カルゴ「…ん…ぅ……?」
目を覚ますと、紅魔館のような洋風の一室に俺は寝ていた。紅魔館と違うのは、屋内が紅くない事である。シーツ、枕、共にいい匂いがする。
花…ではない。女子の体臭のような甘い匂いだ。
カルゴ「ス〜〜〜〜〜……ハ〜〜〜〜〜……」
女子の匂いが大好物な俺は、布団を被りシーツに顔を押し付け肺いっぱいにその匂いを吸い込む。
夢月「ちょっとちょっとー。なんでそんなに匂い嗅いでるの〜?」
カルゴ「おわっ!?」
声のした方を見てみれば、そこには腰に手を当てぷっくりと頬を膨らませている夢月がいた。
それを見て察した。ここは、夢月と幻月の家だ。
カルゴ「え、えっとな、何だか心が落ち着くいい匂いだなと思ってさ!下心は無いんだマジで!」
いや、下心しかない。
夢月「私のベッド、そんなにいい匂いだったの?自分じゃわかんないなー」
カルゴ「夢月のベッド…マジか…。女子の布団で寝ちまった…」
夢月「何よー、何か文句あるー?気絶しちゃったお兄さんを、運んできてあげたんだからね?」
カルゴ「そうなのか……。ありがとうな、夢月。ところで、幻月はどこに…?」
夢月「隣の部屋でまだ寝てる。お兄さんって回復魔法使えるじゃない?姉さんにもかけて欲しいなって思って…お兄さんの様子を見に来たの」
カルゴ「ああ、わかった」
さっきの戦いは魔力を使ってないから、魔力なら満タンだしな。
カルゴ「で、確認だけどさ。さっきの戦いは俺の勝ちでいいんだな?」
俺の最後の記憶は、勝利を夢月に確認したところまでだ。恐らく気絶したのだろう。
夢月「そうだね。姉さんが先にぶっ倒れたから。さ、隣の部屋に来て」
カルゴ「わかった」
トンッとベッドから飛び下り、軽くベッドメイクをしたあと、隣の部屋に入る。そこにはあらゆる箇所に包帯を巻いている幻月がいた。まず両翼、そして頭、腹だ。
包帯をすぐ交換するためなのか服は着ていない。
サラシのように胸にも巻き、胴体の方にも伸びているので、ミイラのようになってしまっている。
夢月「悪魔でさえこんなボロボロになるんだから凄いよねーお兄さんの力」
カルゴ「頭の包帯以外赤くなってやがる…」
夢月「あ、もう止血はしてあるよ。ちょちょいのちょいっとお願い」
カルゴ「ああ。治癒『
幻月「……ん〜…?」
目を擦りながら、ゆっくりと身体を起こす幻月。
夢月はそんな姉を見て包帯を解き、傷が治ってることを確認する。胸が見えそうなあたりで、俺はそっと目を逸らす。
夢月「おぉー、治ってる!流石の手際だね!」
カルゴ「へへ、まーね」
てか俺が与えた傷だし、俺が回復させられなくてどうするって話だけどな…。
カルゴ「おはよう、幻月。気分はどう?」
そばに置いてあった服を着た幻月にそう問うと、彼女は1つ、大きな溜め息をつく。
幻月「最悪の気分。負けないって自信あったのに負かされちゃうんだもの」
カルゴ「だから言ったろ、俺勝つって」
幻月「はぁ…。良いわよ、好きに命令して。好き勝手に暴れてきたし、殺されても封印されても、文句言えない立場だしね」
諦めたようにもう一度溜め息をつき、体をベッドに横たえる。どこかスッキリしたような目で天井をじっと見つめている。未練などは無さそうだ。
カルゴ「もちろん、好きに命令させてもらうよ」
夢月「何を命令するつもり?場合によっては阻止させてもら…」
幻月「夢月。いいの、私から許可したんだから。一応、覚悟はしてるつもりよ?」
夢月「……」
しゅんとする夢月。幻月はどんな命令をされると思っているのだろう。多分その予想は外れる。
カルゴ「幻月。お前は俺の女になれ」
幻月「………へ?」
夢月「!?」
カルゴ「聞こえなかったかな?俺の女になれって言ったんだ。命令だから本来なら拒否権は無いが考える猶予くらいはやるよ」
幻月「いやいや…え?聞こえてるから余計に耳を疑いたくなるんでしょ…。あなた自分の言ってることわかってる?自分を殺そうとした女の事を…その……かっ、彼女…?に、しようと…して…るんだからさ…///」
カルゴ「ハッキリ言おう。めっちゃ好みなんだ。自分のものにしたい」
幻月「真顔で何言ってんの!?」
カルゴ「別に、思ったこと口にしてるだけだぞ。フラン以外の彼女や嫁、娘には無い殺人的なその凶悪な力…俺の監視下に置くのにも丁度いいし。
…ってのは建前で」
幻月「建前!?」
カルゴ「言っちまえば一目惚れってヤツだ」
幻月「〜〜〜〜〜……!!」
勢いよくツッコむ割に、俺に押されてタジタジになる幻月。魚のように口をパクパクと動かして、この事態をどう解釈すればいいのかと頭を必死に回しているように見える。
幻月「─────って、ちょっと待って。あなたさっき、『他の彼女や嫁、娘』って言った??」
カルゴ「言った」
幻月「あ、あなた、お嫁さんや彼女まで居るの?なのに他の女にひ、一目惚れ…なんて…?///」
カルゴ「痛いところを突くな……。どうも俺は、独占欲が強い割に浮気性らしい。…で、どうだ?なんつーか…ハーレムに入って…くれない?」
幻月「そ、そうね…負けた立場だしこんな事言うべきじゃないかもしれないけど……」
カルゴ「?」
幻月「あなたも悪魔の端くれならさ、
カルゴ「何じゃそれ、そんなん俺知らんぞ」
幻月「え、それじゃあどーやってハーレムなんて作ってるのよ?まさかこんな口説きで引き入れて子供産ませてるワケじゃあ…ないわよね?そんなチョロい女?」
カルゴ「これまでは、女子の方から……俺に告白してきて…OKして…の流れだったからな」
幻月「…念の為に聞くけど、何人ずついんの?」
カルゴ「嫁が4人、彼女が14…あ、萃香居るから15人か。息子1人の娘10人」
幻月「え…嫁と彼女19人全員があなたに…?」
カルゴ「…そうなる」
フランの時は俺が言おうとする前だったし。
幻月「それ…完全に
カルゴ「なのかな?」
幻月「へー、無意識のうちに
カルゴ「マジか!」
口説き成功…ってことか?いや待て、ナンパ師はいつもこんな事してんの?心臓もたねー!!マジ緊張するもんこれ!!
幻月「じゃあ、誓いのキス、ちょーだい♡」
カルゴ「はい!?」
幻月「悪魔なのにそんな事もできないの?じゃあ彼女になってあげられなぁ〜い♪」
カルゴ「くっ……わ、わかった…!」
ベッドに座る幻月の頬に手を伸ばし、ゆっくりと目を瞑った彼女に、そっと唇を重ねた。ほんのり桃のような甘い味がした。
幻月「うふふっ、キスしちゃったね♪」
カルゴ「…桃の味した…///」
幻月「この前、魔界でリップ買ってきたの。この季節って乾燥するじゃない?保湿は大事よ」
カルゴ「なるほど」
夢月「姉さんとお兄さんが…大人の関係に…?」
幻月「大人ってほどでもないけどね。だって彼氏彼女ってだけだもの」
如何にも当たり前だと言わんばかりの態度で夢月に言い放った幻月。しかし、それが夢月の逆鱗に触れた。
夢月「ズルイズルイ〜!お兄さんを先に見つけたのも姉さんに紹介したのも私だよ!?なんでそこ姉さんが横取りするの〜!?」
幻月「横取りも何もこの人は私に惚れたんだし!夢月の出る幕はないわよ!」
夢月「何よそれ酷くないっ!?ねーお兄さんっ、私もお兄さんの女にしてよ!私はお兄さんがお気に入りだし、お兄さんも私の匂いが好き!ねぇ、良いでしょ良いでしょ!?」
後ろから抱きついてきた夢月は耳元でそう叫ぶ。
鼓膜がビリビリと震え、難聴に陥りそうになる。
カルゴ「わ、わかったわかった……わかったから落ち着いてくれ…」
夢月「ホントに?やったっ!」
幻月「甘ったるいわ…子供にも甘そうね」
カルゴ「多分甘いな…」
それから俺はしばらくのあいだ夢幻姉妹と様々な話をした。幻想郷にも興味を持ったようなので、ルールについても話してみたのだが、とても面倒臭そうにしていた。もしも2人が幻想郷に来るとなれば、夢幻姉妹が無双する未来しか見えない。
…まぁ、その時はなんとかなるだろう。
悪魔3人が交わると支離滅裂w
あとここまで読んで下さってる皆さんならわかるとおもうんですけど、俺、姉妹で取り合うシチュが好きなんですよね!
フランとレミリアの言い合いとか!
イブ編はほぼほぼセリフしかないですね。
クリスマス編本編に期待して下さい!!