カルゴ「你好、美鈴♪」
美鈴「你好…おぉ!?あなたもしかして…!!」
スキマで図書館から門へ行き、美鈴の前に着地。一瞬俺の姿に驚いたようだが、以前にもこの姿で会ったことがあるので、すぐに分かったらしい。
カルゴ「また子供になった!今度は意図的に!」
美鈴「そうですか!今回も可愛らしいですね♪」
カルゴ「えへへっ…♪」
俺の目線に合わせるように膝を曲げ、ポンポンと優しく頭を撫でてくれる。文もだが、こうやって身を低くして目線を合わせてくれるあたり、その人の人柄が出ているとつくづく思う。
カルゴ「でさでさ、ちょっと美鈴にお願いがあるんだけどさ…いいかな…?」
美鈴「はいっ、なんなりと!」
カルゴ「…俺と戦ってくれない?武器は無しで、格闘と弾幕だけでさ。殺し合いとはいかないけどそれくらい激しい戦い、してみたいな」
つまりドラゴン○ー○みたいな戦いという事だ。
美鈴「お…おぉ…!良いですよ!良いですとも!やりましょう、今すぐにっ!!」
カルゴ「子供のフリは疲れるから言葉遣いとかは元に戻すけど」
美鈴「何でも良いです!」
カルゴ「…やっぱり、見た目も元に戻さなきゃ、かなり不自然だよね。早速、さっき覚えた魔法を使おっと。魔術『
やはり、詠唱は短い方がいい。そう考えた俺は、覚えた魔法の魔法式を少し弄り、スペル化した。既に覚えた魔法の魔法式なら、魔法に関する学が少なくともそれくらいは出来る。
ところで、パチュリーはスペル化させているのに詠唱もしているが……詠唱が長いということは、強い魔法という事だ。恐らくルナより強い魔法があるのだろう。
美鈴「おお〜っ!いつもの姿に戻りましたね!」
普段の高校生ほどの姿になると、美鈴は、いつも通りの明るい笑みを浮かべる。
カルゴ「変身した姿を保つためには魔力を消費し続ける必要があるんだけどね。解除は、いつでも出来る仕様だけど」
美鈴「ふむふむ」
他人の姿にさえ成れるが、当然ながら能力は模倣出来ないし、記憶も模倣出来ない。あくまでも、肉体だけだ。もし女に変身したら……俺の愚息は消えて、肉壺がこの身体に現れる。…あんまり、考えたくはない事だが。
カルゴ「やろうよ。血湧き肉躍る戦いをさっ!」
美鈴「はい!宜しくお願いします!…はぁっ!」
互いに拳を構え、正面から睨み合う。最初に突撃してきたのは美鈴。正面から向かってくる拳を、首を傾げて回避するが、足払いされ、俺の肢体は空中にフワリと浮き上がる。
美鈴「ほあぁぁっ!!」
祈るように手を組み、そのまま上から、俺の腹を目掛けて振り下ろす。肋骨が悲鳴を上げ、1本か2本ほど折れてしまう。
カルゴ「ごふぁっ……」
勢い良く地面に叩き付けられるとその地面は少し凹んでしまった。しかしそれでも、美鈴は追撃の手を全く緩めない。飛び上がり、踏み付けようと勢い良く急降下してきた。
カルゴ「くそっ…『エスカルゴ・スパーク』!」
美鈴「っ…防備『クラッドアーマー』!!」
地面で寝たまま、服に貼り付いている魔法陣から少し太めのレーザーを発射する。同時に、美鈴が透明の気の鎧を張るスペルを発動させる。
どちらが早いか。俺の方が早いと思っていたが、美鈴の方が一足早かったらしく、レーザーは軽く弾かれてしまった。
レーザーに少し押された美鈴は、キックの方向をズラされ、少し離れた所に着地する。
美鈴「ふー…危ない危ない…」
カルゴ「チッ……相変わらず強い鎧だな」
美鈴「自信ありますからねっ!」
俺はあの鎧を砕いたことは無い。それほど美鈴の気の鎧は強固だ。だが、物理的に触れるのなら、破壊は可能だ。
カルゴ「破壊符『
美鈴「なっ…!?」
右手をキュッと握ると、美鈴の気の鎧は呆気なく砕け散って消えてしまった。目を潰したのだ。
美鈴「おやおや…暴走していないのに破壊の力を扱うとは…恐ろしいですねぇ…」
カルゴ「なーに…
不定期に予知夢を見るのと同じ事で、平常時でも彼女達の力を使えると思ったので、パチュリーや永琳の協力もあり、範囲は狭いものの破壊の力を使えるようになった。本当に狭い範囲だ。
能力の有効範囲は、半径10m前後しかない。もし仮に隕石がここに落ちてきて、このような感じに破壊しようとしても、きっと、目を手に移すのが遅くて衝突してしまうだろう。つまりは、比較的余裕のある接近戦に限った手段という事だ。
美鈴「まさか私のことも破壊するつもりじゃあ…無いですよ、ねェッ!!」
身を低くして突撃してくる美鈴。拳の射程距離に入ると、容赦なく拳撃を繰り出してくる。
カルゴ「自分の
俺も拳を繰り出して、美鈴の拳とぶつける。ビリビリと向こうの攻撃が響いて、手が少し痺れる。美鈴もそうだと思いたいが、恐らくそれはない。美鈴の攻撃の方が俺よりも強いだろう。
カルゴ「ってぇぇ…!」
いっその事、勇儀のように手を破壊して欲しい。
中途半端に原型を残していると、かえって痛い。
美鈴「もう少し力あげた方が良さそうですね…」
カルゴ「ああ、いいよ来いよ!今日こそ格闘戦で美鈴に勝ってやる!」
美鈴「…はあああああぁぁ……!!」
構えを取りながらゆっくりと息を吐き、少しずつ力を溜める。何故か、彼女の足元の草がだんだん茶色く枯れてきている。
カルゴ「お…おいおい…まさか…?」
美鈴「生気を吸い取って力に変えています…!!ふふふ…弦月姫ちゃんが
弦月姫なら枯れた草花も甦らせる事が出来る…。
なるほど、そういう事かよ美鈴…てかやべぇな、ホントに自分の力に……。
カルゴ「やめろ美鈴!落ち着けぇ!それ以上気を高めるなぁぁ!!」
美鈴「おやおやぁ…?私が力を溜めるのがそんなに怖いのですかぁ…?」
力を溜め終えたらしい美鈴はニヤニヤと勝ち誇ったような笑みを覗かせる。しかし、俺は逆にその言葉に一笑する。
カルゴ「うんにゃ、言ってみたかっただけっ!!うる゙あぁぁっ!!」
後方に土を飛ばして美鈴に肉薄し、真横から頬を殴ろうと腕を振るう。女子は殴りたくないな、と思ってはいるが、拳法家の美鈴にはこうして相手するのが礼儀というものだ。…女子?女性?いや別にどっちでもいいんだが。
美鈴「甘いですよッッ!!」
俺のパンチをしゃがんで避けた美鈴はその反動を利用して頭突きしてくる。
カルゴ「ぃぎっ……!!」
顎の骨がメキメキと嫌な音を立てるが美鈴はまだ追撃の手を緩めない。俺が完全に気絶するまで、続けるつもりらしい。顎を打たれ空中に打ち上げられた俺の顔を掴み、勢い良く飛翔する。
視界は美鈴の手のひらで塞がれ、何も見えない。
美鈴「いきますよおおおぉぉぉっ!!!せいぜい死なないで下さァいッ!!」
カルゴ「やっば…美鈴の握力…パネェ…!?」
顔を掴む美鈴の手首を掴むが、それを解ける気が全くしない。美鈴の腹を蹴り上げて、自らを解放させようと試みるが、足を曲げると美鈴ではない硬い何かに触れた。
カルゴ「─────へっ?」
足がその硬い何かに触れた途端、頭部に凄まじい衝撃が走った。続いて、爆発するような音とガラガラと何かが崩れる音が聞こえてきた。
美鈴「あっちゃ〜…また塀壊しちゃった…」
どうやら○ロリ○が○○ー○を岩盤に叩き付けたように、俺も塀に叩き付けられたらしい。お陰で頭がガンガンと酷く痛む。割れたのか、生暖かい血が顔に垂れてきた。
美鈴「まっ、壊してもいっか!エスカルゴさんがまた
勝手な事を言いやがる、と内心で笑う。当然そのつもりだったが頼られるとは思わなかったのだ。
美鈴「…あれ、瓦礫から出てきませんねぇ…気絶したならまた私の勝ちですが」
気絶した事にされてはかなわない。短めの休憩をやめ、瓦礫を吹き飛ばして立ち上がる。傷はもう治っているが、血は顔にベットリとついている。
カルゴ「まだ気絶してねーぞ…へへっ…」
美鈴「そう来なくてはっ!なんだか、歴戦の戦士みたいでカッコイイですねぇ!」
カルゴ「チッ、美鈴は全く怪我してねーな…」
美鈴「叩きつけた時の衝撃は凄かったですがね!身体が頑丈なので!」
頑丈じゃなきゃ冬の外で門番とか出来ねーって。
そりゃ頑丈にもなるよ。
カルゴ「もう力上げるぞ美鈴!負けてらんねー!今日こそ倒してやる!」
美鈴「返り討ちにしてあげます!!」
瓦礫という不安定な足場の上で、構えを取って、鴉天狗と同じような超速度で美鈴に迫る。
カルゴ「づあああああぁぁっっ!!!」
美鈴「そぉぉ…れッッ!!」
カルゴ「ッッ………!?」
前傾姿勢で迫った俺の腹に美鈴の足がめり込む。
俺の拳より美鈴の足の方がリーチが広いらしい。
美鈴「今日の私も、ほとんどカウンターしかしてませんねぇ…もっと相手の動きをよく見なければいけませんよ?」
カルゴ「見てーけど…速くて見えねぇよ、美鈴の動きとかさ…。イテテテ…」
上手い具合に鳩尾にハマった美鈴のつま先は、大ダメージを与えてくれた。傷は治せても、これはどうにもならない。痛みには耐えなければ。
美鈴「見るのではないです。視るのです。相手の動きを見て、その先を視て、体を動かすのです。カウンターは、先を視なければ為しえませんよ」
カルゴ「やっば…全くわかんねー…!」
美鈴「では私から攻めてあげます!はあぁっ!」
カルゴ「速────…」
あまりの速さに避けることがかなわない、受けるしか無い…と思ったその時。突如、身体から力が抜けるような妙な感覚がした。
倒れる時のように世界が歪み、目線が低くなる。
美鈴「およっ!?」
変身のリミットが来たらしい。おかげで、美鈴の拳を避けられた。しかしこれでは、俺のリーチが狭くなるばかりだ。
美鈴「なるほど、下ですか!」
カルゴ「ッ!!」
パンチが空振った美鈴はすぐさま攻撃を切りかえ蹴りに移行する。目の前に迫る蹴りを、俺は顔で受け止め、館の方に吹き飛ばされた。
カルゴ「ってぇぇぇ…!鼻の骨逝ったわこれ…」
玄関の真上に叩きつけられた俺は、地面に落ちて鼻を押さえる。口と鼻、それから眼孔からは血がドクドクと溢れ出し、地面を赤く染めあげる。
美鈴「気砲符……」
両手を自身の左側にもっていき、手のひら同士を向けると、その中に虹色の光が灯る。
美鈴「『かめはめ波』ァァァァァッッ!!!!」
雄叫びを上げると同時に、両手を正面に移動させ虹色の光線を放つ。
やっぱ最後は、こういうぶつけ合いだよなぁ…!
漫画読んだからって、いくらなんでも丸パクリはどーかと思うけど…本家より強そうに見えるぞ、美鈴のかめはめ波…!
カルゴ「『エスカルゴ・スパーク』ッッ!!!」
「入口」は狭いけど…やってみてやれねぇことは無いはずだ…この勝負、俺がもらうぜ、美鈴!
美鈴「はあああああああああぁぁぁッッ!!!」
カルゴ「ウオオオオオオォォォ!!!!」
壊れた塀のあたり…だいたい俺と美鈴の真ん中で激しくぶつかり始めた光線は押し合い圧し合いを繰り返す。「入口」は狭くとも
ならば、電力量が無限の俺が負けるはずがない。
美鈴「すいません、弦月姫ちゃん…!」
カルゴ「っ…!?」
美鈴「この戦いは、絶対負けたくありません!」
カルゴ「お、おいおいッ!?」
美鈴の足元の草が物凄い勢いで枯れ始めて、段々その範囲を広げていく。半径1m…10m…。まだまだ吸い取るのをやめない。そして植物の生気を吸い上げていく毎に、次第にかめはめ波の出力が上がっていく。
カルゴ「やばいやばいやばい……!!!」
真ん中あたりで拮抗していたはずの光線は、既に美鈴が優勢になっており、太い虹色光線は、俺の目の前に迫っていた。
量を多く出せども、威力は上がってはくれない。
カルゴ「くっそ……悪ぃレミリア………」
溜め息をついた俺は、考えるのをやめた。出力を上げられたら俺に勝ち目は無い。完全な負けだ。また美鈴に攻撃を入れられなかった。
カルゴ「──────再建だわ」
美鈴の光線は、完全に俺の光線を打ち破り、俺は後方に吹き飛ばされ、紅魔館に叩きつけられる。それでもまだ光線は止まず進み続ける。前からは光線、後ろは館。俺に逃げ場はない。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………
レミィ「…?何かしら、この音は」
フラン「お姉様のお腹の音でしょ?」
レミィ「まさか。あなたじゃないの?」
レーテ「おかーしゃまのおなかー♪」
レミィ「レイチェルまでそんな事言わないの」
レーテ「ばきばきっておともきこえるよー?」
咲夜「まさか…?」
弦月姫(あれ…植物さん達の気配が少なく…?)
食堂でおやつを食べながらまったり過ごしていた3人+メイド2人。しかしそんな平和を、虹色の光線が破壊した。
ドガアアアアアアアアアッッッ!!!
レミィ「ぎゃああああああああっっ!!?」
咲夜「まぁ…!」
館を貫通した光線は、食堂すれすれを通り、館に風穴を開けた。
美鈴「ふぅっ……今回も私の勝ちですね!」
発射をやめた美鈴は小さくガッツポーズをする。
しかしそんな美鈴の前に、破壊された玄関から、美人メイド長が出てきた。
咲夜「コラッ、美鈴ッッ!!!」
美鈴「ひぃっ!?咲夜さんいつの間に!?」
咲夜「あなたとうとうやらかしたわね!?力加減ってものが分からないの!?」
美鈴「ひゃあああああっ!!舘がっ…!守るべき館がぁぁ!!やっちゃったぁぁぁぁぁっ!!!」
咲夜「ここまでやっておいて今気付いたの!?」
美鈴「戦いに夢中でぇぇ!ごめんなさいお嬢様、咲夜さんんんんん!!!!」
咲夜「今すぐに、お嬢様に説教してもらうわよ!ほら、ついてきなさい!!」
美鈴「ふえええぇぇ〜…」
俺が目覚めて、館に帰還したのは、それから実に4時間後…夕飯前という時間であった。美鈴にはまだまだ適わないなと目覚めてから大きな溜め息をついた俺であった…。
俺の作品の紅魔館は、爆発ではなくて倒壊です。何回倒壊してるんだろうねwww
次回こそはほのぼのですよん。
格闘描写はクッッソ苦手ですね、はい。俺自身が格闘技ファンとか格闘技やってる人だったらもう少しまともなんだろうけども…。
因みにこの世界の美鈴は龍球が好きです。どこで知ったかって言うと…そりゃあまぁ彼ですよね。美鈴が漫画読んでるのは一応原作設定ですし。
レミリアと貸し借りするとかほのぼのするわ。
「美鈴にオススメの漫画。暇な時読んでみ」
「今暇です!早速読みますね!」
(門番中だろ…)