カルゴ「ハッハハハハハハハ!!!イイぜぇ!!最ッ高にスカッとするぜェ!創符『スターダストフォール』!!!」
逃げ惑う人間たちの行き先を塞ぐように、隕石を降らし続ける。衝突の度に大地は大きく震えて、凹み、爆発と爆風が巻き起こる。
ゴゥゴゥと荒れ狂う火山の如く燃え盛る里の中を悠々と歩きながらも、「火事と喧嘩は江戸の華」という言葉を思い出していた。
厳密には江戸ではないが、文化的には江戸と大差無い幻想郷の人里。喧嘩は…俺の周りでは頻繁に起こる。尤も、原因は向こうにあるのだが…な。
そういったあまり良くない記憶が、そんな言葉を思い起こさせたのだろう。
本来の意味とは全く違うが………確かに“華”だ。
燃える里を見ていると、美しい華を見ている時のように思わず頬が緩んでしまう。違いは、「黒い感情が混じっているか混じっていないか」のみ。
里人「おい居たぞ、アイツだ!!」
里人「野郎ッ、ノコノコ現れやがって!!」
里人「お前のせいで里は滅茶苦茶だッ!!」
何かと思えば、里に蔓延るならず者たちだった。
外の世界風に言えば「不良」だ。だが不良たちは縄張り意識が強い。犯人である俺をシメようと、俺が1人である事をいい事に取り囲んだ。多数が少数を襲う。生物としては、コイツらが正しい。だがその戦法を執った時点で、自分たちの弱さを認めている事と何ら変わりはない。
カルゴ「クククッ…イイぜ?元表番として、拳で相手してやるよ…!」
今までは自分たちが無銭飲食などで苦しめてきたクセに、今度は里を壊されて怒る?鼻で笑える。思わず涙が出そうなほど可笑しい。
カルゴ「俺が〇中防衛
里人「ッ……!?」
〇中は俺の中学の略称だ。まさか先生も、成績が
そこそこ優秀だった俺が、(小さいとはいえ、)
チームの頭…表番だったことは知らないだろう。
田舎の学校だったので都会より粗暴な不良少年が各学校に存在していた。そして
俺たちのチームは自分らの縄張りを侵された場合にのみ動いた。積極的には攻め込まない。だが、やられたらトコトンやり返す。俺もヒビキも少し荒れていた。
不良は同族には礼儀を求めることがある。名前やチームを名乗るだの、不良漫画でもあるやつだ。
俺なんか見た目はただのオタクで、更にキラキラネームだから、余計に目をつけられていた。
里人「ぶ、ブチのめせぇえええええっ!!」
里人達「うおおおおおおおおおおおおっっ!!」
カルゴ「キタキタ…♪」
馬鹿正直に真っ直ぐ向かってくるならず者たちに拳の洗礼をくれてやる。正面の男には顔面に拳を叩きつけ、そのままの流れで手を手刀の形にし、上から見て時計回りに体を回転させる。刃物でも無いただの手で、面白いほど首がポンポン飛ぶ。ギリギリで回避した者やリーチの外にいた者は、怯えた表情で血に濡れる俺を見る。
里人「やっ、やめっ…やめろっ、来るなぁ!!」
カルゴ「根性無しが…。外の人間の方がマシか」
里人「ひっ────」
拳で圧を送ると、頭がスイカのように弾け飛ぶ。
すると背後から男の声が響く。
里人「うっ、動くんじゃねぇ!!動くと…ドカンだぞ!!」
カルゴ「ガキの脅し文句か」
里人「動くなっつってんだろ!!?うわああああああああああっ!!」
振り向くと、ガタガタと震えながら火縄銃を俺の顔に向けている男が目に入った。そして哀れにも叫びながら銃を放つも、狙いは逸れて、俺の腹に当たった。冷たい鉛玉の感触がする。
里人「あっ、当たっ…た……?へ、へへへっ…!次は頭だっ!!」
カルゴ「たかが1発で…」
里人「お前を殺すには遠距離からの攻撃が有効!へへっ、それに気付いた俺は最強だ!」
カルゴ「紅武器『
腹に触れて手に血を着けた俺は、そこから赤黒い槍を生み出し投擲する。
里人「ごっっ………!?」
カルゴ「遠距離攻撃できないとでも思ったのか」
心臓の辺りを吹き飛ばされたその男は、その血を噴水のように吹き出して絶命した。
カルゴ「………拳じゃなかったか。…まぁいい、あの武器だって本質は俺の血…身体の一部だ」
ならず者を掃討した俺はまた燃える里の中を散歩する。ポケットに手を入れキョロキョロ見回す。口を開けば「今日は何して遊ぼうかな?」とでも言いそうなほどの、とても軽い足取りだ。
幻月「ダ〜リ〜ン♪」
シュタッと幻月が目の前に着地する。何故幻月が俺をそう呼ぶのかまるでわからない。クリスマスからそう呼ばれていたが。
カルゴ「どうした?」
幻月「あ、ダーリンって認めた♪」
カルゴ「…用は?まだ掃討済んでないと思うが」
幻月「『自警団』って書かれてる建物に、人間が隠れてるの見つけたから、教えてあげよっかな〜って思ったの!一緒に行かない?」
なるほど。自警団には、退魔師や封魔師が居る。霊夢のところに行ったのが全員では無い事は既にわかっていたが、まだ死んでいなかったとは。それより、潰れていない建物が里にあったのか。
カルゴ「OK、行こう。夢月も連れて」
幻月「夢月は見張ってるよ♪」
カルゴ「わかった」
懸念は、ある。一応自警団に所属している妹紅や慧音が今どこに居るのかだ。この異変に気付いているのか、こちらに向かっているのか…それとももう里の中に侵入しているのか。
カルゴ「…居ないな」
幻月「?」
スキマで移動した俺と幻月は、消化されたらしい自警団の建物の前に来た。幸いあの2人の気配は一切感じられなかった。そして、夢月は俺たちに合流する。
カルゴ「ケケッ…面白そうだから一芝居打つぜ」
幻月「…別にどうでもいいんだけど、『ケケッ』よりも『ククッ』の方が好きかもなー」
カルゴ「笑い方の方がどうでもいいぞ…」
入口手前で「あー、あー」と発声練習した俺は、如何にも焦っているという雰囲気、表情、声で、自警団の建物に飛び込んだ。
彼の言う「芝居」とは…!?
執筆秘話
俺もヒビキも少し荒れていた。
だからこそ東方という癒しを求めていた。
メタかったしこのシーンに合わないと思ったのでその一文を消した。