※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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末っ子達の底力

パチェ「むきゅー…高い…」

 

カルゴ「そうですかね?霧があるからそう感じるだけかもしれませんよ。見た目だけでいえば雲が下にあるようなもんですし」

 

パチェ「あなたは普段から高い所飛んでるもの…そりゃあ慣れるってものでしょ…」

 

カルゴ「それも…そうですかね」

 

ふと隣を見てみれば、鈴仙の耳はシワシワになり少しばかり表情が強ばっているのが見て取れた。やはり俺の場合はただの“慣れ”らしい。あまり、普通と違う発言をするのはやめておこう。

 

パチェ「さて、今から実践して見せてあげるわ。時間差があればと言った理由を。…とその前に、私の考えも話しておくわ」

 

カルゴ「お願いします」

 

パチェ「あの霧はね、やっぱりレミィのように、犯人が出していると思うの。そして、霧を出した後は放置している。出し続けている訳では無いとするなら、その霧が一気に晴れた場合犯人はどう行動するかしら?」

 

カルゴ「んー……霧が、一気に晴れたら…」

 

鈴仙「……もう1回、その霧を出す?」

 

パチェ「ええ。少なくとも、私ならそうするわ。それと上空に来てから分かったけど、あの霧から微弱な魔力を感じる。あの霧が異変の発生装置と考えて、まず間違いないでしょうね。ただし霧に触れていなくても異常を起こす例も踏まえると…

『霧に触れる、もしくは囲まれる』のが、異常を起こす条件でしょうね」

 

カルゴ「そういや永遠亭の皆は屋内に居たな…。早苗達も文達も。なるほど、霧は発生装置か…」

 

パチェ「それともう1つ。魔力が弱いのは、その犯人が弱いからじゃないの。魔力で魔力を消しているからこその弱さよ。あなたじゃ感じ取れないレベルにまで消してるのよ、己の魔力の気配を」

 

カルゴ「魔力を消す……って、あれ?それって、まさか……いや、そんな…」

 

この霧を発生させた…つまり、この異変の犯人の心当たりが、およそ3人いる。その内の1人が、あの小悪魔だ。しかしその小悪魔は、今紅魔館の図書館に居る。それの意味する所─────。

 

パチェ「まぁ…現実から目を背けちゃだめよね。この異変の犯人は、ここあとシガレットよ」

 

鈴仙「えぇっ!?まさか、あの子達が!?」

 

パチェ「魔力の消し方が同じなのよ、小悪魔と。そりゃあ、基礎技術は小悪魔から習っているから同じなのは当然なんだけどね。それと、魔法使いといえばあなたのお姉様…アリスもだけど、今の彼女の様子はどう?見てみなさい?」

 

カルゴ「姉ちゃん……あ、人形作ってる…」

 

パチェ「異変の犯人が、異変の最中に暢気に人形なんて作るのかしら。…少し考えにくいわよね」

 

カルゴ「それは…まぁ…そうですね」

 

パチェ「命蓮寺の白蓮も見てみなさい」

 

カルゴ「えーと……」

 

白蓮はというと、一輪と雲山、ナズーリンと星を引き離し、妖忌と同じ様に柱に括りつけている。そう言えば、白蓮も魔法を使うのだった。尤も、彼女のは身体強化の魔法であるが。女苑はどこに居るのか分からないが、少なくともこのお寺には居ないらしい。きっと幻想郷のどこかでおかしくなっているのだろう。

成美は…どこに居るのかあまりわからないから、今は放っておこう。

 

パチェ「分かった?外からの新参者じゃなければあの2人が異変の犯人よ。…異変を起こしやすくするのがスペルカードルールでもあるから、別に悪い事でも無いわ。…そう気を落とさないの」

 

カルゴ「…気を落とす?いやいやいや…そんな、違いますよ。寧ろ逆です。こんな異変起こせる程成長したのが、嬉しいんですよ。この上もなく」

 

パチェ「ふっ…あなたならそう言うと思ったわ。甘いんだかヌルいんだか、よくわからない奴ね」

 

カルゴ「フフフッ…こりゃあ、褒めてやらないといけないですね。お願いします、パチュリー様」

 

パチェ「任せなさい。こんな霧、即座に晴らしてみせるわ。再び霧が出てきたら、その場に一瞬で移動しなさい。そして、あの子達に軽くお灸を据えてあげて。お使い中に何やってるのってね。

…ただ…」

 

カルゴ「ただ?」

 

パチェ「…私って、風魔法を利用して、こうして空を飛んでるのよ。でも今から使うつもりなのはその風魔法で…。いつもより強いのを使うから、飛ぶ方に力を使えないのよ…」

 

カルゴ「…?つまりどういうことですか?」

 

パチェ「わ……私を、抱えてくれないかしら…?そうすれば、風魔法を使わずとも、こうして空に留まっていられるから…」

 

カルゴ「なるほどそういう事ですか。了解です。おんぶですか?お姫様抱っこですか?」

 

実は抱っこが苦手な俺である。せいぜい、おんぶとお姫様抱っこ、丸太を抱えるような持ち方と、赤ん坊や猫を抱え上げるような抱え方しか、俺は出来ない。肩車は…抱っこには入らないだろう。

 

パチェ「別に私は、どちらでも良いけど…耳元で詠唱されたくないって言うならお姫様抱っこね」

 

カルゴ「距離がほんの少し離れるだけで、大して変わらないような気はしますが…分かりました。お姫様抱っこにします」

 

パチェ「じゃ、よろしく頼むわ。あっ、冥界にもスキマで風届けてよね」

 

カルゴ「うっす」

 

フワリと近寄って来たパチュリーを、大して力も入れずに抱え上げる。が、風魔法を切ったのか、突然それなりの重みが掛かった。特別重いというワケでもないが、ほぼ重さゼロの状態から重みが掛かると驚いてしまうものだ。

 

パチェ「…重かったら悪いわね」

 

カルゴ「あぁいや、別にそんな事は」

 

パチェ「そ」

 

鈴仙(まぁ……パチュリーに限ってエスカルゴを狙ってるなんて事は無いよね。もし仮に狙ってたとしても、私の前で堂々とお姫様抱っことか提案しないだろうし………って、いけないいけない、今は異変解決の途中なのよ?何考えてるのよ私…バカね…)

 

カルゴ「ん?どした鈴仙、頭なんて振って」

 

鈴仙「えっ?ううん、何でもない。ちょっと耳に蚊か何かがくっ付いたような気がしただけ」

 

カルゴ「鈴仙の血は俺のだ。蚊にも吸わせねぇ」

 

パチェ「鈴仙のって言っておきながら俺のって…すごく矛盾してるわね」

 

カルゴ「鈴仙は俺のなんで、矛盾してませんよ」

 

鈴仙「俺、の……もうっ!照れるじゃない!///」

 

カルゴ「照れるのはあとからな。さっさとこんな異変終わらせて、オトナの遊びしよーぜ♪」

 

鈴仙「…うんっ♪」

 

パチェ「はいはい、イチャついてないで…。もう始めるから、しっかり抱えてよね。落としたら、全身灰になるまで燃やしてあげる」

 

カルゴ「はい」

 

パチェ「鈴仙は、スカート押さえたり何だりして自分の身を守って。天狗並みの風を起こすから。それから、エスカルゴの背中側を見ていなさい。霧が出てきたらすぐに教えるのよ」

 

鈴仙「はっ、はいっ!」

 

パチェ「始めるわ。──────……」

 

来た。呪文の詠唱だ。耳には入っているのに何の言語なんだか全く分からない魔法の言霊。いや、言語と言っていいのかさえも分からないほどの、魔法初心者には滅茶苦茶にしか聞こえないという謎の呟きだ。魔法を多少嗜んでいる程度の俺には彼女が何を言っているのかまるで理解出来ない。これが、彼女との“格の違い”というやつだろう。

 

パチェ「───────。……発動っ!!」

 

たった今詠唱した魔法の発動を声高々に宣言したパチュリー。刹那、彼女を中心にして、台風の風以上の強さの下降気流が発生した。そのあまりの風圧に、俺達が居る場所の空気まで引っ張られるような感じまでする。

 

鈴仙「キャアアァッ!!なんて風なのっ…!?」

 

カルゴ「俺が壊した超巨大台風より強ぇ風だ…」

 

パチェ「フッ…自然の風とは訳が違うのよっ…!そこら辺、勘違いされちゃあ困るわねぇ…!!」

 

パチュリーは、俺に抱えられて、地面に手を向けながら普段とは違う暗くも強い声色でそう返事をした。詠唱の影響が残ってる訳は無いと思うが、ヤケに言葉に力が篭もっていた。

そして白い霧は、みるみるうちに晴れていった。

紅魔館を中心に、湖、廃洋館…と、どんどん霧は後退していき、ついには吸血鬼の目でも見えないほどに霧散した。

 

パチェ「よし、晴れた…!」

 

カルゴ「すっ…すげぇ……」

 

直後、真下で悲鳴が上がった。何かと思って見てみれば、キスをしたり抱きついたりなどしていた彼女達が、正気に戻って慌てていた。

 

パチェ「どこからか出てきてない?」

 

カルゴ「こっちは特に…。そっちはどう?」

 

鈴仙「んー、こっちも何も……あれ?ねぇ、見てあそこ。魔法の森の…。何か出てきてない?」

 

カルゴ「あそこは…魔理沙んち辺りだな」

 

鈴仙が指をさす先を見てみると、そこはおおよそ魔理沙の家の辺りだった。そこから、モワモワと白く風に流されにくい、自然のものより重そうな霧が出てきていた。

 

カルゴ「行くか。転移『自己瞬間移動(ルーラ)』」

 

鈴仙の手を取り、パチュリーを抱えたまま彼女の家の前に瞬間移動する。そこには、白い霧を出すここあとシガレットが居た。

 

カルゴ「おっすお前ら。なぁにやってんのかな、魔理沙ンちの前でよー?」

 

パチェ(留守だったからでしょうね…)

 

パチュリーを下ろし、いつものような軽いノリで手を挙げ2人に己の存在を知らせる。すると霧を出すのを中断し、2人はこっちを見る。

 

ここあ「お父様に…パチュリー様ぁっ!?なんでこんな所に…!?」

 

鈴仙(私の存在…)

 

シガー「あぅぅっ…襲いたいよぉっ!」

 

サイドテールを揺らして、本能と理性の間で揺れ動いているシガレット。どうやら今だけは、問答無用で襲うという事は無いらしい。どうせなら、常にこうあってほしいものだが。

 

ここあ「ダメだよ!もっと皆をエロエロにして、それからだよ!お父様を襲うのはっ!」

 

シガー「それもそうだね!」

 

カルゴ「お前らなぁ…」

 

流石の俺も呆れて、思わず苦笑を漏らす。すると2人は、暖色系を主とした、カラフルな魔力弾を展開する。

 

姉妹「イキますよ、お父様っ!!勝負です!!」

 

カルゴ「イクぞ鈴仙!2人にお仕置きだ!」

 

鈴仙「うん!…どうでもいいけど、何かエッチに聞こえたの私だけ!?」

 

それには概ね同意だが、特に言葉は返さず、俺も弾幕を展開・発射して、ここあ達2人を気絶させようとする。それに倣って鈴仙も座薬型の弾幕を発射し、段々と2人を押し始める。

 

カルゴ「物量戦じゃお前らに勝ち目はねーぜぇ!大人しく投降してから、パチュリー様にしこたま説教してもらうんだな!」

 

ここあ「『しこたま』って何かエロくない!?」

 

シガー「思った思った!」

 

カルゴ「お前らなぁ………はぁ。少し呆れたな。俺が言えることじゃないかもしれんが…お前ら、少しばかり性にだらしなさ過ぎるかもしれんな。もうキメちゃおっか、鈴仙?」

 

鈴仙「分かったわ!」

 

姉妹「ッ!!」

 

カルゴ「『俺の隙間(ゲート・オブ・カルゴン)』!!!」

 

鈴仙「『幻朧月睨(ルナティックレッドアイズ)』!!」

 

俺は大量の武器を、そして鈴仙は座薬型の弾幕と比較的大きめの青弾幕と赤弾幕を発射する。その密度を見た2人は、顔を見合わせて小さく頷く。

 

姉妹「『反弾幕障壁』、展開!」

 

2人がそう叫ぶと、彼女らの前に半透明な障壁が現れ、それが俺と鈴仙の弾幕を受け止めた。更に弾幕をそっくりそのまま跳ね返してきた。当然、その中には俺の武器も含まれている訳で…。これでは、共に戦っている鈴仙に加えて、俺達の後ろにいるパチュリーにまで被害が及んでしまうかもしれない。

2人の弾幕+俺と鈴仙の弾幕はかなりの密度で、避けるのは少し困難だ。が、ここはやはり俺だ。いつも通りのゴリ押しで行く。

 

カルゴ「殲滅『Breath of Thunderstorm』!!」

 

腕を振るって広範囲にエネルギー波を放ち、弾をまとめてほぼ全て掻き消した。だが、それすらもその障壁に跳ね返されてしまい、俺達3人はそのエネルギー波を避けた。

 

ここあ「ふっふっふ……!お父様と戦う可能性があるのに、何の対策もしていないとでも?」

 

シガー「そしてそして!!私達はパチュリー様の下位互換的存在!属性魔法も無属性魔法も思いのままに操れるっ!!」

 

ここあ「お父様の苦手とする属性は把握済み!」

 

シガー「2人の魔力(チカラ)を合わせれば、最上位系呪文だって何のその!!」

 

姉妹「魔符『魔氷礫凍結華(マヒャデドス)』!!」

 

カルゴ「うっ…!?」

 

鈴仙「寒いっ…」

 

右回り左回りに、交互に螺旋を描きながら小さい氷の礫が飛んでくる。ルナティック…いや、更に上のレベルに感じるほどの密度だ。もう俺の中のルナの基準が滅茶苦茶だ。もし通常の妹紅をルナだとしたら、確かにこれはルナを超えている。

これは不可能弾幕だ、と声高々に叫びたい程の、魔界メンバーと大差ない弾幕の密度だ。この2人は、よく勉強をしているが、弾幕ごっこをあまりしてこなかった。その弊害として、手加減というものを知らないのだろう。

弾幕格闘ならこれもまたアリ……いや、無いな。

 

ここあ「知っていますよ、お父様の弱点!即ち、

氷と炎!環境変化に伴って、動きを鈍らせられる

のが、お父様の…いいえ、吸血鬼と吸血鬼の血を色濃く引く者の大きな弱点!」

 

シガー「ご覧下さい、ご自身の周囲を!お父様に逃げ場はありませんよ!」

 

カルゴ「…チッ」

 

氷の弾幕は、俺達が避ければ避けた分だけ背後で壁のように積み上がっていて、やがてドーム状に固まってしまった。一方で、パチュリーは後方にいたので、ドームの外側になっている。今内側にいるのは俺と鈴仙、ここあ、シガレットだけだ。

まぁスキマで逃げられるが、それはつまらない。

 

ここあ「むぅ……流石はお父様です、全く当たりませんね…」

 

カルゴ「ふんっ、伊達に強者達と戦ってないさ。だけど、いい加減に鈴仙の名前も出してやったらどうだ?一応、2人で来てるんだし?」

 

ここあ「えっ?……あ、ほんとだ」

 

シガー「居たんだ」

 

鈴仙「『居たんだ』!?失礼ねっ、私だって最初からここに居るわよ!」

 

ここあ「えへへへっ、お父様とパチュリー様しか視界に無かったものですから♪」

 

シガー「すみませんっ♪」

 

鈴仙「〜〜〜〜〜…!!!ここまでコケにされたのは、てゐに始めて悪戯された時以来よ……!!エスカルゴ、ルナティックガン取って!!」

 

カルゴ「…お…おっす…」

 

キレた鈴仙の気迫に、僅かながら圧された俺は、若干手を震わせながらスキマを開いて、部屋から二丁のルナティックガンを取り出して手渡す。

 

鈴仙「地獄を見せてあげるわ…!!狂気の弾幕に触れ、身も心も完全に狂ってしまうがいい!!!

『月面跳弾(ルナティックダブル)』ッッッ!!!!」

 

二丁のルナティックガンを左斜め上、右斜め上に掲げて、座薬型の弾幕を大量に発射する。それはスペル名の通りで、何かに当たって終わるのではなく、ドームに当たっては跳ね返り、当たっては跳ね返る。

しかも、ただ跳ね返るのではない。ドームの面は曲面になっている。つまり予測しづらい方向へと跳ね返っていくのだ。

 

ここあ「うっっ…!」

 

シガー「ねー、ちょっとマズったよねこれ…!」

 

ここあ「良いもん!もうこのドーム壊そーよ!」

 

シガー「このドーム…コンドーム!?」

 

ここあ「アハハ、違うよシガレット〜…」

 

鈴仙「ムキィィィィィ!!!無駄口叩くくせに、ちょこまかと避けてからにぃぃぃぃ!!!当たれ当たれ当たれ当たれ当たれええええええ!!!」

 

反弾幕障壁は、鈴仙のこのスペルによって完全に消えた。しかし2人は、ちょこちょこ弾幕を発射して鈴仙の弾幕を相殺している。勿論、避けてはいるし、それなりに被弾もしている。が、ここで2人は、言葉通りにドームを壊しに掛かる。

 

姉妹「合魔符『魔炎旋風燃焼業(メラ・ド・ムーチョ)』!!!」

 

2人の前に竜巻が現れる。それは次第に大きさを増していき、回転速度も上がり、最終的には炎を纏い始めた。大きさは目測で10mあるか無いか。ドームの高さとあまり変わらない大きさで、炎の竜巻はドームをドロドロに溶かし始めた。

 

鈴仙「ハアアァァァァァッッ!!!当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれえええええっっ!!!当たれって言ってんでしょうがああああ!!!」

 

溶けかけて脆くなったドームは鈴仙の弾を受けて崩壊が早まる。あちこちにヒビが走り、天井部は崩れ落ちて壁は前後に倒れ、陽の光が差し込む。

 

カルゴ「れ、鈴仙、ちょっと落ち着こ…?」

 

鈴仙「キエエエェエエェエェェェッッッ!!!」

 

カルゴ「ひっ」

 

鈴仙の目が紅く光っている。どうやらほぼ本気でキレているらしい。…まぁ、最初から居なかったように扱われていたのだから、凄くムカつくのは分からなくもない。

だが、そうも言っていられない。先程放たれた、轟々と燃え盛る炎の竜巻。それが今も俺や鈴仙の居るこちらへ向かってきているのだ。天井部分はもう溶けたが、今度は竜巻のせいで行動が取りにくくなっている。

 

カルゴ「魔術『反魔法障壁(マホカンタ)』!!」

 

ここあ「え……お父様、何でそれをっ!?」

 

カルゴ「これくらいはとうの昔に覚えていたさ!

子供(ショタ)になった時にな!!」

 

その時、障壁に竜巻が触れた。すると途端に進行方向を180°変え、次はここあ達に向かい始めた。一度障壁で返した攻撃は、魔法でも弾幕でももう一度跳ね返ったりはしない。それが分かっている2人だから、障壁を展開しようとはしなかった。

いや、それ以上に─────。

 

ここあ「…ねぇシガレット…魔力残ってる…?」

 

シガー「…配分、間違えちゃった…」

 

ここあ「あはは…私も…」

 

2人にはもう、炎の竜巻を相殺できるほどの力が残っていなかったのだ。

それから、2人のヤケドを治療した俺は、後方で控えていたパチュリーも呼び戻して、この異変を起こした理由について2人に事情聴取を始めた。




「私達はパチュリー様の下位互換的存在!」ってそれ、自信を持って言うセリフなのか……?
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