妖舞のハイテンション攻撃によって萃香は防御を崩され、豆を持っている全員から猛攻撃された。その豆弾幕の密度に萃香は降参して、霧となってその場から消えた。
妖舞「やっ…やったぞぉっ!俺の攻撃で崩した!やった!やったっ!!あーっはっはっはっは!!やっぱり俺は父上の息子だ!」
樹里愛「お兄ちゃん、さっすがぁ!!」
妖舞「へへっ、まーな!!」
姉妹の中で唯一妖舞に優しい樹里愛は、普段通り妖舞をヨイショする。当然、樹里愛はそんな事を考えてはいないが。そして、バカ正直な妖舞は、その言葉を聞き更に調子に乗ってドヤる。
霊麗「まさか妖舞の攻撃で崩せるなんてねー…」
霊愛「枡ごと投げるなんてズルすぎるでしょ…。早く終わったから今回は見逃すけどさ」
霊夢「ふむ…やるわね、妖舞くん。もう少しで、私がフライパンごとブン投げるつもりだったわ」
姉妹「え゙っ…」
母親のとんでもない発言に、心の底からドン引きしてしまう姉妹。発想が妖舞と丸被りだったからここまで驚いたのだろう。
それから豆を当てられた萃香はどこに行ったかと思えば、神社の屋根の上で腕やら足やら、全身を気にしている。
カルゴ「お疲れ様、萃香」
屋根に飛び上がって彼女の前に行けば、俺を見るなりすぐさま飛びついてきた。屋根だというのに危なすぎる。…尤も、霊夢はいつも屋根で昼寝をしているわけだが。
萃香「うわーん、エスカルゴぉ〜…痛いよおぉ、怪我治してぇぇ〜…」
わざとらしい口調なので、割と平気に思えるが、確かに酷い怪我をしている。顔や首以外は火傷や水脹れなどが多数発見出来た。なるほど、確かに炒った豆は鬼には大ダメージらしい。もしもこの弱点が自分にもあったら…。そう思うと、決して他人事には思えなかった。
カルゴ「治癒『
萃香「おぉ〜!凄いね、すぐに治っちゃったよ!それって魔法?」
カルゴ「うん。俺はすぐ治るからいいけど、他の奴はそうもいかねーから…治癒魔法は覚えといた方がいいっしょ?」
萃香「うんうんっ♪」
さてと…デッケー器の準備もしねーとな。次こそまともな俺の仕事だな。こんくらいで母さんには頼れないし。
幻月「うわ、凄い豆の量だね。ここら辺はもう、豆の絨毯みたいになってんじゃん…」
夢月「楽しんじゃったけど、勿体無いかもね…」
霊夢「あら?悪魔ちゃん2人の観察眼は大した事無いのねぇ」
姉妹「あ゙ん?」
幻月「何よ、喧嘩売ってんの?」
霊夢「豆をよく見てみなさい。どうなってる?」
ニヤニヤとする霊夢に言われるがままに、境内に広がる豆の絨毯に目を凝らす2人。すると、あるおかしな現象に気付いた。
幻月「…地面についてない?」
夢月「浮いてる…?どういう事?」
霊夢「アイツに頼んで、豆にかかる重力を操ってもらったのよ。こうすれば投げたあとでも普通に食べられるからね」
地面に向かう途中で重力を0にした所で、慣性の法則によって豆は地面に向かい続ける。つまり、これは俺1人による仕事ではない。娘の穹も一枚噛んでいる。加速の方向をイジって、豆を地面に向かわせる力を中和させた。だから手を触れずに豆を浮かせられている。踏んだらオダブツだが。
穹1人では少しキツイので、俺も手伝っている。
一度速度を中和すれば、俺の能力で無重力なので落ちはしない。更に、この神社は風が吹かない。そこも穹が能力で抑制しているからだ。
幻月「へー…。一応配慮はしてるんだね、あなたなりに。確かに勿体無いもんね」
夢月「ねー」
霊夢「あんたらは一言余計なのよ。…で、これをまたあの子が風で集めて、皆で食べる…みたいな流れよ。今年はね」
姉妹「ふ〜ん…」
霊夢「豆は年齢分食べるんだけど…あんたら一体何歳なのかしら。豆足りる?」
幻月「レディに年齢を聞くなんて不躾な巫女ね♪普通に考えてありえなぁい♪」
「オホホホホ♪」と、貴婦人のように口元に手を当てて高い笑い声を上げる。
夢月「そんなんだから参拝客が来ないんだよー?お兄さんから聞いてるよ?参拝客来ないって♪」
霊夢「あんたらねぇぇ!何なのよさっきから!!いちいちいちいち、しつこく私に楯突いてさぁ!そっちこそ、私に喧嘩売ってるつもり!?」
幻月「おっ?おっ?
夢月「
霊夢「
カルゴ「待て待て待て、落ち着けって3人共!」
姉妹と霊夢の言い合いを聞いた俺は、急いで屋根から飛び降り、3人の間に割って入る。しかし、霊夢はそんな俺を押し退けて、2人にお祓い棒を向ける。
霊夢「邪魔しないで。こいつら、完全に私に喧嘩売ってきてるわ。売られた喧嘩は買うわよ?」
幻月「あー!今ダーリンのこと押したわね!?」
夢月「わーるいんだー悪いんだー!ぜーったいに滅しちゃおー!」
カルゴ「滅す!?だからマジで落ち着けって!!押されたくらいどーでもいいからさ!!ていうか寧ろご褒美だから、ご褒美!!」
幻月「ダーリンがよくっても、私がダメなの!」
夢月「そーそ!仇討ちしなきゃ気が済まない!」
カルゴ「俺死んでねぇから!仇とか言うなっ!」
霊夢「いーから退いて。まだ、幻想郷のルールが理解出来ていないようだからね、私がその未熟なカラダに教えてあげる。私に逆らうとどんな目に遭うのかって事をね!」
幻月「へ〜、若いクセに言うねぇ。全力で潰してあげよ、夢月っ♪」
夢月「そーだね、姉さんっ!」
弾幕ごっこで決着が着くなら止める必要無いか、とその場を離れようとしたその時。先ほどよりもピリピリした空気の中で、夢幻姉妹と霊夢の間に割り込む者が1人。
魔理沙「面白い話してるじゃないか!なぁ、私もそれに混ぜてくれよ!」
霊夢「あー?別にこんなヤツら1人でも十分…」
幻月「オッケーオッケー!いーよ、4人でやろ!それくらいしなきゃ物足りなさそーだし!」
夢月「2人揃って、初めて幽香と同じくらいって感じ?ま、敵じゃないけどね♪」
魔理沙「ほう!随分とまァ、自信があるんだな!木っ端微塵に打ち砕いてやるけどな!!」
霊夢「…あんたのポジティブさには、ホント頭が下がるわ…」
魔理沙「まーな!ポジティブじゃなきゃ、16年も自分を負かし続ける奴に挑もうとしないさ!」
霊夢「それもそうね…」
魔理沙「それで、だ。お前らさ、スペルカードはちゃんと作ってあるんだろうな?」
幻月「1人2枚ずつねー。でも戦闘中に思いつくコトってあるよね、それもアリでしょ?」
魔理沙「まぁ…不可能弾幕じゃないならな」
夢月「あ〜…多分、不可能弾幕ってやつかも♡」
霊夢「あのバカが言ってたけど、コイツら相手に弾幕ごっこするなら不可能弾幕がイイってさ」
魔理沙「ゲッ…。でも不可能弾幕って言われても実際は避ける方法はあったりするんだよなぁ…。私のマシンガンスパークもそうだし…」
霊夢「そーなのよね。超高密度だから避けにくいだけであって、実際は…ね…。紫はどう思う?」
紅魔館が出店したコーヒーの屋台で、優雅にコーヒーを飲んでいる紫さんに問い掛ける霊夢。無論紫さんの答えは決まっている。
紫「その2人は幻想郷の住民なのかしら?」
霊夢「…どーなのよ?」
幻月「んー…面倒だから夢幻世界在住って事で」
紫「だったら別にいいんじゃない?あくまでも、幻想郷独自のルールなんだから。(本気なら、あの2人の力量や技量も測れるしね…)」
魔理沙「ははっ……魔界行った時みたいだな…。本気も本気で、出し惜しみも無く戦えるっていうワケだ!」
幻月「ならスペルカードは使っても使わなくてもどっちでもいいんだね!ダーリンに見せたいから多分使うけど♪」
夢月「だね!やろ、姉さん!」
幻月「うん!」
遂に、夢幻姉妹とレイマリが衝突する。共に力はかなりのものなので、それを知っている俺含め、夢幻姉妹の力を察した者達は一気に離れていく。霊夢達を相手に余裕を見せるあの態度は、決してブラフではない。しかし、そんな様子をワクワクした表情で見守る者が、1人。
神綺「スゴい戦いが始まりそうよ、夢子ちゃん!どっち応援しましょ!?やっぱり、カルちゃんのお嫁さんの霊夢ちゃんかしら!?それとも彼女の幻月ちゃんと夢月ちゃんかしら!?あーんもう、迷っちゃうわー!」
夢子「落ち着いて下さい神綺様っ!」
レーテ「おかーしゃま…?」
レミィ「レイチェル、よく見ていなさい。博麗の巫女の戦い方を…」
巫月「霊夢さんすっごい怒ってるねー」
霊愛「煽り性能高過ぎじゃないかな、あの2人。かなりイラッとする」
穹「煽り耐性が低いのでは?霊夢さんも姉上も」
妖舞「斬ってみてーかも…」
弦月姫「弾幕で砕かれるわ、あなたなら」
樹里愛「あははっ、お姉ちゃんったら辛辣ぅ♪」
子供達は、あまり事の重大さを理解していない。
しかしそれでも、手練である事は分かるようだ。
巫月がバリア、霊愛と霊麗が結界、穹が風の壁、樹里愛が空気中の水分で作った氷壁を見て、俺は子供達の保護は必要無いな、と判断した。
きっとこの子達なら、俺の手が無くとも自分達の身を守る事くらいは出来るだろう。
☆次回、更なる
蓬莱人形に収録されてるオーエンがマジやばい。すっっっごくクセになる。紅魔郷のオーエンより好きかも。いや、好きだ。