霊夢「さてと…。明日はあいつが来るし、バレンタインデーと重なってるから、忙しくなるわね。準備は今のうちにしておきなさい」
霊愛「なんで忙しくなるの?」
霊夢「皆がチョコ渡しにこっちに来るのよ。賽銭入れて欲しいものだけどね」
母の相変わらずの賽銭発言に、姉妹は苦笑する。2人は賽銭に、そこまでの執着は無い。寧ろ何故母がここまで賽銭に執着するのか不思議に思っているほどである。
霊愛「……。そういえば、今までは紅魔館だったけどなんで今年はウチなんだろ?」
霊夢「子供が増えたからリズムが狂ったのよね。まぁ仕方ない事だわ。どうせ来年になったらまた1人や2人増えるだろうし。(2日に1回だったら多分また紅魔館だったと思うんだけどね…はぁ、面倒なことになったわ…)」
霊麗「そういえば…弟?の話はどうなったの?」
霊夢「…12番目は私か鈴仙か…。13は不吉らしいから、向こうに押し付けたいものね」
霊愛「答えになってないような…」
霊夢「汲み取りなさい。鈴仙とも同時期にガチの子作りしてんのよね、アイツ。つまり、生まれるのも同時期だと思うの。だから悩ましいのよね。全く…少しくらいは時期ズラしてほしいものね」
霊愛「弟の話がどーなったかって聞いてんだから作ったか作ってないかで答えてよ…」
霊夢「作った。けど、明日も追加で作る予定ね。はい、これで満足?」
霊麗「明日……あっ、ふーん…。お母さんが渡すプレゼント分かっちゃった…」
霊愛「私も。準備物無いじゃん」
霊夢「リボンだけね。あんた達はあるでしょ」
霊愛「紅魔館で貰ってきたチョコを…溶かして、固めて、包装して…だよね。簡単簡単」
霊夢「一言コメントくらい書いてあげたらどう?何か言う事あるでしょーに」
霊愛「…無難に『いつもありがとう』でいっか」
2人「………」
霊愛「…何?」
2人「何でもない」
咲夜「いい?チョコはもう溶かしてあるから後は固めるだけよ。カカオパウダーや色付きチョコでデコレーションするも良し、何かしらメッセージ書くも良し!身体に塗るのは禁止よ、妹様がもうその
美鈴「塗りませんよぉっ!ところで、この星型やハート型のは一体…?」
咲夜「型に入れるとその形に固まるから、これも自由に使って良いわよ。…というか、あなたって元メイド長じゃなかった?何で知らないの?」
美鈴「私がメイドだった頃は、こんな便利道具は無かったですからね〜。時代を感じますねぇ…。うんうん…」
咲夜「そう?…それで弦月姫は何を作るんだったかしら?被りは避けないといけないから教えて」
弦月姫「私は、今年は生チョコにしようかなと。大丈夫ですか…?」
咲夜「良いわね。なら私はトリュフにしましょ。お嬢様は…確か、ケーキになさるんでしたよね?何のケーキになさいますか?」
レミィ「私は…やっぱり、エスカルゴが大好きなガトーショコラが良いかなって思ったんだけど…どうかしらね?」
咲夜「ガトーショコラですか…。確か夢子さんがガトーショコラを作ると聞いていますが…。どう致しましょう?」
レミィ「ゲッ、被ってるの…?あの魔界神は?」
咲夜「ミルフィーユと伺っております」
レミィ「ええええええ〜……。ガトーショコラとミルフィーユ以外で、エスカルゴが好きなケーキあったっけ?思い付かないんだけど…」
咲夜「えぇと……ミントチョコ、ブルーベリー、ショートケーキ、チョコクリームですね。チーズケーキは苦手だそうです」
レミィ「さっすが咲夜!ならミントチョコよ!!これに決定!!」
咲夜「承知致しました。…レイチェル様は…どうなさいますか?」
レーテ「どーなっちゅ!どーなっちゅたべる!」
レミィ「…あなたが食べるんじゃなくてお父様にプレゼントするのよ?」
レーテ「どーなっちゅ!どーなっちゅいっしょにたべるのっ!」
レミィ「…じゃ、そういう事で」
咲夜「分かりました。直ぐに材料の準備を」
小悪魔「───という訳で、明日はバレンタインデーという特別な日よっ!お父様に何を贈るか、あなた達はもう決めた?」
ここあ「私〜」
シガー「私〜。たっぷり精子搾り取っちゃお♡」
小悪魔「それは私の仕事っ!お菓子とかをあげる日なの!説明ちゃんと聞いてた!?」
ここあ「じゃあ…チョコを塗った私!」
シガー「良いねそれ!」
小悪魔「それは妹様がやる予定!」
ここあ「えぇ〜…被っても良くない?」
小悪魔「ダーメ!!」
シガー「んー…チョコでいっかー。好きな物とかあんまり分からないし…」
ここあ「そだねー…」
小悪魔「(よっし…!まだまだ、あの人専用サキュバスの地位は渡さないんだからねっ…!)あれれ?パチュリー様、お菓子作りの本なんて出して一体どうしたんですかぁ〜?」
パチェ「うるさい。読書するだけよ」
小悪魔「そうですかぁ〜。おぉー、マカロン作るおつもりですか〜?可愛いですね〜!」
パチェ「何ニヤニヤしてるのよ」
小悪魔「むふふ〜、何でもないですよぉ〜♪」
パチェ「………集中出来ない。厨房行ってくる。
(魔法じゃなくて料理の方が良いのかしら…?)」
小悪魔「行ってらっしゃいでーす!」
チルノ「よーしっ!みんな揃ったかー!」
一同「おーっ!」
チルノ「ミスティア、屋台借りるぞー!」
みすち「はいはい、好きにしていいですよ〜…。私はすぐ準備出来るやつだし」
るみゃ「私もー。まだ終わってないの誰?」
リグル「はーい…」
大妖精「私もまだ…。だけど美鈴さんから頂いてきた
チルノ「あたいはかき氷!!今年は特盛で!!」
元気に氷の塊を作り出したチルノを見て、一同はただただ苦笑する。毎年かき氷だが、あげる側ももらう側も毎度笑顔なので、忠告は別にいいかと周りは思った。
リグル「私は…どうしよ…。ヤツメウナギかな」
みすち「それ私と被るよ…」
リグル「ゲッ…どうしよ?」
大妖精「あっ、じゃあ少しあげるよ、チョコ」
リグル「ありがと〜!助かったー!」
天子「よーしっ!衣玖、ショッピングよ!!」
衣玖「ブランド物を購入の予定でしたよね。この辺にはバレンタインの時期にのみオープンする、私のオススメのお店もありますよ♪」
天子「ご主人様の好きそうなやつ?」
衣玖「ええ、それはもう。桃チョコですから♪」
天子「良いわね!案内しなさい!」
衣玖「はい♪」
天子を案内しようと、彼女より少し前に立って、歩き始めた衣玖。しかしその瞬間、ポケットの中から噂のその人の声が聞こえてきた。
カルゴ『もしもーし、衣玖さーん』
天子「ん?今、ご主人様の声が聞こえたような」
衣玖「えぇ……おそらく気の所為ですよ。あら?仕事の電話が…」
天子「電話?この前出てきたばっかりじゃない、よく最先端の物を手に入れられたわね」
衣玖「便利ですから。少し無理をしましたがね。失礼します」
早口でそう断りを入れ、天子に背中を向けて少し彼女から距離を取った衣玖。あまり間を入れたくないのが彼女の信条である。
衣玖『あらご主人様、どうされましたか?』
カルゴ『ちょっとまとまった時間取れたからさ、今から遊ばない?そっちが暇なら』
衣玖『…申し訳ありません、これから総領娘様とお買い物の予定がありまして……。(行きたいっ…イキたいっ…!!でも、今は我慢しなくちゃ…)』
カルゴ『あー…そっか。まぁ、急に遊ぼうなんて言われても…予定あるよなぁ…。スマン』
衣玖『いえ、そんな事ありませんよ。お誘いありがとうございました。また後日…お願いします』
カルゴ『うん、分かった。んじゃな』
衣玖『はい。(しょんぼりしてた…意外です…)』
天子「まだー?」
衣玖「たった今終わりました。全く、電話直後に話しかけてくるなんて危ない方ですね。もしまだ電話中だったら向こうにも聞こえていましたよ」
天子「そんなの知らないもーん。ほら、早くそのお店に案内してよね」
衣玖「はいはい、分かっていますよ」
純狐「ふむ……ばれんたいんでー、か…。内容は分かったけれど…好きな人にチョコを送るというのは、いささか恥ずかしいかもね…///」
ヘカT「恥ずかしがることは無いわよん!私達が全面的にバックアップするから!ね、ピース!」
ピース「もちろんです!!」
ヘカT「男を堕とすにはまずは胃袋から掴むの!チョコを通して想いを伝えて、ゾッコンにさせてあげなさい!そして今以上にアツアツになるの!イエーイ!」
ピース「Fooooooo!!!」
純狐「そんな、今よりだなんて…。恥ずかしくて死んじゃいそうよ…///」
ヘカT「んもー、純狐ったらぁ!ところで今年はピースも彼に送るのよねん?」
ピース「え、えぇ、まぁ!友人様に便乗するっていうか…友チョコ?義理チョコ?ってやつです!好きとかではないですよ、絶対に!」
ヘカT「別に好きになってもいいと思うけどね♪私は応援するわよん♪」
純狐「ええ、私も応援するわ♪」
ピース「違いますってばー!もぉーっ!!」
ヘカT「彼は受け入れてくれると思うわよん♪」
ピース「ちーがーいーまーすーっ!!」
ヘカT「ふふっ…じゃあその彼の為に、早いとこチョコ作っちゃうわよー!」
純狐「おーっ♪」
ピース「おーっ!!」
意気揚々とチョコ作りを開始したへカーティア達だったが、へカーティアがふと彼の頭を覗くと、純狐の仙界…つまり、こちらに来ようとしていることがわかった。
ヘカT《ちょっと待つのよんっ!!》
カルゴ《ッ!?》
ピース「ん?エスカルゴの気配が…」
純狐「そうね…もしかして遊びに来たのかしら」
へカT「これはまずいわ…家の中に入る前に彼を止めなきゃいけないわよん…」
ヘカT《今日はダ〜メ♪》
カルゴ《ちぇー…》
ヘカT《欲しいでしょう?純狐からのチョコ♡》
カルゴ《欲しい》
ヘカT《素直でよろしい!じゃ、そういう事で!今日だけは出禁よん♡》
カルゴ《はぁーい…》
ヘカT《どうしても暇ならピースを行かせるけどどうする?純狐に純化してもらえば、あなたとも渡り合えるレベルにはなるし》
カルゴ《おぉ、それいいかも》
ヘカT「ピース、あなたこれからエスカルゴ君と遊ぶ気は無い?」
ピース「いいですけど…チョコ作りたいです…」
ヘカT《あっゴメン、ピースに拒否られた》
カルゴ《えっ》
ヘカT《ピースったらここに残りたいってさ〜♪
じゃ、1人で頑張ってね!暇すぎて破壊行動とかしちゃあダメよん♪》
プツン、と通信を切ったへカーティアは、その後純狐やクラウンピースとお菓子作りに没頭した。
さとり「よし…そろそろ作りましょう…!」
お空「おーっ!!」
こいし「いぇーい!」
さとり「お空、頼んでおいたチョコレートの調達は大丈夫ですね?」
お空「あ」
さとり「え?」
お空「すいません、甘い匂いがしたので全部食べちゃいました」
さとり「ええええっ!?」
お燐「ただ今帰りました〜……あれ、さとり様?どうしたんですか、そんなにガックリして」
さとり「お空が材料のチョコを食べたそうで…。もう1回買いに行くしか…」
お燐「…そんな事もあろうかとっ!今買ってきたところですよー!」
さとり「流石ですお燐ッ!!全く、お空ったら…お燐が居なかったらどうなっていたことか…」
お空「うにゅ…チョコ買って何するんだっけ…」
さとり「エスカルゴさんにチョコのプレゼントをするのですよ…」
お空「あっ、そっか!」
さとり「こいしも手伝って下さい。…こいし?」
お燐「またどこか行っちゃいましたね」
さとり「長時間あの子を認知するのは無理ね…。仕方ないわ、始めましょうか」
お燐「私も作りまーっす!いつもお空がお世話になってるので!」
さとり「良いわね。あ、そこにある型取ってくれませんか?」
お空「はい!さとり様ったら腕が短いですね!」
さとり「身長が低いからですっ!」
幻月「くるみ〜」
くるみ「何ー?」
幻月「ちょっと、チョコ作り手伝ってくれない?明日、ダーリンにチョコプレゼントするんだけどあと1つ材料が欠けてて」
くるみ「…え、そこでなんで私を連れてくの?」
幻月「良いから中に来なさいって」
くるみ「…?」
主…いや、上司に呼ばれて夢幻館に入るくるみ。屋内に入った後、手洗いうがいに加え、うがい、うがいをさせられた。くるみの口の中は、とてもヒンヤリしてしまった。それから幻月はくるみをキッチンに連れていった。そこには夢月も居て、料理道具やら物騒な道具等がごちゃ混ぜになって置いてあった。
くるみ「何でこんなに口ばっかやらせるのさー」
幻月「私と夢月の血を吸いなさい」
くるみ「は??」
夢月「ホワイトチョコに血を混ぜて、お兄さんに渡すの。だから、早く吸って、チョコ入れてあるボウルに吐いて?」
くるみ「えっ、それ私の口を経由する意味ある?普通に注射器で抜けばいいじゃん」
幻月「お菓子の材料買ってたらお金がね…あんま無駄に出来ないし?」
くるみ「間接キスじゃんそれ、大丈夫?」
夢月「お兄さんなら、寧ろ喜ぶんじゃないかな?くるみには好意的だと思うし」
くるみ「そ…そう…?うふふっ…///」
幻月「ほい、腕は綺麗にしてあるから早くして」
夢月「私のも」
くるみ「というかなんでホワイトチョコなの?」
幻月「血を混ぜたらストロベリーチョコに見えるからね。ラズベリーとかさ」
くるみ「あ〜。味に影響は無いかな?」
夢月「無いと思うよ」
くるみ「オッケ、吸っちゃうよ。でも固まり易いから、早く混ぜて早く完成させてよね?」
幻月「分かってるから早くして」
くるみ「はいはい…」
鈴仙「サグメ様は、バレンタインは初めて…なんですよね?」
サグメ『もちろん。月にこんなイベントは無い』
鈴仙「お団子にしますか?チョコにしますか?」
サグメ『王道の、チョコレートでいこうと思う』
鈴仙「はーい。私はお餅にチョコを包んで、大福みたいに……あれ?なんで王道がチョコだと?」
サグメ『巫月から聞いた。巫月は今どこに?』
鈴仙「なるほど。巫月は魔界でアリスちゃんってお友達とお菓子作りをするそうで…」
サグメ『お父様が大好きらしいな』
鈴仙「恋愛感情まで持ってる感じですよねー…。エスカルゴも拒まないんだから…全くもう…」
サグメ『まぁ、その緩さが彼の魅力だからそこは許してあげてほしい』
鈴仙「ゾッコンですねぇ…」
サグメ『そうではない。好きというだけ』
鈴仙「ストレートですねぇ…」
サグメ『ストレートにものを言うことは、彼から学んだことである。真っ直ぐに生きるというのは案外楽しいし、何よりも心が楽だ。彼がお気楽な性格なのもこれのおかげなのだろう』
鈴仙「まぁ…確かにそうですね。でも料理の時はどこかにスケブ置いてほしいんですけど…」
サグメ『ならば、YesかNoを答えるくらいしか、行動がとれなくなる。詳しい指示を頼む』
鈴仙「はーい!…チョコを作ると言っても様々な種類がありますが何作ります?」
サグメ「…………………」
既にスケブを手放していたサグメは、ジトーっと鈴仙を見つめる。それからしばらく間を置いて、鈴仙はやっと沈黙の意味を悟った。
鈴仙「……あっ。レシピ本どこに置いたっけ…。エスカルゴ居れば好きに話せるんですよね?居てほしかったなー…でもそうなれば作れないし…。うーん、難しいなー…」
2人のチョコ作りは、その彼が永遠亭にやってくる直前まで続いた─────。
芳香「ふぅ〜ん…ばれんたいんでぇ…かー。私が死んでる間に、随分と行事が増えたんだねぇ」
華扇「そうね…私もまだ馴染めていないくらい。お世話になった人などにお菓子を渡す行事らしいから、霊夢とエスカルゴさんにお菓子あげようと思うのよね。だからわざわざ彼がここに暇潰しに来ないように引っ越したわけだけど…」
芳香「うんうん、良いんじゃないかな!」
華扇「でも、彼の好みが全くわからなくてね…。彼女さんやお嫁さん達に聞こうとは思ったけど、向こうは向こうで料理中だろうから…どうしたら良いかしら…。知恵を貸してくれる?」
芳香「ん〜……生まれ変わりらしいしさ、熱盛と同じようなものが好きだったりしないかな?」
華扇「時代が全く違うでしょ…。あれ、彼は何が好きだったんだっけ?」
芳香「んーとねぇ……みたらし団子だったかな。私と同じっ♪」
華扇「…!それよ!団子なら幻想郷にもあるし、今世の彼も食べた事はあるはず!」
芳香「苦手じゃないことを祈るか〜」
華扇「そうね…ある意味賭けだけど…」
そして翌日…博麗神社に、友人、彼女、妻が大勢集い、お菓子渡しが始まった─────。
こんなに貰えるエスカルゴ、羨ましいですねー。俺ですか?俺は丁寧に包装された板チョコ1枚とチロルチョコの大きなバージョンみたいなやつの2つを貰いましたよ。Ψ(`▽´)Ψウケケケケ!
てか、一昨日のワンドロは霊夢で、昨日は妹紅…良いですなぁ!今日は誰だっけ。楽しみだなぁ。