※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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vs霊夢

「なぁフラン」

 

適当に飛びながら尋ねる。

 

「なぁに?」

 

「霊夢とにとりのとこ行く訳だが、博麗神社と妖怪の山、どっち先に行く?」

 

「うーん…あれ、魔理沙は?」

 

「どこにいるから分からないからな…最悪宴会の時になりそうだぜ…」

 

「うーん…」

 

この様子だと、フランも魔理沙がどこにいるかわからないようだ。

 

「先に山行くか」

 

「うん!」

 

「っしゃ、行くぜ!」

 

妖怪の山に方向を定め、俺とフランは飛んでいく。

 

カァ、カァ、カァ

 

「!」

 

視界の端を、烏の中に紛れて飛ぶ文が横切って行った。

 

「文、どーしたんだろね?」

 

「!…フランも気付いた?」

 

「うん」

 

「文さんのことだ、また特ダネ狙ってるんだろ」

 

「ふふっ、そうね」

 

「さ、急ごう」

 

「えっ、なんで?」

 

「早く終わらせて休みたい」

 

「あはは…朝から戦ったものね…」

 

「ああ…早く咲夜さんの紅茶飲みたいぜ…」

 

 

 

 

 

その頃────紅魔館。

 

「へっくち!」

 

「あら、可愛いくしゃみね。風邪?」

 

「可愛くないですけど……そうかもしれません…」

 

「完璧なあなたらしくないわね」

 

「申し訳ありません…」

 

「酷くなったら休みなさいね。その間は役に立たないメイド妖精たちを働かせるわ」

 

「…気をつけます」

 

 

 

 

 

「着いたね〜」

 

「だなー。はよ終わらせ…」

 

「なんだ!?侵入者か!?」

 

「…………」

 

天狗……。

 

「にとりに用があるんだ。通してくれないか?」

 

「…ちょっと待て。上に聞いてくる」

 

「わかった」

 

バサッと飛び立つ天狗。

上というのは上司のことだろう。

 

「待たせたな」

 

「!」

 

意外に早かったな。

 

「近くに居たから連れてきた」

 

「!?」

 

「やっほ〜」

 

あ、マジだ。

 

「やぁにとり。久しぶり」

 

「久しぶり〜。どしたの?」

 

「いやー、普段世話になってる奴らには直接「俺ら帰ってきたぜ」って言いたかっただけだよ」

 

「そーなんだ!わざわざありがとね!」

 

「いや…好きでやってる事だし」

 

この様子だとあんま心配してなかったって感じか。

まぁ、心配させてても申し訳ないからこれくらいがいいか。

 

「ふふっ。あ、新聞見たよ〜、傘無しで行動出来るって凄いじゃん!どういう仕組みなんだろね〜」

 

「仕組みじゃなくて念とかそーゆー類じゃないかな」

 

「まぁね〜。そのペンダントに何か仕掛けがあるようにも見えないし…」

 

 

 

 

 

いけないいけない、つい話し込んでしまった。

話し中にフランがあくびして袖を引っ張ったから気付いたのだ。

 

今は博麗神社に向かって飛んでる所だ。

 

「エスカルゴ話しすぎ!」

 

「すまない…つい話し込んでしまってな」

 

「全くもう…」

 

ほっぺを膨らませるフラン。

 

ウズウズ…

 

「…………」ドキドキ…

 

ツンっ

 

「ひゃっ!な、なに?」

 

「ほっぺ柔らかそうだからつい」

 

「ベッドの中でやってよ〜…」

 

「我慢出来なかった」

 

「我慢してよそれくらい〜…」

 

「仕方ないだろう?向こうじゃ中々ベタベタ出来なかったし…」

 

「そうね…」

 

「そうだよ…あ、神社見えてきたぜ」

 

「ホントだ。早いわね」

 

「傘無いとトバせるからな」

 

「ホント、感謝しか無いわね」

 

「ああ。アイツらは、俺らの生活まで変えたんだ。良い意味でな」

 

「…うんっ!」

 

スタッ

 

「“怠惰巫女”〜、居るか〜?」

 

「ちょっ、エスカルゴ、それ…」

 

「へへ、炎火がよく言ってたろ?真似してみた」ニヤ

 

「ぷぷっ…あっはははは!」

 

!?

 

「はぁ…はぁ…ホント炎火ばっかりねエスカルゴ…はははっ…」

 

「そんな笑うなよ…。面白いだろ?“怠惰巫女”」

 

「まぁね!あはははは!」

 

いつまで笑ってるんだよフラン…。

 

ガラッ

 

「うっさいわねー、なんなの?」

 

「よっ!」

 

「ああ、エスカルゴたちね。さっき新聞で見たわ」

 

霊夢も、あんま心配はしてない感じか。

よかったよかった。

 

「おっそうなのか」

 

「ただいま♪」

 

「おかえりなさい。心配したわ」

 

「えっ?」

 

「『えっ?』じゃないわよ。1ヶ月も行方不明だったんだから、心配しない方がおかしいわよ。それに……」

 

「それに?」

 

「…一緒に酒飲んだ仲じゃないの」

 

…へ?

 

「あ、あぁ…そうだな」

 

「また飲みましょうね」

 

「…おう」

 

「でも、血飲まないでね」

 

「そいつは無理な注文だぜ。(早く)酔いを覚ますには血を吸うしかないんだ」

 

「じゃ、私じゃない人の飲んでよね。あれ、なんか変な感じがしたし…」

 

「うーん、それも難しいかもなー。近くにいる人襲った方が早いだろ?」

 

「襲うって…」

 

「ん?」

 

「言い方がなんか卑猥よ…」

 

「そか?」

 

確かにそうだな。

 

「ま、細けーことは気にすんなって。酔ったら飲ませてもらうから、覚悟しとけよ?」

 

「だったらあんた置いて逃げるから」

 

「へいへい」

 

「ところでさっき…私のことを怠惰巫女とか言ってなかった?」

 

「気のせい気のせい、気にすんなって」

 

「聞こえてたわよ?それを笑うフランの声も」

 

「ひっ!」

 

ビビって俺の後ろに隠れるフラン。

 

「大丈夫大丈夫。ビビるなビビるな」

 

「丁度良いわ。身体も鈍ってたとこだし、あんたらで身体慣らしするわ」

 

『!?』

 

「何驚いてんのよ」

 

「いや…つまりそれって…俺らと戦うって…?」

 

「そうよ?」

 

いやぁぁぁぁぁ!!

 

蘇るトラウマ……。

ボコされた上に、湖にボチャーン…とか。

あれはもうコリゴリだぜ。

 

「わ、私は良いわ…」

 

「お、俺もやめとく…」

 

「やめとくじゃなくて、私が勝手にあんたらを襲うからやられなさい」

 

『はぁぁぁ!?』

 

「じょ、冗談じゃねぇや!おま、自分の強さわかってんのかよ!?」

 

「さぁ?」

 

「『さぁ?』じゃねえええええええ!!」

 

「うっさいわね、やるわよ。霊符『夢想……」

 

「ぎょえええええええ!?」

 

イキナシかよこの怠惰巫女ぉ!!

 

「フラン、やるぞ!」

 

「ええ!?」

 

「あれで即終わらせよう!」

 

「!!…わかったわ!!」

 

「…妙珠』!!」

 

弾幕キタァ!

って、夢想封印じゃなかったか…焦ったぜ全く…。

けど、攻撃の手を緩めるつもりは無いぜ。

 

『狂恋「狂おしいカップル」!!』

 

「!!」

 

ババババ…

 

 

 

「ふぅ…」

 

何とか相殺しきれたか…

 

「へぇ。腕を上げたわね」

 

「まぁな!」「まぁね!」

 

「でも、これならどう?霊符『夢想封印』!」

 

ぎゃあああああああ!!

 

「フラン、お前だけは守る!」

 

「えっ!?」

 

ギュッ…

 

フランを抱き締め、霊夢に背中を向ける。

 

「庇ったところで、耐えられるかしら?」

 

ドドドドド…

 

背中に被弾。

 

「ぐあああ…っ!」

 

痛い…くっそ、少しは手加減しろよ…。

 

「ぐうう……!!耐えて…みせるぜ!!」

 

やっぱ痛てぇ…こんなのをフランに味わわせるわけには…って、異変起こした時に喰らったんだっけか。

だったら、もう二度と味わわせないぜ。

 

ドドドドド……

 

「はぁ、はぁ…」

 

「耐えたわね。褒めてあげるわ」

 

「…………」

 

「エスカルゴ!しっかりして!」

 

「大…丈夫だぜ…」

 

「フラフラね。ここらで終わりにしましょ」

 

「やだね」

 

「なんですって?あなたの身体を思って言ってるのよ?」

 

「俺は大丈夫だぜ?俺は吸血鬼だ、疲れは残っても怪我とかのダメージは回復するからな」

 

「じゃ…もう少し…」

 

「お前のターンはもう来ない。俺がキメる」

 

「エスカルゴ!無理しないで!」

 

「大丈夫だっての。待ってな、キメてやるから」

 

「…うん!」

 

ふぅ……。よし、キメる!

 

「この前はあんなにボロボロだったのにね。というか、今も結構ボロボロじゃない」

 

「まぁね。それは霊夢が強いからだ」

 

「そうやって褒めて、油断したところを狙おうっての?そんな手には乗らないわよ」

 

「そんなつまんねー手は使わねぇよ。俺がやろうとしてるのは……」

 

「?」

 

「雷牢『雷神の牢獄』」

 

妖怪の山での宴会のときに、炎火がてゐにやってた技…の、俺ver.だ。つまり雷ver.。

でもこれは少し違う。

 

「あんた、自分ごと囲んで何企んでるの?」

 

そう。俺と霊夢を囲むほどの巨大な牢だ。

 

「見てればわかるさ」

 

「?」

 

パチンッ!

 

俺が指を鳴らすと同時に、それは始まる。

 

「!?こ、この牢、縮んできてない!?」

 

「そうだよ?」

 

そう、縮むのだ。俺諸共。

 

「この壁…触ったら…」

 

「ああ、感電するな。あと、普通の人間なら、触った瞬間死ぬよ」

 

「!?」

 

でも霊夢は普通の人間では無いから大丈夫だ。

ここで言う普通の人間っていうのは、人里に住んでるような極々一般的な人間のことを指す。

 

「あんたを倒せば壁は無くなるでしょう?」

 

「ああ、無くなるな」

 

「なら、答えは1つよ!あなたを倒す!」

 

「やってみなよ。雷鎧『サンダーアーマー』!!」

 

「その鎧、前にも見たわね。今度もまた打ち砕いてあげる!」

 

「来い霊夢!!」

 

「言われなくても行くわよ!ハァァァァ!!」

 

ドォォ…

 

「ぐぅぅ…っ!」

 

腹パン…!

 

「ぐあああっ!」

 

案の定、後に吹っ飛ばされる。

 

「自分で自分の作った壁で感電しなさい!」

 

「…………」

 

スッ…

 

吹っ飛ばされた俺の身体は壁を通り抜ける。

その瞬間、少しだけピリッとした。

 

「え!?」

 

「ははははははは!!自滅なんてしねぇよ!!!」

 

「なんで効かないのよ!?」

 

「俺は雷を操るんだ。雷への耐性はあるに決まってるだろう?」

 

炎火が「暑い」って感覚を忘れたように…な。

 

ドシャッ

 

「痛っ…着地失敗かよ…」

 

「エスカルゴ!大丈夫!?」

 

「ああ、大丈夫」

 

「でも、霊夢が死ぬって…」

 

「おいおい、フランお前…霊夢が普通の人間だと思ってるのか?」コソッ

 

小声で話す。

 

「え?」

 

「いいか?普通の人間ってのは、団子屋のおじさんみたいな人を言うんだぜ?」

 

「そうなの?」

 

「妖怪共をバッタバッタ倒す博麗の巫女が普通なわけないだろう」

 

「それもそうね」

 

 

 

「くっ…万事休すね…」

 

「もたもたしてると壁に挟まれるぜ?」

 

牢は既に先程の半分ほどのサイズになっている。

真ん中にいる霊夢と接触するのはあと1分後くらいだろうか。

 

「霊符『夢想封印』!」

 

ドドドドド…ジュウウウウ…

 

「これでもダメなの!?」

 

壁にぶつかった弾幕は音を立てて消される。

 

「ほらほら、もう目の前だよ」

 

「くっ!」

 

バッ

 

後ろに飛び退く霊夢。

だが……

 

バチバチバチバチィィィ!!

 

「ああああああああああああああ!!!」

 

霊夢の叫び声が響く。

 

「…そろそろ良いかな。…解除」

 

フッ…

 

ドサッ…

 

牢が解除され、地面に倒れる霊夢。

そしてそのまま動かなくなってしまった。

 

「…おーい…?」

 

ピクリとも動かない。まさか…?

 

急いで霊夢に駆け寄り、息を確かめる。

 

「ホッ……」

 

息はあったので一先ず安心だ。

 

「フラン、運ぶの手伝ってくれ」

 

「うん!」

 

霊夢を中に運んで寝かせた。

 

2時間後

 

「う……ん……」

 

「!起きたか」

 

「エス、カルゴ…?あんたなんでここに…」

 

「おいおい、忘れちまったのか?俺と戦って気絶したんだぞ?」

 

「そう…だったわね」

 

「へへ、俺の勝ちだな」

 

「…ええ、そうね」

 

「っしゃあああ!!」

 

「でも!」

 

「?」

 

「私は身体鈍ってたからね、本気出せてた訳じゃないわ」

 

「…本気出したら俺のことなんか倒せる、と?」

 

「ええ、そうよ」

 

あっけらかんと答える霊夢。

 

「じゃー今度は本気で勝負だ」

 

「ええ、望むところよ!…フランは?」

 

「看病疲れ。ほら」

 

壁に寄りかかって寝ているフランを示す。

 

「あら…」

 

「で、身体はもう大丈夫か?すまない、ちょっとやり過ぎたかもしれない」

 

「大丈夫よこれくらい。気にしないで」

 

「よかった…。倒れたあと動かなくなったから霊夢が死んじまったかと…」

 

「そういえば、普通の人間なら触れた瞬間に死ぬって言ってたけど…私死んでないわよ?」

 

「博麗の巫女が普通なわけねぇだろ…」

 

「そうかしら?」

 

「ああ」

 

「なーんだ…手加減してくれたのかと思ったわ」

 

「霊夢相手に手加減する余裕なんて…今の俺にはねぇよ」

 

「今の、って…あなた、私に勝つつもり?」

 

「そうだよ」

 

「フンッ…そんな日が来るとは思えないけどね」

 

「うっせっこの、怠惰巫女!」

 

「だからその怠惰巫女ってのやめなさい!」

 

「怠惰以外何があるの!?」

 

「豊胸美人とか何かあるでしょう!?」

 

「はぁぁ!?霊夢が!?」

 

「な、なによ!?」

 

「美人はわかるが豊胸は………ゴニョゴニョ」

 

「なに?」

 

「豊胸は無いわ、うん!」

 

「ひっどーい!!」

 

「守矢神社の早苗さんの方が…」

 

「うっさい!」

 

バキッ!

 

「ぐえっ」

 

殴られたァ…。

 

「あれはただ……」

 

「ただ?」

 

「うっさいっての!」

 

ゲシッ!

 

キ───ン…

 

「お゙っ…!?!?」

 

こっ…こか…ん…。

 

「あ、あら…?」

 

「てめ……やり過ぎィ……!!」

 

「ご、ごめんなさいね…あはは…」

 

「笑っ…てんじゃ、ねぇぇぇ…!」

 

10数分後

 

「はぁ…やっと治まった…」

 

「大丈夫?」

 

「大丈夫…。じゃ、仕返ししまーす」

 

「はぁ!?」

 

「だってすごく痛かったんだもんよ」

 

「な、何するつもり…?」

 

「KO☆RE☆DA」

 

グイッ!

 

「え…」

 

ガブッ!

 

「ひっ…!」

 

霊夢を抱き寄せて首に噛み付く。

 

チュウウウ…

 

「あンっ…!あっ、あっ…くぅ〜っ!」

 

「ん〜♪」

 

美味いねぇ…!

 

 

 

「ぷはぁっ…美味しかった♪」

 

「はぁ、はぁ、はぁ…。あんたこの前あんま美味しくないって…」

 

「あの時は酒飲んでて味覚狂ってたんだろうね」

 

「…………」

 

「ごちそうさま♪」

 

なんか、霊夢の血を飲んで、ほぼ使い果たしたはずの力が回復したような気がするぞ。

 

「はいはい…。で、これからあんたらはどうするの?」

 

「これから?うーん…霊夢も起きたことだし…あとは帰るだけかな」

 

「そう…」

 

「なんで?」

 

「ううん、なんでもないわ」

 

そう言って、霊夢は少し寂しげに笑った。

 

 

 

「じゃ、またな」

 

「ばいばーい!」

 

「ええ。気を付けてね」

 

『わかってる!』

 

「また、来なさいよね」

 

「…?わかった!」

 

バシュン!バシュッ!

 

2人で神社から飛び立つ。

 

 

 

「ふわぁ〜…色んなところ行って、疲れちゃったわ…」

 

「今夜は早めに寝ないと、だな」

 

「そうね…」

 

「おおおーい!!エスカルゴ〜!フラ〜ン!」

 

ん?誰だ?…あ!

 

「お前は…!」




学年末試験2日目。
筆者、無事死亡www

さて、次は誰が出てくるんでしょうかねぇ…。
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