カルゴ「おはよ……やっぱ朝は寒いなぁ…」
鈴仙「おはよ。今日は珍しく、遅起きだったね」
カルゴ「いやぁ〜…巫月が温かすぎて、布団から出れなくてよ……ふあぁ…」
バレンタインデーの朝。俺は珍しく二度寝して、普段より遅く起きた。隣に鈴仙が居らず、彼女が朝食を作っている事は寝ぼけ頭でも少しは察していたが、今日のようにとても冷え込む日は、布団から出たくなかった。
それに加えて、反対で寝ている巫月が俺にしがみついて眠っていたのも一因だ。温かかったので、俺も巫月に抱きつき、そのまま寝落ちしたのだ。まさに至福のひとときであった。
その巫月はまだ眠っている。寺子屋が無い日は、まったり過ごさせてやりたい。休日は少しくらい生活リズムが崩れたって別に構わないと思う。
鈴仙「あ、そーだ。朝ご飯はもう出来てるから、サグメ様起こしてきて。姫様達は起こすからさ」
カルゴ「はいよ」
快諾した俺は、眠い目を擦りながら、自室の隣のサグメの部屋に向かった。随分とまぁ珍しい事もあるものだ。休日でも規則正しい生活を送るあのサグメが遅起きするとは。
カルゴ「おはよ、サグメ。朝だよ」
枕元に座りそう声をかけるも、スゥスゥと静かな寝息を立てるサグメの表情は、全く変わらない。どうやら余程眠いとみえる。
カルゴ「起きないと襲うぞー?」
サグメ「……襲うなら起きている時にして」
カルゴ「あ、起きた」
言った事はほとんど実行に移してきた俺なので、本当に睡姦されると思ったのか、サグメは薄らと目を開けてそう言葉を返してきた。相変わらず、綺麗な顔立ちをしている。可愛いというよりも、綺麗という言葉が似合うと思う。
カルゴ「おはよう、よく寝てたな」
サグメ「おはよう。そんなに寝ていた…?」
目を擦りながら身体を起こすサグメ。右側の白い翼がふぁさりと揺れ、寝汗のせいで少し強まった彼女の体臭を俺の鼻腔に届けてくれる。
カルゴ「もうご飯の時間だよ」
サグメ「ッ!!寝坊してしまった…」
カルゴ「何か予定あったのか?」
サグメ「…今日は……ばれんたいんでー?という行事らしいから…一番に早起きをして…あなたが起きるのを待つつもり…だった……///」
カルゴ「待つ?…どうして?」
サグメ「ぃ………一番に…渡したかった……///」
布団で真っ赤になった顔を隠して呟いたサグメ。やはり照れ顔は、誰がしても可愛いものである。それにしても、とても意外だ。まさかサグメが、
「一番」を狙いにくるとは。
カルゴ「まだ誰からも貰ってないよ」
サグメ「えっ………本当に?鈴仙母娘からも?」
カルゴ「うん。ただ、これから向こうに行けば…分からないけどな」
サグメ「なら…今あげてもいい…?」
カルゴ「うぉっ、マジで!?大歓迎!」
サグメ「この時期は寒いから…冷蔵庫じゃなく、自室に持ってきておいた…。初めて作ったから、味は保証しかねるけど……食べてほしい…///」
枕元に置いてある服の上から取り出した、透明な袋に入れてあるチョコ。食べやすそうな小粒で、どれもハート型になっている。
カルゴ「おぉっ、ハート型じゃん!可愛いな」
サグメ「頑張った…!食べて…今!」
朝食を先に摂りたいが…こんなにグイグイきて、目を輝かせるサグメは珍しいので、今この場所で食べてもいいかもしれない。
カルゴ「頂きます!……ん、美味い!」
サグメ「良かった…焦げてないか心配だった…」
カルゴ「大丈夫大丈夫!こりゃあ、イイもの食べさせてもらったなぁ…。来月は期待してろよな」
サグメ「来月…?何かあっただろうか…」
カルゴ「あれ、鈴仙か巫月からか聞いてないか?3月14日はホワイトデー、貰った人がくれた人にお返しする日なんだ」
サグメ「知らなかった…」
カルゴ「そーなのかー。だったら、俺のホワイトチョコクリームでもプレゼ…なんでもないです」
サグメ「?…ホワイトチョコは…食べた事ない」
カルゴ「じゃあ、お返しはホワイトチョコかな」
サグメ「ありがとう」
カルゴ「いやいや、俺の方こそ。ありがとうな。チョコ、美味しかったよ」
サグメ「…嬉しい…♪」
カルゴ「さ、朝ご飯食べよーぜ♪」
サグメ「うんっ…♪」
軽く口付けし合った俺達は、寝間着のままで既に全員が集まっているであろう食卓へと向かった。後味スッキリだったので、チョコ味に悩まされる事も無く朝食を食べられた。
そして、食後。てゐに呼び出された俺は、物置に向かっている。イヤな予感しかしないが、どうせいつものアレだろう。
カルゴ「ほい、来たで。で、用って?」
てゐ「今日が何の日かわかるウサ?」
カルゴ「バレンタインデー」
てゐ「…というワケで、私からプレゼントウサ。有難く食べるといいウサ」
小皿に乗せた数個の団子。普通サイズで、中身は透けて見えない。透視能力があればとは思うが、無い物ねだりをしても仕方ない。
てゐ「鈴仙とあの賢者サマが作ってる隙に横から餅を奪ってやったウサ♪」
カルゴ「おいおい…」
てゐ「でも中身は完全に自作ウサ〜。ほれほれ、早く食べろウサ〜♪」
カルゴ「辛いやつだったらどうしてくれようか」
てゐ「ビビるなら食べなくてもいいウサ♪」
カルゴ「…いただきまーす」
団子を口に放り込んで、奥歯でそれらをすり潰すように噛む。すると、中から柔らかい何かが出てきて、口の中に広がった。
カルゴ「…甘い…」
てゐ「みたらし団子の、逆バージョンウサ。中に詰めるの、中々大変だったウサ〜」
カルゴ「サンキュ。美味しいよ」
てゐ「お返しは30倍返しを期待してるウサ」
カルゴ「任せろ。孕ませてやる」
てゐ「ヒェッ!?」
カルゴ「…冗談だ、真に受けるな」
てゐ「本気で産まされるって思ったウサぁ〜…。おっかないおっかない…」
カルゴ「……。ま、サンキュな。お返しはする」
てゐ「はいはーい。ほら、次は鈴仙のを受け取るウサ。早く行ってやれウサ」
カルゴ「お、おう…でも催促はしないぞ。一応、プライドはあるんでな」
てゐ「ふーん」
団子が乗っていた小皿を洗いに行くと、さっきの朝食に使ったお皿を洗い終わったところだった。
鈴仙「あれ、どうしたのそのお皿」
カルゴ「てゐから団子貰ったんだ。美味かった」
皿洗いをしながら、簡潔に感想を述べる。鈴仙は少しばかり不機嫌そうな溜め息をついた。
鈴仙「まさか1番目をてゐに取られるとはね…。完全に抜かったわ…」
カルゴ「うんにゃ、1番目はサグメ」
鈴仙「ええっ!?ああっ、もしかしてサグメ様を起こした時!?」
カルゴ「そうそう。来るの遅かったから、すぐにわかると思ったが…分からなかった感じか?」
鈴仙「うん…。あ〜あ、今年も1番逃したぁ…。毎年フランちゃんなんだもん…」
カルゴ「…思ったんだが、なんでレミリアは呼び捨てでフランはちゃん付けなんだ?」
鈴仙「レミリアは、ちゃんって感じがしないからかな。フランちゃんが子供っぽいからかな?」
カルゴ「納得」
タオルで手を拭きながら、苦笑いを零す。確かにそんな感じはする。レミリアも、子供っぽい所はあるが、フランに比べると…幾分か大人である。
鈴仙「はい、今年はチョコ大福だよ♡」
カルゴ「おっ♡」
鈴仙「あーん、して♡」
カルゴ「おうよ♡」
パカッと口を開けるとニコニコしながら俺の口にチョコ大福を入れてくれる鈴仙。一口サイズで、それでいて団子よりも大きい。しかも冷やされていたからか、程よく噛みごたえのある硬度だ。
カルゴ「トロッとしててうんめぇ…!」
鈴仙「でしょでしょ!今回は自信作なの♪」
カルゴ「とか言って、毎年自信作のくせにさ♪」
鈴仙「えへへ〜♡」
カルゴ「うん、美味いな。今度作り方教えてよ。トロトロのチョコを包めるとか簡単じゃなさそうだしさ」
鈴仙「やだ♪」
カルゴ「えーなんでさー」
鈴仙「自分で作れるようになったらさ…私が作る機会、減っちゃうもん…///」
カルゴ「……んああああもう、マジ可愛すぎかよ鈴仙んんんんんんんっっ!!わかった!!教えてくれなくていい!これからも俺にだけこのお菓子作ってくれえええええええええっっっ!!!!」
鈴仙「うみゅ…んもう、苦しいよぉ…♡」
少し強めに抱き締めると、苦しいとは言うものの嬉しそうに抱き返してくる。キッチンで抱き合う俺達…悪くない。
しかし、そんな甘々な空気をぶち壊す者が2名。
輝夜「はいはい、私からも渡すのがあるわよー!有難く受け取りなさいよねっ!」
巫月「咲夜さんみたいに作れてるかは分からないけど、ポッキーに挑戦してみたよー!」
鈴仙「もーっ!抱き合ってる所に入って来ないでくださいよぉぉっ!!巫月もよっ!!」
巫月「抱き合ってるなんて知らないも〜ん♪」
輝夜「そうそう!」
カルゴ「ったく…相変わらずだなぁ、2人共…」
輝夜は何も持っていない。だが巫月は手に持った縦長のコップに、ポッキーを大量に入れている。外に売っているポッキーの何袋分なのだろうか。
巫月「ポッキーゲーム、しよ!」
輝夜「おーっと、その前に私のプレゼントよ!」
カルゴ「輝夜のプレゼントって?」
輝夜「私よ、わ・た・し♡」
カルゴ「……永琳先生が聞いたら泣きそうだな」
輝夜「バレンタイン限定の、超絶特別イベント!
『チョコの代わりに私を食べて♡』!!今こそ、実行に移すとき!!!」
カルゴ「よし、分かったよ!美味しく食べさせてもらうぜ輝夜!覚悟しな!」
輝夜「いや〜ん、孕まされるぅ〜♡」
カルゴ「運に任せるんだな!ハーッハッハッ!」
巫月「その後は私とポッキーゲームしてね!!」
カルゴ「ああ、分かった!!」
輝夜「行きましょイキましょ♡」
このあと滅茶苦茶セックスした。
ポッキーゲームにより、巫月とたっぷりDキスをしてから、意気揚々と神社に向かって行った。
今日のワンドロは輝夜か。良いなぁ( ´ཫ` )