※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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最近リアルがかなり忙しいので、二日に一回でも更新しにくくなってきました(笑)




Bブロック本戦(一回戦後半)

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勇 に 鈴 巫 レ 霊 早 ヘ

儀 と 仙 月 ミ 愛 苗 カ

  り     リ

        ア

 

 

「Bブロックも後半戦に突入だ~!紅魔館の主、今では幼き母でもある高貴な吸血鬼っ!何度館が破壊されてもすぐに改修工事が入るらしいぞ!!レミリア・スカーレット~!!」

 

「霊愛ちゃんね…。そういえばまともに戦うのは始めてかしら。お手柔らかに頼むわね?」

 

「対するは次代の巫女、博麗霊愛だァァァ!!!秘めたる力は幼少期の母のよう!今では力を制御できるようになり、攻撃力すら自在に変化させることも可能とのことだッ!!」

 

「よりにもよってレミリアかぁ…吸血鬼とか鬼は身体能力チートだから戦いたくないんだよな…」

 

 振袖からお祓い棒、御札を出して構える霊愛。いくら霊愛が強くなり、霊夢に近付いているとは言っても、やはりレミリアにはまだ及ばない、と俺は思っている。それに加えて、レミリアが相手ならある程度の手加減はしてくれるハズなので、特に心配はしていない。

 

「未来の英雄の嫁と次女はどちらが勝つのか!?一回戦三試合目、始めぇぇっ!!」

 

「…ま、勝てるアテはあるんだけど。────…雷神、招来!!」

 

「ッッ────!?」

 

 僅か数秒間の早口の祈祷をすると、霊愛はパチパチと帯電し始めた。先程霊夢が雛を憑依させたのと同じように、今度は霊愛が雷神を憑依させたらしい。そして、その雷神というのが……。

 

《…強制的に憑依させられたんだが?お前の娘は独裁者か?オイ器、娘にどんな教育をしている?神は丁重に扱えと教えていないのか?》

 

《そっちは霊夢が教えてんだよ、俺はノータッチだから俺に怒りの矛先を向けるのはやめてくれ。何だって建御雷を……》

 

《我の力を欲するほどに、この娘にとっては強敵なのだろう?あのレミリアとかいう娘は。…まぁ確かに、吸血鬼本来の能力の使い方はお前よりも数段上だな。流石は生粋の吸血鬼、力の使い方は理屈ではなく本能で理解しているらしい》

 

《はいはい、レミリアは俺よりすげぇですよ…。そんなの分かってるから改めて俺をディスるな。そんなにメンタル削りてぇのか?》

 

《クハハッ、それも面白そうだ。…だがこの娘、中々素質があるな。通常なら長く祈祷しなければならない所を僅か数秒で済ませおった。恐らく、修行して独自の術式を生み出したのだろうなぁ。お前の嫁ですら長めに祈祷しておるというのに》

 

「…鈴仙、今すぐ月に居るレイセンにコンタクト取れるか?少し聞いてほしい事があるんだけど」

 

「えっ?構わないけど…何を聞けばいいの?」

 

「『神様がちょくちょく居なくなっていたのか』かな。レイセンを通してそこら辺に詳しい依姫に聞いてみてほしいんだ」

 

「うん、分かった。一旦地上へのスキマ開けて。すぐ終わるから」

 

「はいよ」

 

 地底からでは玉兎間のテレパシーも成立しないかもしれないというのは予想済みだ。確かあれは波長などを操れてこそなので、地底に居たのではそれが成り立たないからだ。月まで飛ばすのに、地底の天井がそれを邪魔をしている。

 頭上に地上へ繋がるスキマを開かれると、早速通信を始めたようだ。俺は彼女からの返答を待つまで、霊愛の試合に視線を戻す。

 

「はぁ…雷の弾幕ってホントに速めなんだなぁ…ちょっとゾクゾクしてきたかも…♪」

 

「ッ…!?霊愛ちゃんってSっ気あるのね…少しまずいかも…っ」

 

「『雷霤撃波(らいりゅうげきは)』ッッッ!!」

 

 ピッと向けたお祓い棒から、極太のレーザーが解き放たれる。レミリアを飲み込んだ後は観客席へと向かうが、母さんが結界を張った事で何とか事なきを得た。そもそも俺のラスペを結界一つで受け止められた事について、母さんから説明してほしいのだが。

 

「…ふぅ…こんなもんかな?」

 

 母さんの結界にぶち当たりステージに落下したレミリアは、砂にまみれながら地面を殴る。額に青筋が浮かんでいて、とてもではないが高貴には見えるはずもない。

 

「エスカルゴォォ…!!あんた…あんたいつも…手加減してたのね…!?この…私にィ…ッ!!」

 

 それはそうだ。何故なら触れたら即痺れるなど勝負にならないではないか。…この場合、手加減していた俺が悪いのだろうか。レミリアは全力の勝負がしたいのだろうが、なら電気耐性を備えてほしいというのが本音だ。耐性が無いという事は下手をしたら殺してしまうという事なのだから。レミリアは常人よりかは電気耐性を身につけた。しかしそれは、あくまでも「弱い電気への耐性」なのだ。まず、本気の火力だと焦がしてしまう。そんなのは嫌だ。彼女の綺麗な肌を焦がすなど、許せるはずもない。

 

「まーまー、落ち着きなって。あのバカだって、何の考えも無しに手加減するはずないじゃん?」

 

 実の父親をバカ呼ばわりとは、流石は霊愛だ。この前のデレは、一体何だったのだろう。まるで夢だったかのような豹変ぶりに、内心困惑する。

 

「…いくら娘だからって、父親をバカ呼ばわりは感心しないわね…。それに…体が痺れていても…あなた一人倒すくらい、造作もないわ…ッ!!」

 

「やってみなよ。…神の力を我が身の内に留めし私は、もはや神なり…」

 

《…!これはいかん。我の力を引き出すあまり、力に呑まれかけておるな。……力に呑まれた方がより強大な力を扱えるが…娘は、敢えて力に身を委ねたか…》

 

《おい、それ止めろよ!》

 

《無理だ。娘の方が我から力を奪っておるのだ。我から制御できるものでは無い。お前は借りる、娘は奪う。力の使い方の根本からして違うのだ。かなり強引だが…まぁこれはこれで良いだろう。娘も、いい戦いを見せてくれるではないか》

 

「いくよレミリア。雷神『万雷繚乱(ママラガン)』!!」

 

 オーストラリア中央部の雷神……ママラガン。俺はその名を取って、「雷神『〇〇〇〇』」系のスペルの最上級のスペルを作った。まさか、その初披露が娘に奪われてしまうとは思わなかった。全く、建御雷という雷神は相変わらず余計なことばかりをしてくれる。

 

《クハハハハッ!あと一枚、新作の技を教えてもいいんだがなぁ?どうする?器よ》

 

《マジでやめてくれる!?俺が霊愛の真似をしたように見えちまうからさァ!父親の面目丸潰れになっちまうんだが!?》

 

《とっくに丸潰れだと思うが》

 

《あー?》

 

《ククッ…まぁ冗談だ。娘を応援してやれ》

 

 だが霊愛が使うあの技には欠陥があるようだ。俺の方は完璧な仕上げになっているが、娘は雷の力を使うのに不慣れだから、あのような致命的な欠陥が現れてしまったのだろう。アレでは流石にわかり易すぎる…。

 

「成程、落ちてくる所が光るのが弱点なのね…!なら……運命『ミゼラブルフェイト』ッ!!」

 

「ッ……!?」

 

 レミリアは鎖の形状をした紅いオーラを幾つも発射した。その鎖で霊愛の四肢を拘束して、隙を作る。霊愛がどれほど力を込めようと、鎖が破壊される様子は微塵もない。

 

「っ…拘束技なんて持ってたんだ……不覚…!」

 

「フフフ、いい眺めね。小生意気な女児を拘束し痛め付ける事ができるのも良いわ……。でもまだトドメは刺せない…痺れが治ってないからね…。調子が戻った時…それがあなたの敗北の時よ!」

 

 弱りながらも霊愛の欠陥ママラガンを回避するレミリア。ふらつく足にはどう見ても力は入っておらず、もう一度当たれば再び倒れるであろうと考えられるほどに弱っていた。しかしそれでも、レミリアに雷が当たる気配は無い。まず落下点が事前にバレるのが痛いし、雷についても貫通力が優先されるあまり範囲や威力が無い。…よって、本調子ではないレミリアですら楽に回避する事が出来てしまうのである。

 

「考えたり縛ったり……これだから脳筋じゃない吸血鬼は、面倒で面倒で仕方ないんだよ…。霊符『夢想封印 夢幻』!!」

 

 四肢を拘束されながらも、霊愛はオリジナルの夢想封印を放つ。今回は密度が薄い…という事は攻撃力を高めてある弾幕だろう。確かに吸血鬼を相手にする時は高火力がいいかもしれない。

 通常のレミリアなら、この程度の薄さなら楽に回避可能だ。しかし今のレミリアは、運動能力が大幅に低下しているので、密度は薄くとも制圧が可能だと判断したのだろう。

 

「仕方がないわね、こうなったらヤケクソよ…!夜王『ドラキュラクレイドル』ッッ!!」

 

「─────ッ!?」

 

 次のスペルを使うと、霊愛はやっと鎖から解放される。しかしその間に、レミリアは見るからに足に力を込め…そして全身を錐揉み状に回転させ被弾しながら霊愛に突っ込む。

 彼女は吹っ飛ばされ…母さんの結界に勢いよく頭をぶつけて、先程のレミリアのように落ちる。ただし今度は、ぶつけられた方はそれだけで気絶してしまった。

 

「や…った…わ………」

 

 夢想封印に突っ込むという無理が祟ったのか、何とか霊愛を打ち倒したレミリアまでもが同じく地面に倒れ込んでしまった。

 

「んーと…これってどっちの勝ちなのかな……。雛、どう思う?」

 

「相討ち…ではないわよね。だったら後に倒れたレミリアの勝ちってことになるけど…」

 

「だね!本戦はレミリアの勝利となりまーすっ!霊愛ちゃんも惜しかったね、凄く僅差だった!!次戦ったら勝てるんじゃないかな!?」

 

「かもしれないのが次代の巫女の恐ろしさよね…私も負けちゃいそう♪」

 

「私は絶対に負けるなぁ。…それじゃ、バンバン試合やってこ~~~!!」

 

「…エスカルゴ。やっぱり、神様達ちょくちょく消えてたっぽいよ。依姫様が呆れてたって」

 

「そっか。サンキュー」

 

 呆れるとは言ったって、お前は神を管理してるつもりなのかと言いたくなる。まぁそこは以前と同じなので放っておく事にするが、やはり霊愛は神様を自分に憑依させる特訓をしていた、ということになるだろう。二人きりになる機会があればよく褒めてやらねば。

 娘の成長を内心で喜び、俺はスキマを閉じる。

 ちょうどステージでは、咲夜さんがレミリア、霊麗が霊愛を回収し、母さんはステージと観客席との間に張った結界を解除したところだった。

 どうせまたすぐに張ることになるんだろうな、と予感にも似た何かを感じた、俺であった……。




どうして霊愛はエスカルゴのスペルを使用したのでしょうかねぇ……。二枚目は建御雷の入れ知恵なのですが、一枚目…エスカルゴのラスペの方は霊愛自身の発想です。
はてさて、どうしたのでしょう。
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