※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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メリークリスマス。やはり今年はクリスマス編の投稿は無しという方針で行きますね。いや、毎年毎年紅魔館でパーティするだけやーん!って遂に気付いたんですよね。
ある意味、次に投稿する番外編がクリスマス編になるでしょうか。



Aブロック本戦(二回戦)

 ┏━┻━┓

┏┻┓ ┏┻┓

チ ク 霊 魔

ル ラ 夢 理

ノ ピ   沙

 

 

「ゲー…次あたいかぁ…。なぁエスカルゴ、またあたいのこと応援してくれる?」

 

 ステージの壁に立ったピースは見返り美人図のようにこちらを振り向き、少し照れながらも指を絡ませる。強気な彼女からはあまり想像できない態度だが、それを言ったら、今の今まで膝の上に乗っていた事自体が想像に難い出来事だった。

 

「応援は…したいよ。けど、次のピースの相手はチルノなんだよな?」

 

「何だよぅ、彼女のあたいじゃなくて弟子の方を応援するのかー?ひっどいなぁ」

 

「どっちも応援したいんだ。でも…俺には無理。だから、どっちの事も応援しない。見守るだけにしておくよ。俺には、ピースとチルノ、どっちを応援すればいいのか決められないし…」

 

「……ケッ。チルノの奴…羨ましいな…」

 

「……?ピースが彼女になってる分、どちらかと言えばチルノが羨む側なのが自然だと思うけど」

 

「そーじゃねーっ!女心がわかんない奴だな!!とにかく、あたいが勝ったら褒めろよな!これは約束だ、わかったなっ!」

 

 更に顔を赤くさせたピースは、有無を言わさずステージへと飛び込んでいった。まだアナウンスされていないが、にとり達も既にステージに居るピースの存在に気付いたのか、慌てて実況を再開させた。

 

「Aブロック一回戦が終了したね!それじゃっ、二回戦開始といこーかっ!!二回戦の一試合目はこの人が出るぞ!自称最強の妖精!冬が近付いた今なら本領発揮なるか!?氷精チルノ~~!!」

 

「イェーイッ!!あたい、ここまで来たぞー!!大ちゃん、エスカルゴ、見てるかー!?勝ったら褒めてもらうからな!ハッハッハー!!」

 

「お相手はこの人!!同じく妖精、しかし出身は地獄!狂わせるのが得意らしい!火力は高いぞ!クラウンピースぅぅぅ!!!」

 

「やいやいチルノ!今日この場で、最強の妖精はどっちなのか決めてやろうじゃないかっ!」

 

「望むところだっ!!」

 

「どんな戦いになるのか、まるで読めないね!!どちらも破竹の勢いで勝ち上がってきているし、二人の実力はあまり変わらないのかもね!」

 

「だとしたら、チルノが有利かもしれないわね」

 

「おっ、それはどうして?」

 

「これまでの試合を思い返して。どちらの試合が早く終わった??」

 

「……成程ぉ!」

 

 チルノの試合の方が早く終わった。つまり早く終わった分だけ力の消耗が少ないだろう、という推測なのだろう。確かに俺もそう思う。しかし、ピースには純化による超絶バフがある。なので、そう簡単に結論付けるのは早計だと思われる。

 

《それなんだけど…純化の効果はもう切れたわ。元々、そんなに長く続けさせるつもりは無かったからね…。純狐だってそう考えていたから、丁度一試合分くらいしか掛けてないハズよん。そして今回は何もしてない。…五分五分ね》

 

《そっかぁ。ぶっちゃけ、今の二人の力、かなり拮抗してるよね。どっち勝つのか読めないな…》

 

《そうねぇ…私でもそれは全く分からないわ…。面白い事になりそう♪》

 

「それじゃあ二回戦第一試合、始めィっ!!」

 

 とうとう二回戦目が始まった。合図があると、チルノ達は同時に動き出して、互いに弾幕を発射し始めた。リリーやサニー達とはまるでレベルが違う密度で、観客は驚きを隠せない様子だ。ピースは元々強いのでともかく、チルノをここまで育てた俺としては、とても鼻が高い。

 

「先手必勝!氷魔剣『アイスコフィン』!!」

 

「っ…!?サラッと使ってるけどそれ、なんだかヤバい代物っぽいんだが…!?」

 

 チルノが生み出した剣からは、凄まじい冷気が溢れてくる。ステージの地面は霧のような冷気に覆われ、田んぼに霜が降りたような風景になる。

アイシクルソードより一回り大きいその剣は、確かに魔剣という見た目だった。鍔は、チルノの翼に似た三対の氷のような造形が施されていて、とても美しい。まさに彼女にピッタリな剣だ。

 

「まだまだこんなもんじゃないぞ!あたいの力、思い知れっ!!やああああぁぁっ!!」

 

 ビキビキと激しい音を立て、たまに氷の破片を散らせながら、チルノの持つ剣が大きくなった。巨大化が済むと彼女はその場で剣を一振りする。すると、フランのレーヴァテインのように剣から弾幕が発射された。フランのと違うのは、全ての弾幕が相手を狙って放たれているところだ。

 

「う、おおっ……く、このッ…!」

 

 武器を持たないピースは、執拗に自分を狙って飛んでくる弾幕を根気で回避し続ける。当然俺はそんな彼女を応援したい。しかしチルノの手前、ピースの応援は我慢するしかない。

 

「ハッハッハッ!やったぞ、あたいは確かに強くなってるぞ!あの頃はボロ負けだったのに…今はピースを推してるっ!!いいぞあたい、やっぱりあたいは最強の妖精だッッ!!!」

 

「ッッ…!!ちょっとくらい押してるからって、チョーシに乗るんじゃねー!この程度のピンチ、切り抜けてみせる!秘神と戦った時とは、状況が違うんだ!獄符『スターアンドストライプ』!」

 

 先程と同じように横からレーザーが飛び出す。そして星型弾幕も飛んでくる。しかしチルノは、それに対して焦る事なく対処してしまう。

 

「なんの!こんなの、ちょちょいのちょいさ!!ハァァァ…ッ!!」

 

 チルノの両脇に、レーザーに対して少し傾いた氷の壁が出現した。それを見たピースは、狙った通りだと言わんばかりにニヤリと口角を上げる。

 

───→ / 〇 / ←───

 

「そんな壁じゃ、あたいの攻撃は防げないぜぇ!サニーの光とは大違いなんだ!」

 

 チルノも、一瞬まずいと思ったのか、迫り来るレーザーを横目でチラリと見た。しかし大丈夫と判断したのか、再びピースに向き直り、何故だか自分の横に並んだ壁の間からただひたすら弾幕を放っている。

 そして、レーザーが壁にぶつかったその瞬間、ピースや俺達観客が目を疑う様な現象が起きた。なんと、角度をつけて壁に当たったレーザーは、そのままチルノをスルーし、ピースの見当違いな方向へと向かっていったのだ。お陰でチルノに向かうのは弾幕だけになっている。だがそれすら剣や弾幕で捌かれてしまっている。

 

    ↑

───→/ 〇 /←───

        ↓

 

「上手い!やるな、チルノの奴…。成程、攻撃を正面から受けると氷の壁は壊れやすくなる…が、角度をつけて逸らすと接触時に壁に掛かる負担は軽減される…。よく考えたな……。巫月、お前もいつかは負けるかもな?」

 

「負けないもーん」

 

「もう⑨(バカ)とは呼べねぇな、チルノの事……」

 

《…あのチルノがそこまで考えてるとは思えないけどねぇ…?》

 

《だけど、そうじゃなきゃ自分の両側にだけ壁を作ってる理由がわからない。あそこに設置すれば最低限の防御だけで確実に自分の身を守れる…。ピースのあのスペルは、上下に動きつつ真横から平行なレーザーが飛んでくるから、真横に置いた壁でチルノを挟むだけで、動かずともレーザーを喰らう心配が無くなる…》

 

《……。チルノはピース対策をしていたけれど、ピースはこれまで通り勝てると慢心していた…。大方、そんな感じかしら?》

 

《慢心していたのかは分からないけど、チルノがピース対策をしてたのはまず間違いないね。前に

『いつか勝ってやる』みたいな事を言ってたが…もしかしたら、もしかするのか…?それともまだピースが上回ってるのか…?》

 

 まぁ尤も、魔理沙のマスパ程度の火力があれば破壊できそうではある。もしくは、圧倒的な熱や炎で溶かす等の方法もある。今のピースにそれが出来るのか…いや、きっと出来ないだろう。

 純化されると攻撃力も上がるようだが、それでチルノに勝ってピースが喜ぶ筈もなし。果たしてピースは、ここからどうやって挽回するのか…。

 彼女の性格上、やられっぱなしというわけではないはずだ。強気で勝気なピースのことだ、何か反撃はするだろう。例えば──────。

 

「そんなモン、すぐにでもぶち壊してやるよォ!喰らえ、最強の破壊力!『アポロ捏造説』!!」

 

 遂に来た、ピースのラストスペル。これまではこれが決め手になっていたが、果たしてチルノはこれを突破できるのか否か。できるならピースは負けるだろう。しかしこれをどうにかしない限りチルノに勝ち目は無いと思われる。

 三つの巨大満月の軌道は一定だ。しかし弾幕の発生する周期は一定ではなく、徐々に早くなる。それに臆して回避を緩めれば背後から迫る満月に衝突する。流石、昔からラストスペルとしているだけあって、詰み要素満載だ。俺なら気絶覚悟で特攻するところである。

 

「来た…ピースのラストスペル…!でもあたいはそれを越えてみせる!!最強の妖精になるのは、このあたい、チルノ様だッ!!」

 

「抜かせ!ならこれを突破してみな!!地獄でも月でも幻想郷でも、あたいが最強になるんだ!」

 

「あたい史上超最強の攻撃力・防御力を見よ!!

『絶対氷帝チルノ様』!!」

 

「なんだその自己顕示欲の塊みてーなスペル名…うわっ、何だこりゃ、寒い……イテテテッ!?」

 

 チルノがスペルを発動させると、彼女の周囲に氷の礫が大量に創り出され、それは竜巻のように渦を巻いて天高く舞い上がる。近付くと氷の礫を喰らうらしく、ピースは仕方なく交代しつつも、弾幕を放って反撃している。しかし、渦が壊れる気配も、ましてや竜巻の中にいるチルノに攻撃が当たっている気配すらもない。

 

「あー…何だか会場の気温が下がってきたね…?ていうかステージが凍った湖面みたいに…。息も白くなってるね、まるで真冬だ…」

 

「凄い…妖精がここまでの力をつけるなんて…。妖精だからってバカにできないわね…」

 

 やがて渦が収まって、中から大人の姿になったチルノが姿を現した。初見ではない俺はそこまで驚かないが、会場に居る者の大半は初見なので、かなり驚いているようだ。

 

「なっ、なななな、なんとぉ!?これはどーしたことでしょーか!?幼い少女の姿だったチルノが大人っぽくなっているぅぅぅ!?」

 

「しかも胸が大きい!…私より?え?私より?」

 

「そこ!?ねぇ雛、そこなの!?」

 

「…あたい、敗北しないので」

 

「決めゼリフのつもりか!?じゃあ、敗北させてやるよっ!もっともっと、密度増やしてやる!」

 

 満月の移動先に現れる紫色の弾幕。これまでは一重のサークルのようなものだったが、ピースがそう宣言してからは二重に現れるようになった。ジワジワと満月も迫ってくるので、流石に彼女も回避を始めたようだ。しかし剣を持つその手は、いつでも何かを斬れるように構えているようにも見える。

 俺の剣術は基本的に我流である。なので剣術に関してはチルノに教えたりはしていない。だが、剣を使いながらの立ち回り方程度だったら少しは教えた記憶がある。

 

(…あたい、こーやって逃げるのって、あんまり好きじゃないんだよね……。相手に背を向けてるみたいで…。やっぱり、攻撃しよっかな…!)

 

「はっはっは、やっぱりあたいの方が強いなっ!そら、さっさと喰らって負けを認めろッ!!」

 

「─────この戦い最後のスペルを喰らえ!!氷魔剣『アンリミテッド・アイスコフィン』!」

 

 彼女の頭上に大量の氷の剣が現れた。サイズはチルノが最初に創り出した通常の剣の大きさだ。まるで俺のスペルのコピーのよう…いや、あれのモチーフはきっと俺のスペルなのだろう。何回かチルノの前で披露していたような気がする。模倣されるのも無理はない。

 

「終わりだッ!!」

 

 チルノが宣言すると、剣は一斉に降り注いで、ピースの周囲にグサグサと刺さる。よって彼女は身動きが取れなくなり、チルノはそんなピースへ容赦無く大剣の切っ先を向ける。

 

「─────あたいの勝ち!なんで負けたのか、次戦う時までに考えとくことね!」

 

「くっ…そぉぉ…!!」

 

《あーあ、ピース負けちゃったわぁ…》

 

《…どうかな》

 

《おっ、流石は戦闘狂吸血鬼さん。気付いた(・・・・)?》

 

《うん。ここで対処できるかどうかで、やっと、この勝負の勝敗が決まるね》

 

 そうだ。ピースの放った巨大満月が、背後からチルノに迫っているのだ。もしアレに当たれば、やはりあのスペルが決め手となり、チルノは敗北してしまうだろう。俺は内心で、チルノの反応が遅れるのでは…と心配していた。

 しかし、杞憂だったようだ。

 

「ふっ────!」

 

「…あっ………あぁ……」

 

 チルノは、小さく息を吐きながら自身の背後に迫る満月を斬り落とした。氷の剣に囲まれつつも気丈に振る舞っていたピースは、負けを確信してその場に座り込んだ。

 

「………ちぇっ。わぁったよ、あたいの負けだ。認めてやるよっ」

 

「つ、遂に妖精ナンバーワンが決定した!なんとクラウンピースではなくチルノがナンバーワンとなった!!これは凄い、快挙だね!!」

 

「まさかここまで強い力を持っていたなんて…。厄神の力を以てしても勝てるかどうか…」

 

「次も頑張れチルノ…お前がナンバー1だ!!」

 

「おーよっ!!」

 

「あ、次の相手は霊夢か魔理沙だっけか。じゃあ無理だ、お疲れさん!!」

 

「あー!?霊夢か魔理沙が相手でも頑張るぞ!?だってあたい、サイキョーなんだからなっ!!」

 

「はいはい、妖精の中ではなー」

 

「納得いかない…!」

 

 渋々といった様子で、チルノは観客席に戻る。大人化の変身を解除していないようだが……まぁいいだろう。ピースは、負けた負い目からなのか俺の所には戻って来ずに、真っ直ぐステージからへカーティアの方へ行ってしまった。

 

「よ~っし、ステージは凍ってるけど、このまま次に行っちゃおう!次は二人共、空中戦を得意としてるっぽいからね!」

 

「という訳で二回戦二試合目、いってみよー!!ついに本命対決か、博麗霊夢と……」

 

「霧雨魔理沙だぁぁぁ!!!」

 

「なーんか紹介が適当だけど……。まぁ、何回も同じ奴が出てきたらネタも尽きるわよね」

 

 ふむ。確かにネタ切れかもしれない。次までに何かにとり達にネタ提供しておくべきだろうか?飽きないよう敢えてあんな感じの紹介にした……という可能性も無きにしも非ずではあるが。

 

「ははっ、そうかもしれんな。よし霊夢、ここはいっちょ本気でやろーぜ!」

 

「いいのね?本気でも(・・・・)」

 

「おうっ!来い!!」

 

「………そう。分かったわ」

 

「これは激しい戦いが見れそうだぞ!それでは、よーい……始めぇっ!!」

 

「『夢想天生』」

 

「え、ちょ、待………」

 

 全方位に超高速で放たれる超大量の御札。その圧倒的物量・不意打ちに等しい攻撃の前に流石の魔理沙も為す術もなく、文字通りに秒殺された。

 ステージの壁に叩き付けられた魔理沙は、目を回してしまい、やがて倒れてしまった。今度は、分身ではなく本物らしい。

 

「えっ……と……?終わった…のかな?」

 

 実況すらも困惑する決着の早さである。否、観客も騒然としている。当たり前だ、棄権以外でこんなに早く決着がついたことは無いのだから。

 

「終わったわよ、早く実況してくれない?」

 

「あ、圧倒的パワー!!これが博麗の巫女の底力なのか…!?魔理沙もかなりの力の持ち主だが、それを上回る力で打ち倒してしまった!!これぞ鬼巫女!博麗霊夢である!!」

 

 ………やっぱり、俺は霊夢には適わない。




フフフフフ…こんなレイマリ対決が見たかった訳じゃないでしょう…?分かってますゾ…レイマリ対決を書くのは俺にはまだ早かったネ…やっぱり俺には激しい戦いが書けないヨ…。


先日、エスカルゴの性格を俺にダウンロードしてある事をしたんですよ。そしたらめっちゃくちゃ上手くいきました。やはり場合によっては押しが大事なようですね。ナニとは言いませんが…。


ハッハ ハニハニ ハニワ! ハニワ!
(暁Recordsさんの新曲、二曲同時公開された…めっちゃくちゃクセになるしPV磨弓可愛い…)
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