またある日のこと。霊夢は、1人で境内の掃除をしていた。娘2人は姉や妹の所に遊びに行ってるので、現在は霊夢1人である。
退屈な掃除を終えた霊夢は、縁側に腰を下ろして茶を啜る。すると、珍しく参拝客がやってきた。
??「お久しぶりでございます、霊夢殿」
175cm前後の長身の男は恭しく頭を下げる。確かこの男は自警団のリーダー的存在だったはずだと霊夢は記憶を掘り返す。
霊夢「いらっしゃい。素敵な賽銭箱はあっちよ」
??「ははは、相変わらずですな。では……」
人の良さそうな笑みを浮かべつつ、その男は賽銭箱の前まで行き、チャリンと小銭を入れ、キチンと二礼二拍手一礼し、参拝を終える。
??「本日は調査の報告に参ったのですが…」
霊夢「報告?私に?」
??「いえ、エスカルゴ殿に、です。ですが……どうやら今は不在のようですな。せめて伝言だけお願い出来ないでしょうか?」
霊夢「簡潔に頼むわ」
??「『不審な金の動きは無かった』、とだけ」
霊夢「わかったわ、次来たら伝えとく」
??「……」
霊夢「ところであんた誰だっけ?」
??「佐助と申す者です。人里では自警団のリーダーを勤めております、ただの退魔師です」
霊夢「退魔師かー。じゃあ、一応同業者なのね」
佐助「…ええ、まあ」
霊夢「人里で手に負えなくなったら、守矢神社か博麗神社に来なさい。どちらに行っても、旦那がそっちに行くから」
佐助「それは心強い。エスカルゴ殿には、いつも助けていただいております。しかしそれも、霊夢殿のお口添えあってこそ。同業者の中で霊夢殿は神格化され始まっておりますぞ」
霊夢「はぁ?神格化?」
佐助「ええ。是非とも、握手願いたい」
霊夢「………ええ、それくらいなら良いけど」
2人の左手が触れ合った、その瞬間。バチィッと静電気のような音が急に頭に響き、霊夢は思わず後ずさる。それから、自分の身に起こった異変を感知して佐助を睨む。
霊夢「あんた、この御札………!!」
霊夢の左手の平には、「封」の文字が書かれた、1枚の札が貼られていた。
佐助「邪な力を封じる御札。妖怪と化した霊夢殿には、効果
霊夢「ど、どこが、よ…!」
佐助「強がりはよしなさい、膝が笑ってますぞ」
霊夢「こんなモン、一瞬で────」
インチキの封印破りを行おうとした霊夢。だが、霊夢は過去に稗田家にてそれを行っている為に、人里にも伝聞として伝わっていた。そして、その事を警戒していた佐助は号令をかける。
佐助「皆の衆!霊夢殿を取り押さえろ!!」
里人達「おうッッ!!!」
霊夢「っ!?」
茂みから突然姿を現した自警団の連中。手には、縄や御札などの、妖怪退治の道具を持っている。佐助の御札の効力によりただの人間の少女の力に戻っている霊夢は、封印を解こうとしていた隙を突かれ、屈強な男達に取り押さえられ、手や足を拘束されてしまう。
霊夢「あんたら、私を退治するつもり…!?」
佐助「いやぁ、その前に少しワシらを楽しませてもらいたいと思っておりましてなぁ」
霊夢「っ…!!」
佐助「妖怪といえど、見た目は人間と大差ない。しかも妖怪には並外れた体力がある。ワシら10数人の相手とて楽でしょう?…中に運べ」
霊夢「嫌っ!離れて!離して!!」
佐助「もがくと余計に封印の力が強まりますぞ。
…いや、念のためにもっと貼れ」
佐助の他の連中も、霊夢の足や手、背中などに、妖怪としての力を抑える封魔の御札を貼る。
霊夢「……ぁ……く………!!────ッ!!」
苦痛に顔を歪め、尚も抗うが次第に力が抜ける。神社の屋内に連れ込まれ、梁に縛られた手を吊るされて、足はM字開脚にさせられる。
里人「おっほぉ、霊夢殿の下着!!ふんどしでは無く…なんだ、この小さな布は…?」
佐助「クックック、霊夢殿をキズモンにされたと知ったらアイツは一体どんな顔をするんかのう?泣いて喜ぶか?クククククッ、想像しただけでも笑いが込み上げてくる……!!」
霊夢(力が入らない……縄を千切れない………!嘘でしょ…こんな、こんな事って……!)
佐助「ほぅれ、皆の衆も準備が整っとるわいの。それ、そろそろ始めようかの」
息を荒くして下半身を露出させた男たちは、梁に吊るされた動くこともかなわない霊夢にその手を伸ばし始めた。
霊夢「いやぁっ…いや、来ないでぇっ!やめて!来ないでったら!!」
里人「くぅ〜っ、唆るのぉ!!」
里人「やっぱ女を甚振るのは最高じゃ!」
里人「そんなちっこい変な布、鋏で切っ飛ばしてやるわい。………む?」
パンツを切り落とすが、そこには何重にも重ねて貼られている御札があるばかりで、霊夢の秘部を見ることはかなわなかった。
佐助「ほぅ…!」
霊夢「念の為の対策って、しとくものよね…!」
力の入らない弱々しいしたり顔をする霊夢。佐助はまばらに生えた顎の髭を撫でながら呟く。
佐助「なるほど、霊夢殿は亭主愛が強いらしい」
霊夢「そんなお粗末なモン見せつけて…!そんな汚くて短くてほっそいモンで、なにが女を甚振るよ!ちゃんちゃらおかしいわ!!」
里人「何ィ…!?」
佐助「狼狽えるな。御札なんぞ、剥がせばよい。ただそれだけのことじゃろが」
霊夢「あら?おかしいわね、あんたらも退魔師の端くれなら知ってるハズだけど?」
佐助「?」
霊夢「こういう御札はね、術者にしか剥がせないものなのよ」
佐助「若しくは、その術者を大きく上回るほどの力を持ってなければいけない………じゃろ?」
霊夢「ええ、そうよ。あんたらの中に、私よりも力が強い術者がいるのかしら?」
黙り込む一同。当然居るはずがない。居るなら、妖怪の跋扈するこの幻想郷にてその名が知れてるはずだからである。
佐助「なぁに、気を落とすな皆の衆よ。よく頭を働かせてみよ。穴が無いなら別な穴を探す。ただそれだけの事すら思い付かんか?」
里人「…そうか!」
佐助「上から目線で説教ばかり垂れてるその口に突っ込んだれ!ヒャハハハッ、残念だったのう、霊夢殿よ!ワシらの方がちぃとばかし
霊夢「ひっ…いやぁっ!!」
佐助「泣きそうな顔したところで誰も来んよぉ?ククッ、寧ろ男を喜ばせるだけじゃ♪」
霊夢「──────ッ!!」
絶望の文字を顔に貼り付けたかのような、悲痛な表情を浮かべる霊夢。叫ぼうとしてもそれで口に突っ込まれるとわかっていたからだ。
佐助「無理矢理押し込んででも、口を開かせよ。
クククククッ、残念だったのぅ霊夢殿よ!亭主が不在だった時に襲われた、自分の運命を呪え!!怖がらずとも、亭主より長く可愛がってやるぞ?互いの体力が完全に尽きるまでのぅ!ハーッハッハッハッハッハッハッハッ!!!」
里人「さっ、佐助殿っ…!この妖気は…!!」
佐助「なんじゃ?あのうつけ者亭主が帰ってきたとでも言うつも……り……………なんじゃ、この妖気は…!妖怪は入れんよう、神社全体に結界を張ったはずじゃろが!!」
里人「一体どこから………うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!!」
キョロキョロと見回していた男のうちの1人が、天井を見てこの世の終わりの様な表情を浮かべ、同時に叫んだ。
そこには、足で梁を掴んでぶら下がっている霊夢の亭主の姿があったからだ。
NTRが死ぬほど嫌いなので、憎悪を滾らすには、敢えて嫌いなものに手を出したという苦肉の策。まぁ未遂ですけどね。