※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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八雲 紫の八つ当たり・始まり

今日は普通にフランとデートする──ハズだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー……マジかー……」

 

弟が幻想入りしたことについて、俺は悶々としていた。嬉しいようで嬉しくないような……そんな感じがするから。

特別仲良しだったわけじゃないし、なんなら一生会わない覚悟もしていたのに。

 

「しかもたった1週間くれぇでデートまで漕ぎ着けるたぁ、アイツもやるねぇ…」

 

…デート…か。ふむ…。

 

 

 

「フラン」

 

フランが1人になってるときを見計らってそれとなく話しかけてみた。

 

「なぁに?」

 

「明日…デートしないか?その…2人でさ」

 

「うん!いいよっ!!」

 

「よっし!!」

 

「エスカルゴから誘われるのって初めてかな!?」

 

「多分!」

 

「うふふふっ♪嬉しい♪」

 

フランは喜んでくれた。それだけで俺は嬉しい。

そして次の日。

 

『いってきまーす!』

 

「いってらっしゃいませ。お気をつけて」

 

『はーい!』

 

レミリアに知れると色々大変そうなので、咲夜さんにだけ話した。後でバレるだろうがな。

館を出てからはしばらく歩いた。

森を越え川を(飛んで)越え…。

 

「あ、お花だ!」

 

「ホントだ」

 

道端に1輪の花が咲いている。

 

「ごめんね、えいっ!」

 

ブチッ

 

一応謝ってからそれを千切る。

 

「な、何するんだ?」

 

「えーとねー…」

 

??

 

「エスカルゴは私のこと……好き…嫌い…好き…」

 

花占い!?

 

好き、嫌い、を繰り返しながら花びらを1枚ずつ千切っていく。

 

「……………………」

 

千切り終わった花をポイッと投げ捨てる。

黙って俯いている。羽も垂れ下がってる。

 

「ど、どうだった?」

 

聞かずとも結果はわかってる。この様子じゃ…。

 

「うっ…うう…」

 

…泣いてるぅ!?

 

「ど、どうした!?」

 

「エスカルゴ…私のこと嫌いなの?」

 

おのれ花め…!

 

「んな訳ないだろ、大好きだよ!」

 

と言って強めに抱き締める。

 

「でも花占いだと…」

 

「占いだからアテにすんな、外れる事もある!」

 

「うん……」

 

全く…これくらいで泣くなんてな…。

いや、それだけ俺のこと……。

 

しばらくの間そうしていた。

 

「さ、そろそろ行こう」

 

「…うんっ♪」

 

…落ち着いてくれたか…。

 

「あ」

 

「ん?どした?」

 

「ここって…」

 

博麗神社近くの森だな。

まさか霊夢のとこ行こうなんて…?

 

「霊夢のとこ行こ?」

 

…以心伝心ってやつ?

 

「…おう」

 

神社に着いた。

 

「霊夢〜。来たぞ〜」

 

お茶をくれ〜、と心の中で付け足す。

 

「やっほ〜♪」

 

「あら、来たのね」

 

霊夢は庭…というか賽銭箱前を掃除していた。

 

『別にいいだろ(でしょ)?』

 

「まぁね」

 

「ん?そーいや、今日は紫さん居ねぇんだな」

 

いつも居るのに今日は居ないから少しだけ違和感を感じる。

 

「そういえば今日はまだ見てないわね」

 

「ふーん」

 

「最近の頻度から考えると、紫が現れないなんて考えにくいけど…」

 

と、その時。

 

『!!』

 

「ふぅ…」

 

スキマが開き、中から紫さんが現れた。

 

『こんにちは!』

 

「…こんにちは」

 

?なんか様子がおかしくないか?

 

「ねぇエスカルゴ?」

 

「はい?」

 

「今ね…とんでもなくイライラしてるのよ」

 

「は…はあ…」

 

突然何よ?俺に言われても困るで?

 

「だからね…あなたに八つ当たりしてもいい?」

 

!?

 

「や、八つ当たり…ですか?」

 

「ええ」

 

どーせ弾幕ごっこだろ?どうせ負けるだろうけどそれで気が晴れるってんなら。

 

「ま…まぁ…良いですけど…」

 

「そう…。なら…」

 

「?」

 

「…今のあなたにとっての、一番の苦痛を与えてあげるわ」

 

なんか寒気が…。な、何するつもりだ?

 

「……ほぇ?」

 

足元にスキマが開き…

 

「うあああああああああああああああああ……」

 

『エスカルゴぉぉぉぉ!!』

 

飛ぶ間もなくそれに落ち…意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

「──い!おい!しっかりしろ!」

 

「……んが?」

 

「目ェ覚めたか!おい俺だ、覚えてるか!?」

 

コイツは…!

 

「おまっ…何でここに…?」

 

殺してやりたいほど嫌いな従兄弟…!!

テメェまで幻想入りしたんかよ!?

 

…ブッ殺してやる…!

 

「“何でここに?”だと?そりゃこっちのセリフだ!!なんで駅なんかで寝てる!?というか今までどこに行っていやがった!? 2年近くも行方不明だったんだぞ!」

 

…駅? 2年? 行方不明? なんのこっちゃ。

というか、ヒビキもそうだけどお前老けてねぇ?

 

「どーゆー、ことだよ?」

 

「?周りを見ろ」

 

言われるがままに周りを見る。

 

「ここは…!」

 

「わかったか?○○○駅だ」

 

俺が薬を買った駅…!

てことは…ここは現実世界…!?

 

 

 

 

 

その頃────博麗神社

 

「紫!?エスカルゴに何をしたの!?」

 

私には何が何だかわからない。ただ、紫がエスカルゴをどこかにやったってことしか分からない。

 

「………はっ!?私は何を…」

 

「?何言ってるの?早くエスカルゴを戻して!」

 

…紫が、我を失ってたの?

 

「ええ。今やるわ」

 

紫はスキマを開こうとするけど…スキマは一向に現れない。

 

「どうしたの?」

 

「……どうしましょう」

 

「どうしたのってば」

 

「……力を消耗中に外と繋げたせい?…もう1回繋ぐほどの力が……」

 

『外の世界!?』

 

フランとハモった。

 

「え、ええ…私は一体……」

 

「いつ戻せるの!?」

 

「…2日後くらいには…」

 

「それまで待てないわよ!!折角のデート中だったのに!」

 

「ごめんなさい……でも、絶対に連れ戻すから、待っててくれるかしら?」

 

「…お姉様に言ってくる!」

 

「あ…」

 

言うなり神社から飛び立ったフラン。

 

「紫…あんたねぇ…!やっていい事と悪い事があるのよ!?」

 

「ごめんなさい霊夢…でも絶対に連れ戻すわ」

 

「そうしてもらわなきゃ私も困るのよ!!てか、なんでそんな意味不明なことすんのよ?」

 

「本当にごめんなさい……。ちょっと昔の問題が再燃しかけてて、気が動転していたの……本当にまずいわ、外とパイプのある妖怪に連絡を……」

 

「ったく……。ま、あいつなら2日くらい何とかなるわよね」

 

「それが…」

 

「?」

 

「外の世界と幻想郷では時間の経ち方が違うみたいだから…ここの2日は向こうでは8日なの……」

 

「8日ですって!?」

 

驚いた…そんなに違うのね…。

 

「ええ…まぁエスカルゴなら何とかするわよ」

 

あんな羽があるのに、無事に済むかしら…?

でも……

 

「無事に戻ってきてよね、エスカルゴ…!」




突然の地味なシリアス?な展開。
時間の経ち方が違うっていうのは完全にオリ設定ですね。そうしないと未来と……。
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