┏━━━┻━━━┓
┏━┻━┓ ┏━┻━┓
┏┻┓ ┏┻┓ ┏┻┓ ┏┻┓
リ チ ク 磨 霊 神 袿 魔
リ ル ラ 弓 夢 綺 姫 理
┃ ノ ピ 沙
「第三試合はこの人だっ!圧倒的パワーで予選を勝ち抜いた、容赦ない腋出し巫女!知らない人は居ないほどの超絶有名人!!博麗霊夢~!!!」
「お相手はこの方!英雄の母親にして、世界をも創り出してしまったというトンデモナイ神様!!魔界神神綺だぁぁぁっ!!」
「何でも創り出す神様と圧倒的パワーの巫女!!これはどっちが勝ってもおかしくないぞ~!?」
「果たしてどちらが勝つのか!運命の第三試合、よーい………始めぇっ!」
この戦いの結末は俺にも読めない。だが敢えて予想するとしたら霊夢が勝つ。母さんには悪いと思っているが、どうにもこうにも、母さんが勝つ未来が見えない。何故なら相手が霊夢だからだ。霊夢は負けない。不意討ちでもなければ勝てる。昔、二度目の紅霧異変にて俺とレミリアが組んで霊夢を倒したのだって、正攻法ではなく不意討ちだった。経験則から言うが、霊夢には正攻法では勝てない。このトーナメントは遊びだ。しかし、霊夢からは「遊んでいる」という気配を、まるで感じられないのだ。
…とまぁ、普通に考えたら、霊夢が勝つのだ。とはいえ、母さんだって絶対的な力の持ち主なのだから、勝てる可能性もある……かもしれない。とか言いつつ、俺の気持ちは80%ほど霊夢の方に傾いているのだが…それはまぁいいとして、だ。勝負の行方は普通に気になる。
「霊夢ちゃんには悪いけれど、このAブロックは私が勝ち上がらせてもらうわ。そして決勝戦では二度目の親子対決になるの…♡」
「ちょっと、観客が見てる前で『霊夢ちゃん』は止めてよ!……お義母さん……///」
「お、お、お…お義母さん…!?」
「どう?恥ずかしいでしょ?それが分かったら、ここでそう呼ぶのはやめる事ね!」
「イイわぁ~♡」
「…え?」
「そうよね、カルちゃんのお嫁さんから見たら、私はお義母さんなんだものね!安心していいわ、恥ずかしいどころか、凄く嬉しいからっ!」
「くっ……逆効果だったようね…!」
全く、二人は何をやっているのだか。言われて気付いたが、確かに母さんは霊夢のような嫁から見れば「お義母さん」だった。何だかこの戦いが嫁姑戦争みたいに見えてきてしまった。
「おーいっ、エスカルゴー!!」
「ん?…おぉー、ピースじゃないか、よくここに居んのが分かったなぁ。よっ……と…」
「う、お…ち、近いぃ…///」
母さん達の試合を見ていると、通路にも溢れる観客達を掻き分けて、ピースが駆け寄ってきた。普段の強気な彼女とは違ってどこか幼さが前面に出ている彼女を抱き寄せ、向かい合う形で、俺の膝に座らせた。
「ん、近いのは嫌か?」
「そんな事は…無いけどさぁ…っ!急にされたらビックリしちゃうだろっ!」
「それもそうだな。で、どうしたんだ?わざわざ褒められに来てくれたのか?後でそっち行こうと思ってたんだけど」
「今日の試合が終わってからじゃなくて今だっ!早く褒めてくれよ、あたい頑張ったろっ!!凄く頑張ったんだぜ!」
「そうだな。ここからずっ…と、見守ってたよ。よく頑張ったな、偉いぞ」
「えへへっ…んふふふふ…。…あっ!お前確か…元穢れ嫌い女じゃん!」
「!」
「誰の事だそれ」
「コイツだよコイツ、翼の女!」
「……あー…そういう事ね…。安心しろピース、サグメはもう穢れ嫌いじゃないから。ていうか、受け入れてるって感じか?」
「うん知ってる。だから
「……ええ、宜しく」
えっへん、と胸を張った様子で、ピースが手を差し伸べる。穢れを気にしなくなったサグメは、躊躇無く彼女の手を握り締めた。
「…つっても、あたいの方が立場は上だけどな!だって、もう色々ヤッてるし!」
「なっ……!?エスカルゴ…それ…ホント…?」
「あー……うん……まぁ……あははは…」
「…やっぱりあなたって変態だ…こんな幼子にも手を出すなんて…」
「確かにエスカルゴは変態だけどさー?んでも、そんなの今に始まった事でもないじゃん?この前なんて、野外でもキスしたし~?」
「…ッ!?」
「おいピース、あんま余計な事を……っておい、引くな鈴仙!永琳先生も!!」
「いやぁ……幾ら両想いで、合意でも…ねぇ…?流石に妖精に手を出すのはちょっと引くわ……」
「師匠の言う通りよ……。流石にねぇ…」
(クラウンピースとか言ったか……。妖精にまで私の先を行かれるとは…なんという屈辱……ッ!覚悟が足りないな、私は……こんなではドンドン置いていかれる…気を引き締めねば…)
「ケッ…何でい、別にいいじゃんか…。なぁ?」
「そーだそーだー!あたいの方が若いからって、若さに嫉妬しちゃあイケナイぜー?」
永琳の眉がピクリと動いた。しかしそれ以外は特に反応も見せずに、ステージを見つめている。霊夢達の試合へ意識を移したようだ。けれども、鈴仙はピースに対して反抗する。
「んなっ…!?嫉妬なんてしてないわよ!あの時みたいにボコボコに倒してほしいの!?」
「きゃははははっ、ボコボコにだってぇ?あの時だって僅差だったじゃないか!もうお前は、成長したあたいには勝てないよ!素のあたいでも少し苦戦する程度であたいが勝つな!」
「何ですってぇ~!?」
「…鈴仙さぁ、冷静になったら…?エスカルゴの子供…私を産んでるって時点で、ピースよりかは少しだけ立場は上なんだし。そうやっていちいち反抗するの、子供っぽいよ?」
「…!そうね、その通りよね!さっすが巫月!」
「巫月ぃ、余計な事言うなよぉ~……折角鈴仙で遊んでたってのにさぁ?」
「観戦に集中出来ないから静かにして欲しかっただけだよ」
「ったくぅ、あたいの試合もそれくらい真面目に見てくれよー…。なんだっけ?霊夢対策するー、とか言ってたアレか?」
「そ。まぁ、まだ私の力じゃ勝てないけどさー」
…どうやら巫月は、霊夢に挑むつもりらしい。止めたいが、霊夢なら適当にいなしてくれることだろう。それに、わざわざ巫月の成長という芽を摘むことはない。彼女に任せよう。
膝の上にピースを乗せながら、俺も巫月と同じように霊夢の試合に意識を戻す。互いにスペカはまだ使っておらず、普通の弾幕で牽制し合ってるように見える。
普通の弾幕とは言っても、母さんのエゲツナイホーミング弾…「たくあん」はスペルカード並の威力を有しており、油断ならないものだ。霊夢もそれをわかっているからなのか、たまに放たれる
「たくあん」は特に集中して回避している。
《やっぱり霊夢ちゃんは強いわね、このままだとお母さん負けちゃいそうよ》
《押されてる…のか?そうは見えないけどな》
《カルちゃんにはどう見えているの?お母さんが勝っているとでも?》
《いや、五分に見えてるけど…。こうやって話す程度には余裕あるっぽいし》
《そう…。もう少し戦況を見抜く目を養わないといけないようね》
《押されてるのか?》
《押されてるの。あなたの予知夢みたいに未来が見える訳ではないけれど…この試合の結末は私も読めちゃった》
《負ける…ってのか?母さんなら霊夢に勝てるんじゃねぇの?幾ら霊夢が強いったって世界を創る母さんに敵う訳が……とはちょっと言い切れないこの現状…》
《勿論、お母さん精一杯頑張るわ。とっておきのスペルカードもある訳だし。……だけど、それをやったらきっと、一撃必殺のスペルカードを使うはずなのよねー…痛いのは嫌だわ…》
《…なんつーかその…頑張って…な。怪我したら俺が治すからさ…》
《…!そうそう、その言葉が欲しかったのよっ!カルちゃんからも応援されたかったの~♪》
《………》
全く母さんは…。いつも通り過ぎて、肩の力が抜けてしまった。自分が押されているのにやけに話し掛けてくると思ったら、俺からの応援が目的だったというのか。尤も、息子の俺は霊夢の方に気持ちが傾いていたので、そんな事を知れば応援されたいと考えるのも分かるのだが。
《後は、声に出してくれたら最高なのよね~♡》
…腹を括るしかない。ここまでお願いされたら言うしかないだろう。それにだ。これも親孝行の一環だろうし、たまにはこういうのも面白いかもしれない。
「母さん頑張れええええええぇぇっ!!!霊夢に負けんなああぁぁぁぁッ!!倒しちゃえー!!」
ギョッとした顔で、観客達が一斉に俺を見る。俺に抱えられていたピースは顔を顰めつつも耳を塞ぎ、ギュッと背中をつねることで抗議する。
すると、霊夢は顔を真っ赤にしながら叫んだ。
「あっ…アンタねぇ!!最近アンタに構ってないからって、何で私の事は応援してくれないのよ!このマザコン吸血鬼ぃっっ!!!」
「うるせー!構ってくれないのが悪いんだー!!いけー母さぁぁぁん!!!」
「分かったわ!お母さん頑張るわね!!」
母さんの背中から、黒い翼が三対飛び出した。白の形態を飛ばして一気に最終形態だ。これは、もしかしたらもしかするかもしれない。
「魔界神『魔界の稲光』!」
母さんは霊夢に両手を向ける。すると、黒紫に輝く破壊力が高そうな雷が集う。流石は概念すら生み出せる神。母さんには属性なんてあってないようなものだ。そもそも、魔界の魔法は母さんが全て考案したそうなので、属性をつけるとしたら
「マルチタイプ」になる。
《あの破壊力…我に勝るとも劣らんな。いいや、我を越えているやもしれん》
《タケちゃん会場に来てんの?》
《来とるわ、このたわけ。我好みの強者を探してここまで来たはいいが、中々どうして、簡単には見つからないものだな。………安心しろ、諏訪子ではなく神奈子とおるぞ…》
《あ、そう。それならいいんだけど》
「神力と自然現象の融合…神ならではの攻撃…。どう?美しいでしょう?魔界の雷は地上と違って妖しく美しく光り輝くのよ…。その自然現象を…その身に喰らってみるといいわ────ッ!!」
邪悪な光を放つ雷が、母さんの手から離れた。刹那、霊夢は回避しようとする。しかし雷は広く拡散し、霊夢はその内の幾つか喰らってしまう。
「あぐっ……!く、ぅ……なん、で…痺れんの…吸収、してない…の…!?」
いや、指輪の機能は果たしている。その証拠に霊夢の左手薬指からは淡い光が漏れ出している。だが霊夢は身体を痺れさせている。
ここに、俺や巫月と母さんの雷の違いが顕著に現れてしまった。
俺の雷が純粋なものだとしたら、母さんの雷は純粋ではない。先程母さんは「神力と自然現象の融合」と言った。つまり霊夢に影響を与えているのは、指輪が吸収できない神力の要素だと考えることが出来る。
《そうね、その通りよ。よくできました。敢えてヒントを与えた甲斐があったわね。霊夢ちゃんも気付いたようだし。指輪の機能は果たしている。つまり、ダメージの軽減はしてくれてるのよね。私の方が上というだけで♡》
《分かんないよ?まだ霊夢が勝つ可能性はある。いや、その方が可能性が高いとすら思ってるよ。まだアレがあるし》
《そうなのよね。だから油断はしないわ。まぁ、カルちゃんはそこから見ていなさい》
「完全に、無力化はできなくても…!私はまだ、動けるわよ…!この10数年、ずっと
「そんな弾幕、喰らいやしないわ!ハアァッ!」
バリバリバリと耳障りな音を立てつつ、黒紫の雷は再び放たれる。夢想封印を放った直後でまだ体勢を立て直していない霊夢は、先程よりも雷を喰らってしまい、今度は声も上げずにステージに膝をついてしまった。
「フフッ、これまでカルちゃんを倒してきたのにこの程度だったのかしら。あぁ、何故なの?何故私のカルちゃんはあなたに負けてしまったの…?こんなにも呆気なく倒せるというのに……。所詮巫女は神の犬で…器には勝てる筈もないのに…」
まさに強者の余裕。それが本物なのか、または虚勢なのか。そんな事は母さんと戦っている最中である霊夢がよく分かっていた。
「私は…いつ何時でも、強くなきゃダメなの…!アイツが暴走した時に、止められるように…!!これ以上、無駄な罪を重ねさせない為に!いくら旦那の母親が相手だとしても、私は負ける訳にはいかない!!この勝負、私がもらうわ!!」
「ならばやってみせなさい!!己の力で、覚悟を示してみなさい!魔界神『ヴィナの惨禍』!!」
霊夢の両側から、白と黒の弾幕が現れた。そのスピードは速く、しかも両側から同時にとあって苦戦を強いられる。
スペル名から察するに、これはエリスが原因で起きた大昔の戦争を表しているのだと思う。両側から弾幕がぶつかり合うように現れる…。まさに戦争のようではないか。
「誰が相手でも私が勝つ!『夢想天生』ッ!!」
「来たわね、最強のチートスペル…!私がこれを耐えられたら…私の勝ちよ…ッ!」
……勿論、母さんが「夢想天生」を耐えきれるはずもなく……。惜しい所までいったが、大量の御札の前に、遂に撃沈してしまった。その圧倒的パワー故に母さんが密かに愚痴り始めるほどだ。
「あーん…やっぱり霊夢ちゃん強いわぁ~……。もう降参よ、こうさーん…あぁもう、痛い痛い…カルちゃんに治してもらわなきゃ…」
(危なかった…危うく一回戦で負ける所だった…こりゃ次も油断しちゃダメね…)
「けっ、決着だーっ!霊夢の圧倒的パワーの前に魔界神も倒れてしまったー!!一回戦から激しい戦いを見せてくれた両者だったが、二人がこんな一回戦でぶつかるには勿体なさすぎたっ!!!」
「クジにしたはずなのにかなり偏ってるもんね。妖精は妖精で固まるのが多かったし。誰か能力で操作してる?って疑いたくなるくらい。…見事、霊夢は二回戦進出が決定した!次はどんな戦いを見せてくれるのか!乞うご期待だッッ!!!!」
巫女→神の犬
ちょっと怪綺談リスペクトw
この間ずっとクラピはエスカルゴの膝の上です。