「へっ?剣を…教えてほしい?坊ちゃんに…私が教えるのですか?」
「この通りだ!頼れるのが夢子しかいなくて…。勿論、お礼に家事は手伝うからさ!頼む!」
ある日のパンデモニウムのキッチンにて。俺は、母さんの専属メイドの夢子に、手を合わせて頭を下げて頼み込んでいた。内容としては先程言った通り。このまま我流で修行を続けても、これ以上俺は成長しない。何となく、自分で自分の成長の限界を感じ取ってしまったのだ。
「いえ、お手伝いは不要ですよ。夕飯の仕込みはとうに済ませておりますし…坊ちゃんがお帰りになられるのは分かってましたので掃除も済ませておりますから」
「そっか…それなら良かった…のか?」
「ええ。では、お嬢様方に気付かれる前に、外に行きましょうか」
「そうだね。…ありがとう」
「いえ、それくらいはいつでも」
今日も姉ちゃんとここに来ている。妹のロリスは姉ちゃんと魔導書を読み耽っている。今俺は偶然その場を離れられただけなので、見つかると少し大変な事になるのだ。…主に、妹のおかげで。
まだ昼前だが永遠亭から博麗神社へ行くついでに魔界に寄ったのだ。上海人形を通して姉ちゃんも誘った上で。何故魔界に来たのかというと、妹と戯れるため…ではなく、夢子に剣を教わるため。
なのでこう言っては申し訳ないのだが、ロリスが居ては危ない上に、色々な意味で集中できそうにないので、抜け出すような真似をしたのだ。
そして、外に出るなり具体的に何を教えてほしいのかを伝え、俺達は剣を構える。
「……なるほど。剣裁きのコツを教えてほしい、ですか。勿論、私が教えるのは構いませんが……私も坊ちゃんと同じく我流ですよ?それに私は、技術というより力押しですし」
「そうなんだろうなとは思ってたけど…俺の方法じゃこれ以上の成長は見込めないなって感じて」
「…ふむ…。分かりました。ただし、これだけはお伝えしておきます。教えるのは構いませんが、坊ちゃんに私のやり方が合うかどうかはまた別の問題です。宜しいですね?」
「勿論。それも覚悟の上」
「ではまずは構えですが…。坊ちゃんは剣を横に構えるのがお好きなのですね。しかしそのお陰で反対側がガラ空きになっていますね。防ぎきれずそこを突かれたことも、何度かあるのでは?」
「うっ」
妖夢のはギリギリ防げる。しかし妖忌のはまるで防げなかった。脇腹を峰打ちされたときの痛みといったら…。それはもう苦しかったものである。剣だけでの勝負ではまるで歯が立たない。
赤子同然に潰されてしまった。
「やはり構えは縦が宜しいかと。左右どちらにも防御しやすいです。前の宴会で見掛けましたが、妖夢さんほどの瞬間的な超速度は…坊ちゃんにはありませんからね」
「ズバッと言われたぁ…」
「妖夢さんが『速度と技術の剣』なら私は『力と物量の剣』になるでしょうか」
「あー…確かにそんな感じするかも」
「なので、剣裁きの方は妖夢さんに教えて頂いた方がよろしいかと。私に教えられるのは、戦い方くらいのものですし…」
「結構前に妖夢に教わった事はあるんだ。でも、全然上達しなくて…」
「坊ちゃんが成長しないとは…何故でしょうね?坊ちゃんの飲み込みが悪かったのか、妖夢さんの教え方が悪かったか、その両方か…。もしくは、剣のタイプが違いすぎたのか」
「タイプ?」
「先程も言った通り、私と妖夢さんの剣には結構違いがあります。ですから坊ちゃんをタイプ分けした際、どちらに属するかで相性が判別できると思います。どちらのタイプだと思いますか?力と物量、もしくは速度と技術の二択です」
「多分…力と物量の方だと思う。技術も何もかも無視して、それで相手を倒してきたから」
「なら、私の方が合うかもしれませんね」
「そうだね」
それから暫く夢子から剣の使い方、力の入れ方、創造魔法との組み合わせ方のコツなどをみっちり教わった。その最終段階……にはまだ程遠いが、もう少しでイケそうだ、というところまできた。
「では、仕上げに『力の上乗せ』を教えますね。ただ剣を速く振るのではなく、当たる瞬間に更に力を加えることでより鋭く攻撃を入れられます」
「当たる瞬間にか…」
「イメージとしては……そうですね……。相手と剣を交え、組み合って動かない時、坊ちゃんならどのように対処しますか?」
「後退するか…それが嫌なら無理矢理押し切る」
「どのようにして押し切りますか?」
「そりゃーやっぱり…更に力を込めて…だよね」
「それと同じ事です。どうにかして押し切ろうとするのと同じで、力を上乗せさせるだけですよ。違いは、己の剣が物体に触れてるか否かですね。まぁ、それは単なる『筋力』の話なのですが…。その『筋力』に、更に『妖力』などの力も上乗せすれば、通常では斬れないモノでも斬れますよ」
「だから夢子は地面をカチ割ったのか…」
「ええ。上乗せして更に上乗せして…膨大な力を生み出すのです」
「なるほど…」
「今日の所は地面を割ったら及第点としますね」
「ふむ……って、ええっ!?難易度高くない!?今日初めて教えを乞うんですケド!?」
「大丈夫です、坊ちゃんならイケます」
「嬉しいけど嬉しくない期待…」
「魔界神神綺様のご子息ですもの、これくらいは出来なくてはなりませんよ」
「夢子は俺の
「ご息女に手を出しかけた坊ちゃんよりかは鬼畜ではないと自負しております」
「ちっ…分かったよ。やって見せるさ、母さんの名にかけてッ!!」
妖魔雷霊剣を頭上に構えて空高く飛び上がって、錐揉み状に回転しながら地面に向けて急降下し、ダイヤモンドを消し飛ばさん勢いで力を込めて、魔界の大地に叩き付ける。
「うるァァァァァァァァッッ!!!」
刹那、火山の噴火と見紛うような大爆発が起き、振り下ろされた箇所の中央には大きなクレーターができて、剣の延長線上にはどこまでも遠く続く地割れが発生していた。
「ふぅっ…こんなモンかな」
「凄い…!流石は坊ちゃんです!もう私がお教え出来ることは何もありませんね…」
「ンフフ…我ながら頑張った方だな………あっ」
「ッ!?」
ニマニマと頬を緩める俺だが、そんな俺の手から漆黒の刀身の妖魔雷霊剣が崩れ落ちる。流石に、あの衝撃に耐えきれなかったらしい。
「え…あ…あぁっ、坊ちゃんの妖魔雷霊剣が…!なんて事…!あぁぁ、私が無理に力押しを……」
「…なーんてねっ!これは今、創造魔法で創ったパチモンの剣さ♪」
「へっ?」
本物は叩き付けた直後に納刀して、土埃が晴れる前にヒビを入れた偽物を手にしていたというだけである。因みにこのドッキリに意味は無い。意味なんてものはそれを考えるだけで無駄である。
「もうっ…坊ちゃんったら、人が悪すぎですっ!罰として、お昼ご飯の盛り付けと配膳及びお皿の片付けを手伝ってもらいますからね!」
「はいはい♪」
またオリキャラだらけの話書いても良いですか?原作キャラも勿論数人出ますが出番は少なそうです。
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勿論OK
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出来れば暫く控えてほしい