※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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賢者の憂鬱

何もやることが無い日は、ほぼ確実に自分の家に篭もっている。私は一人暮らしだ、1人で居れば能力をうっかり使用してしまう事も無い。月は、地上とは違って様々な娯楽がある。しかし、生憎私はそんなものには興味が無い。

別段、やりたい事も無い私は、ただ無為に日々を過ごしている。平和だが、実に空虚だ。賢者だの何だのと呼ばれてはいるが、その実、平和の為に力を抑えながら、黙って生きているに過ぎない。

つまらない。私は何の為に生きているのだろう。

月に仕えるため、だろうか。…自分にそんな問を投げ掛けても、答えすら出てこない。満足に自問自答すらも出来ないとは、賢者が聞いて呆れる。もう夕方だが…少し、地上に行ってみるか。

 

 

 

サグメ「…ごめんください」

 

地上から行くとほぼ確実に迷うことになるので、空から永遠亭へ向かった。迷って、白髪の少女の世話になるのはごめんだった。親切ではあったがどこか威圧感を感じられた。息が詰まるような…私が月の民だと知れば、手のひらを返してすぐに襲いかかってきそうな…そんな妙な感じがした。

 

てゐ「はいはーい、どちら様ウサー?」

 

小さい妖怪兎が出てきた。確か、因幡てゐという名前だったか。兎たちのリーダーだと八意様から聞いている。…とてもそうは見えないが…。

 

てゐ「あぁ、お師匠様のお客さんウサね?」

 

サグメ『1つ訊ねたい。今、奴はここに来てるのだろうか?』

 

てゐ「奴?誰ウサ?」

 

あの男、なら通じるだろうか?

 

サグメ『あの男』

 

てゐ「あー、エスカルゴウサ?来てないウサよ。だって今日は妖怪の山の日ウサ。寺子屋の先生とデートしてるかも〜って、巫月も言ってたウサ。どうしてウサ?」

 

サグメ「………」

 

言われてみれば…何故私はあの男の事をそんなに気にしているのだろう。無意識を操る妖怪がこの幻想郷には居ると奴から聞いているが…まさか、今私のそばに居るのだろうか?流石に無い…か?尤も、無意識などというのは妖怪の力に関わらず誰にだって存在し得るものだが。

 

サグメ『先日も八意様達に言ったが、奴がいると酷く煩い。私は静かにお話したい』

 

てゐ「じゃあ、お師匠様の事、客間に連れて行くウサ〜。ささ、上がって上がって」

 

サグメ「…お邪魔します」

 

てゐ(カマかけても表情の変化ゼロ…。どうやら本気で嫌ってるっぽいウサね…並大抵のポーカーフェイスで私の目は誤魔化せないウサ)

 

結局この日は、私はどこか上の空になりながらも八意様と月の都について話し合いをした。いつも通り、とても参考になり、興味深いお話だった。やはり、都の創設時から月に居た八意様は違う。まさに賢者中の賢者だ。最高峰の賢者と言える。

 

 

 

次の日。私は、都の重鎮から呼び出しを喰らい、仕方なく我が家を出た。しかしそれとほぼ同時に近くのお屋敷から飛び立った人影が、2つ。

私に気付いた2人は、飛びながら接近してくる。

 

依姫「おはようございます、サグメ様」

 

豊姫「もしやサグメ様も…?」

 

サグメ『も(・)?あなた達も呼ばれたの?』

 

豊姫「はい」

 

依姫「もう訓練の時間なんですけど…仕方がないので、一時的にペットに指揮を任せました……。恐らく、グダグダになっているでしょう…」

 

豊姫「賢者様の前で仕方ないとか言わないの」

 

依姫「あっ…申し訳ございません、サグメ様!」

 

サグメ『別に構わない。ハッキリ言って面倒だ。呼び出した用件は…先日のアレだろう』

 

依姫「ですね…隠し通せるか不安です…」

 

豊姫「たま〜に、ボロが出るものねぇ、依姫は。八意様も言っていたでしょう?時として、誰かを守る為に嘘は必要になる、と」

 

依姫「そうですが…賢者様が並ぶあの雰囲気が、私はどうも苦手で…」

 

豊姫「それは私もだけどね…」

 

私、豊姫、依姫。共通するのは、先日の月都侵攻だろう。また、会議にかこつけた事情聴取紛いな事を行うに違いない。

ここ数日、隔日で行われている賢者による会議。それには賢者でない綿月姉妹も召集されている。

会議の内容は「月都侵攻の犯人について」だ。

 

 

 

依姫「…ですから、常々申しておりますように、あの時の侵攻の犯人は純孤と地獄の女神、地獄の妖精の3人です!私とお姉様、サグメ様が嫦娥様に向かおうとする3人の相手をしました!」

 

賢者「ならばその3人の誰が都の結界を破った?そして何故これまでの侵攻は先日のような攻撃をしてこなかった?そもそもあの敵に、都の結界を破るだけの力があるのか?」

 

依姫「………」

 

私も豊姫も依姫も、賢者の威圧的とも取れるその問いには黙るしかない。純孤たちには都の結界を破るほどの力は無い。だが、現に破られたのだ。

3人にその力が無いなら第三者の存在を疑うのは当然のこと。私たちは、本当は都の結界を破った犯人を知っている。だが私たちは八意様に「彼の存在を隠しなさい」と言われている。それが一体どういう意味なのか。まだ、答えは出ていない。けれど、右も左も分からない内は、八意様の一言一句全てに従う他、打開策は無い。そして、私が何か口にしてもいけない。

 

賢者「…して、サグメ殿」

 

賢者の1人が、私を指名した。返事はせず、ただ視線をその賢者に向ける。焦りも何も見せずに、普段通りの無表情のままで。

 

賢者「ココ最近、頻繁に地上に行っている…との情報を小耳に挟みましてな。その理由をお聞かせ願えますかな?」

 

…どこの誰がそんな情報を?豊姫や依姫がそんな余計なことを言うはずがない…。地上とパイプを持つ賢者が私の他に……?

 

サグメ『結界を破った第三者の存在には私も薄々

勘づいていた。故に、その調査に向かっていた。穢れに耐性のある者が、その調査には相応しい』

 

まぁ、そんな調査は全くしていないのだが。

 

賢者「んなぁるほどぉ〜。しかしですなぁ…都の結界が破られたというね、これまでに無いほどの一大事だ。そんな大事な調査をたった1人で?」

 

コイツは何を言っているのだろう。大事な調査…だからこそ、隠密に行うべきだろう。調査団でも結成するべきなどと言うのだろうか?

 

賢者「賢者による調査団でも結成するべきだ」

 

本当に言ったコイツ……愚者中の愚者だ…。

 

サグメ『単独の方が、隠密行動には向いている』

 

賢者「隠密…ね。堕ちた賢者、八意XXと密会を行っている…とも聞きましたがねぇ?何か疚しいことでもあるのでは無いのですかな?」

 

サグメ「!」

 

堕ちた賢者だと?貴様らもより遥かに月を想い、地上に降りてもなお、月に尽くし、月の為に影で動いている八意様に向かってよくそんな口が…!

…いいや、落ち着け。ここで焦っては、それこそこの愚者の思うつぼだ。それより先に解決すべき問題がある。誰が情報を漏洩させたか…それとも奴自信が、地上とのパイプを持っているのかだ。

「小耳に挟んだ」と言っておけば第三者が居ると思わせる事ができる。しかしその実、本人がその地上とのパイプを持っている者だとしたら……?

この愚者にそんな頭が?…仮にも賢者と呼ばれる者だ、油断してはならないだろう。気をつけて、他の者が月に漏らした可能性も少し考慮せねば。

まさかレイセ…鈴仙が月に居る玉兎に漏らした?いや、それは考えにくいな…。その娘か?それも考えにくい。あの娘は、母親以外との連絡手段は持ち合わせていない。ならば、鈴瑚と清蘭が…?

…………何が何だか、よくわからないな。だが、1つだけわかる。ここでボロを出せばそれだけで八意様の言葉に背く事になる、ということだ。

 

サグメ『疚しいこと?何のことだかわからない。八意様の元に行ったのは事実だ。それは認める。だが、昔のよしみで少し雑談しに行っただけだ。そして、結界を破る程の実力者が居ないかなども訊ねてきた』

 

賢者「ほぉう?そして、結果は?」

 

サグメ『つい昨日、地上の実力者のうち、結界を破ることができる者は数少ないとの答えを得た。八意様は心も地上に染まったので、我々月の者に地上の情報を漏らすのを渋られていた。しかし、何とか説き伏せ、答えを得た』

 

許して欲しい、綿月の姉妹…。ただ「染まった」とは言ったが、「堕ちた」とは言っていない。

実際は、完全に染ったとは思えないが…そこまで言わずとも、あなた方には伝わっているだろう。

 

賢者「ほうほう…!して、その者は?」

 

サグメ『ヘカーティア・ラピスラズリ。この地獄の女神が、地上の最高峰に君臨する程の実力者。それからもう1人、妖怪の賢者と呼ばれる者も』

 

豊姫(アイツね…)

 

サグメ『ただしその者には、破壊する力が無い。解除するのみである』

 

賢者「つまり?」

 

サグメ『結界を破ったのはあの時月に攻めてきたへカーティア本人という結論に至った』

 

賢者「ハッ!話にならん!」

 

サグメ『何?』

 

賢者「前回の侵攻にもその者は居たではないか。なら何故前回は今回のように力で攻めなかった?おかしいではないか。神は成長などせん。今更、力をつけてきたので結界を破ったとでも?」

 

サグメ『神は成長しない……という認識が合っているのかはともかく、あの女神が力を隠しているのは明白。対峙した時も、かなりの圧を感じた』

 

賢者「結界を破るほどの力を持ちながら、尻尾を巻いて退散したと?解せん」

 

サグメ『その時に対峙したのは、私だけではなく他に2人居た』

 

賢者「綿月姉妹であろう?」

 

サグメ『豊姫の持つあの最新兵器はご存知では?女神と言えど穢れに塗れている。あれを喰らえばタダでは済まない。消え(浄化され)たくないから逃げた』

 

賢者「な、なるほど…ふむ…説明は、つくか…。なるほどなるほど…ふむ…」

 

何が「なるほど」だ。論破されて焦っているだけだろうに。綿月達賢者では無い者の前で、自分と同じ賢者に論破されたのが恥ずかしいんだろう。尤も、コイツと同じとは考えたくないものだが。

「ふむ」などと言っておけば頭良く見えるとでも思っているのだろうか。

 

サグメ『更に言えば、今回の侵攻が力押しだったのは、作戦の立案者が前回と違っていたからとの結論にも至った』

 

賢者「というと?」

 

サグメ『純孤は怨みに塗れながらも冷静だった。だから回りくどい攻め方をし、月の都の凍結まで追い込むことができた』

 

賢者「…ふむ」

 

サグメ『その点、へカーティアは、己の持つ力に自信があった。だから力で押そうと考えた』

 

賢者「…な…なる、ほど…」

 

サグメ『そもそも、神の力も利用して作っている結界を破壊可能なのは神だけでは?神をも超える力の持ち主が地上に居るとでも?』

 

賢者「……………」

 

論破成功。「眷属」の事を知らないのだろうか。知っていたら反論できるはずだが…。眷属とは、神の器であり、神の代弁者、代行者…そして神の力を受けて、擬似的にではあるが神にもなれる、特別中の特別な存在。

結界を破った時は眷属としての真価を発揮したと本人から聞いている。

それにしても手が疲れた。彼らは話がつまらなく誤っている上に、長話ばかりをする…。私とは、トコトン相性が悪い。いっそ、彼らの運命を逆転させて、「いつかは死ぬ」運命にしてやろうか。

…そうなれば、私もいつかは死ぬ事になるが…。それに、今ここで言えば綿月姉妹までそうなる。それだけは絶対に避けなければなるまい。

 

サグメ『これ以上、実の無い話をするのならば、私はもう帰りたい。少々、考えたい事がある』

 

依姫「私も…。玉兎兵の訓練がありますので…」

 

豊姫「私は…まだ構いませんが」

 

賢者「…どうでしょうかなぁ…」

 

賢者「もう大丈夫なのでは?」

 

賢者「このような事はもう辞めましょう、味方を疑うような真似は」

 

全くである。

 

賢者「では本会議は閉じますか」

 

この会議中常に沈黙を貫いていた司会者気取りの賢者は、重々しく口を開いた。司会者気取りなら進行などを行ってほしいものだ。まるで、誰かの傀儡のようにも見える。……とすると、彼を裏で操っているのはあの愚者か。

すると、先程まで私に突っかかってきていたその愚者が、醜く口元を釣りあげながら懐に手を入れ何かを取り出す。

 

賢者「『味方を疑う』…?そりゃあ、こんな物を見れば疑いたくもなりましょう……!」

 

サグメ「!!」

 

豊姫「まぁ…!」

 

依姫「なっ…!?」

 

それは、何枚かの写真だった。2振りの黒い剣を背中に掛けた翼のある男と、片翼の私が、2人で笑いあって団子を食べている様子の。

それを見た一同の視線は、写真か私のどちらかに向いた。綿月姉妹も驚きを隠せていない。

 

賢者「サグメ殿…最近この男と仲がよろしいようですなぁ?」

 

サグメ『仲良く見えるだろうか?』

 

賢者「普段から無表情のあなたが何故笑顔に?」

 

サグメ『情報を引き出すならそうした方がいい。言わば偽りの笑顔だ』

 

賢者「とてもそうは見えませんがねぇ。各々は、この写真をどう見ますかな?」

 

その賢者は他の賢者に問う。

 

賢者「サグメ殿も笑顔になるのか…」

 

失礼だなコイツ。

 

賢者「とても偽りには……」

 

私の笑顔を知らないくせに、何を言っている…。偽りか本当かなんて、見分けがつかないだろう。

 

賢者「どうですかな、綿月姉妹よ?」

 

依姫「…偽り、かと…」

 

豊姫「…同じく…」

 

賢者「おやおやおや?声が震えておりますなぁ。そもそも笑顔を見た事がないのにどうして本物か偽りかの判断がつくのかね?」

 

依姫「私たち姉妹は、幼い頃から…サグメ様とは繋がりがあります。故に、遥か過去にサグメ様の笑顔を見た事があるのでそう判断したまでです」

 

豊姫(…何故サグメ様は、私たちや八意様にしか見せてくれない、本当の笑顔に…?その男に一体何を想っているのですか…?)

 

賢者「ほう、どんな繋がりですかな?」

 

依姫「…八意様、関連の…繋がりです。八意様はサグメ様を『聡い人』と評して、ご自分の血筋に当たる私たちに、サグメ様と会う機会を、設けて下さいました」

 

賢者「…ふむ」

 

サグメ『賢者よ。写真なんて用意して、あなたは私に対し一体何を言いたい?』

 

賢者「分かりませんかな?八意XXに『聡い人』と評されたあなたが?」

 

サグメ『意図が掴めない』

 

賢者「いやはや、『聡い人』が聞いて呆れる…。

XXも見る目が無いものだなぁ」

 

姉妹「ッッ……!!」

 

落ち着いて、綿月の姉妹…ここで何かしら動きを見せれば疑われるのは避けられない…。どうか、あなた達だけは疑われる事の無きよう努めて…。

 

賢者「綿月姉妹は何か言いたいようですな?」

 

依姫「……何も…っ……」

 

豊姫「……同じく……」

 

サグメ『綿月姉妹は置いておいて。私はあなたに問うている。質問に答えて欲しい』

 

賢者「ならば答えよう」

 

満足げに大きくゆっくり頷いた賢者(愚者)は、机に手をついて立ち上がって、太い声を会議場に響かせんばかりに大きな声で答える。

 

賢者「地上に入り浸り、地上の者と仲良くして…あなた…いや、お前は既に心身共に穢れている!その穢れた身で何を言おうとも全く無意味だ!!

XXから『聡い人』と評されたのは、自分に近い思考をしていたからだ!故に、お前も穢れを持つという哀れな運命を持っている!!堕ちた賢者と同様にお前も穢土(えど)へ堕ちるつもりなのだろう!!

…ただ、そう言いたいだけだ!」

 

そこまで言うと、ドカッと着席した。

 

サグメ『私が穢れている?わざわざ穢土へと足を踏み入れ、原因を調査している私に対してそんな口を利くのか?口しか動かせない者が』

 

賢者「フン、誰も調査など頼んではいまい?」

 

サグメ『では原因の究明はどうする?こんな所で雁首を揃えて話した所で、結論などは出ていないではないか。実地調査してこそ掴めるものだ』

 

賢者「そうやって調査を進めて己が穢れては何の意味もないからだ。ここから地上を調査する方法など他に幾らでもあるではないか。なぁ依姫?」

 

依姫「……はい……」

 

賢者「月の使者は地上を見張っている。ならば、月から安全に調査する事も可能だ。見よ、お前の周りの真の賢者達を!誰もお前の言葉に耳を貸す者なんぞ居やしない!!」

 

横目でチラリと見てみるが、どいつもこいつも、私に対し疑惑の目を向けているばかりであった。すっかり、誘導されてしまっているらしい。自分自身で思考することを忘れてしまったと見える。思考を忘れたら、賢者としては死に等しい。

…なるほど、排他的だ。穢れた可能性がある者に対しては、手のひらを返したように冷たくなる。彼の言っていた言葉の意味が、ようやく分かった気がする。自分を客観視するなど容易な事…だと思っていたが、全然、出来ていなかったらしい。まさかここまで酷いとは、夢にも思わなかった。これでは、彼が月を嫌うのも共感できてしまう。

 

サグメ『馬鹿馬鹿しい』

 

席を立つと、皆一様に椅子を鳴らして私から離れようとする。穢れを忌避してのことだ。しかし、姉妹だけは私を心配するような目を向けてきた。

 

賢者「おやおや、会議の途中だが?」

 

サグメ『このように何かを決めつけてかかるのは会議ではない。私は、会議に呼び出されたのだ。会議以外のことをするのならこの場からは去る。ただそれだけだ』

 

賢者「とか言って、穢れているのが事実だから逃げるだけでは…」

 

他の賢者のそんな言葉を背中で聞きながら、私は会議場を後にした。そして私に続き、綿月姉妹も会議場から脱してきた。

 

依姫「何なんですかアイツら、サグメ様に……!絶対にあれは嫉妬です、月の頭脳と謳われていた八意様に、そのように褒められていたサグメ様が羨ましくて────」

 

豊姫「口を慎みなさい、依姫。口だけの者というのはどこにでも存在するものですよ」

 

依姫「しかしあれはあまりにも酷いです!流石に賢者といえども目に余る発言ですよ!もう少しで全員斬り捨てるところでした!」

 

サグメ『豊姫の言う通り。だが、約束は守れた』

 

スケブに書かれたその言葉に、強く頷いた2人。やはり、私の想いは2人に伝わっていたらしい。それがわかっただけでも、私はとても嬉しいし、同時にとても有難く思える。

 

サグメ『私は帰る。何かあったら私の家に来て』

 

姉妹「分かりました。お気を付けて」

 

サグメ『あなた達も』

 

姉妹(少しはあの男(エスカルゴ)の言っていた意味がわかったような気がします…八意様…。確かにこれでは、自分達の住むこの月が嫌いになりそうですね…。しかし、私も月人である誇りは捨てません…)

 

会議場のある建物から離れて、それぞれの家への分岐点にて、私達は別れた。それから私は、家で自分の考えをまとめることにした。

これから自分はどうするか…又はどうしたいか。

そして、自分自身の真意を掴み取るために。




495話だー!495!495!
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