A.1位神綺、2位夢子、2位ロリス、2位幻月、2位夢月(以下は省略)ですかねー。順番とかは付けたくないですが敢えてつけるならこうかな。サラやエレンはもちっと下です。
カルゴ「イッテテテ……」
妹紅「うおっ…何だここ…」
最後は飛びついた体勢で転送されたからか、俺と妹紅はうつ伏せで地面に落ちる。その瞬間に服を掴んでいた手は振りほどかれてしまった。
メイド「ちょ、ちょっと、何でこっちにまでついてきてるのよこいつら!」
メイドはそう喚く。しかし、この神殿の主らしき女性は、玉座に腰掛けたままで、落ち着き払った口調で話し出す。
女性「夢月、その方々は?」
澄んだ声は広々とした空間に美しく響き渡る。
夢月「も、申し訳ございません、サリエル様っ!転送の瞬間にこの男に触れられてしまい、一緒に転送されてしまいました!」
と、主らしき女性に跪いて、早口で事情を話す。
この青と白のメイドは夢月というらしい。そしてこの女性こそ、異変の元凶、サリエルだ。青白い肌と背中に生えている6枚の翼が特徴的だ。
サリエル「あなたの失態です。あなたがこの者達を始末なさい」
夢月「はい!…お前達の死に場所は────」
妹紅「隙ありッ!!」
夢月「ぎゃっ!?」
振り返りながら何かを言いかける夢月の顔面に、妹紅の拳がめり込む。強く殴り飛ばされた夢月はサリエルの方へ吹き飛ぶが、そのサリエルは結界のようなものを展開し、ノーハンドで夢月を受け止める。まさかの不意打ちだ。
妹紅「ゴチャゴチャ言ってないでかかってきな。全力で相手してやるよ」
夢月「…突然殴ってきて何なのよ…!」
妹紅「生憎だが、お前らに手加減するほど私らは優しくないんでね。やるぞ、エスカルゴ!」
カルゴ「おうよ!」
夢月「調子乗らないでよねっ!」
キレかけた様子でそう言い放った夢月は、弾幕を螺旋状に発射してきた。幽々子さんほどの密度は無く、そんなに綺麗でもない。しかし、本能的に
「当たったらやばい」と感じた。
それはきっと、夢月から発せられる、この邪悪な気配が原因なのだろう。
そして俺たちは、左右から挟むように発射されるナイフのように細長い弾幕と、それと同時に同心円状に発射された黄色い星のような弾幕を、相殺し、回避し、少しずつ夢月との距離を詰める。
妹紅「同じパターンばかりでもう飽きてきたぞ!蓬莱『凱風快晴-フジヤマヴォルケイノ-』!!」
気合いの入った声で、堂々とスペルの詠唱をした妹紅は、さっきの鬱憤晴らしと言わんばかりに、大量の炎の弾幕を発射する。同時に、あちこちで爆発が起こり、それと共に弾幕が発生しては消え発生しては消えを繰り返す。
また、不死鳥の翼を背中に出して、不死鳥の尾のように長く連なる弾幕を夢月を狙って発射する。
夢月「わっわっ、急に早くなった…!」
そう、今まで妹紅が発射していたのは、まだまだ簡単な方の通常弾幕。それなのに、急にスペルの弾幕が来たのだ、速度慣れしていた夢月の目には急加速したように映るだろう。
夢月「くぅぅ…!反撃してやるんだから!」
フジヤマヴォルケイノによる爆発を何回か喰らいつつも、夢月は降参するつもりは無いらしい。
そして宣言通りに、黄色い弾幕を自分の目の前に広げ、真っ直ぐに飛ばしてくる。しかし真っ直ぐだったら俺の得意なパターンだ。それでも、回避ばかりせず、俺も攻撃はする。
カルゴ「符の参『緋電紅雷』!!」
破壊に重きを置いた稲妻が、荒れ狂うようにこの神殿の中のあちこちに散らばっていく。サリエルはさり気なくバリアで防いで、妹紅は飛び退いて回避し、狙われている夢月本人も弾幕を発射して防ごうとしているが、僅かに押されている。
夢月「こんなの、すぐ突破してやるんだから…!排除しなきゃ……私が持ち込んだ邪魔者……!」
運の悪いことに、そのタイミングで俺のスペルの時間が来てしまい、緋電紅雷が止んでしまった。それを見た夢月は一瞬、ホッとしたような表情になるが、妹紅はそれを見逃さなかった。
妹紅「不死『凱風快晴飛翔蹴』ッッ!!!」
夢月「ぐはぁっ………!!」
突如、姿を現した妹紅は、自分が纏っていた黒の光学迷彩スーツを俺に投げ返すと同時にスペルを発動させた。妹紅は夢月を高々と蹴り上げ、炎を纏った足で、ライダーキックの如く急降下する。
カルゴ「あー…そーいやぁ渡したままだったな、このスーツ…」
ポケットに繋がるスキマを開いてその中にスーツを放り込み、妹紅と夢月の行方を見届ける。
降下を続けた妹紅は夢月を地面に押し付け、踏み付けると同時に、地面から炎を上げさせて夢月を焼く。その炎の形はまるで、富士の山のようだ。
夢月「ぎゃあああ……あ…あぁぁ……ぁ………」
妹紅「おっと、少しやり過ぎたかな?」
大して心配していない様子で炎を見つめる妹紅に少しばかり背筋に戦慄が走った。すると、妹紅の言葉への返事か、黙って戦闘を見ていたサリエルが口を出す。
サリエル「心配ありません。私が彼女の『死』を無かったことにしました」
サリエルの能力に敢えて名前をつけるなら《死を司る程度の能力》になるだろうか。こんな力は、もはや神の力に相違ないだろう。
そんなサリエルが「無かったことにしました」と発言したという事は、今、夢月は死んだらしい。
蘇生ができるという面だけで見ると、創造神たる母さんと似通っている。
妹紅「ふん、結構なことだ」
サリエル「しかし、私が可能なのは『死の回避』のみ。彼女にはもう、戦闘を続行する事は不可能でしょう」
妹紅「そりゃ、文字通りの満身創痍だものな」
すると、炎が消え、焼け焦げた夢月が姿を現す。綺麗なメイド服は焼け、皮膚も爛れて火傷の域を遥かに超越していた。俺から見れば、死んだ方がマシな大怪我に見える。
カルゴ「…あ。妹紅も怪我してるじゃんか」
炎を纏っていた妹紅の足も軽い火傷をしている。
自身の力で自身を傷付けるほどに強力らしい。
妹紅「こんなのすぐ治るさ」
いや、見るからに遅いのだ。普段よりずっと傷の治りが遅い。俺よりは遅くとも既に治っていてもおかしくない。
カルゴ「治癒『
妹紅「…サンキュ」
カルゴ「おう。あとついでに…」
ついでと言ってはアレだが、夢月にも治癒魔法をかけて完全に傷を癒す。俺はもう、焼けてる女を見たくない。あの時の魔理沙が脳裏にチラつく。
夢月「…う……」
妹紅「おい、なんで回復させるんだ?」
カルゴ「見るに堪えない姿だったからね。あんな焦げてる女子は見過ごせない」
妹紅「ちっ。甘いヤツだ…」
ユキとマイから魔力を奪って、満タンにさせて、2人を瞬間移動させ、それで魔力を10分の1だけ消費し、治癒魔法にも少しだけ使い…現在の俺の魔力は8000と少しだろうか。
「転移『
普段の俺の魔力を1000とすれば、このスペルでの消費魔力は1000となる。魔力効率が悪すぎる。
夢月「どうして…助けるの…?私、あなたたちを殺そうとしたのに…」
フラフラと立ち上がりながら、そう問い掛ける。
答えは1つだ。
カルゴ「見てられないほど酷い怪我だったから。ただそれだけだ」
これで敵対するのを止めて、降参してくれれば…と思った俺だが、そんな期待は見事裏切られた。
夢月「ふふ…ありがと。でも私はまだ戦うわ…!使命を疎かには出来ないから…!」
妹紅「…ほらみろ」
カルゴ「なら仕方ないな…。雷武器『雷刀』」
刀を出して構えて、夢月を真っ直ぐに見据える。
しかし夢月はそんな俺を見てこう告げる。
夢月「そんな目で見ないで……。私、あなたとはもう戦いたくないから…」
カルゴ「それはどうして?」
夢月「他人の命なんかどうでもいい…。だけど、自分の命の恩人は別よ」
カルゴ「お前の命の恩人はサリエルだろ」
夢月「…使命のためだけに残したに過ぎないわ。私
…そうでしょ?」
カルゴ「……」
夢月「だから…お願い。ここから帰って…」
懇願するような目で真っ直ぐ見つめてくる夢月。
思わず目を逸らしたくなるほどの真剣さだ。
妹紅「はぁ…話になら────」
カルゴ「悪いがそれは出来ん。俺らにも、俺らのやることがある。そっちと同じだ」
妹紅「そうそう、そうだぞ」
夢月「そっか…残念」
カルゴ「せめてあまり苦しめずに終わらせよう」
夢月「ううん、やるからには私が勝─────」
カルゴ「符の肆『雷光一閃』」
目にも止まらぬ速度で駆け抜けた俺は、すれ違いざまに夢月を斬り伏せ、ほぼ全身を痺れさせた。
気絶も時間の問題だろう。そして夢月が気絶から覚める頃には、全てが片付いているはずだ。
ちなみにこのスペルは、非スペル『雷速断刀』の上位互換で、スペル化させたものである。勿論、妖夢の剣のスペルのように弾幕を発射することも可能だが、今回は省いた。
夢月「あは……すごい、痺れちゃった…」
寝転がり天井を見上げながら乾いた笑いを漏らす夢月。今度こそ負けを認めたらしい。
カルゴ「じきに気を失うだろう。目覚める頃には全て終わってるだろうから安心するといい」
夢月「…痛いよ、結構……。うぐ〜…」
カルゴ「そりゃ仕方ない」
夢月「お兄さん強いね…。お名前、教えて…?」
カルゴ「エスカルゴ・スカーレット。吸血鬼だ」
夢月「夢月……悪魔よ…。よろ、しくね………」
弱々しく微笑みながらもそう言った夢月は、目を閉じて気を失ってしまった。
カルゴ「ラストはお前だな、サリエル」
サリエル「………」
サリエルは、静かに玉座から立ち上がり、侵入者である俺たちに目を向けた。
夢月の服はどうなってるのかって?そりゃあもう焦げまくりで穴ボコだらけですよね。妹紅の火はえげつない。目のやり場に困らないのかって…?
────君のようなカンのいいガキは嫌いだよ。
「力」に自信がある奴って、その「力」で負かされたら、大人しくなったり従順になったりすると思うんですよね。
なのでそんなイメージで書きましたです。