※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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摩多羅神、再来!?

 霊夢は体力、魔理沙は魔力を回復させながら、雷の発生源を目指して人里の上空を飛ぶ。しかし中々見つからず悪戦苦闘していると、今度は地上ではなく背後から、椅子に座った賢者が現れた。

 

「久しいな二人共。元気にしていたか?」

 

「おっ……隠岐奈ぁ!?」

 

「あんた、どうしてこんな所に……!?邪魔するならブッ飛ばすわよ!」

 

「大した勇気だ、褒めて遣わす。しかしな、私はお前達と戦うつもりはない。どうだ、お喋りでもしないか?久しぶりに」

 

「話すことは何もないわ、そんな暇があるんならあの雷を止めに行く!」

 

「ほう。神であり幻想郷を創った賢者の一人でもある私が、何故この幻想郷を危険に晒したか全く気にならないと。そう言いたいのか。成程成程、聡明なる博麗の巫女殿にはお見通しなのだなぁ。それなら行ってよし」

 

「ぐっ……」

 

「何か聞き出せるかもしれん、ここは大人しく話だけでも聞いておこう。召喚魔法で失った魔力も回復させたいし……」

 

 魔理沙は霊夢にそう耳打ちする。霊夢としては幻想郷を危険に晒したまま放置するようで不本意だったが、魔力不足が原因で敗北しても幻想郷を危険に晒すのは変わらないので、仕方なく彼女の話に耳を貸すことにした。

 

「ったく、なんで魔力回復薬?とやらを使わないのよ……」

 

「置いてきたんだよ、なにぶん急いでたからな。取り寄せるにもその分の魔力が無い上に、取りに帰る時間は無い……。残りの魔力はマスパ一発分あるか無いかくらいだぜ」

 

「はぁ〜……。んで、隠岐奈?話すったって何を話すのよ」

 

「うむ、まぁ、話すというよりは私の話を聞いてくれればそれでいいよ」

 

「何じゃそりゃ」

 

「知りたいんだろう?この異変の全貌を。原因、動機を」

 

「ッ……」

 

 まさにその通りだったので、心を見透かされたようで内心ドキリとする霊夢。だがここまできて話を聞くとなればそれしかないので、読まれても仕方ない、というより読めて普通なので、驚く程でもないかと思考を切り替える。

 

「……私はね。幻想郷を愛してはいるが、紫とは違って過保護ではないんだ。神様が人を守護するだけの存在ではないのと同様に、私も、幻想郷をただ守護するだけの賢者ではないんだ」

 

「それでこの異変を?」

 

「あぁ。紫が結界等を担当する賢者だとすれば、私は仕組みを担当していると言えるだろう」

 

 結界等を担当と聞いて、霊夢は少し前の騒動を思い出した。大結界への攻撃をやめさせる為に、秘密裏に上の立場の人間と交渉していたことを。やはりあれは、紫の個人的な行動ではなく、賢者としての仕事の一つだったのかと、今更ながらに思い至った。

 

「諏訪子から聞いたとは思うが、最近の幻想郷は少々軌道からズレてきているんだ。このままでは滅亡の一途を辿るばかりだろうし、どうにかするしかないと一念発起した我々は、信仰……畏れを集める為にこの異変を起こした。と言っても私は神が暴走しないよう監視する役なんだがね」

 

「……ん?なんか話が逸れてない?なんでそこで信仰や畏れ?が関わってくるのよ」

 

「お前達は、バタフライエフェクトという言葉を知っているかな?」

 

「知ってるわよそれくらい」

 

「確か、小さな事から大きな事に繋がるっていうアレだったか?」

 

「端的に言えばそうなるな。……つまり、信仰の減少が神々の弱体化に繋がり……そして幻想郷の仕組みそのものを狂わせていたんだ。神の存在も幻想郷の根幹と言えるからな。それでも、紫ならまた別な……幻想郷に対し過保護な方法を執るんだろうがな」

 

「確かに、アイツなら幻想郷を危険に晒すようなことはしないわね」

 

「だが私は、幻想郷をギリギリまで追い込む事も吝かではない。幻想郷を守る為なら、どこまでも追い込む。決して幻想郷が壊れない方法でね」

 

「「…………」」

 

「何か、質問はあるかな?」

 

「じゃあ、一つ聞くぜ。幻想郷の為とは言うが、何故へカーティアが加担しているんだ?幻想郷の為なら、幻想郷の神数柱だけで済ますのが筋ってモンじゃないのか?」

 

「生憎、他に力のある神々を私は知らなくてね。厄神だの貧乏神だの、中途半端な奴らばかりさ。そいつらじゃお前達の成長にも繋がらんだろう。だからエスカルゴ経由で知り合った神も呼んだ。エスカルゴは良いパイプになってくれたよ」

 

「『エスカルゴ経由で知り合った神』ですって?それって、まさか……へカーティア以外の異界の神も呼んでるって言うの?」

 

「ノーコメントだ。そうであるかどうかは見ればわかること。聞く必要もあるまい。……他には、何かあるかな?」

 

 質問を考える余裕なんて、今の二人には無い。へカーティア以外の異界の神といえば、二人には一柱だけ心当たりがあり……更にとても苦戦した相手だったからだ。

 その時は神の助けがあってやっと勝てたのだ、それも無しにどうすれば良いというのか。

 

「ふむ、無いようだな。では、おっきーなによる質問コーナーを閉じよう」

 

「なぁ霊夢、何言ってんだこいつ」

 

「さぁ?賢者なんてこんなモンでしょ」

 

「酷い言われようだな。まぁいい。解散するか」

 

「─────って、本当にお喋りだけで済ませる奴があるかぁッ!!」

 

 霊夢が隠岐奈にツッコんだ、まさにその瞬間。霊夢と魔理沙の背後に巨大な光源が現れ、二人を眩しく照らす。

 

「な、何だっ!?」

 

「あれは、太陽……なの!?」

 

 背後に現れたのは小さき太陽。今は小さいが、凄まじい熱と光を放っている。さながら、本当に宇宙から隕石がやってきた様な瞬間にも見える。しかもその太陽は徐々に大きくなってきている。

 

「やっと覚醒(めざ)めたか、あの寝坊助めが。長い間、地獄鴉の中で眠っていたからなぁ……」

 

「まさか隠岐奈……!」

 

「ハッハッハッハ!お前達、まんまと時間稼ぎに引っかかったな。純粋なのは良い事だ。純粋さは純粋な狂気を生む。では、私は仕事に戻るかな。くれぐれも死なないよう気をつけることだな!」

 

「言われなくたって死なないわよ!」

 

「そうかそうか!まぁ、健闘を祈っているよ!」

 

 笑顔で手を振りながら、扉にて向こうの世界へ入っていく。どうやら本気で帰ったようだ。尤も彼女の能力なら遠隔からでも監視などはできそうだが。

 そして、隠岐奈の気配が消えてから、魔理沙はボソリと呟く。

 

「……ある意味、隠岐奈で良かったかもな。この異変に関わってる賢者が」

 

「あんたも同じこと考えてた?」

 

「ああ。紫よりはマシだ。奴も底は見えないが、紫よりはまだマシに思える。紫は全く読めん」

 

「そーね……全くよ。で、魔理沙。失った魔力、多少は回復したのかしら?」

 

「ま、多少はな。隠岐奈の奴、私の魔力の回復も狙いだったのかな。諏訪子が言うにはもう目標は達成できてるっぽいし、隠岐奈としてもこれ以上異変を長引かせる意味はあまり無いはずだ。あーいや、その寝坊助とやらの目覚めを待ったのか。腹黒いヤツめ」

 

「そうね。相変わらず、敵なんだか味方なんだか分からないわね、賢者って奴は」

 

「敵でもあり味方でもあるんだろうよ。幻想郷の味方ってのは揺るがないんだろうがな」

 

「はぁ……気が重い。雷と火の玉……どっち先に処理すればいいのよ……」

 

「「……うーーーん……」」

 

 太陽に照らされて嫌な汗を流しながら、二人は少しの間考え込むのであった。




摩多羅神の神徳ってヘカテーと違って戦闘に特化している部分がほぼないので、へカーティアとは別ベクトルで隠岐奈の戦闘は書きにくいですね。
神徳をそのまま戦闘行為に活かしにくい。多分、隠岐奈は弾幕格闘に向いてない気がします。


エロについてですけど、いつかは天子達以外でもAS書いてみたいですね。でもアナ○は経験無いので、ろくに書けないですね。

R18のタグがついている本作ですが、R-18G書いてみていいですか?

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