ポカポカと降り注ぐ、春特有の心地よい日差し。風ももう暖かく、徐々に蕾も膨らんできている。そんな初春のある日、巫月を寺子屋に送った俺と鈴仙は、2人で里に薬売りの営業に来ている。
ついでに、インフルエンザワクチンの摂取をするようにと呼び掛けている。尤も、里の人間達にはインフルエンザではなく
数年前はとても酷く流行し、人々は大勢死んだ。インフルエンザとは、単なる風邪の上位互換ではない。誰でも死ぬ可能性のある病である。予防や治癒が比較的簡単というだけであり、インフルが死の病であることに何ら変わらない。
幻想郷に来たウイルスは、型が変われば、妖怪にだって移る事がある。俺はそれを防ぎたいのだ。俺がかかれば自爆で治るが、他のみんなはそうもいかない。つまり予防しておくべきなのだ。
インフルの厄介な所は型が変わりやすいことだ。それ故に、獲得免疫が仕事をしない…いや、仕事出来ないのである。
外から入ってきた時点では人間にしか移らない。しかし幻想郷の人間に移ると、かなりの高確率で人間の体内で型を変え、それ以降は人妖問わずに広まる。そうして、幻想郷でもかつてないほどの大流行を記録したのだった。
カルゴ「んー…あとは案内役が仕事してくれれば良いんだがな。一応常駐させてるがいつサボるか分からないな」
鈴仙「えっそれヤバくない?大丈夫なの?」
カルゴ「
鈴仙「あはは…」
迷いの竹林入口に常駐させているのは、いつもの如く俺の分身だ。本体の俺が言うのも、おかしいような気がするが…
彼女や嫁、娘以外に関しては、不真面目すぎる。だが信じる他ないだろう。そうしなければ鈴仙とまったり
まぁ尤も、里人が今から行くとは限らないから、実際はあんまり心配いらないのかもしれないが。
カルゴ「…さて。やる事も終わったし、これからどーする?」
鈴仙「うーん…どうしよっかなぁ…?まだエッチできる…よね?」
カルゴ「多分できるんじゃないかな?お腹の子、そんなに大きくなってないし」
鈴仙「だよね。1ヶ月くらいかな?」
あの時たっぷり中に出したのだから、間違いなく妊娠しているだろう。そして妊娠しているのならおよそそれくらいになるはずだ。まだ男か女かの判断がつかない頃なので、性別については何とも言えない。
カルゴ「そんくらいだな。鈴仙は悪阻軽いから、俺としても安心だったよ」
鈴仙「確かレミリアはかなり酷かったんだっけ」
カルゴ「今んとこ、一番酷いのがレミリアだな。霊夢なんか『悪阻?あぁ、本で見たわね。それがどうかしたの?』とか言ってたくらいだ」
鈴仙「無いのって良いよね。私もほぼ無いけど、たまーにだけ症状出たんだよねー…」
カルゴ「寧ろ、無い方が珍しいのかねぇ…。でも症状軽くても身体は大事にすんだぞ。お腹の子の為でもあるし、何より鈴仙が心配だ」
鈴仙「えへへっ、ありがと♪…それで、ほんとにこれからどうする?帰ってヤッちゃう?それともデート?私はどっちでも良いけど♪」
カルゴ「悩むなぁ〜…。じゃあ、今日はデートにするか?久しぶりにボートで川下りとか霧の湖でボートとか」
鈴仙「湖だと水蜜襲って来ない?大丈夫かな?」
カルゴ「大丈夫っしょ。もし襲って来たら、また聖んとこ送るし」
鈴仙「なら安心ね!ボートなんて久しぶり…♪」
カルゴ「そうと決まれば、すぐ移動しねぇとな。転移『
鈴仙の手を取り、霧の湖まで瞬間移動する。すぐスキマを開き、鈴仙を薬売りの衣装から普段着に着替えさせて、その隙に俺はスキマからボートを取り出し、湖のほとりに浮かべさせておく。
鈴仙「着替え終わったよー♪」
カルゴ「ん」
小さく開けておいたスキマから鈴仙の声を聞き、それを広げ彼女をこちらに呼び戻した。霧の湖と呼ばれるだけあって、昼間になると濃い霧が立ち込める。何故昼間なのかは今もよく分からない。
紅魔館の門の方を見てみれば、大妖精とチルノを初めとする妖精、弦月姫、リグル、ミスティア、ルーミア、美鈴らが話している声が耳に入った。
ワイワイガヤガヤと大変賑やかな様子だ。そんな様子を霧越しに見つつ、彼女をエスコートして、揺れるボートに2人で乗り込む。
カルゴ「…うん、穴とかは大丈夫だな。よっし、まったりしますかね」
鈴仙「そだねっ♪」
創造した帆を立てて風を受ければ、オールを使用せずともボートは動き出す。濃霧で自然はあまり見えないが、風はとても心地良い。このまま暫く湖を漂っていたい。……そう思っていたその時。湖から半魚人の姿をした女性が飛び出してきた。
?「ばぁ〜っ!」
鈴仙「キャッ!?」
カルゴ「うおぉっ!?」
俺も鈴仙も同じように驚き、危うくボートが転覆しそうになるが、オールや翼などを使って何とかバランスを保った。
?「驚いた驚いた〜♪」
カルゴ「はぁー…心臓に悪いよ姫…」
鈴仙「姫…あぁ、わかさぎ姫ね…。全く、驚かさないで下さいよー…」
姫「ふふっ♪ ところで、エスカルゴさぁん…」
カルゴ「ん?」
ボートの縁で頬杖をつき、妖しく微笑む姫。更に反対の手を着物の襟元にもっていく。
姫「あなた、私の裸体に興味は無いかしら?♡」
ぺろりと舌舐めずりすると共に、着物をはだけて豊満な胸を露出させる。
カルゴ「ッ!?ちょちょ、姫!?」
鈴仙「あ、あなたこんな所で…!何考えているんですか!?もし他の人に見つかったら…」
姫「今ちょっと…発情期かもしれなくってぇ…♡
排卵したい気分なの♡♡」
鈴仙「かっ、勝手にすれば良いじゃないですか!なんでそこで私のエスカルゴを誘うんですか!」
姫「刺激…欲しいじゃない?♡」
鈴仙「いやまぁ…それはわかりますけど…///」
姫「だ・か・らぁ………ね♡ あなたも混ざって、3人で遊びましょ♡」
鈴仙「…う〜ん…」
カルゴ「おい、そこで悩むなよ!?」
鈴仙「はっ…そうだわ!すいませんわかさぎ姫、やっぱりエスカルゴは私のですっ!!ね、今日はもう買い物して帰ろ!」
カルゴ「そうだな!じゃーね姫、また来る!」
真上にスキマを開いた俺は、ボートをそのままにしておいて鈴仙と共にスキマに飛び込んだ。
姫「あぁん待ってよぉ〜…。んもう…ケチぃ…」
カルゴ「は〜…何だったんだ今の…」
鈴仙「発情期にしては……あんなの、初めて見たような気がするね…って、何これ…!?」
カルゴ「うっそぉん…」
人里の様子は、いつもとは全く違っていた。まず朝靄のように白く薄い霧に覆われている。いや、それは単なる自然現象だとして、更に、見掛けるカップルは、せいぜい手を繋ぐ程度だったのに、今里を歩いているカップルは、腕を組んだり人の目を気にせずにキスしたりしている。おかしい。幻想郷の人間らしくない。
しかも、1人で居る男は股間を押さえているし、1人で居る女も股間を押さえている。2人以上で居る女は百合百合しているし、男は………うん。少し目を覆いたくなる惨状である。まさか人間に発情期が訪れたのだろうか。いや、それは流石におかしすぎる。しかしどいつもこいつも顔を紅潮させて、ハァハァと息を荒くさせている。
鈴仙「ど……どうしたんだろう…ね?」
カルゴ「ここから見える限りでは…まともなのは俺達くらいか…」
鈴仙「どうしよ…私…ムラムラしてきたかも…」
カルゴ「…ちょっと我慢しろ…あとでめいっぱい相手するから…」
鈴仙「お願いね…。でもこれ、異変なのかな…?普通に考えてそれしかないよね?」
カルゴ「それっきゃねーだろーなー…。霊夢の所行って、判断仰ごう。俺らじゃどうにもならん」
鈴仙「そうだね。…私も行っていい?」
カルゴ「あぁ。3人でこれ終わらせよう。いや、魔理沙も入れて4人かな」
鈴仙「うふふっ、そうだね!行こう!」
カルゴ「魔空『
魔力の容量を増やし、魔理沙特製の魔力回復薬を飲み、魔力を満タンにする。それから鈴仙の手を取って博麗神社に瞬間移動し、真っ直ぐに神社に駆け込んで行った。
カルゴ「霊夢大変だ!里で異変…が……!?」
鈴仙「ウソ…!?」
霊夢「うふふふ…♡ もうダメ、止まれないの♡」
居間では何と、霊夢が魔理沙を押し倒していて、里の人間達と同じようにハァハァと息を荒くさせながら、その唇を魔理沙の唇へと押し付けようとしていた。
魔理沙「待て霊夢、お前ちょっとおかしいぞ!?そっ、それに、もしもエスカルゴが見たら怒r…うわぁっ!本物居るぅぅっ!?これは違うんだ、霊夢が急に私を押し倒して来てっ…」
霊夢「大丈夫よぉ…♡ エスカルゴは…女相手なら許してくれるからぁ♡ そもそも、あのバカ以外の男なんてキョーミ無いしぃ♡」
魔理沙「そういう問題じゃなくてなぁぁぁッ!!おいエスカルゴ、見てないで助けてくれよ!私のファーストキスが持ってかれちまう!!あいや、嫌じゃないけど!嫌じゃないけどな、どーせなら一番は惚れた奴が良いだろ!?」
カルゴ「……レイマリは俺のジャスティス……。行こうか、鈴仙…」
鈴仙「えっ!?え、えぇ…」
魔理沙「おいコラ、どこに行くんだ!?おい!!おいってば!!」
カルゴ「………。転移『
魔理沙「おいいぃぃぃぃぃぃっっっ!??!!」
再度瞬間移動した俺達は、今度は紅魔館に来た。わかさぎ姫はもう湖の中に戻っていて、ボートはそのまま浮かんでいた。とりあえずそれをスキマに落とし、館に視線を移す。
カルゴ「あれ?美鈴が居ねぇな」
美鈴のみならずチルノ達も居ない。まぁ妖精達は遊び場を変えたか疲れて帰ったかしたのだろう。美鈴も、トイレか何かに行ったのかもしれない。それなら一応説明はつく。
鈴仙「ねぇ…霊夢、放っておいて良かったの…?あのままじゃ何するか…」
カルゴ「大丈夫。万が一男が来た時の為に、対男結界を四重くらいに張っておいた。だから今回の異変解決は、妖魔雷霊剣は使えねぇな」
鈴仙「あ、ホントだ、あの剣置いてきたんだね。
って、いや、そうじゃなくてっ!あのままだと、魔理沙と何するか分からないよってコトよ!」
カルゴ「霊夢言ってたろ?女同士なら良いのさ。流石は霊夢だ、おかしくなっても俺の事はよーく分かってくれてるらしい」
鈴仙「えぇ…?よく分からないわ…」
カルゴ「ん…まずは咲夜さんに声掛けてみよう。ダメなら早苗や妖夢かな」
鈴仙「解決組に声を掛けるわけね?」
カルゴ「そゆこと〜。魔理沙はあれだから、暫く霊夢と遊ばせてあげようと思う。なんで魔理沙はおかしくなってないのかは…分かんないけどな。俺と鈴仙も」
鈴仙「ホント、何でだろうね」
カルゴ「それも並行して調べることにしようか。とりあえず行こう」
鈴仙「うん。…霊愛ちゃんと霊麗ちゃんは?」
カルゴ「霊夢がダメならあの2人もダメだろう。多分、別室か別な場所でイチャついてるはずだ」
鈴仙「だよねー…」
それから、早苗の場合は神社に行かなくとも思念通信が出来るので、門に向かいながらも頭の中で早苗に声を掛けてみる。
カルゴ《早苗。異変起こってるみたいだからさ、力貸してくれないか?》
早苗《………》
カルゴ《おーい?》
いくら待っても早苗からの返事は無い。そして、試しに諏訪子、神奈子様にも声を掛けてみたが、2人からの返事が無く、返ってきたのは母さんとへカーティアのみだった。地獄や魔界は特に問題無いそうだ。やはり幻想郷のみで発生した異変と捉えるのが妥当だろう。
カルゴ「めーり…うおっ…!」
鈴仙「わぁ…!」
美鈴「弦月姫ちゃんっ…!!」
弦月姫「美鈴さぁん…!」
花壇を見てみれば、弦月姫と美鈴が2人して顔を赤くさせながら抱き合っている様が目に入った。そばにはチルノと大妖精、リグルとミスティアのカップリングまで出来ている。どうやら、完全におかしくなってしまっているらしく、俺が気配を全開にしてもあまり反応も見せなかった。
美鈴、弦月姫、ミスティア、チルノなど、比較的俺と繋がりの深い者は、こちらをチラ見したが、それ以外は何もアクションを起こさない。
玄関の扉を開けて、館の中に入る。中は不気味なほどに静まり返っている。昼間だから、吸血鬼の館としてはこれが正しいのだが……やはりどこかおかしいと思わざるを得ない。
鈴仙「手分けして探す?宴会でよく来てるから、中の造りは分かるし…」
カルゴ「…いや、このまま纏まって行動しよう。何があるかわからない。それに、咲夜さんなら、おやつの準備の為に厨房に居るはずだ。弦月姫が花壇に居たのは美鈴の手伝いだろうから、今日のおやつは咲夜さん1人で作る予定だったんだな」
鈴仙「なるほど。そうね、行きましょ!」
と、急いで向かったは良いが、厨房に咲夜さんの姿は無く、作りっぱなしのミルフィーユがそこにあるばかりだった。あの咲夜さんが仕事を途中で投げ出すなんてありえない。一体どこで何をしているのだろう。
カルゴ「俺の部屋と図書館に行こう。レミリアやフラン、レイチェルなら居るかもしれないしな」
鈴仙「そうね」
今度は紅魔館での自室に移動しつつ、自室に居る上海に何が起こったのかを聞いてみる。どうやら紅魔館では、何とフランと咲夜さんが俺の部屋で乱れているらしい。そしてレミリアとレイチェルの所在は上海にもわからないのだとか。
一応確認の為に扉の前まで来たが、2人の激しい喘ぎ声を聞いて確信した。
鈴仙「まずいね…」
カルゴ「…俺の予想じゃあ、レミリアとフラン、咲夜さんと美鈴、弦月姫とメイド妖精あたりだと思っていたんだが…。予想外の組み合わせだな」
鈴仙「エ、エスカルゴ…?」
カルゴ「ん?あぁいや、何でもない。図書館だ、図書館に行こう。あそこは扉が厚いからちゃんと中に入らなきゃ中の様子は確認できないはずだ。飛ぶぞ鈴仙。転移『
図書館内に瞬間移動した俺達は、先程と同様に、驚きの光景を目の当たりにした。どうやら、予想よりも異変の規模は大きそうだ。
ゲーム的に言うなら1面はわかさぎ姫ですかね。因みにこの世界の姫は卵生です。愚息で刺激して排卵を促してあとは普通に精液をぶっかけて子を成す、みたいなイメージですね。ヤる予定は特に無いですが、参考までに?どうぞ(笑)
はてさて、これから誰が出てくるのやら。
里にパフェやドーナツ等のお菓子屋とか出したいけど、世界観的に紅魔館やパンデモニウムetc……以外で出すと違和感しか無いよな…ちくせう…。俺が納得できないから俺の作品では出しません。
クイズ8です!↓
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