※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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守護者達による代理戦争(弾幕ごっこ)

 魅魔と磨弓が幻想郷に転移すると、そこでは、武甕槌命が八咫烏の首を掴んで、ギリギリと締め上げている所だった。

 八咫烏が本性を見せた所を魔理沙は見ていないので、魔理沙は何故神々が仲違いしているのかと魅魔の中でただ困惑していた。

 

「やぁ、霊夢。お前は見ているだけかい?」

 

「……あんた誰!?魔理沙の身体に居るの!?」

 

 封印の準備をしていた霊夢は、それを中断し、御札とお祓い棒を装備して魅魔に敵意を向ける。気配が違うので瞬時に普通の魔理沙ではない事がわかったらしい。

 

「あーあー、そんなに警戒しないでくれ。魔理沙とは合意だよ、合意」

 

「合意?魔理沙が悪霊に身を任せたってこと?」

 

「私は魅魔。よろしくね。一部説明は端折らせてもらうけど、魔理沙の師匠だからね、私は。あと人に仇なすつもりはないよ」

 

「!?」

 

「この磨弓も、そばで一部始終を見ていたしね。合意である証人だよ」

 

 いきなり肩を掴まれて、ビクリと肩を震わせる磨弓。そんな彼女を睨む霊夢だが、磨弓はそれに負けじとコクコクと頷いている。本当ですよ、と無言のアピールをしている。

 

「はぁ〜……。どいつもこいつも、身体に誰かを宿らせるのが好きねぇ」

 

「霊夢も誰かの力を借りればどうなの?例えば、そう……神綺とか。あれくらいの強さだったら、この二柱にも立ち向かえるんじゃないかい?」

 

「あー……それなんだけど、本当の敵はどうやら八咫烏みたいで。本気で地上を焼くつもりらしくって、それに武甕槌命がキレて……」

 

「成程ねぇ、それで霊夢が八咫烏を封印する事になったって感じかい」

 

「そ、そうだけど……何でわかったの?」

 

「封印の術式を組み立ててたろう。私は2代前の博麗の巫女とも面識があってね、その手の術式はそれなりに見る機会があったんだ」

 

「この封印、そこらの奴を相手に使うには無駄に強いと思うんだけど」

 

「靈夢は容赦なかったから。この一言に尽きる。あの子はかなり乱暴だったからねぇ。抹殺とか、埋めちゃえ、とか笑顔で話すくらいだ」

 

「えぇ……」

 

「まぁ、とりあえずだ。私と磨弓と武甕槌命で、八咫烏の力を削ろうか。器を殺さない程度にね。でないと封印は難しい」

 

「はいっ!!」

 

「封印(トドメ)頼んだよ、霊夢」

 

「言われなくても」

 

 ミニ八卦炉に魔力を注ぎ込む魅魔。するとその魔力に気付いたか、建御雷は魅魔に目を向ける。すっかり勝ち誇ったような強気な顔をしている。

 

「話は聞いていたぞ。コイツの力を削るんだと?我が削っても良かったが……まァ魔理沙のためになるのであれば、獲物を譲ってやってもいいぞ。また暴れる前にどうにかするのだな」

 

「ふふ、感謝するよ神様。……磨弓、次の攻撃は君が受け止めるんだ。埴輪を使ってもいい、絶対受け止めな。里を消したくなければね」

 

「ッ……わかりました……!」

 

 パチンと軽くウインクし、磨弓に指示を下した魅魔。彼女が何を考えているのかわからないが、彼女が自分よりも戦うことに慣れていると感じた磨弓は、判断を彼女に委ねることにした。

 そして、建御雷に手を離された八咫烏は、ゲホゲホと苦しそうな咳払いをしたあとに、制御棒を再び二人に向ける。

 

「フッフフフ、これは面白くなってきたな……!オイ魔理沙!悪霊に身を委ねたか!!お前も器になったか!悪霊はどうかと思うが、力を得られるのは間違いないな!」

 

「……力を得られる?面白い事を言うね、神様。私は魔理沙の体を乗っ取ってるけど……魔理沙に力を与えるつもりは無いよ。この子にはトコトン修行して力を高めてもらいたいからねぇ。私が(・・)、神様を倒すのさ」

 

「では聞こうか悪霊、お前は私に勝てるか!?」

 

「勝てるさ。私は強いからね。一撃だよ」

 

「ほう……!ならばやってみろォ!!」

 

「……!来るよ、埴輪出しな!!」

 

「はい!!」

 

「爆符『ペタ……」

 

 キュウウウウン、と聞き慣れないチャージ音が制御棒から聞こえてきた。眩しい光が溢れてくるのが、彼の本気度を示しているような気がする。彼の周囲のモヤモヤした陽炎も大きく膨れ上がり彼を中心に熱波が広がる。

 

「フレア』ァァァァアアアアッッッッ!!」

 

 瞬間、磨弓は埴輪を整列させて熱線を受けて、魅魔は熱線を前にして回避する。魔理沙は魅魔の中で回避は間に合わないと頭を抱えたが、魅魔は魔理沙の箒にも魔力を込め、急加速する。

 

《なっ……え……間に合った……?》

 

《ふふ、驚いているね。魔理沙は加速がちょっとばかり下手なんだ。折角速いんだから、加速にも力を入れたらどうだい》

 

《けど、いちいち魔力を消費してたら……》

 

《継続的に込めるんじゃなく一瞬吹かすだけだ。パッと出してサッと引っ込める。これからはその切り替えの修行をしようか。そういう小さい事が競(せ)った戦いの中では重要になるからね》

 

《わかったぜ!》

 

 ペタフレアを回避した魅魔は、八咫烏の真下に移動していた。上から攻撃してもよかったのだが彼の下は人里、下手に攻撃はできないからだ。

 故に、真上の八咫烏をよく狙い、ミニ八卦炉を構える。

 

「技借りるよ魔理沙。魔砲『ファイナルマスタースパーク』」

 

「─────ッッ!?」

 

「今だ霊夢!」

 

「悔しいけど助かったわ!ハアァァッ……!!」

 

「し、しまったッ……!!く、このっ、こんな、こんな事はァッ!あっては、ならないぃぃぃ!!があぁああっ、ぬあああぁぁああぁぁあっ!!」

 

 御札を何枚か飛ばし八咫烏に貼り付ける霊夢。剥がそうとも八咫烏には触れることさえ叶わず、徐々に力が抑えられていく。

 これでもう大丈夫だ、と魅魔も磨弓も建御雷も安心していたが、苦しげな叫び声を上げ、最後の悪足掻きとでも言わんばかりに弾幕を放出する。

 

「なッ、まだこんな力が……!?魅魔、磨弓!」

 

「いいから封印に集中しな、霊夢!」

 

 魅魔は結界を張り磨弓は埴輪で受け止めるが、それでも幾分か遅れ、幾つかの弾幕が人里に降り注いでしまう。それを見てこれまでかと唇を噛む霊夢だったが、次の瞬間、その弾幕がジュワッと消え失せてしまう。

 

「やっぱりあたいってサイキョーね!神様の攻撃だってなんのそのだよ!!」

 

「チルノ……!!」

 

 八咫烏を倒すまでと待機させていたチルノが、氷塊で弾幕を受け止め空中で相殺したのである。霊夢にとって、チルノがこんなに頼もしく見えたのは初めてのことだった。

 

「里を守ったのはあたいだからね、霊夢!」

 

「ええ、よくやってくれたわ!破ッッ!!」

 

「クッ、クッソオオオオオォォォ……ッッッ!!無念……この屈辱、いつか晴らしてやるぞ……!魔理沙ァ……巫女……建御雷ィィィィ!!!!」

 

 捨て台詞とも呪詛の言葉とも受け取れる聞くも恐ろしい言葉を残して、八咫烏は再びお空の中に封印された。気を失ったお空は落下するものの、霊夢が抱き留める。

 

「フー……一時はどうなることかと思ったけど、何とかなったわね……」

 

「すまなかったな、霊夢。まさか我が同胞があのような野望を秘めていたとは読めなんだ……」

 

「いいのよ、あんたも手伝ってくれたし」

 

「まぁな。……本来ならば、攻撃を食らい慌て、封印されるほどヤワではないのだがなぁ。驕りが過ぎたな、八咫烏。やはり成長しないヤツだ」

 

「やはりって……前にもこんな事が?」

 

「まぁ……神代の頃の話だ。あの頃は我もかなり暴れていたからな、奴の事は強く言えん」

 

「神代ならまぁ……そうね。あんたの方がよほど時代に適合できてて良いと思うけど」

 

「だが、あまり八咫烏を責めないでやってくれ。ヤツも悪気があったのではない。長年眠っていたこともあり、力一杯暴れたかったのだろう」

 

「そりゃ、そうなんでしょうけど。とりあえず、お空の力は、八咫烏の5割程度にしといたわよ。あの人格が表に出ない程度だと思う」

 

「恩に着る」

 

 建御雷は、霊夢に抱えられてスヤスヤと眠るお空に目を向ける。俺がお空の安否が気になっていることに気付いているので、わざわざ注視してくれているらしい。

 

「それで、共闘はもう終わりだけど、どうする?続ける?」

 

「あたいはやるぞ!!タケミ、勝負だ!!」

 

「我は別に構わん。此奴を倒すまでは終われん。エスカルゴの解放までが、異変解決なのだろう?お前達にとっては」

 

「んー……何か違うけど、それでもいっか。あ、武甕槌命、スキマでお空をどこかに移動させて。これじゃ戦えないわ。エキシビションマッチでも重りは要らないし」

 

「やれやれ。神使いが荒いな」

 

 建御雷は守矢神社にスキマを開き、霊夢は半ば放り込むようにしてお空をその中に入れた。少々扱いが酷いので、エスカルゴはあとで霊夢にデコピンしてやろうと憤慨している。

 

「あぁ、じゃあ私と魔理沙は戦線離脱するよ」

 

「は?魔理沙はなんて言ってんのよ」

 

「今の魔理沙はちょっとナイーブになっててね。八咫烏に負けたのが随分と堪えてるんだ(嘘)。戦略的撤退だのと言っても、敗走と同じだしね」

 

「あー……気にすることないのに。でもま、そう言ってるんなら仕方ないわね」

 

「すまないね。じゃ、またゆっくり話そう」

 

「よーし!あたいがお前を倒して、エスカルゴを取り戻す!」

 

「クハハハハ、やってみるがいい!!」

 

 

◆

 

 

《おい、魅魔様!何で勝手に戦線離脱してんだ!戻れ、今すぐ戻れ!戻ってくれ!》

 

 自宅へ戻る道中、魔理沙は魅魔の中で暴れる。先程言っていたことが本意ではなかったからだ。しかし当の魅魔は全く聞く耳を持ってくれない。やっと返事をしてくれたかと思えば─────。

 

《思い上がるな。今の魔理沙では奴に勝てない。霊夢と磨弓とチルノ……まぁ霊夢があの神を倒すだろう。魔力の尽きている今の魔理沙では、荷物どころか守られるだけの存在になる》

 

《ッ……だとしても……!》

 

《だとしても(・・・・・)?なんだい、荷物になってでも場に残って巫女の足を引っ張るのが良いのかい?》

 

《それ、は……》

 

《安心しな。異変はもう終わった。あの神には、もうまともに戦う気は残ってない。単なる遊びで終わるさ。お前は最後まで異変に残っていたよ》

 

《…………》

 

《ところで、魔理沙。思っていたより使い勝手がいいね、このマスタースパーク系は。これ系列で派生技を増やす理由がわかったよ、魔理沙》

 

《へへっ、そーだろ!火力が出るし、綺麗だし、何よりカッコイイ!》

 

《そうだね。じゃあ、そろそろ私は表に出よう。帰ったら修行といくか》

 

《え……今は魔力が乏しいのに……》

 

《なら、出る前にこの肉体に魔力を残しておく。それなら良いだろう》

 

《はぁ〜い……》

 

《だからって、くれぐれも戦いに戻ろうとしないことだね。その時は私を倒してからにしな》

 

《今の私じゃ絶対無理だ……》

 

《ふふふ、よくわかってるね》

 

 この後、魔理沙は初対面である魅魔にみっちり指導してもらい、一日にしてある程度は成長することができた。

 そして霊夢達は、何とか遊びモードの建御雷を下すことができ、器……エスカルゴは解放されたようである。




魅魔様の性能、スピードに関しては魔理沙より上なんですよねぇ。なのでそんな感じで書きます。


つべで見つけた「戎瓔花は積み上げたい」というショートアニメがあまりに良作すぎる。
原作での不憫さ、可哀想さ、自機組の様子がもう最高で、一日数回は見てますコレ。是非見てね。

ウ”ィ”エ”の東方風アレンジの動画、そこまで東方っぽくないなーと思っていたら、ピアノパートに突入した瞬間モロに東方風になってみすちー肌が半端なかったです。
こちらも是非是非。
ちなみにここ数週間ウ”ィ”エ”にハマってます。

R18のタグがついている本作ですが、R-18G書いてみていいですか?

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