カルゴ「ただいまパチュリー、早速来たよ」
パチェ「向こうに行く前はここで話してたから、おかえり…になるのかしら。あなたなら今日中に来ると思ってたわ」
カルゴ「大事な話なんて聞いたら気になるって。良い話か悪い話かは分からないけどさ」
パチェ「………」
宴会後、すぐにレミリア達と紅魔館へと帰宅した俺は、ここあ達3人と図書館へ向かった。3人は仕事に戻るが、俺は真っ直ぐにパチュリーの方へ行き、大事な話とやらを聞こうとする。
パチェ「ま、座りなさい。多分長い話になるし」
カルゴ「はーい。…それで、何の話?」
パチェ「あなた、前に言ってたわよね?『なんで
カルゴ「…そうだね。てか何年前の話よそれ…」
パチェ「結論を出すのに、時間が掛かったのよ。でも、今のあなたの状況と力とか色々考えたら、気持ちイイくらいに辻褄があってね」
そう言ってやんわりと微笑んだパチュリー。前にショタになった俺を撫でたときの笑顔とは違う、可愛らしいというより少し黒い笑みだ。
カルゴ「何の辻褄?」
パチェ「あなたの魔力が異常に少ない理由よ」
カルゴ「…残念だけど、それについてはもう答え出てるよ。母さんが吸血鬼化の薬に力を付与する時に、霊力を混ぜちゃって…」
パチェ「その分魔力が減った…でしょ?」
カルゴ「うん」
パチェ「でもその話って、変だと思わない?」
カルゴ「え?」
神綺《え?》
パチェ「何で、霊力という異物が混入しただけで
神綺《無い…わね》
カルゴ「無いってさ」
言われてみればそうである。何故霊力が混じっただけで魔力が減るのだろう。能力付与なんて事が朝飯前の母さんに限って「薬に付与出来る力」に限界なんてある訳が無い。少し考えれば、すぐに分かりそうな答えだ。
パチェ「ならあなたには、吸血鬼本来の魔力量+霊力が備わっているはずよね。霊力はあくまでもオマケ…偶然の産物っていう扱いなんだから」
カルゴ「ん〜……そうなる…のかな?」
パチェ「そして『
カルゴ「何も」
パチェ「…まず、魅了って何だったかしら?」
カルゴ「魔力を込めた眼を介して、相手に自分の魔力を流し込んで…相手の心を掴む能力」
パチェ「そう。魅了には魔力が不可欠よ」
カルゴ「…何か、少しだけ読めた気がするな…」
パチェ「まだ仮説の域を脱してはいないけど……9割9分9厘、これで正解よ。あなたは無意識のうちに魅了を使ってて、魔力の流れを制御できず常に魔力を消費し続けていたの」
そこで言葉を切ると、一息つくと共に、ドヤ顔を見せる。自分の考えに、絶対の自信を持っているようだ。確かに、もっともらしいとは思うが…。
カルゴ「にしても魔力少なすぎじゃ…。それに、今もこうして目を合わせてるけど、パチュリーが堕ちる感じしないよ?」
パチェ「私でも感知出来ないほどに微量なのよ。魔法に長けてる私だって、完璧じゃないからね。
…塵も積もれば山となるって言葉の通り、積もり積もれば山のように大きくなっていって、大量に消費してしまうって事になるの。それと同時に、とても長い時間をかけて相手に魅了を掛けていく事にもなってる…。その結果、いずれはあなたにオトされるってワケ」
カルゴ「少しずつ魅了掛けていった結果が、このハーレム…。って、ちょっと待ってよ。もし俺が魔力の流れ?とやらを制御できるようになって、無意識魅了をしなくなったら…皆はどうなる?」
パチェ「………最悪、あなたへの好意を失って、オトされる前の友人関係に戻るわね。魅了って、前にも言ったけどある意味洗脳と同じだからね。洗脳が解けたら、正気に戻るでしょう?だけど、あくまでも可能性の話よ。力を制御できるようになっても魔力が消えるわけじゃないからね、進展しなくなるだけで今と変わらない可能性もある。いや、寧ろこっちが有力かしら」
カルゴ「うーん……」
パチェ「だから、これは良い話でもあるし悪い話でもあるわ…。もし制御できるようにしたいって言うなら稽古つけてあげる。だけど、このままで良いって言うなら……どうしてハーレム広がるんだろうとか、二度と言わない事ね。もう、原因が分かっているんだから」
カルゴ「なるほど…」
神綺《…力の制御が出来ないせいで、こんな事になっちゃってるなんてね…》
カルゴ《常に使ってたんなら、少ないのも分かる気がするわ〜…。母さんはどれくらい付与したか覚えてないわけ?》
神綺《ん〜…全然覚えてないわね》
カルゴ《やっぱか…》
ハーレムの原因が分かり大いに納得できた反面、ぽつりぽつりと、少しある恐怖心が湧いてきた。即ち、皆の心が離れるかもしれないという事だ。5年……いや、6年前のあの事件を思い出した。俺の肉体が吸血鬼から人間に戻って、色々大変な目に遭ったあの事件の事だ。
あれと似たような事が…今度はそれよりももっと大規模になって起こるかもしれないのだ。いや、嫌われるというより元に戻るだけだから、規模は大きくとも内容としては重くはないが。しかし、少なくともあの時に味方してくれた人達は魅了の影響を全く受けていないと考えてもいいだろう。あの時は魔力も失っていた。つまり無意識魅了も無かったという事になるので、魅了による洗脳の影響は0である。
事件の以降に魅了の影響を受けていたとしても、今度はそれが0になるというだけだ。根本は何も変わりはしない。
誰の心が離れる可能性があるのか…。考えたくはないが、覚悟だけはしておくべきだろう。そうも簡単に出来るものでもないが。
カルゴ「制御が出来るようになれば、基礎魔力が増える代わりに、皆の心が離れるかもしれない…
ってことか………。何か…スゲー選択だな…」
パチェ「けど、一目惚れや一目惚れに近い子は、魅了の影響を受けてないはずだから、特に心配は要らないでしょう。私が感知出来ないほど微量な魔力での魅了は、絶対に不可能よ。絶対に…ね。あと会ってる回数が少ない子も影響は無いわね」
カルゴ「一目惚れといえば………鈴仙か」
パチェ「咲夜と美鈴も忘れちゃダメよ。あなたに一番先に惚れたの、実質上咲夜なの忘れた?」
カルゴ「…そうだった。でも美鈴って…」
パチェ「気持ちを押し殺していただけで、元から恋心は抱いてたわ。傍から見れば分かったけど、あなたって漫画の主人公みたいに鈍感だものね。わざとらしいくらいよ」
カルゴ「あは…ははは…」
パチェ「レミィもフランも…あと小悪魔も、特に影響は無いはず。影響が出るとしたら、あなたと長い付き合いのある誰か。あなたが幻想入りして間もない頃に知り合った誰か。それでいて、割とちょこちょこ顔を合わせる人ね」
カルゴ「…心当たりが何人も居るんだけど…」
パチェ「そうでしょうね。あなたって顔広いし」
幻想入りして間もない頃からの長い付き合いで、会う頻度が多い誰かさん。…そう、ミスティアや輝夜などだ。宴会になればお空にもよく会うし、慧音、萃香、アリス
姉ちゃん等、思い当たる節は割とある。それでなくとも、お空とは稽古つけるという名目で多く会っていたのだ。魅了の影響を受けている可能性は…0とは言えないだろう。
けれどもお空は鳥頭というやつだし、よほど強く印象に残らねばほぼ記憶しないタチだったはず。影響は少ないかもしれない。
神綺《アリスちゃんは大丈夫よ!お母さんが保証するから!ううん、皆大丈夫よ!今更あなたから離れるなんてことは無いわ!》
カルゴ《まぁね…大丈夫だとは思うんだけどね。離れるかもってのはあくまでも可能性の話だし。でも、もし制御できるようになったら…今以上にこれが広がらなくなるんだよね?それだったら、制御できるようにした方が良いよね…絶対……。けど、離れるかもってのはちょっとね…》
神綺《そうね…。でもお母さんは、たとえ魅了の影響を多少なりとも受けてたとしても、少しずつあなたを好きになっていった事には変わりないと思うの。だから、魅了が解けても解けなくても、皆の気持ちは変わらないと思うわ。もっと自分に自信を持ちなさい?》
カルゴ《…そうだね。うじうじ考えるなんて、俺らしくなかったな。それに、皆からの好意を疑うとか最低だった。制御方法、教わる事にするよ。そうすりゃ今より広がる事も無いだろうし》
神綺《それが良いわね!》
カルゴ「パチュリー。俺に─────」
己の愚かな思考を今一度見つめ直した俺は、彼女から魔力の制御方法を教わる事にした。大丈夫。今更皆の気持ちが離れるなんて事はきっと無い。無意識の内に魅了を掛けていたとしても、今まで共に過ごしてきた時間があるのだから。
結論:魔力が異常に少ない理由は、微量とはいえ無意識の内に魅了として放出していたから。更にそれが原因で女性の彼への好感度が上がりやすくなっていた。
つまり、魔力が少ない理由も好かれやすい理由も全ては「魔力の制御が出来ていなかった」せい。
本作最大の伏線じゃないかな。俺の低スペ頭じゃこれ以上の伏線は用意できないと思う。
それから、今回の主題はあくまで「魔力が少ない理由の説明」であり、「ハーレムになった理由の説明」ではないので悪しからず。
魅了はハーレムになった一因であって、メインの理由ではありません。ハーレムになった原因は、彼の性格、無意識魅了の他に2つあります。
その内の1つが最大の原因ですね。割合で表すとしたら6割くらい。性格が2割、他は1割かな。
先日うpした紫の短編ですけど、2時間でUA300
超えたんですよね。しかも短編の日間に載ってた
そうです。フツーに見逃しちゃったよね。だって
日間とか確認しないし。自作品があれに載るとか
考えられないですよ。聞いてビックリしました。
読んで下さった方、評価してくれた方は、本当にありがとうございます。2話目も、絶賛プロット制作中です。頭の中で。