「で、それ、なんなの?」
「ああ、これか?帰ったら見せてやるよ」
「…うんっ!」
「…あ、帰っても見せてやれないや」
「え?」
「今は力が満タンだからな」
「??」
「これ持ってて」
「うん」
フランに充電器を渡す。
「よーし、1発、ドデカい雷落としますかァ!!」
「え゙っ!?」
「そうじゃないとそれ使えないからな」
「そ…そーなんだ…」
「ああ。あ、紅魔館前の湖。あそこに落とそう」
「…ええ…」
湖に着いた。
「やるぜっ!!」
「う、うん…」
「大丈夫だ、ビビるなって」
「ビビってなんか無いわ」
「なら良かった」
でも…どうせなら使い切ってから充電したいな。
だって、夕方まで暇なんだし。
もし…上手く充電出来なかったら…いや、にとりを信用しよう。
「絶技『天翔雷霆零槍』!!」
ギュオオオオオ……
ゔ…力が持ってかれる……!!
「ぐはぁっ…」
「エスカルゴ!?」
「大、丈夫…だって…」
満身創痍なう………。
「うおおおおおおおおおお!!!」
ビュオッ
湖目掛けて投げ下ろす。
ドオオオオオオオオオオオッッッ
狙いが僅かにズレ、岸にぶつかり爆発。
もうもうと土煙が舞い上がる。
ビリビリビリビリ…
「きゃああああっ!」
「ぐぅ…!」
振動が凄まじい。空気まで震えているようだ。
煙が晴れた。
『!?』
そこにはクレーターが出来ていて、湖の水が流れ込んでいた。湖が少し大きくなった。
「湖が…」
「あはは…」
「『あはは』じゃないわよ!何よこれ!」
「うーん…俺も強くなったなぁ…」
炎火と勇儀が戦った時もクレーター出来てたし…。
ん?つまり、俺はやっとアイツに並んだ?
「まぁいいわ、帰りましょ」
「おう」
はよ充電せな…死んじまわぁ…。
『ただいま〜』
レミリアが目の前に居た。
「何よさっきの音!?」
なるほど、音を聞きつけて外に出ようとしてたのね。
「クレーター出来た」
「!?」
「まぁ気にすんな」
「気にするわよ、どういうこと!?」
「力解放したらそうなった」
「誰が!?」
「俺が」
「エスカルゴ!?」
「うん」
「それで、そのクレーターはどうなったの!?」
「どうなったって…湖と合体して、湖が少し大きくなったかな。なぁ、フラン」
「そうね」
「ええ〜…私でもそこまで…」
「まぁ…(避けられなければ)最強の技でやったんだし…」
「あなた強くなりすぎよ…」
「そんな事ないと思うが…。幻想郷にゃ俺なんかより強えのいっぱいいるからな…」
「まぁね…」
「じゃ、ちょっと充電してくる」
『充電?』
「見る?」
『うん』
「コンセントどこ?」
「コンセントなら…壁脇にあるわ」
「ん」
どこだ?
「あった」
それのそばに座り込み、イヤホン(刺す方)にそっくりな方をコンセントへ刺し込む。
「ね…ねぇ?」
「ん?」
「何するの?」
「さっきも言った通り、“充電”さ」
「な、なにを…?」
「俺を」
「ええ!?」
「こうすりゃ、2人の血を吸わなくても力が戻ると思ったんだ」
「なるほどね…」
「よし、刺すぞ」
「う、うん…」
プスッ
注射器を左手首に刺す。
ビリッ
「んぐっ…!」
ちょっとビリッと来たな……確かに強い。痛いな。
「フンッ!」
バチッ
「エスカルゴ!?」
残った力を振り絞り、右手を左腕に添えて電気を流す。自分自身に麻酔をかけた。効いてるのかはわからない。
キュオオオオオ……
「ん……ふぅ……」
充電を開始したようだ。
何か、段々と気持ち良くなってきた。
「エスカルゴ…?」
「なんか…気持ち良い…」
「ええ…?」
なんか眠くなってきた…。
「眠い……少し寝かせて……?」
「…わかったわ。行きましょ、フラン」
「私ここに居る」
「ええ?なら私も……」
マジか。
「良い…けど、これに触るなよ」
『わかってるわ』
「……………」
そう言い残し、俺は眠りについた。
─────エスカルゴ充電中─────
「ふわぁぁあ……」
うん、なんか気分が良い。
「あ」
刺したままだった。
ズボッ
「ふぅ…」
手首から注射器を抜いた。
フランとレミリアは、両側から俺に寄りかかって寝ている。
力が戻ってる。やっぱ、充電すりゃ力戻るんだ。
「フラ〜ン、レミリア〜、起きろ〜」
『んん……おはよ…』
「もう大丈夫なの?」
「ああ。やっぱにとりすげぇや。あとでもう1回礼を言わなきゃな」
「そうね!」
「充電器片付けてくる」
「うん」
部屋に戻り、枕元の引き出しに充電器を仕舞う。
ふと時計を見ると…
「!?」
昼も何もかも通り越して、もう午後5時半だ。
「やっべぇ!!」
急いで部屋を飛び出し、先程の場所へ戻る。
「フラン!レミリア!!」
『なに?』
「ちょっと博麗神社に行ってくる!!」
「えっ!?また!?」
「ああ!!」
「これから宴会よ!?」
「わかってる!!だからこそだ!!」
「どーゆーことよ!?」
「説明はあとだ!1時間しないうちに戻る!!」
「私も…」
「ダメだ!」
「っ!」
「とりあえず、行ってくる!!」
「…浮気じゃないわよね?」
レミリアがめっちゃ睨んでくる。
可愛いけど怖い…。
「違うってば」
「なら何しに行くのか言いなさい」
「宴会にゲストを呼ぶ。そのゲストを連れてくるだけだ」
「博麗神社だから…霊夢?」
「霊夢も宴会には来るが、ゲストではねぇな」
「なら誰な…」
「言ったら意味無いからな!じゃ、もう行く!」
「あっ、ちょっ……」
ガララッ
手近な窓から飛び出す。
やべぇ、ここで5分はロスった!
「急がねぇと…!」
繋げてもらうまで残り約25分…!