サリエル「っっ………酷い攻撃ですね…。まるで世界を破壊せんばかりの、力に任せたどこまでも野蛮な……うっ……」
大量の血を失ったサリエルは、青白い肌をさらに青くさせて、ゼェゼェと荒い息をする。気絶はもう時間の問題だろう。
カルゴ「マジで早く降参してくれないかな…」
サリエル「何度も言わせないで────…」
カルゴ「禁弾『降り注ぐ厄雷』」
エネルギー弾を放った後、それを無数の槍に変え勢いよく放つ。サリエルの体を狙うのではなく、手足、首を動かせないよう固定するように放つ。
サリエル「くっ…身動きが取れないように封じたつもりですか…!しかし残念でしたね、バリアも弾幕も、ノーハンドで展開可能ですよ…!」
カルゴ「その度に自爆すればいいだけの話だな。先に尽きるのはお前のその気力だ」
サリエル「どうですかね…?」
カルゴ「…天使は、天の使いらしく大人しく神の言葉に従っていればいい。符の伍『虹電雷撃』」
磔になったサリエルに向けて、紅、橙、黄、緑、青、藍、紫の稲妻を放つ。七重もの螺旋を描いて突き進むそれは、翼があった場所を焦がし、傷を塞ぎ、壁に穴を穿ち、磔にした槍諸共ダメージを与える。
すると破壊された槍からサリエルが解放された。
サリエル「はぁっ……はぁっ……」
肩を震わせこちらを睨み、大きく息をする彼女はもはや戦闘不能に見える。だがそれでもサリエルは決して降参しようとはしない。
いつまで甚振られれば折れるのか、と内心ため息をつきながら、幾度目になるのかもわからない、破壊に特化したスペルをまた発動させようとしたその時。
妹紅「おいコラ…私が大人しくしてるからって、好き勝手ぶっ殺してくれやがって…」
カルゴ「妹紅…」
所々、服に穴が空いている妹紅が、背後にいた。
目はしっかりとサリエルを見据えていて、もう、死ぬことなど考えていないような、どこか晴々とした、明るい表情をしている。
カルゴ「死ぬ事考えてるやつは大人しくしてな」
前を向き直り、剣を構え直して焚き付けるように彼女の言葉を一蹴する。
妹紅「フン、そんな事はもう考えちゃいないよ。何度も爆発に巻き込まれて目が覚めたのさ」
カルゴ「へぇ。どうして?」
妹紅「
カルゴ「未来永劫決して死なないって意味ですねわかります。…なんかおかえり。さっきの妹紅、すげーおかしかったぞ」
妹紅「なぁに、昔の気持ちを思い出してたんだ。昔は薬飲んだことを後悔してたし…死にたいって思ってたからな」
カルゴ「今は?」
妹紅「後悔してないよ。輝夜と永琳だけじゃなくお前も不老不死だものな。もう暇しなくて済む」
カルゴ「そりゃ良かったよ」
サリエル「あなたは死を望んでいたのでは…?」
妹紅「私はこの異変を解決しに来たんだ。死にに来たわけじゃない」
サリエルの言葉を聞き、妹紅は後ろから俺の隣に並び、堂々とした口調で言い切る。しかし、サリエルはその言葉を聞いて眉をひそめた。
サリエル「…あなたもですか…。あなたも秩序に逆らうのですね…」
妹紅「ああ!真っ向から逆らってやるッ!!」
サリエル「…そろそろトドメを刺しましょう…。秩序は絶対…異端者を見逃す訳にはいきません…相応の覚悟を…!」
妹紅「今まで何回も死んできたんだからな、今更死ぬのが怖いなんて言ってられんな。なぁ?」
カルゴ「ああ。新スペルの見せ場じゃないか?」
妹紅「そうだな、アイツと戦うのにこのスペルはピッタリだ!はあぁぁっ!!」
カルゴ「喰らえっ!!」
フラフラでボロボロのサリエルに向かって、妹紅は妖術による炎の弾幕に加えて、御札を投げる。対する俺は、話している間に霊力に移行したので霊力弾を放っている。
多少弱っているとはいえど、サリエルの力はまだ健在。それを挫くには、彼女の力を抑えなければいけないのだ。
サリエル「炎があなたの本分では…!?」
妹紅「生憎私は過去に退魔術を磨いてたんでね。お前を倒すにはそれが有効ってわけさ!」
サリエル「……っ!!」
カルゴ「霊力は退魔に優れている神聖な力。何故妖怪である俺が霊力が使えるのか……クククッ、神とは気まぐれなもんだよなぁ」
神綺《単なるミスだったんだけど…良かったわ、
あなたが満足しているみたいで♪》
ああ、満足してるよ。この力のおかげで、色々な外敵から守りたいものを守れる。
サリエル「その気まぐれが秩序を乱すのです…!守るべき秩序を神自ら破るとは…見損ないましたよ、魔界神神綺…!」
壁のような弾幕を発射しながら、憎々しげな目でこちらを睨み、ブツブツと呟く。
カルゴ「決めよう、妹紅。『霊力遷移』」
妹紅「よしっ…!」
御札に炎を纏わせる妹紅。しかしその御札はその炎には焼かれずに、逆に金色の光を放ち始めた。
一方で俺は、剣の霊力も引き出して、サリエルの力の抑制の準備を整えさせた。
妹紅「準備完了だ!」
カルゴ「これでキメる!…うおおおおぉっ!!」
剣を左に構えヒビの入った床を蹴って肉薄する。
サリエル「攻撃させるとでも────…」
と更に弾幕を放つサリエルは絶句する。俺は全身に弾幕を浴びながら突撃しているのだ。つまりは特攻である。
カルゴ「霊撃『封・
左から右へ一閃、そこから左下と、五芒星を描くようにサリエルを斬り刻む。傷口からは、彼女の血は流れてこない。その代わりに、俺の全霊力がサリエルの内に流れ込んでいく。
サリエル「うああ゙あぁ゙ああぁぁ゙……!」
胸を掻き毟って、自分の中で荒れ狂う霊力に悶絶する。おかげで弾幕の雨も止み、道ができた。
妹紅「美味しい所はもらうぞっ!!」
妹紅の通り道が。
カルゴ「決めちまえッ!」
妹紅「火符『火葬封印』ッ!!!」
光を放ちながら燃える御札を多数ばらまき、サリエルの全身を炎上させる。しかし確かに退魔術の名残を感じられる。これは妖怪の本能だろうか、遠目から見ているだけでも、己が封印されるかのような恐ろしさがある。
サリエル「燃え、る……溶ける…熱い………!」
妹紅「なぁに、すぐに消えるさ。…今回は、な」
言葉通り炎はすぐに消え、焦げたサリエルが煙を上げながら姿を現した。
サリエル「……ぁ……ぐ…ぅ……………秩序を…破る…………異端……者ぁ……………!!」
カルゴ「ここで異端者達から1つ」
膝をついて気絶しそうになっているサリエルに、俺と妹紅は声を揃えてこう言い切る。
カルもこ「
サリエル「う………ぅ……………(解せぬ…!)」
何か言いたげな顔でこちらを睨んだサリエルは、糸が切れたかのように崩れ落ち、気を失った。
冬休みキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
投稿頻度は今と変わらないか落ちると思います。