本当は、リアルタイムとリンクさせて投稿の予定だったんですけどね。
恨むなら、アンチ(に負けた精神的に弱い俺)を恨んでください。そして呪ってください。
「人を呪わば穴二つ」?いいえ、「善人を呪わば穴二つ」ですよ。悪人なら呪っても大丈夫です。
パルスィちゃんから藁人形貰ってね( •ω- )☆
しまった、予約投稿にしてたんだった(白目)
(追記なう(2019/09/20 00:02:39))
8月9日。語呂合わせで“博麗の日”や“厄の日”など、面白おかしく様々な記念日のようなものが作れる。これは今日だけに限った話ではなく殆ど毎日、何かと記念日がある。
やはり日本人は根っからの語呂合わせ好きだ。遺伝子か何かに刻み込まれているのだろう。幼い子供がよく口にする「デュクシ!!」という謎効果音と同じように。
ボンヤリとそんな事を考えながら、俺は上空を飛行していた。特に目的も無く、やる事も無く、久しぶりに暇を持て余していた。
が、たった今考えていた「記念日」から連想し「記念日の人」に会いに行こうと思い付いた。
今日は8月9日だ。はく…やく…やきゅう…。様々な読み方が出来る。何人か候補を思い付いた俺は、ほぼ迷うことなく真っ先に思いついた人の元へと向かった。
◆
「たのもー!」
命蓮寺に到着した俺は木製だが強固な門を強く叩きながら、そう声を張り上げた。そういえば、響子が門前に居ない。当然、彼女の活動場所なら他にもあるのでここに居なくても特に不思議では無いが、いつも居るだけに少し寂しくもあった。
暫く扉を叩いていると漸く門が開いた。開けたのは封獣ぬえ。この命蓮寺でよく見かける妖怪の一人だ。鵺という超大妖怪……のはずなのだが、紫さんとは違いあまりそんな雰囲気は感じない。
そんな事を本人に言えば流石にキレそうなので口が裂けても言わないが。
「あれ、エスカルゴじゃん。どしたの?道場破りみたいな掛け声で」
「白蓮に用があって。今って大丈夫?」
「ちょっと待ってて、聞いてくる」
「ほーい」
白蓮…び
そんな理由で会いに来たと言えば、幾ら聖人の白蓮でも呆れるだろう。だから「勝負しに来た」とでも言おうと思う。暇潰しにはもってこいだ。
2、3分だけ待った後、再び門が開き、ぬえが命蓮寺の敷地内に招き入れてくれた。向かう先は縁側で、そこでは水蜜や一輪達が並んで座って、仲良くお茶を嗜んでいた。
「おやまぁ…まさか本当にあなたから来るとは。正直、ぬえから聞いた時は疑っていましたよ…。あなたはいつも私を避けてますから」
湯呑みを置いて立ち上がった彼女はいつも通り柔らかな笑みを浮かべている。見ていると何故か安心する、謎の包容感がある優しい笑みだ。
「まーね。久しぶりに顔見たくなったっつーか…いやそんな事はどうでもいい、今すぐ勝負だ!」
「…へ?」
「何か白蓮と勝負したい気分なんだ、今日は!」
チラリと横目で縁側を見てみると向こうで茶を飲んでいた面々が酷く驚愕していた事に気付く。俺が白蓮に戦いを挑む事が、そんなに珍しいものなのだろうか。俺本人はそうは思わないが…。
「は…はぁ……そうなんですか……?勿論、私は構いませんが…。(別人かと思いたくなるくらい、普段と様子が違いますね…。調子が狂いそう…)」
「…が?」
「ただ勝負するなんていつも通りすぎて面白味に欠けますし、ちょっとした賭けでもしませんか?無理なものは断っても構いません」
「あ^〜いいっすね^〜。どうする?」
「私が勝てば、数時間お時間を頂戴してあなたに説教します。勿論、逃亡は許しませんよ。そしてあなたが勝てば……どうしますか?」
「フフン、それくらいリスキーじゃねぇと勝負も燃えないよな。んじゃ俺はー……金輪際白蓮は、何があっても絶対に俺に説教しないッッッ!!」
(((そんなに聖の説教が嫌なんだ……気持ちはわからなくもないけど…)))
「それは無理ですね、あなたには説教しなければならないことが山ほどありますから。これは絶対無理なので断らせて頂きます」
「じゃあ……俺と
ニヒヒヒッ♪」
「…何て煩悩まみれな…。神綺さんの息子さんと言えど、その煩悩、叩き潰してあげます!!」
俺と白蓮のやり取りを縁側で見ている野次馬に遅れて、新たなメンツが加わる。寺の内部の方に居たと思われる、ナズーリンと星だ。
「何だ何だ、騒がしい…女苑でも来てるのか?」
「いつになく賑やかですね」
「あっ、あの男…」
「エスカルゴさんですね、どうしたんでしょう」
俺に明らかな嫌悪感を向けるナズーリンと違い至って普通の視線を向けてくる星。相変わらず、ナズーリンからは嫌われているらしい。まぁ俺を女たらしだと思うならそう思ってもらっても別に構わない。もう否定する気は無いからだ。
というかもう女たらしでいい。それを汚名だと思わなければいいというだけだ。要は考え方で、極論を言えばスルースキルの問題だ。女たらしと揶揄されても「そうですが何か?」と開き直れば特に問題は無い。…その結果、ナズーリンからは嫌われる事になったが。
「とうとう聖に求愛行動したんだよー♪」
「ブフォッ、求愛行動って!あっはははははっ!きゅ、求愛、行動ぉ……あははははははっ!!」
「求愛行動って…まるで動物ですね」
「『俺と交わってくれ!』ってね〜」
「おいコラ一輪、地味な捏造すんな!!」
「あ、聞こえてた?ごめんごめん!あははは!」
「あんまり変な事を言うと────」
「犯してやるかんな?」と単なる冗談の意味で言いたかったが、俺の言葉は途中で途切れた。
一輪の隣にいる雲山がとんでもなくキツい目で俺を見てきたからだ。「たとえ冗談でも、一輪にそんな事を言えば貴様を捻り潰してやる」とでも言っていそうな目だ。
何とも形容し難い、まさに頑固親父の目だ。
「────文に捏造記事を書いてもらう…ぞ?」
「うひゃ〜、そりゃ勘弁だわ〜」
咄嗟にそう言うと一輪は軽く笑い飛ばし、一方雲山は静かに目を閉じた。ぬえは、一輪の「求愛行動」発言から笑いっぱなしだ。何だか、彼女の笑いのツボがよく分からない。
「たく…。てか、コレは断らなくてもいいのか?もしも俺が勝ったらどうなるのか…察せないほど白蓮は鈍感じゃないよね?」
「もしも勝ったら…でしょう?あなたは私に火を付けました、もう許しません。潰してあげます。不死身であるあなたに手加減は無用ですよね?」
「いいよこいよ、返り討ちにしてやるぜ…っ!!やっぱり勝負ってのぁ、ヒリヒリしたこの感覚がたまんねー…!」
「なにで勝負しますか?弾幕ごっこでも弾幕格闘でも、どちらでも構いませんよ」
「弾幕格闘!」
「分かりました、私の得意分野ですね」
「……っ!」
そう、聖は魔法使いだが魔理沙やパチュリーのような魔法ではなく、専ら身体強化の方の魔法を使うのだった。すっかり忘れていた。
「行きますよ───っ!!」
「来いっ…!」
堂々と彼女を迎え撃とうと構えた俺だったが、次の瞬間腹に熱い何かを感じ、集中が途切れる。遅れてやってくる痛み、そして口から溢れる赤い液体。それらをハッキリと感じて、初めて自分が白蓮に腹を刺された事を知った。
「…ガフッ……お…ぇ……」
一瞬にして間合いを詰められたらしい。決して油断をしていたわけでは無い。彼女の身体強化のレベルを見誤った結果がこれだ。
「説教をすると燃え尽きて話せないと思うので、今のうちに聞いておきますね。……私達が出会い何年も経っていますが…どうして今更、私の体を求めたのですか?…ふふ、言えるものなら言ってみてください、傷が開いても知りませんけど♪」
何か小刀のような物が腹に突き刺さっている。それをグリグリと抉りながら白蓮が耳元で囁く。生半可な痛みはもう微塵も感じない。袈裟からのお香の香りと、彼女の匂い、暖かくて甘い吐息。そちらにばかり意識が向いてしまう。
質問内容さえ忘れ危うく意識が堕ちかけるが、より深部で抉られた痛みではっきり目が覚めた。それから口の中に残った血を飲み込んで、彼女の質問に答える。
「…決まって…んじゃ、ねーか…!動くたびに…タプタプ揺らしやがってよォ……視線を外すのがどんだけ理性を消費すんのか知らねェだろ…!?我慢にもなァ…限界ってモンがあらァッ!!」
「ッッ!」
背中の剣に手をかけると白蓮は武器を引き抜き後方に飛び退いた。妖魔雷霊剣を抜き、もう一度肉薄する。すると彼女が手に持った小刀のような何かから黄色いオーラが出て、極太の槍のような形状に変化する。
「ハアアアアァァッ!!!」
「全く、たかが胸で何を興奮しているのやら…。こればかりは理解に苦しみます、ねッ!」
「くぅっ…ぬああああっ!!」
武器を混じえつつほぼ息を乱さずに言葉を紡ぐとは、流石の身体能力だ。俺が身体強化しても、果たしてここまでの強さを得られるかどうか。
何合も打ち合った後、相手を押し切らんとして武器を交えたまま動かなくなる。だが、少しずつ俺が押されてきている。
踏ん張る力が、吸血鬼の俺と同等……もしくは一枚上手かもしれない。それほど、彼女の押しはとてつもなく強烈だった。
それでも、美鈴と比べるとまだ弱いレベルだ。普段から美鈴から稽古を付けてもらっている俺が白蓮に負ける訳にはいかない。
一旦飛び退き、白蓮と距離をとる。
「フッ……!」
「
小刀かと思っていたソレは独鈷と呼ばれている仏具の一種だった。簡単に言えば、両端が尖った金属製の短い棒のようなものである。手で持って煩悩を打ち砕く意を表すとか聞いたことがある。
今の俺vs白蓮にはピッタリな武器という訳だ。
そのズシリと重たい独鈷が強化された肉体から投擲された。回避は叶わずに腹部に突き刺さり、踏ん張っていたはずの俺の体は、その投げられた勢いに押されて呆気なく後方に飛ばされる。
やがて塀に叩き付けられて、身体の後ろ半分に強烈な衝撃が走る。腹を貫通した槍の様な独鈷は塀に突き刺さって、身動きが取れなくなった。
「イテテテ…」
「腹を串刺しにされて『イテテテ』で済むとは、相変わらずデタラメな人ですね」
「俺って打たれ強いからね、多少はね?」
…正直、勇儀に腹をぶち抜かれる方が圧倒的に痛いので、それより弱い痛みではそこまで強くは痛みを感じない。串刺しにされている部分以外は直ぐに修復すれば血を失いすぎることもない。
「磔にされる気分はどうです?それがセクハラの代償ですよ。少しは恥を知りなさい?」
「目の前で白蓮の揺れる胸が拝めるんなら、一生このままでも良いかも…ヘヘ…」
「やれやれ、口が減らない奴とはまさにあなたの事ですね…。私でも呆れてしまいますよ」
「嫌悪する」ではなく「呆れてしまいます」と言ってしまうあたり、やはり白蓮は聖人だな、と思わせられる。だからこそ今日は負けられない。
「あっ、俺って貧乳派だったわ。まぁ、どっちも好きなんだけどさ」
「どれだけ私を舐めれば気が済むんでしょう…。少しくらい厳しめに懲らしめても、神綺さんには怒られないですよね」
「懲らしめられるのはどっちだろうなぁ?今日は逃げないで、正々堂々白蓮を懲らしめてやる!」
「私を懲らしめる?世迷い言を…」
キュッと拳を握る白蓮。それを見た俺は、拳が顔面に打ち込まれる事を直感し咄嗟に自爆する。妹紅でいう「リザレクション」だ。
「奇術『ヴァンパイア再誕』!」
「くっ…逃れましたか…」
「リセットは偉大、はっきりわかんだね」
「霊夢さんなら『自殺なんて美しくない』と言うでしょうに…。霊夢さんの伴侶であるあなたが、そんなことをしてもいいのですか?」
「うぐ…」
「…さぁ、考えを改めて下さい。今だったらまだ間に合うでしょう────ッッ!!!」
「っ──!」
説教で気を逸らし、再び独鈷を投擲した白蓮。だが同じ手は二度も通じない。すんでの所で回避した俺は、声高々にスペルの詠唱をし、剣を地に突き立てた。
「獄雷『Deadly Thunder』!!」
「これは…魔法陣…!」
「出でよ、地獄の雷…ッ!正義の味方を悪の力でブチのめすのだ!!」
俺が悪役気取りでそんなことをやっている中、縁側ではナズーリンが呆れたような溜め息をつきながら腰を上げた。
とうに空になって冷めた湯呑みを持って、寺の中に戻ろうとするナズーリンを、星はなんとなく呼び止めた。
「おや、ナズは最後まで見ていかないのですか?今、丁度イイ所ですよ?」
「下らない。勝負はもう見えてるだろ」
「そう…ですかねぇ…」
「1+1くらい分かりきっているような、そんな勝負は見る気にもならないね。ちょっとそこらで散歩してくるよ」
「………」
何か一言彼女に言いたかったが無理に止めても無駄で無意味だろうと悟った星は、せめて自分はこの勝負の行く末を見届けよう、と戦場へ視線を戻した。
「闇爪『シャドークロウ』!」
「ッッ!!」
「吹き出す雷すらも回避するたァ、おっそろしい身体能力だぜ…!つーか、どこか楽しそうだな?押されてるってのに!…ハァァァッ!!」
「ええ、楽しいですよ。久しぶりの強者との戦いなのですから…」
「俺を強者とは…有り難いなぁ。けどそんなのと戦いながら笑顔とは…白蓮こそ強者だぜ…っ」
闇の爪での引っ掻き攻撃を白蓮は結界や独鈷で受けて、偶に掌底のカウンターを打ってくる。
数は少ないが喰らうと腹に響く大ダメージだ。
「…どちらかと言うと、『楽しい』というよりも
『嬉しい』の方が大きいでしょうか」
「嬉しい、だと…?」
思いがけない彼女の言葉に、服を切り裂こうと上段に振り上げた手を、思わず止めてしまった。そして、白蓮もまた一旦攻撃の手を止め、普段の柔らかい笑みでこんな事を言う。
「ええ。嬉しいのですよ?嫌悪されてる、または説教臭いババァだと思われてるんだな、とばかり思っていたあなたから、ちゃんと一人の女として見られていたという事は」
「嫌よ嫌よも好きのうちってね。まさにそれさ。もう分かってるだろうけどさ、白蓮のことは嫌いじゃないよ。説教するのは苦手だけど。…だからヤる!!」
「年の差も考えず、よくそんな事を言えますね。あなたのスケベ魂には素直にドン引きですよ…。
『だからヤる』って謎理論にも程がありますし」
「へへっ…年の差なんて関係無いんだよなぁ…。んなこと言ったらさ、俺と文とかどうするんだ?少なくとも約1000歳差婚だぜ?」
「…愛情さえあれば、年の差はあまり関係ないのかもしれませんね。でも私とあなたの間に愛情は無いですよ」
「あらまぁ…バッサリ言われちゃった」
「私達は、ある意味では対となる存在…なのかもしれません。色欲に塗れたあなたを、私は理性で止めてみせますよ」
「…思い知るがいいさ。欲望は時に理性を上回ることもあるってことをな…!」
「良いでしょう。今日ばかりはしっかり勝たせて頂きます…!」
「抜かせ!『
「なっ…!?」
己の周囲に大量にスキマを開きそこから大量の武器を発射する。普通の弾幕よりも少し速め故に白蓮とて少々掠ってしまう。
「物量もさる事ながら、流石の攻撃力ですね…。このままでは少しマズイ─────…」
「この勝負…もらったッ!!」
(背後から声…!?)
大量のスキマから武器を発射しながら、彼女の背後に瞬間移動をする。それと同時に、向こうのスペルは終了してしまうが、これは計算の内だ。
「トドメだ白蓮!邪気眼『
眼から真紅の光線を発射する。本当ならラストスペルでトドメを刺したかったのだが、剣をまだ地面に刺しっぱなしだったのでその次に広範囲を薙ぎ払えるこのスペルにした。
「くっ、回避が……っ!!」
一瞬だけ回避が遅れた白蓮は2本の光線を直に喰らい、先程の俺のように命蓮寺を囲う塀へ吹き飛ばされた。
「これでどうだ…!?」
煙がもうもうと立ち込める中、彼女の方に行き様子を確認してみる。頭を押さえ座り込んでいるようだが、それだけだった。気絶はしていないし血が出ている様子もない。見える範囲では掠り傷程度の怪我しかしていない。
…余談だが、このスペルのモチーフは魔理沙のダブルスパークと鈴仙の
断じて
そして背後に回り込んだのは魔理沙の戦法だ。今回は魔理沙がかなりヒントになった。
「くっ……頭が痺れた…っ」
「チェックメイトだ」
敵を屠る咲夜さんの如く、座り込む白蓮の首にナイフを当てる。敵を前にして身動きが取れず、首には武器をあてられる。それはつまり、白蓮の敗北を意味していた。
「…負けてしまいましたか…。約束通り、どうぞ私を好きにして下さい…」
「よっし……!」
ナイフを仕舞い手を差し伸べて白蓮を立たせる前に、この戦いを見ていた皆の方を見やる。予想通りと言うべきか、星以外の皆が同じように口をポカンと開けていた。
「私の予想通りね!」
「「「嘘つけー!」」」
ぬえが俺の勝利を予想していたと言うが所詮は後出しジャンケンで、縁側で観戦していた全員にツッコミを受けていた。
ガッツポーズを取った俺は、治癒魔法で白蓮を癒した上で、命蓮寺だと色々とまずそうなので、魔法の森の中に建てたあの小屋へと彼女をお持ち帰りしてみた。これから始まる性行為への期待に股間を膨らませながら…。