所なんだ?」

 

カルゴ「幻想郷と大して変わらないよ。幻想郷の人間よりも寿命の長い魔界人が住んでて、あとは妖怪もいるね」

 

妹紅「人間と妖怪が共存?幻想郷みたいだな」

 

カルゴ「里とその外って感じで仕切りがないから魔界の方が上手く共存できてるよ」

 

妹紅「ほぉー…すごいなぁ。異変解決終わったら案内してくれないか?」

 

カルゴ「おう、構わんよ。俺もそんなに詳しい訳じゃないから…ロリス(いもうと)に頼もうかな」

 

妹紅「妹なんて居たっけか?」

 

カルゴ「義理のね」

 

妹紅「大家族だな、お前って…」

 

カルゴ「へへっ、まーね」

 

その後、魔界について少々彼女と話をした俺は、次の日に備え、異変解決の準備を始めた───。




うーん…やっぱり、旧作の曲で一番好きなのって
「神話幻想 ~Infinite Being」だな。
まだ20曲くらいしか知らないんだけどさ…(白目)
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