妖精や妖怪が、美鈴が門番をしている紅魔館前で元気に遊んでいる頃…。パチュリーが図書館内に作った魔法空間では、魔力弾の激しい撃ち合いが行われていた。
パチェ「ふむ……。それなりの密度ね。まだまだ薄いけど、不慣れの割には良いんじゃない?」
レミルゴ「ふん、こんなの序の口だよ!パチェがこれで被弾しまくったらつまらないしね!」
現在は、レミリアの人格が強めだ。なので彼女の呼び方はパチェ呼びだ。それを感じ取った彼女はその顔に微笑を浮かべる。しかし、そんな中でも雨のような弾幕は止まずに降り注いでくる。
パチェ「最初はユルめでいくわよ。せいぜい被弾しない事ね。氷符『マヒャド』!」
彼女の背後に現れた魔法陣とその周辺から、水色で綺麗な氷の弾幕がポツポツと現れて、緩やかな曲線を描きながら交差するように動く。交差系は苦手だ。何故だか、吸い込まれるように交差する地点に移動してしまいがちなのだ。しかしそこは、合体しただけあって、普段の俺とは違う動きが可能となっている。彼女が苦手なパターンが来たなら、その時は俺の出番だろう。互いの苦手を補える。それが、合体のメリットでもある。
レミルゴ「これくらいじゃあ当たりはしないよ!舐められちゃあ困るねっ!」
しかし、よく見てみれば、会話をしていなくともパチュリーの口は動いている。確かに宣言しつつ詠唱を続けている。…そのことに気付いた直後、スペルの第2波が始まった。弾は一回り大きく、時々細いレーザーが飛んでくる。
それから今更気付いたが、第1波は彼女の正面が安置だったらしかった。第2波はレーザーが彼女から発射されているので安置は消えたのだろう。気付いたところでもう遅いが。
レミルゴ「安置なんて用意しなくて結構だよ!」
パチェ「…今気付いただけでしょ」
レミルゴ「フンッ、分かってて安置使わなかっただけだよ!甘えは捨てる!」
パチェ「あらそう。…次は何にしましょう…?」
レミルゴ「次はこっちの番だよ!ガツンと1発、おみまいしてあげる!」
パチェ「へぇ…。一体何の魔法使うのかしら?」
レミルゴ「悪魔なのに十字架ってどうなのかな…とは思うけど、使えるんなら使っときたいよね!祈祷『
パチェ(使えるんなら使っとく…か。エスカルゴらしさが出てるわね…)
祈りを込めて十字を切ると、金色に輝く十字が、回転しながら大量に飛び出した。これはこっそり俺が開発していた雷属性の魔法の1つだ。魔力は普通に足りているが使う機会があまり無かった。初披露は今度魔理沙と戦う時にと思っていたが…レミリアの人格に使われてしまったか。
パチェ「レミィの真似かしら?」
レミルゴ「意識はしてないね。これも外の世界のゲームに出てくる技だからそっちを意識したよ」
本家は「呪文」ではなくて「体技」だったような気がするが…それっぽい魔法にして、名前だけを借りたようなものだ。レミリアと戦う時は、大抵武器で戦うか肉弾戦なので、実は彼女のスペルはあまり知らない。せいぜい10数枚程度だろうか。フランのは全て知っているのだが…。
パチェ「なら私は…!氷符『マヒャデドス』!!ここあ達のとはひと味もふた味も違うわよ!!」
十字架を避けながら新たにスペルの宣言をする。すると巨大な氷塊が1つ現れて、地面につくのと同時に爆ぜ、全方位に細かい弾幕が飛び散った。それを避けていると再び氷塊が落ちてきた。
氷塊は毎度こちらの頭上に現れて、ばら撒かれる弾幕は不規則かつ全方位なので、へカーティアのルナティックインパクトの方がマシに思える。
レミルゴ「はぁぁ〜……焦れったい…!」
そんなことを幾度と無く繰り返していると、レミリアの悪いクセの1つである「焦れったくなると相手に飛び込んでいく」クセが出そうになった。しかしそこは、やはり合体した効果が出ているのだろうか。俺の人格が必死にそれを堪えている。パチュリーはそれを狙っていたのか、全くおびき寄せられないことに気が付くと、スペルの威力を格段に上げた。
パチェ「中々掛からないわね…。なら、これでも喰らいなさいッ!!」
氷塊が3つ…いや、5つも同時に現れた。1つはこれまでと同じく頭上に、あとの4つは前後左右4方向にだ。
レミルゴ「しょうがない、もう使っちゃうかな。負けちゃ意味無いし。魔術『
パチェ「ッッ!??!」
降り注ぐ氷塊の真下に屋根のように障壁を展開。それに触れた氷塊は一瞬で消えた…と思いきや、なんと全てがパチュリーの方へ移動していた。
先程の俺と同じく1つは頭上、残りは前後左右の4方向だ。一度障壁で跳ね返れば、もう一度同じ方法で跳ね返る事は無い。なのでパチュリーは、それを避けるしかない。
パチェ(ッ…余裕はあるとはいえ、今の向こうは魔力もそれなりにあるし…相殺するのはあんまり良策とは言えないかしらね。だったら、この一波だけでも避けきれたらそこからは私の独壇場…。強気の私をあんまり甘く見ない事ね、レミィ…!大丈夫、このスペルを避けるコツなら、使用者の私が誰よりも知ってるんだから…。十字架ももう降り止んでるし、イケるわ!)
こちらの放つ弾幕を見据えながらも、しっかりと自分の魔法による無差別的な弾幕も避けていく。全方位に広がるので、多少はこちらにも飛んではくる。集中砲火を浴びているパチュリーほどではない密度だが、油断は禁物だ。
パチェ「っ……体力が…うぅ……」
レミルゴ「!しめた、チャンス!魔理沙みたいにブチかますよッ!!魔符『
正面に真紅の魔法陣が現れると、そこから黄色と黒の、踏切の遮断機を彷彿させる色合いの光線が飛び出す。太さはマスパ以下だが、俺とレミリアの魔力と妖力、それから俺の電力も混ざっているので、攻撃力としては申し分無いレベルだろう。俺個人なら、母さんが創造した小山を吹き飛ばす程度の威力しか出せない。これも、魔力と電力の両方があって初めて成り立つ、2つで1つの魔法
だからだ。俺が新たに属性名を付けるとすれば、光陰属性とでも呼ぼう。ネーミングセンスは相変わらずイマイチだが、呼びやすいから気にしない方向でいく。
パチェ「むきゅ…!もうっ…しょうがないわね…私の
レミルゴ「うッッ……!?」
光線が届く前に、パチュリーと俺達の間に、氷と風による巨大な竜巻が現れ、光線を受け止めた。ここあ達の炎の竜巻とは威力がまるで桁違いで、風の刃の数と風圧、氷の礫の威力が凄まじい。
刃がピッと目元を掠めて、少量の血が飛んで頬に垂れてくる。
レミルゴ「くっ…イッタイなぁぁ!そんな竜巻、吹き飛ばしてあげるよッッ!!!」
更に力を込めていくと、魔力と電力を著しく消費し始めるが、氷の竜巻をガリガリと削り始めた。同時に飛び散る礫も増えてこの身体を掠めるが、あの竜巻を喰らうよりもずっとマシなはずだ。
パチェ「ふふふ……1つだと思わない事ね…!」
レミルゴ「何…?」
その時、背後から冷たい風を感じた。そう、背後からも氷の竜巻が迫ってきているのだ。それも、同じように風の刃と氷の礫を飛ばしながら。
パチェ「魔法対決で私に勝てると思わない事ね、レミィ、エスカルゴ……いえ、レミルゴ!!」
レミルゴ「あは…は…流石にまずいかも……?」
せめて前の竜巻さえ破壊できれば対処のしようがあるが、全力を出していてもなお、拮抗するのが関の山だ。どちらの魔力が尽きるのが早いか、と言われれば、誰に聞いても俺達と答えるだろう。背中からエスパを出すことも可能だが、出力的に考えて、破壊も耐える事もできないと思われる。ならば、どうすればこの状況を打開できるのか。
────もう1つ、隠していた魔法を使うのだ。
原作キャラで符名に&ついてるのってパチェだけでしたっけ。特別感あるので、なんかその要素を出したくなりました。これからも出します。
ふと思いついた。能力を使わなかったら紅魔館で
(肉弾戦で)最強って美鈴なんじゃね?と。
魔法封じられたら体力とか人間以下のパチュリーは手出しが出来ない。時間が止められなかったら咲夜さんの持ち味はナイフ術と体術だと思うが、年季の差で美鈴に軍杯が上がる…はず。種族的に考えても単に力も強いだろうし。ナイフも技術で何とかしそうなんだよね。
問題はレミフラなんだよな。でもレミリアの体術喰らっても依姫ピンピンしてたことを考えると、レミリアの体術ってあんま大した事ないんじゃ?体当たりですしおすし…。
すると、レミリア+怪力みたいなフランは……?
あれ、フランが力強いのって原作設定だっけ二次設定だっけ?原作設定だったような気がするが…少なくとも、培ってきた技術で何とかされそう。
消力とかで。本作の美鈴は…お察しの通りです。
格闘歴は紅魔館の誰よりも長いのでは…と思う。だから能力封じたら美鈴が最強なのかなー、と。
少なくとも本作品ではそう書いてる…のは、もう伝わってますよね。エスカルゴ全敗だし。
ここから少し最強論争じみた考察させて下さい。
能力アリなら、「先に能力を使えた方が勝つ」と思うんです。殺し合いなら、咲夜さんかフランが上位だと思うんですが「時間停止」と「破壊」、どちらが先に発動できると思いますか?
時間停止が早ければ、時を止めて、ナイフを喉や心臓とかに刺したり配置出来ますし…。しかし、そこにレミリアが参戦し、「能力を使用しない」ように運命を操れば、また話は別ですよね。
パチェが即死魔法(ザキ)使えるなら、魔法ってだけあって詠唱が必要ですから、前述の3人より出遅れるはずです。
なので、即死魔法が使えたとしてもパチュリーは1位にはなれないと考えます。
そして美鈴は、「気を使う程度の能力」。もしも操れるとしたら、生気を吸い取る等の能力を応用したパターンは幾つか考えられます。それでも、即死級の速さで吸える事は無いと思います。
仮定に仮定を重ねたようなアホウな推論ですが、紅魔館の上位に君臨するのはレミリア、フラン、咲夜さんの誰かで、尚且つ能力の発動が早い者が最強だと考えます。
そこは流石に予想もつかないな…。
(東方内での)最強論争はあまり興味無いですが能力の考察は楽しいですよね。結局の所は、強い力なら先手必勝なのかな、と思います。
ぶっちゃけ、最強論争で、鈴仙が出てこないのがいつも不思議だったんですよね。波長を操って、暢気にさせれば誰だって戦意喪失するでしょう?何で誰もそれ言わないのかな…って。少なくとも俺が今までに見てきたスレやコメではこんな話は出てませんでした。鈴仙も最強論争に入れて!!誰か1人飛び抜けて誰々が最強ってのはあんまり好きじゃないですけど…。なんて言えばいいんだろ、このちょっとした矛盾。(笑)
儚月抄といえば。
「月に新たな勢力が生まれて、月を支配しようとしている」って話が噂程度に出てたよね。それが本作品で言う所の明帝達で…依姫達はエスカルゴを利用して彼らを消し去ったと。何だこのコント。