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フ 天 サ こ さ 幻 く カ
ラ 子 リ い と 月 る ル
ン エ し り み ゴ
ル
「さあ!今日のトーナメント本戦も、張り切ってやってこーっ!
「鍵山雛でお送りしまーす!」
「昨日の続きというわけでね、遂にCブロックに突入するよー!いやはや、早いもんだねぇ。ではまず一試合目、いっくよー!」
「幼子の扱いは案外お手の物か?悪魔の妹という二つ名はもはや過去の遺物なのか?今では悪魔のお姉さん的存在になっているぞ!フランドール・スカーレット~!!」
「お相手はこの人だっ!最近は大人しい、だけど実はあの人は迷惑してる!?比那名居
「『てんこ』じゃなくて『てんし』だから!もし次間違えたらぶっ飛ばすわよ、このエロ河童!」
「んなっ!?私のどこがエロ河童だってぇ!?」
「ご主人様の依頼で、あんな道具やこんな道具を提供してるんでしょーが!どーせならもっと強い刺激を与えられるモノにしなさいよ!」
「…アレってそういう事に使うものだったの!?ちょっとエスカルゴぉ!!何で今までそれ教えてくれなかったの!!」
顔を真っ赤に染めて、怒鳴り散らしたにとり。お陰でハウリングがキーンとうるさく鳴り響く。俺は今日も今日とて永遠亭のメンバーと居るが、今見つかったら面倒なので光学迷彩スーツを着て何とかやり過ごす。
「まぁまぁまぁ!落ち着いてにとり!その道具についてはまた後でクライアントとお話してね!今この場で話すべきじゃないでしょ、それは!」
「う~……!!試合始めぇぇぇぇ!!!」
半ば投げやり気味に試合を開始させるにとり。実況者達の席では、マイクを切ったにとりが顔を真っ赤にさせつつ雛に何か怒鳴っているようだ。そちらの会話を盗み聞きたいが、観客達の歓声があまりに煩く、二人の声が全く聞こえてこない。
「何だ、いつにも増して盛り上がって……って、オイ…もう決着ついたのか…?」
フランに殴り飛ばされた天子はステージの壁に頭から深くめり込んでいる。まるでギャグ漫画のような光景に思わず笑ってしまう。フランの足元には、天子が発射したと思われる要石の残骸が、所狭しとばかりに飛散している。文字通り、足の踏み場もないほどに大量に散らかっている。
一体、何故こうも早く決着がついたのか。その理由は、俺がそんな疑問を抱いた直後にフランが口にしていた。
「何よ…ッ!何でお前には道具使ってて、私には何も使ってくれないのよッ!!エスカルゴ!!」
「…ハァッ…ハァッ………危ないわね、急に顔面殴るとかどうかしてるんじゃないのアンタ!?」
頭を抜いた天子はそう叫ぶ。どうやら、決着はまだついていなかったらしい。というより彼女のキレるポイントがどこかズレていて、その怒りの矛先が俺に向いているから怖い。
そう、俺はフランとの行為にはほぼああいった道具を使わない。何故ならロリ相手に道具を使うほど俺にSっ気は無い上に、俺が道具を使う時は
「虐めたい時」か「少し俺が休憩したい時」だけだからだ。フランとの行為の時は、そもそも休む暇が無いのだ。そんな暇が有る訳が無い。
「うるさいうるさいうるさいッ!!どうしてお前なんかが特別なエッチしてもらってるのよっ!?そんなのズルいわ!!」
「何故なら私は、ご主人様のペットだからよ!!羨ましい!?そりゃあそうでしょうね!アンタ達量産型の彼女とは違って、私は唯一無二のペットなのよ!注がれる愛情だって別物なのよッ!!」
「量産…型…ですって……!?」
会場中の妖気が急激に高まる。そこかしこから殺気を感じられる。隣の鈴仙やサグメ…巫月…。笑ってこそいるものの、輝夜も並々ならぬ気配を放っている。鈴仙達ですらこうなのだから、他の皆が…特にフランやレミリアがどうなのかは最早言うまでもないだろう。
天子は、皆の逆鱗に触れた。
しかしフランは、何かに気付いたかのように、薄らと笑みを浮かべている。
「………そっかぁ…道具を使うって…そういう事だったんだ…」
「フフン、漸く負けを認めたかしら?あの快感を知るのは、地上の民には早いかもしれないけど」
「クソ天人如きが言ってくれるじゃない。たかがペットの分際でさぁ。私は一番の女よ?お前には到底手の届かない領域にいるの。分かる?たとえお前が死んでも私の域には届かないよ?」
「フン、そんなのは負け惜しみね。特別な行為をしてもらってる私の方が上よ?分からないの?」
「お前の方こそ、まだ分からないの?そんなのは特別でも何でもないわ。体ひとつでヤッた方が、ずっとず~っと愛を感じられるんだから。道具を使うって事は所詮その程度って事なのよ。道具で得られた快感なんてまやかし。ま、そんなモノを使われてるお前には、一生分かりやしないだろうけどね~。ご愁傷様♡」
「…言ってくれるじゃない、メスガキ…!」
「ん~?何かメスブタがブーブー鳴いてるわ~。さっさとその短い尻尾を巻いてとっとと天の国に帰ってほしいわ~」
「どうやら消されたいようね…ッ!緋想の剣よ、気質を操り、天候を台風と成せ!!」
「ッ!!」
「お前の弱点はわかっているわ。乃ち、流水よ。ご主人様と違って、誇りを優先するあまり弱点を幾つも残している。…ほぅら、そう言ってる間に恵みの雨が降ってきたわ。天人様直々に降らせたこの雨、有難く受け取りなさい?」
「──────…」
雨に打たれながらボソボソと何か呟くフラン。すると次の瞬間、彼女の周囲に目に見えない壁が現れ、雨を弾き始めた。最早傘を差したのと同じである。雨の中でもフランは自由に動ける。
「な…ぁっ…!?何で…!?」
「私は吸血鬼。だけど魔法少女でもあるわ。この程度の魔法、即席でも十分な効果を発揮出来る。この私にそんなチンケな弱点は通用しないわ!」
「ッッ…そんなの初めて聞いたんだけど…!?」
「当然でしょう?身内以外には言ってないもの。魔法は奥の手よ。防御の為のね……!!」
「ゴフッ…ォ……」
雨の中を突き進んだフランは、力任せに天子の顔面を殴って、頭から壁にめり込ませる。今度は直ぐに立ち上がろうとしたが、フランは弾幕にて追い討ちをかけて天子を滅多打ちにする。
「ぐ…っ…うぅ……!量産型の…クセ…に……」
鼻血を出しながらも悪態をつき、ぎゅっと拳を握るも、反撃は叶わず地面に前のめりに倒れた。これを以て決着とし、一回戦一試合目はフランの勝利で終了した。
二試合目は、サリエルvsこいし。無意識に動くこいしの行動は、何者にも読めやしない。予選を見ていたからかそれに気付いていたサリエルは、全方位に殺人的弾幕を放つ事によって、どうにかこいしを捩じ伏せた。もしスペルカードルールで考えれば完全にアウトだったものの、この戦いはそのルールを適用しない特殊な試合。それ故に、誰にも文句を言わせず、
三試合目はさとりvs幻月。こちらも、お互いに予選を見ていたからか中々決着はつかなかった。幻月が苦手とする弾幕をひたすら模倣するさとりだったが、幻月は発狂弾幕でこれを退け、何とかさとりを敗北に追いやった。発狂弾幕を持ってる相手にトラウマを見せ付けるのは、それはもはや自殺行為に等しいと思い知らされた一戦である。
やがて、ついにCブロック一回戦も最後の試合になった。今度は吸血少女のくるみvs俺だ。今度も完全な勝利を飾るつもりである。
「さぁさぁ、とうとうやってきました四試合目!今回戦うのはこの二人!夢幻世界と幻想郷の境にお住まいの夢幻館門番、くるみ!!!」
「わー…ホントにお兄さんと戦うのか~。なんかやりにくいなぁ…」
「お相手は、用途不明の道具を私に注文してくる変態吸血鬼!!一部からはヒーロー的存在として有名な、エスカルゴ・スカーレット~!!」
「ヒーローとは、HとEROで出来ている」
「変態が何か言ってるぞ!アレの使い方を教えてくれなかった事とか誤魔化してきた事、私はまだ怒ってるんだからね!!今度こそ説明してもらうから、覚悟してよね!それじゃ、始めェッ!!」
…全く、実況者という立場を利用して公の場で好き勝手に言ってくれる。ああ言われたら、俺に逃げ場が無いではないか。
「お兄さん強いんだから、手加減してよねー?」
「同じ吸血鬼を相手に手加減とか自殺行為かよ。くるみの体力の上限は予選で把握してるからさ、ねっぷり虐めさせてもらうね」
「うわ~…ねっぷりとかいう言い方エロいね~…やっぱり変態だね、おにーさん♡」
「そりゃどうも。…くるみには、新しいスペルの実験台になってもらうよ。悪く思わないでくれ。巨人『攻撃特化兵器・戦鎚』!」
へカーティアと戦う時の為に考案したスペルのひとつを宣言し、発動させる。すると地面から、目出し帽と顔が一体化したような妙な巨人が出現する。以前は幻想郷にも流れ着いた日本の漫画・進撃の巨人の(25巻に初登場する)敵方の巨人を参考にさせてもらった。
漫画内では本体と巨人体が別々だが、俺の創る巨人体に本体も何も無いので、コイツは、明確な意志を持つただの巨人だ。ステージのサイズ等の都合で、今回は10m級という小型サイズにした。
「…くるみを倒せ」
指示を送ると、ゴゴゴゴゴ…と地響きのような音を立てながら動き出した戦鎚の巨人。コイツの能力は地面から物を創造できるという優れモノ。俺が与えた魔力の分だけ好き放題に創造可能だ。今回は半分の魔力を与えたので、タッグを組んで創造しまくりな攻撃が可能なのである。
しかし今は、俺からは手を下さずに奴隷にのみ任せる。これもまた、奴隷系スペルを使う上での楽しみだからだ。
「戦鎚と共にくるみを追い込め。巨人『速度特化兵器・
戦鎚と同じく、三分の二ほどのサイズに小型化させてある、小回りや速度に特化した顎の巨人を創造する。俺はくるみを追い込めるように霊力の結界を張っていき、顎がくるみを追って、戦鎚が追撃するというコンボを幾度と無く繰り返す。
顎は、速度だけでなく噛み付き攻撃と引っ掻き攻撃にも特化しており、それは鉄以上の硬度でも噛み砕ける程、引っ掻き傷をつけられる程の強さである。くるみは顎以上の小回りを利かせて回避していくものの、ジワジワと追い込まれていく。
戦鎚はボウガン、顎は巧みに爪を使っている。連射されるボウガンはさながら弾幕のよう。顎の鋭い引っ掻き攻撃は短いレーザー攻撃のようだ。
「もうっ!追い込まれちゃったじゃないのっ!」
やがてくるみは、俺が準備していた結界の隅で身動きが取れなくなった。戦鎚は三連射が可能なボウガンを両手に持ってくるみに向け、顎は爪をビキビキと硬化物質で覆って、「その気になればすぐに攻撃可能だ」と無言のアピールをする。
《個性豊かで面白そうな巨人ね。問題はあなたの魔力が犠牲になりすぎる点…かしらね。もし私と戦う時は、私が魔力をあげるわ♡》
《その時は限られた魔力の中でどれだけ戦えるか試したいから、それはいいよ》
《普段ならそれでいいけど、私と戦う時は、私を楽しませる事に集中して欲しいなぁ~…なーんて思ったり?》
《…へカーティアって無限の魔力だもんなぁ…。その時はお言葉に甘えようかな…》
《そうそう!神の言う事は素直に聞くものよ♡》
建御雷も常日頃から言っていることだ。全く、どうして神というのは皆で口を揃えてそんな事を言うのだろうか。俺だって、俺なりに遠慮したりするというのに…。
「さぁ、どうする?俺のスペルはあと一枚ある。トドメが欲しい?それとも降参する?」
「…三人で囲むなんて卑怯だしぃ…。いいわよ、今日は降参したげるわ。…今日はね」
「ふふ…次も降参させてあげようかなぁ?」
「やだよーん、その時はとことん戦うもーん♪」
「ハイハイ…」
「けっ……決着だぁぁっ!!恐ろしい程の巨体で少女を追い詰めた!!およそ英雄の執る方法とは思えない!しかし手を加えずに降参を促す姿には普段の生温い面影が見える!これにて、一回戦は終了~ッ!!」
「続けて二回戦だね!…このステージの片付けが済んだら、元気にやってこー!」
フランと天子の喧嘩にエリスは関わってるか…?
まぁ、そうですねぇ…幾ら天子でもあんな下らん煽りはしないであろうことを考えると………。
フランの方が上だもん!(と思いたい…)