※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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過去編・欲しいモノは無いけど

カルゴ「…ん…うぅ……?」

 

霊夢「おはよ。やっと目ぇ覚ましたのね?」

 

寝室ではなく居間で寝かされていたお父さんは、腹を押さえながら目を覚ました。まだヒダル神の影響が残っているのだろうか。ダルそうにはしているけれど、目覚めた直後なら誰しもこんな感じかもしれない。

 

カルゴ「あれ?なんで寝てんだ俺…」

 

霊夢「ヒダル神に取り憑かれておかしくなってたから、ぶっ倒しただけよ。感謝しなさいよね」

 

カルゴ「なんか前に聞いた事あるな。サンキュ、助かったよ。…うわ、顔カピカピしてる…すげー血だらけじゃんかよ」

 

霊夢「風呂入ってきなさいよ」

 

カルゴ「うん。服も洗濯だなこりゃ…はぁ…」

 

霊夢「なんでそんなダサいの着てんのよ。しかもへカーティアとペアルックとか…」

 

地獄の女神、へカーティア・ラピスラズリ。確か純孤とクラウンピースと一緒に、よくお父さんと話してるような気がする。肩出してる黒い半袖にカラフルなミニスカート、頭上の赤い玉、地球と月を模したらしい謎の球体をそばに浮かばせてる人だった気がする。直接話したことはないけど、話し方のクセが強かった気がする。わよんって。

 

カルゴ「これ似合ってね?」

 

霊夢「似合ってない」

 

私もお母さんと概ね同意見。全く似合ってない。この独特な服が似合うのはへカーティアだけだと思う。寧ろへカーティアに他の服が似合うのか…多分似合わないと思う。へカーティア=変Tってイメージが強すぎる。

 

カルゴ「えー。てかペアルックじゃねーぞ。よく見てみ、この服の文字」

 

霊夢「……えっと…『Welcome Harlem』?」

 

カルゴ「向こうは『Hell』、俺のは『Harlem』。つまりペアルックじゃないね」

 

霊夢「そんなん知らないわよ!ほぼアイツと同じじゃないの!なら、その服は自分で作ったの!?悪いけどあんたのセンス疑うわよ!?」

 

カルゴ「えー…疑われちゃったよセンス」

 

霊夢「えっ…ホントにこれ自分で作ったんだ…。じゃあこの前の『Hell』の方も…?」

 

カルゴ「いやそっちは普通にへカーティアからのプレゼント。『Harlem』の方は創造魔法でね」

 

霊夢「えぇー…独特過ぎて変よ、ホントに…」

 

カルゴ(霊夢の巫女服の方が独特だと思うがな。腋出してるトコとか。…ま、それは早苗もだが。てかそれだと、霊愛と霊麗、樹里愛も腋出してる事になるよな。あんまり見た事無かったな…今度見てみっかな。…いや、霊愛辺りはバレたら色々怖いから止めとくか。娘からのビンタは割と効くからなぁ…。ほっぺ触っただけなのに……)

 

霊夢「ま、服はどうでもいいから、さっさと風呂入ってきなさい」

 

カルゴ「はいはい」

 

軽く返事をしたお父さんは、スキマを開いて直接脱衣場に向かった。でもその直後、境内に1つの妖気を感知した。雑魚妖怪というほどでもなく、かといって強いという訳でもない、普通レベルの妖気。どこかで感じた事あるような気もするけどどこで感じたのかは全く覚えていない。

 

霊愛「…また来たね。ちょっと行ってくる」

 

霊夢「ええ、気を付けて」

 

霊麗「私も行くー!」

 

縁側に出てみると、茄子色で舌付きの傘を持ったオッドアイの妖怪が、明るい笑顔でこちらに走り寄ってきていた。多分傘で殴るつもりだと思う。普通レベルの妖怪とは言っても身体能力は人より高いので、走る速さはそれなりに速い。なので、スペルの宣言をしている時間は無い。

 

霊愛「…ま、御札で片付くかな」

 

霊麗「そだね!」

 

??「へへん、そんな御札は効かないよっ!!」

 

霊愛「なら試してみる?」

 

私と霊麗は、揃って御札を投げる。すると、その妖怪は、傘を回して御札を跳ね除ける。御札には風や水に弱いという弱点があるが、まさかこうも簡単にやられるとは。かなり悔しい。

 

??「今日は久しぶりに神社に押し売りだーい!針はどうですかぁぁぁっ!!!」

 

霊愛「生憎、針なら間に合ってるよ!その針で、キメてあげる!」

 

霊麗「えぇいっ!!」

 

??「えちょ、何で今日針なんて使っ────」

 

投げた針は、傘や本人等にプスプスとあちこちに刺さっていく。針に霊力を込めてあるので、妖怪の動きはだんだんと鈍くなっていく。

 

霊愛「これでトドメだっ!霊符……」

 

霊麗「待ってお姉ちゃん!」

 

詠唱中、隣の霊麗が突然大きな声を出す。それに驚いた私は詠唱を中断して妹に目を向ける。

 

霊麗「この人、お父さんの剣作った人だよ多分!確か、さでずむの人!」

 

霊愛「んー…?あー、お父さんの知り合いか…。誰だっけ…」

 

??「多々良小傘だよぉ〜……霊夢さん、私の事2人に教えてないの〜…?」

 

傘を杖のようにして、何とか身体を支える小傘。お父さんの知り合いなら殺さないし、殺せない。

 

霊愛「お母さんが私達に教える?戦い方以外に、何を教えるの?」

 

小傘「私の役割です!あなた達の針や神社の鈴、鏡とかでも驚きの仕事をしますよ〜!!」

 

霊愛「針は間に合ってるってば」

 

霊麗「うんうん」

 

小傘「本当に(・・・)、そうですか?」

 

霊愛「…どういう意味?」

 

小傘「ご覧下さい、地面に落ちた針を。私や私の傘に刺さった針を」

 

言われるがままに針を見る。どれもこれも、湾曲していたり真っ二つに折れていたりする。何故か小傘は、こうなる事が分かっていたらしい。

 

霊愛「何で曲がってるのこれ…」

 

小傘「これまでの事八日は妖怪が来てもスペルで撃退してきたから知らないんですよね!今日は、針供養の日ですから、針を使えばそうなります!特に妖怪退治を行っている方の針は、このように折れやすくなってしまうのです!」

 

霊愛「へー…聞いた事ないやそんなの…」

 

しかし思い返してみれば、事八日の次の日には、何故か針が除霊されていたり新品になったりと、色々とおかしな事があった。……お母さんが針を交換していたのか。

 

小傘「娘さん達に教えてないのも、ある意味では霊夢さんらしいですけどね。で、どうしますか?新しい針、必要でしょう?」

 

霊愛「必要、だね…。結構コレ使ってるし…」

 

霊麗「うん…」

 

小傘「古くなった針は供養するハズですからね、手持ちの針はゼロになります!つまり〜……?」

 

霊愛「買うしかないってワケね…なるほど」

 

小傘「曲がった針は修復で良いですが、どちらかというとイチから作った方が、こちらとしても楽ですね。どうします?」

 

霊愛「じゃあ、折れたり曲がったりしたこの針は私達で処理するから…針100本お願い」

 

霊麗「私も100本でお願いしまーす!」

 

小傘「わっかりました!あ、お代金は1本200円として、2万円でーす!」

 

霊愛「ゲッ…高いなぁ…」

 

小傘「今日が稼ぎ時ですからね〜、これでも結構安くした方なんですよ?今日仕事を貰えなければ1年遊んで暮らせませんから…」

 

霊愛「うーん…どうしよ…」

 

霊麗「お父さんにお願いしてみる?」

 

霊愛「そうだね…それっきゃ無いかもね」

 

小傘「おっ?エスカルゴさん今居るんですか?」

 

霊愛「お風呂入ってるけどね。中で待ってて」

 

小傘「はいはーい、お邪魔しまーすよーっ!」

 

小傘を招いて中に入った私達。だけどその目の前では、お父さんとお母さんが、コタツに足だけを入れながら抱き合っていた。しかも、お父さんの方は上半身裸だ。服を洗濯中だから仕方ないとは思…いや、博麗神社にも服はいくつも置いてあるから、単に面倒臭いだけかもしれない。

 

霊夢「あっ」

 

カルゴ「ゲッ…」

 

霊愛「…………」

 

小傘(うわぁ〜〜…昼間から凄い熱いよぉ〜…。この前もお墓で響子とエッチしてたしなぁ…熱々すぎて見てられないよ…)

 

カルゴ「ゴホンッ…見られちまったか…」

 

小傘「あ、あはは〜…お取り込み中すいません…お代金の事でご相談がありまして…」

 

カルゴ「ん?お代金…何か注文したっけ?」

 

小傘「私ではなく、霊愛さんと霊麗さんが……」

 

カルゴ「ん?」

 

霊愛「実は…」

 

それから私と霊麗は針の話をお父さんに話した。手持ちの額では支払えないことも含め、しっかり伝えた。だけど、本当の値段はそれよりもかなり高かったらしく、私と霊麗はとても驚いた。

 

カルゴ「100本10万円か〜。まぁ1年暮らすには妥当な…いや、それで暮らしていけるのか?」

 

小傘「まー普通以上には暮らせますよ〜。だって妖怪ですし。エスカルゴさんも、その気になればイケると思いますよ?」

 

カルゴ「んー…そうかなぁ。足りるんならそれで良いんだけど。合計20万かー…霊夢の時はいくらくらいだった?」

 

霊夢「そんなん覚えてないわよ」

 

カルゴ「うん知ってた」

 

小傘「あの時は数万円でしたね…霊夢さんったら容赦無くて凄く怖いから…。おかげで、あの年は暮らしが大変でした…」

 

霊夢「はいはい…」

 

霊麗「やっぱり…お父さんにとっても高い?」

 

カルゴ「そりゃーそーだ。数十万なんて、ポンと出せる金額じゃない。…いや、そりゃ出せなくはないぞ?ただ、何か2人の欲しいモノとか何か、そういう物に使うお金は貯めておきたいなとね」

 

霊愛「欲しいモノなんてないよ」

 

霊麗「うんうん」

 

カルゴ「え…でも子供の頃って色々欲しくない?アレ欲しいなコレ欲しいなとか…」

 

霊愛「おやつ以外無いね」

 

霊麗「無いね」

 

カルゴ「(あー……こんな事考えるのは俺が外出身だからか…。おもちゃとか無いもんな…。)よし、ここは父ちゃんらしく、娘の道具くらいパァッと買ってやっちゃいますかね〜」

 

霊麗「ホント!?ありがとっ、お父さん♪」

 

霊愛「…ありがと」

 

小傘「おぉ〜、流石はお父上ですねぇ!」

 

カルゴ「ついでに霊夢の針も新調してくれるか?去年も結構異変とかあって…沢山使ったからさ」

 

小傘「分かりました!では合計30万円ですね!」

 

霊夢「私は別にいいわ、お金はとっときなさい。次の子の養育費とかにも使うでしょ」

 

カルゴ「気にすんな気にすんな。それじゃ小傘、頼んだぜ」

 

小傘「お任せ下さい、最高品質でお届けします!数日後、こちらに直接持ってきますね!!」

 

霊夢「分かったわ」

 

カルゴ(霊愛を外に連れてった時も、外の道具に興味持ってる様子は無かったしなぁ…)

 

霊愛「…お父さん、ありがと。お礼に今度、退治してあげるね」

 

カルゴ「ナハハ、お礼か〜………お礼?」

 

霊愛「品質検査はお父さんでしちゃうから、覚悟しといてね」

 

カルゴ「おーよ、掛かってきな!」

 

小傘「では私はこれで失礼しまーす!エスカルゴさんは、早く服着て下さいねー!」

 

カルゴ「あっ忘れてた」

 

霊愛「忘れないでよ…」

 

その後、沢山の豆腐に私と霊麗、お母さんの針を刺して、針供養をした。そして、お腹を空かせたお父さんは、お母さんのおねだりで、夕飯だけを作り置きして今日の宿泊場所へ向かっていった。




PS4のコントローラー来た。憑依華やり込むで!
多分更新頻度落ちるかと思います。弾幕の方も、少しずつ進めたい。
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