※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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今回は幻月回なのでそれ以外サラッとかも。




夢幻館へ殴り込み

カルゴ「やっぱ門番って居るんだな」

 

???「そうよ!」

 

夢幻館に到着した俺は、曲がりくねった鎌を持つ少女を前にしてそう言った。やはり館には門番が付き物らしい。この門番は鎌を得物としている。ナイフよりリーチがある分、厄介かもしれない。

 

カルゴ「ところで君は?」

 

???「私?ここを見張ってるエリー」

 

カルゴ「エリーか、よろしく。俺はエスカルゴ・

スカーレット、吸血鬼だ。俺ちょっと夢幻世界に行きたいんだけど、この夢幻館がその境界にあるって本当か?」

 

まだ先々代の記述の通りだとはな。時代がまるで進んでないように思える。なら、この後出てくるのは間違いなくアイツかな。信じ難いが…。

 

エリー「本当よ。館の名前もそこから来てるし。館の最奥に夢幻世界への入口があるわ」

 

カルゴ「そりゃ厄介だな」

 

エリー「そうでしょ。早く帰りなさーい?」

 

カルゴ「そうやって追い返そうとしてやられたんだろう?数十年前も」

 

エリー「仕方ないじゃない、仕方ないじゃない」

 

カルゴ「なら俺も通してくれる?」

 

エリー「って言われて、素直に通すと思う?」

 

カルゴ「思わないから、先手必勝でブチのめす。絶技『天翔雷霆零槍』!!」

 

エリー「また戦闘は久しぶりだけど、ぽっと出の若いヤツに負ける訳にはいかないよ!えいっ!」

 

カルゴ「投げるのかよっ!?」

 

エリーは、逆刃の鎌をブーメランのように投げ、さらに四角の弾幕を発射してくる。ブーメランは直線にしか往復しないので回避は余裕だ。しかし速度がある弾幕と組み合わさっているとキツい。

今回は、長引くほど俺に不利になりかねない。

ヤケクソ気味に槍を投擲して、鎌を弾き飛ばす。

 

カルゴ「召喚『愛娘降臨』!!」

 

弾幕を避ける俺のすぐ隣にスキマが開く。すると鉛筆を持った巫月が現れた。

 

巫月「えへへっ、喚(よ)ばれちゃった♪」

 

 

 

 

チルノ「のわーっ!巫月が消えた!?」

 

大妖精「ええっ!?」

 

リグル「うっそ!?目の前から急に消えた!!」

 

慧音「何だとっ!?」

 

みすちー「これはもしや…」

 

るみゃ(エスカルゴの仕業ね…)

 

 

 

 

カルゴ「力貸してくれるか?」

 

巫月「もっちろん!でもまだ授業中だから1発でキメちゃおーね♪」

 

カルゴ「おうよっ!」

 

微笑みながら手を握ってくる娘。やはり可愛い。

 

カル巫月「極雷『全雷落光(ミナデイン)』!!」

 

フニフニとした手を握り返して、反対の手で空に手を翳し、共に複合スペルの詠唱をする。これは俺と巫月2人の全力を尽くすスペルだ。今の俺は無尽蔵になっているので、溜めると威力は上がるようになっている。

しかし今回は溜めない。授業中だからだ。

 

エリー「ギャッ─────…」

 

短い悲鳴を上げたエリーは、夢幻館の門ごと吹き飛び、瓦礫の上に落ちて気絶した。

 

カルゴ「サンキュー巫月、助かったよ」

 

巫月「何かあったらまた喚んでね♪」

 

カルゴ「はいよ♪」

 

巫月をスキマで寺子屋へ送り返し、夢幻館の玄関へと足を進める。

 

 

 

 

巫月「ただいま戻りましたー!」

 

慧音「巫月!?どこに行ってた、授業中だぞ!」

 

巫月「エスカルゴに召喚されてました♪」

 

ルーみす(やっぱり…)

 

慧音「う…む…今度会ったらアイツに説教だな。よし皆、続きを始めよう」

 

 

 

 

カルゴ「おじゃましますよーっと……ん?」

 

ご丁寧に玄関から入った俺は、広いエントランスの向こうに寝間着姿の女性を発見する。女子ではなく女性だろう。家主かはわからない…が、強い妖気を感じる。館の外から感じていた妖気だ。

ならばこの女性が夢幻館の家主の可能性が高い。

 

???「もう、うるさいなぁこんな時間に……」

 

あちゃー…寝てたところ起こしちゃったか……。

そうなると、大抵は不機嫌なんだよなぁ。

 

カルゴ「も、申し訳ない…夢幻世界への行き方を教えて欲しい…てか、夢幻世界に行きたくて…」

 

???「…おやすみ…」

 

カルゴ「寝るなっ!!」

 

???「で?」

 

カルゴ「『で?』って…。まぁ、寝てるときなら家探しするのも楽だけどね」

 

???「失礼ね、寝てないわよ」

 

カルゴ「ふーん…」

 

???「自己紹介がまだだったわね。私はこの館の主人の幽香よ♡」

 

カルゴ「幽香…」

 

風見幽香が2人か……あ、苗字はないんだっけ。

こっちは本気の幽香の時みたいにロングなのか。ぜってー強えよなぁ…。

 

カルゴ「まぁいい、戦うんなら相手するぞ」

 

幽香「あんた、吸血鬼でしょ。生意気ね。長生きしたければ大人しくしてた方がいいかと」

 

カルゴ「つまらない人生を送るなら、死んだ方がマシだな。まぁ、俺は死なないけど」

 

幽香「う〜ん……眠たくて何を言ってるのかよくわかんない〜………とりあえず倒す…」

 

目を擦りながら、扇状に広がる黄色い星のような弾幕を発射してくる。またも突然の事で驚いたが今回は被弾はしなかった。だが魔界といいくるみたちといい、弾速が全体的に速いのが困る。申し訳ないが、早く決着をつけねばならないだろう。

 

カルゴ「雷装備『勇者の纏い』」

 

右手に鎌を持ち左手に盾を持ち全身に鎧を纏い、ジワジワと距離を詰める。

 

幽香「…ねむ……ふあ〜ぁ………」

 

カルゴ「っ!?」

 

欠伸をしながら、手を俺に向ける。すると弾幕が止み、一瞬だけ静寂が訪れる。しかし次の瞬間、俺の目の前には、青白い超極太レーザーが眼前に迫っていた。

 

カルゴ「うっぎゃわあああああぁぁっっ!!?」

 

回避が遅れて右半身が消し飛ぶが、何とか意識はある。まさか、マスパを放つとは思わなかった。それより不意打ちがすぎる。なるほど、そりゃあスペルカードルールが必要になるわけである。

直撃なら死んでいた。人間ならこれで死んでる。

右半身が無いおかげで利き足ではない左足のみで体を支えている。ケンケンはキツい。

…とんだ初見殺しだ。

 

幽香「あらぁ〜、けっこー脆いのねー……。ならもー1発…」

 

カルゴ「ちょ、待って────…」

 

幽香「えい♡」

 

スキマを開こうとする俺だが、形成が間に合わずその全身にレーザーを浴びてしまい、消し飛んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルゴ「あー危ねぇ危ねぇ…まさか死ぬとは…。んで、これが夢幻世界への入口だな?」

 

幽香に殺された俺は、魂の状態で家探しをして、こことは違う雰囲気…気配が流れ込んでくる妙な扉を発見した。魔界と幻想郷との境界のように、幻想郷と夢幻世界の境界も扉によって仕切られているらしい。

鍵穴が無いので、鍵は掛かっていないとみえる。ドアノブに手をかけるも、ノブは動かせている。

 

カルゴ「よーし、夢幻世界に殴り込…」

 

幽香「そこまでよ」

 

カルゴ「ッ!?」

 

背後に幽香が現れた。膨大なエネルギー量を背中越しに感じる。手を向けられているらしい。またあのレーザーを浴びるのかと思うと寒気がする。いや、寒気しかしない。

 

カルゴ「幽香…だっけ。夢幻世界に行くだけだ、許してくれないか?一度だけ行ければいいんだ」

 

それ以降はスキマで行けるからな。

 

幽香「ダメ。夢幻世界は私が侵略するから」

 

カルゴ「俺は侵略しない。侵略するもしないも、お前に任せるからさ。今はただ、通るだけだ」

 

幽香「もう一度消されたい?それともさっきは、目にも止まらぬ速さで避けたって事かしら?」

 

カルゴ「さぁ、どっちだろうね」

 

幽香「私の目に止まらないなんて有り得ないわ。よってあなたは、復活が出来る特殊な体質の人。どう?当たってるでしょう?」

 

カルゴ「さぁね。…もしかしたら、お前の目にも止まらないくらい速く動けるかもしれないぜ?」

 

幽香「生意気に!消えな!!!」

 

刹那、エネルギー量が膨れ上がり、扉や壁に光が青白い光が写った。レーザーが来ると悟った俺はスペルを発動させた。

 

カルゴ「神速『スウィフト』」

 

チュン、とレーザーが掠ったが、なんとか回避に成功した俺は、幽香の背後に回り込んだ。扉は、レーザーを喰らっても壊れていなかった。特殊な扉は特殊な力によって守られているらしい。この幽香が手加減するはずがないからだ。それに先程背中で感じた膨大なエネルギー量は本物だった。

 

幽香「…なるほど、速いのね」

 

カルゴ「さっきは不意打ち喰らったが、一度でも喰らえばもう喰らわん」

 

幽香「それは残念だったわね♡」

 

カルゴ「何っ?」

 

幽香2「えいっ♡」

 

カルゴ「後r────ッッ!!!」

 

幽香の背後に居たはずの俺の背後には、もう1人幽香が居た。突如湧いてきたかのような気配に、俺は反応しきれず、またもレーザーを喰らった。

 

幽香「あーあ、1人消えちゃった♡…さーてと、パジャマに着替えて二度寝しよっt………!?」

 

カルゴ「いってきまーす♪」

 

背を向けた幽香を見て肉体を再構築して、堂々と扉を開けて中に入る。当然、幽香は焦って、一瞬だけだが隙ができる。

 

幽香「ちょっ、何でそこに…はあぁぁっ!!」

 

カルゴ「おっと」

 

扉を盾にした俺は、そのまま夢幻世界へ足を踏み入れ、幽香のレーザー攻撃を回避した。

 

幽香「あ〜〜っ!!行かれちゃった〜〜〜っ!!もうっ、何なのよあのスカした男ー!!!次に会ったら絶対絶対、絶対ブチ殺してやるー!!」

 

 

 

カルゴ「ここが夢幻世界…」

 

??「思ったより遅かったね、エスカルゴ!!」

 

カルゴ「…お前が幻月か」

 

夢月「やっほ、昨日ぶりだね♪」

 

カルゴ「……」

 

扉の向こうには、夢月と幻月が待ち構えていた。

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