せっかく常識を詰め込んだのに、つるむのは常識外れな蓮子という悲しさ……。
一週間はとてもあっという間だった。その間、俺は共に戦うパートナーを見つけた上に、深夜も昼も、寝る時間も惜しんで特訓していた。
昼は美鈴に体術を教わり、または夢子に剣術、もしくはパチュリーに魔法を教わった。その分、深夜は主に一人で反復練習していた。
朝は家族、夕方は美宵ちゃんに癒され、何とか一週間やりきることができた。人間なら十中八九死んでいただろうが、流石そこは吸血鬼の肉体。少し無理をした程度では死なないらしい。
ろくに性欲発散ができず、ある意味で死にそうだが、そこはまぁ、何とかするしかないだろう。俺は意外と我慢できるのだから。
「みんなー!今日は、コロシアムまで来てくれてありがとー!運営代表、進行の河城にとりと!」
「鍵山雛でーす♪」
「コロシアム大きくなってびっくりしたでしょ!これまた、神綺さんに拡大してもらいましたー!それから、ルール説明は前回と同じ、あのお方に説明して頂きたいと思いまーす!よろしくお願いします!」
「それじゃあ、この私、星熊勇儀からこの大会のルールを説明させてもらう!耳の穴かっぽじってよーく聞け!!
一、決闘方法は基本的に弾幕格闘
一、格闘のみor弾幕のみでも可
一、スペルカードは一試合につき五枚まで
一、共同でのスペルも一枚と見なす
一、
一、自爆攻撃は可
一、殺したら失格、死亡者は蘇生の後に不戦勝
一、たとえ片方でも気絶させたら決着
一、降参、棄権アリ
……とまぁ、一部のルールが前回と少しだけ違うから、気を付けて戦ってくれ!以上ッッ!!!」
「ありがとうございましたー!さぁ、早速予選を始めるぞーっ!!呼ばれた二人組はステージに、どうぞぉ〜!!」
「まずはこちらっ!八意永琳&蓬莱山輝夜〜!!そして、サニーミルク&ルナチャイルド〜!!」
「予選後は、クジでランダムにトーナメント表に配置するねー!」
◆
「おーい、エスカルゴー!」
「おぉチルノ、久しぶり。どーした?」
開会式が終わって、予選を見ることなく屋台をブラついていると、チルノが何やら焦った様子で前方から走り寄ってきた。
「あたいこれから予選なんだけどさ、大ちゃんがいなくなっちゃって。エスカルゴ予選やんないんだよね?探すの手伝ってよ!」
「おう任せな、能力フル活用して見つけてやる。ところで、チルノは大ちゃんと組んだんだな」
喋りながらコロシアムの周辺に多数のスキマを展開し、大妖精の気配を探る。こう大量の気配を感じると感覚器官が狂いそうだが、妖精の気配は妖怪と比べて特殊なのですぐ発見できるだろう。
「うん。あたいから誘ったの!」
「ほうほう、イイじゃん。どういう風の吹き回しなんだ?てっきり、ピースと組むと思ってたよ」
「ん、んっとね……最初はね、エスカルゴと出場しよっかなって思ったのね。でも、よく考えたらエスカルゴは本気で優勝目指してると思うから、今のあたいだと邪魔しちゃうかなって……。でも他の奴らとは組めないから、ちょっと無理言って大ちゃんと組んだの」
「足でまといになるかもってか。んなこと、気にしなくていいのに。俺は気にしないけどな」
「あたいが気にするのっ!」
「じゃ、次に2対2の大会あったら、そんときは俺と組まねぇ?俺はチルノとも組んでみたいよ」
「えっ……でもあたい、まだ弱いよ……」
「よく言うぜ。ちょっと前に、ガキになった俺をぶっ倒したくせに……。自分で思ってるほど今のチルノは弱くねぇよ、もっと自信持てって」
「うーん……すぐには難しいよ、そんなの……」
「ま、そうだよな。……大ちゃん居たぞ、なんか迷ってる感じだけど」
「え、どこどこ!?」
「すぐ会えるよ。転移『
入場口付近でアワアワと迷っている様子だったので、チルノを転移させた。今日俺の出番は無い予定なので、魔力の消費を気にすることもない。
チルノと大妖精なら予選突破はカタいだろう。
大妖精は弱いと周囲から思われがちらしいが、大妖精は普通の妖精より強い。だからこそ
耐久力が少し不安だが、大妖精はチルノの為、チルノは大妖精の為に頑張るだろうし、そこまで不安に思わなくても良さそうだ。
今回、霊夢は出場しないと言うなら、決勝戦のような素晴らしい舞台で戦ってみたいものだ。
「……あっ。マジで来てくれたのか!」
「お客を増やすチャンスだと思ったので♪」
チルノを送ったあとも、屋台通りをブラブラとしていると、誘っておいたミスティアが簡易的な屋台でウナギを焼いていた。これで、彼女の懐が少しでも潤えばいいのだが……。ちなみに彼女の
「そっかー、じゃあ、早速注文しちゃおっかな。ヤツメウナギひとつ頼むよ」
「はーい♪」
大会には参加しないらしい。屋台をやるなら、当然の判断だと思う。
ミスティアの話によると、響子は今回も地底に来ようとしたようだが白蓮に見つかり止められたそうだ。ただでさえミスティアとのパンクロックで注意を食らってるのに、勝手に地底に来ようとするのも見つかったとなれば…………。
ヤツメウナギを平らげてコロシアムに戻ると、鬼二人が所狭しと暴れ回っているのが目に入る。相手は文と穹らしい。よりによって天狗母娘とは最悪なマッチングだ。
勇儀が天魔の屋敷に来訪した件で、穹は勇儀がトラウマになっている。彼女の動きがいつも通りではないのは言うまでもない。
萃香はそこに付け入り、呪術で雁字搦めにし、呆気なく気絶させてしまった。それにより鬼達の勝利となり、予選を突破。天狗二人からすれば、不運としか言えないだろう。
力の勇儀、呪術の萃香……最強とも思える組み合わせだ。それにしても、呪術……最近どこかで聞いたような気がしてならない……。
◆
「さぁ、長かった予選も終わって、出場する者が無事出揃ったわ!負けてしまった人も勝った人もお疲れ様でした!!」
「この後、完成版のトーナメント表をコロシアム入口に掲示するから、自分達が誰の次なのかとかちゃんと確認しておいてねっ!」
「これからの流れは前大会と同じだから、是非、最終日まで楽しんでいってね!それから、屋台を出してた人はその場で待っててね、この後河童が場所代の集金に行くそうよ!」
こうして、予選……1日目が終わった。明日はA、Bブロックを終わらせるスケジュールだったはずなので、今晩か、遅くても明日の夜が最後の調整になるだろう。
霊夢が居ないのなら、俺……いや、俺達が優勝しなければならない。幻想郷で俺が2番目になる為には、こんな大会で負けていられない。優勝が目標だ。それ以外の称号は要らない。
そんな決意を胸に、トーナメント表を確認しにいくと、脚立に乗ったにとりが丁度、入口付近に表を貼り付けているところだった。
A
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勇 天 レ 易 チ ス リ 里
儀 魔 ミ 者 ル タ リ 乃
& 様 & & ノ ┃ ┃ &
萃 & フ 蟒 & & & 舞
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┃ ┏┻┓ 美 幻 八 幽 メ 霊
カ 妹 布 鈴 月 千 香 デ 愛
ル 紅 都 & & 慧 & ィ &
ゴ & & ぬ 夢 & 向 & 霊
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妖 藍 小 神 ア 幽 紫 袿
忌 & 町 綺 リ 々 & 姫
& 橙 & & ス 子 隠 &
妖 久 夢 & & 岐 建
舞 侘 子 あ 妖 奈 御
歌 り 夢 雷
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魔 天 鈴 咲 輝 サ お へ
理 子 仙 夜 夜 グ 空 カ
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& 針 巫 弦 永 & お ピ
魅 妙 月 月 琳 さ 燐 ┃
魔 丸 姫 と ス
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A B C D
魔理沙は魅魔と組んだらしい。あの異変の時、魅魔は魔理沙に憑依していたので、俺はまだ直接魅魔とやらを見ていない。どんな姿なのか今から楽しみだ。
易者……こいつは一体、何をしているんだか。蟒蛇……マミさんが退治したはずだが、妖怪などいつ何処で生まれても不思議ではないし、男同士易者と気があったのだろう。
巫月、弦月姫のパートナーも概ね予想通りだ。弦月姫と咲夜さんなら、ベストマッチだろう。
そして個人的に驚いたのがこの組み合わせだ。八千慧とカワウソ霊。なんだこの組み合わせは。あの弱気な霊が果たして戦えるのか……?なにか嫌な予感がしてならない。
それから、幽香と向日葵。恐らく、向日葵とは向日葵妖精を指しているのだとは思うが、強者を好む幽香が、妖精と組むとは思えない。まさか、自分が暴れたいがために、人数合わせとばかりにその辺の妖精を引っ張ってきたのだろうか?風見ではない幽香ならやりかねないから恐ろしい。
更に、妖忌と妖舞だ。組み合わせとしては妥当だろうが、妖忌がこういった大会に顔を出すとは思わなかったので、驚く他ない。曽祖父・曾孫のコンビとは、にとり達運営も驚いたことだろう。
「……あれ?なぁにとり、何で俺んとこハテナになってんの?」
「あぁアレ?相方さんからの提案だよ。なんか、サプライズ登場して皆を驚かせたいんだってさ。確かに私はびっくりしたけどね〜」
「はぁ……なるほど?」
「聞いてなかったの?今からでも修正するよ?」
「いや、いいよ。アイツがそうしたいなら、そうさせてやるさ」
「そっか。ならいいんだけど」
アイツが考えそうな事だ。わざわざ運営に進言してまで隠すということは……驚かせたい誰かがいるんだろう。なら俺も、そのドッキリにノッてやることにしよう。
「あれ、天魔様も来てたのか」
「う、うん……朗らかだけどやっぱ怖いよ……。妖気抑えてたようだけど、なんというか……殆ど隠せてなかったし……」
「威圧感ハンパないよな、あの人。あの人にだけ様付けしてるのもわかる気がするかも。つーか、はたてなのかよ、天魔様のパートナー……」
「はたてねー、さっき会ったけど青ざめてたよ」
「だろうな」
「受付係によると、天魔様は文からこの大会の話聞いたらしいよ。で、参加したいはいいけど二人必要ってことで、それなりに顔広くて、地底とも多少の繋がりのあるはたてを選んだんだってさ。だけど、はたてが天魔様から大会の存在を聞いた時には時既に遅し……天魔様によってエントリーされてた後だったんだって……」
「はた迷惑な話だな……」
にとりは集金に赴き、俺は、再び一人になる。皆は表を確認するなりさっさと帰って行ったが、俺は中々、この表から目が離せないでいた。誰が勝ち上がり、誰が自分達と戦うことになるのか。それを、予想していたのだ。
「おー、ちゃんと私の名前隠れてる〜」
そうしてトーナメント表を眺めていると、背後からパートナーの声が聞こえてきた。振り返るとそこには、両手を広げた彼女の姿があった。
「さっき聞いたんだけど、わざわざ運営に言いに行ったんだって?ご苦労なこった」
「なによー、エスカルゴも驚かせたいでしょう?霊夢のコト」
「まぁね。……霊夢以外も驚きそうなモンだが」
「アハハハッ!このトーナメントでエスカルゴのハーレムに亀裂が入ったらゴメンね?」
「ンな事にはならないだろ、多分。大丈夫だ」
「ふーん……?」
「改めて宜しくな。色んな意味で」
「ええ、こちらこそ宜しくね。霊夢は出場しないらしいけど、ちゃんと優勝してやりましょ」
「おうよ。一緒に頑張ろうぜ、ルーミア」
「もちろん♪」
俺が一番相性良い誰かさん……きっとそれは、フランでも霊夢でも、鈴仙でもチルノでもない。彼女だ。きっと、ルーミアだ。
互いに涙を見せて、真に腹を割って話せている彼女とだったら……きっとどんな難敵、強敵にも立ち向かえる。そんな気がする。
今週もチェンソーマン読んで死にました
尊厳破壊が過ぎる
おのれマキマ許さん
罫線トーナメント表はズレていたか?
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ズレてた
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ズレてなかった