カルゴ「たっだいま〜……」
美鈴に吹き飛ばされた俺は、服などがボロボロになりながら、既に修復されている玄関から屋内に戻った。パチュリーと小悪魔、それからここあとシガレットの魔力を感じる。どうやら4人で館を修復したらしい。本当ならパチュリー、もしくは小悪魔1人で修復できただろうが、練習のために敢えてやらせたのだろう。保護者2人は、双子のサポートをしたに違いない。これまではにとり達河童に頼んだのは、俺が壊したからであり、俺が責任を負うべきだったからだ。しかし今回は美鈴による破壊なので、こうなったのだろう。
カルゴ「俺が直すよりずっとキレーだし…やっぱ流石だな…」
本格的にパチュリーに師事しようかな、とそんなことを考えたその時。シャンデリアの蝋燭の火の揺らめきが止まり、ホーホーと聞こえてきていた野鳥の鳴き声が聞こえなくなった。
時間が止まったのだ。すると、厨房の方から幼いメイドが1人でやってきた。
弦月姫「大穴の次は侵入者ですか…。全く、美鈴さんったら…」
倒れてて覚えてないけどやっぱ大穴空いたのか。
倒壊はしなくてよかったけど……悪いね弦月姫…それ、俺が負けたからなんだわ。
弦月姫「ってあれ?あなた今、瞬きしました?」
カルゴ「うん」
どうやら俺は、止まったフリは苦手らしい。
カルゴ「やっほ、弦月姫」
弦月姫「何処の誰か、存じ上げませんが。さぁ、処理される前に自主的に敷地内から出て下さい」
カルゴ「なるほど、咲夜さんの教育の賜物だな。イイね弦月姫。『処理』って単語でドキドキする日が来ようとは思わなかった」
弦月姫「よく分からないです。ボロボロの服は…美鈴さんにやられたんですか?」
カルゴ「うん」
今じゃないけどね。
弦月姫「美鈴さんを倒すとは…それなりに手練のようですね」
忠告に応じない俺にキツイ視線を浴びせてくる。しかし不思議と、背筋がゾクゾクしてくる。
カルゴ「待って待って。俺だよ、お前の父親だ」
弦月姫「っ…確かに似てはいますが…」
カルゴ「子供の姿なのはおかしい、だろ?」
弦月姫「…ええ…」
カルゴ「そりゃ疑われてもしゃーないわな。ま、咲夜さん呼んできてくれればすぐ分かるよ。前にこの姿で会ったことあるからね」
弦月姫「………………わかりました。ではここで大人しく待っていて下さい。嘘だった場合は首を刎ねますのでそのつもりで」
カルゴ「あぁ、いいよ」
数分後──本当は1秒すらも経っていないが──弦月姫が咲夜さんを連れて戻ってきた。エプロンで手を拭きながら、厨房の方から走ってきた。
咲夜「小さくなった旦那様と聞いて来てみれば…まさかまた子供になっていたとは…♪」
弦月姫「えっ…ホントだったんですか…」
咲夜「そうよ。…服がボロボロじゃないですか、どうしたんです?」
カルゴ「あれ…もしかして美鈴から聞いてない?俺と美鈴が戦って舘が壊れたって……。この服もその時にボロくなっちゃって…」
咲夜「まぁ……!あの時の相手は旦那様だったんですか!?美鈴、相手を教えてくれなくて…」
カルゴ「ありゃ…」
咲夜「では、服は直しておきますので、お風呂に入って下さいな。土埃も酷いですよ?お夕飯も、もう少しで完成ですから」
カルゴ「うんっ、分かった。弦月姫も行こ?」
弦月姫「ふぇっ…?お、お父様とお風呂に…!?
(随分久しぶりのお誘いだなぁ…でも良いのかな、お母様に怒られそう…)」
カルゴ「たまにはイイでしょ?咲夜さん」
咲夜「わかりました。弦月姫、旦那様のお背中をお流ししなさい」
弦月姫「は、はいっ!喜んで!!」
時の流れを再生させた後、弦月姫と俺は共に館の脱衣所で風呂に入る準備をする。最近は、一緒に寝る日も、2人が風呂から上がるのを待つようになったので、弦月姫と風呂なんて、久しぶりだ。
今日は、青と水色と白の3色横縞パンツらしい。子供っぽくてとても可愛らしい。胸はぺたんこでお尻の丸みは大きい。歩く時の振動でお尻がプルプルと揺れているような気さえする。
弦月姫「そんなに見てはいけませんからね?///」
カルゴ「娘の成長具合が気になっただけ」
弦月姫「まだまだ巫月お姉様には届きませんよ。
…どうすれば、あんな風になれるんですか…?」
カルゴ「俺の口からは言えない…かな。小悪魔やここあ達に聞けばわかるよ」
弦月姫「…わかりました、後で聞いてみますね」
オナ○ーをすれば、ホルモンの働きによって胸が大きくなったり色々と女性らしくなったり…とか言えるわけが無いだろう。ましてやかなり純粋な弦月姫だ、もしそれを実行したら…仕事に影響が出そうで恐ろしい。
カルゴ「…はぁ〜…背中洗うの上手くない…?」
弦月姫「ふふっ…痒いところはありませんか?」
カルゴ「無い無い、無いよぉ…気ン持ちい〜…」
弦月姫「では…前も失礼しますね…♪」
カルゴ「あっ前は別にイイって…おふっ…ちょ、袋は優しくしてぇっ…」
弦月姫「あっ、すみません…。何だか、ブヨブヨしてますね…ボールが2つ入ってる…?」
カルゴ「それ精子作るヤツ。大事だからそんなに触るな」
弦月姫「ッ!?ごめんなさいっ!!そんな大事な所を触ってしまうなんてっ…!」
カルゴ「いやまぁ、優しく触ってくれるなら別に良いんだけどさ…。やっぱ前は自分で洗うよ」
弦月姫「申し訳ございません…お父様…」
目に見えてションボリしてしまう弦月姫。そんな強く叱った覚えはないが…ションボリとしやすい弦月姫だ、断られた事がショックなのだろう。
カルゴ「ほら、さっさと終わらせて風呂入ろう」
弦月姫「はい…」
ちょっぴり暗い雰囲気のまま、俺と弦月姫は入浴する。広い浴槽だが、2人だと少し寂しい。更にこの雰囲気だ、寂しさはマシマシである。こんな暗い雰囲気、早く払拭せねば。
カルゴ「今日の夕飯は何?」
弦月姫「今夜はマカロニグラタンです。お父様のお気に入り…でしたよね?」
カルゴ「流石だ。よく覚えてたな」
弦月姫「いえっ…///」
「お母様が提案した」と言わないあたり、きっと弦月姫が提案したのだろう。こういった変な所で誤魔化さないのが弦月姫だ。
カルゴ「今日はお疲れ様、弦月姫。いつもよりも仕事が多かったんじゃないか?」
弦月姫「え?あ、はい…。何故、いつもより仕事が多いと分かったんですか?」
カルゴ「草花の蘇生だよ」
弦月姫「あ……美鈴さんのやつですね」
カルゴ「そ。ったく、あんなに力上げられちゃ、俺なんかにゃ勝ち目ねーよっての…まーた美鈴に負けちまったぜ」
弦月姫「お父様が負ける…」
カルゴ「もっと強くなりたいもんだ」
弦月姫「あの……お言葉ですが、
神綺《そーよカルちゃん!負けたくないのなら、力を使うのよ!頭もね!》
カルゴ《違うよ母さん》
神綺《?》
カルゴ「相手の得意分野で勝ってこそ真の勝利。俺はそう思ってる。だから格闘というより喧嘩が得意な勇儀には喧嘩で応じるし、殺し合いに近い弾幕ごっこが好きな幽香にはそれで応じる。剣が得意な妖忌には剣で応じる。それでこそ、相手を心から屈服させられる。まぁ、妖忌の時は諦めて弾幕とか使っちゃったけどさ…」
弦月姫「く、屈服って…」
神綺《なるほどね〜。相手も、己の得意の戦法が通じなかったら負けを認めるしかないものね》
カルゴ《そゆこと》
カルゴ「弾幕ごっこで勝つことに意味が無いとは言わないよ。あくまでこれは俺個人の考え方だ。だから俺は、真の勝利が欲しい時は敢えて相手の得意分野で挑むんだ」
弦月姫「なるほど…。因みに……お父様の得意の戦法はなんですか?」
カルゴ「…俺に勝つつもりか?」
弦月姫「………ダメですか?」
カルゴ「いや、良いんじゃないか?何が目的かは知らんがな。勝利か?屈服か?」
弦月姫「それは…まだ言えません。でも勝ちたいという思いは本当です!」
カルゴ「…イイね。だが俺の得意は、殺し合いに近い弾幕ごっこ…もしくは殺し合いだ。果たして優しい弦月姫にそれができるのかな?殺せる?」
弦月姫「……優しいお父様ができるのですから、私だってできます。それに…これでも、紅魔館のメイド長の娘…ですから。殺害を躊躇っていては被害が出る恐れもありますし」
どんな教育してんだよ咲夜さん…。悪魔の住む館としてはそれが正しいんだろうけど。
カルゴ「普段侵入者が来たらどう対応してる?」
弦月姫「私が対応したのは今日が初めてですが…マニュアルでは、時を止めて、外に運び出すのが正式な流れですね。何か武器を所持していたら、それは敵とみなし即刻処理しますが」
時を止めるの前提なの??
カルゴ「顔見知りだったら?」
弦月姫「解除して何故侵入してきたのかを尋ね、あとはご存知の通りです」
追い返すor通す、か。
カルゴ「なるほどね」
弦月姫「あとは家事をこなすなどで普通ですね。暇があれば美鈴さんとお花さん達に水やりを」
カルゴ「今も話してるか?」
弦月姫「ええ。相変わらずいい
カルゴ「そりゃ良かった」
それからしばらく、俺達は肩を寄せあってそんな話をし続け…、手足の指がふやけ始めた頃、多少フラつきながらも風呂から上がった。
普段と違う格好だからか、より彼女の本音というものを聞けたような気がした俺であった………。
諸事情により、レミフラレイチェルは省きます。
その代わり別な絡みを用意しました。考えてて、こっちの方がまだ面白そうだなー、と。
鈴仙の抱き枕、最高ですよ。もしも付喪神化して動き始めたら、それってもはや鈴仙の分身では?