カルゴ「パチュリ〜。ねーねーねーパチュリー?聞きたい事あるんだけどちょっと時間いーい?」
パチェ「質問は受け付けるから、普通に喋って。あなたらしく無さすぎて鳥肌が立ったわ」
カルゴ「ありゃまぁ」
紅魔館の大図書館にて魔導書を読んでいた俺は、ある事を確かめる為に図書館の主のパチュリーの元に向かう。その近くでは、小悪魔が本の整理をしていて、チラリとこちらを見ては、熱い視線を向けてくる。ふと天井を見ればそこに近い本棚でここあ達が整理を行っている。何故かあの双子はノーパンだ。理由はよく分からないがとりあえずスルーしておこう。また絡まれたらパチュリーと2人の契約が発動して2人を苦しめる事になる。出来るならそれは、避けたい事である。
パチェ「で、何?」
カルゴ「確認なんだけど、月属性は闇と状態異常なんだよね?で、俺が使えるのは月属性の中でも闇である、と」
パチェ「あなたの場合は魔法の闇というより心の闇だけど…間違ってはいないわね。分類するならそうなるでしょう。魔力と闇の力を合わせれば、それはもはや闇の魔法だしね」
カルゴ「そうだよね。…ふむ」
パチェ「…最近、やけに熱心ねぇ…少しはフランとも遊んであげたら?もちろん、レミィともね」
カルゴ「まさかこの俺が、フラン達と遊ぶ時間を減らすとでも?」
パチェ「…愚問だったようね」
カルゴ「夜はお楽しみタイムだよ。防音すれば、アレもコレもソレもヤリ放題だし」
パチェ「………」
ニタニタ〜とわざとらしく口角を上げてみると、あからさまに不快感を露わにさせたパチュリー。眉間にシワを寄せて、口を三角にするあの顔は、なんとなく可愛いような気がする。
カルゴ「弾幕ごっこもしてるよ…。いくらソレが好きでも、ソレばっかりはしないしさ?」
パチェ「………」
カルゴ「………勉強に戻ります」
パチェ「そうしなさい」
と言いつつ真っ直ぐ小悪魔の方へ向かう。彼女は
「まさか今からヤるんですか!?」とでも言わんばかりに目を輝かせるが当然それは今ではない。ただ、頼み事があるというだけだ。
カルゴ「なぁ小悪魔、仕事中に悪いんだけどさ、物理学と地学……いいや、物理学と天文学の本を持ってきてほしいんだけど良いかな?それから、ラテン語の辞書的な本も」
小悪魔「勿論っ!ただし、後でいっぱい吸わせてもらいますからね♡」
カルゴ「オッケ。また後でな」
小悪魔「はーいっ♪」
彼女から本を受け取り、持ち前の速読術で早々に読み込んでいく。(速読術なんてものは幼い内に活字に慣れ親しんでおけば誰だって身につくものなので、特殊技能でも能力でも何でもない。)
最初に読み始めたのは、物理学の本だ。自分でも忘れがちだが、俺は元高専生だ。基礎の物理学はとうに習っている。化学・バイオ工学科なので、専門という訳では無い。あくまで基礎の基礎だ。
大抵の普通高校、職業高校では、1年生に物理はやらせないだろう。つくづく思うが幻想入りしてよかった。…もっと真面目に勉強していれば、今こうして本を読み返す必要も無かったのだが…と内心で悔やんでも遅いのは分かっている。
俺が目をつけたのは、重力と引力の項目である。
《重力を操る程度の能力》を持っている者としてこれらの事は知っておかねばなるまい。それに、新たな発見が出来るかもしれない。そうなれば、戦闘や日常に色々と生かせるかもしれない。
カルゴ「…ニュートンってばホント凄いなぁ…」
パチェ「運動方程式とか、よくもまぁあんなのを思いついたわよね。並の人間じゃないわ…」
カルゴ「それも凄いけど今見てるのは万有引力の
所だよ。俺なら『あーあ、リンゴ落ちちゃった』
くらいにしか感じないな」
パチェ「ま…普通はそうでしょ。だけど最近は、そのリンゴのくだりが嘘だって言われてるわね」
カルゴ「マジか…知らなかった。その話出る前に幻想入りしたからな…。いや、俺が知らなかっただけで既に出てたのかな。ていうか俺が使ってた教科書にもリンゴの話は書いてあったしなぁ…。うーん、何が本当なのかよく分かんねぇ〜…」
パチェ「真実くらいは、しっかりと後世に伝えてほしいものよね。後で無駄な苦労をするのは私達なんだし」
全くその通りだな、と思いながら本に目を戻す。
万有引力とは、
俺やパチュリー、イス、リンゴetc……質量を持つ物体は皆同じように引き寄せる力を有している。それが引力だ。ただ、あまりにも小さすぎるので感知できないだけなのだ。
厳密に…いや、普通に考えればわかるが、本来の意味は重力とは全く以て違う。
だが、見方を変えれば、広義的には同じものだと見ることもできるかもしれない、と考えている。
「物体に運動エネルギーを与える力」と考えればどうだろうか。引力で運動エネルギーといえば…そう、潮の満ち干きである。あれは、月と地球の引力によって起こされる現象である。次に重力で
運動エネルギーといえば、物体を地球に引きつけ
ようとするアレである。(本当は、地球との間に
働く万有引力と、自転による遠心力の合力が重力
なのだが)。
物体から手を離すと落ちる。これは物体と地球が引き合う事が原因で起きる現象だが、基礎物理において、「落ちる」は重力gによるものなので、今ここでは重力gとして考え、扱うことにする。
つまり、引力は「引き合う力」、重力は「地球が引っ張る力」と仮定するという事だ。仮定だけで無駄に長くなったが、整理しないと考えにくい。
厳密に…なんて言っていると俺の頭脳レベルでは前に進めなくなってしまう。
……さて、思考がまとまったのでようやく本題に入れるようになった。
俺が母さんから貰った《重力を操る程度の能力》だが、「物に掛かる重力」も0にできる。使用例としては、逃げる夢月を追いかけた時に、妹紅に掛かる重力を0にして、浮いた彼女の手を引いて走ったアレだ。
つまり、だ。物に掛かる重力すらも0に出来る…という事は、《重力を操る程度の能力》はなんと
「引力も操れる」という事になる。思ったよりも汎用性はずっと広そうだ。
そう、「重力を強めるという」という事は「物が有する引き合う力を増幅させている」という事に他ならないのだ。
発想の転換だ。上手く操れば天井や壁を歩ける。
重力を操るのではなく、引力を増幅させて、だ。
やはり能力名なんてものは便宜上か。そのままの意味で捉えれば、伸び代が無くなってしまう。
物理学上は「重力≠引力」なのだが、この能力においては……あるいは、この幻想郷においては、
「重力⊂引力」が成り立っているかもしれない。
重力も引力に含まれるのだとしたら、正式名称は
《引力を操る程度の能力》などになるだろうが、普通にわかりやすいのでこのままでいいだろう。
カルゴ「………そんで、なんで小悪魔は机の下で俺のズボン下ろそうとしてるのかな?」
頭の羽を俺の股間辺りでピコピコと動かせている彼女に、小さな声で話し掛ける。かなり驚かせたらしく、机に頭をゴツンとぶつけてしまった。
小悪魔「イタタ……バレちゃってましたか…?」
カルゴ「うん」
ニュートンの運動方程式について話した辺りで、小悪魔が俺の使っている机の下に潜り込んできたことは分かっていた。こうするだろうとは思っていたが、まさか本当にやるとは。
カルゴ「…小悪魔がそれでいいなら別にイイよ。その代わりベッドでヤるのは無しな」
小悪魔「はうっ…究極の選択じゃないですかぁ!酷いですよぉっ!チューチュー吸わせて下さい!まだ触ってないのに大きくさせてるくせにぃ!」
カルゴ「はぁ…机の下に潜り込まれた時点で勃起してる自分が情けないよ…」
小悪魔「ですよねぇ〜♡ 期待してるんですもん、期待通りに処理してあげないとですよね〜♡」
カルゴ「…集中が切れない程度の刺激でお願い…」
小悪魔「わかりましたぁ!いただきますっ♡♡」
その後、気になる言葉を辞書で調べあげた俺は、パチュリーにあるお使いを頼まれ、博麗神社へと向かった。
(`≡△≡’)<(ムキュー…)
重力加速度g=9.8m/s²
コイツには滅茶苦茶苦しめられました。計算機がダメだったので手計算です。物理のクソ長い式を全部手計算とかホント疲れましたよ。俺みたいなヤワで低能な奴は逃げた方が良いですね。国立に入ったからと高望みし過ぎました。勿論、宿題はこなしましたけどね。時間があればできますし。
尚、重力や引力などに関する地の文はどこからも引用していません。全部俺が頭の中で考えたことなので、外れているところもあるかと思います。そこはまぁ独自解釈という事で。
(独自解釈って言葉便利すぎでは…。)
ラテン語って厨二っぽいの多くないです?いや、馬鹿にしてるんじゃなくカッコイイって意味で。ていうかそれと同じ事で、異国の方からすれば、日本語もカッコよく見えたり、または聞こえたりするんでしょうか。
それとエスカルゴの破壊の能力ですが、「狂気の結果として発現した能力」と「フランの細胞から得た能力」の2つがあります。
破壊符〜の方についてですが、エスカルゴ本人は
「狂気の時しか発現しないけど特訓の成果として平常時でも割と使えるようになった!」と思ってますが、実はこれは誤りで、フランの細胞の方の能力が使えるようになったに過ぎません。
何が違うかと言うと、前者は縛りがありませんが破壊の力をレーザーの形にしたりはできません。後者はレーザーの形にしたりはできるし、破壊も普通にできる代わりに射程距離(極めて短い)があるということです。
どちらが便利なのかと言われれば…疑問ですね。
場面によりますし使い所さんにもよるでしょう。