※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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投稿予約したつもりがされてなかった



Aブロック本戦 〜圧倒的格差〜

       A

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勇 天 レ 易 チ ス リ 里

儀 魔 ミ 者 ル タ リ 乃

& 様 & & ノ ┃ ┃ &

萃 & フ 蟒 & & & 舞

香 は ラ 蛇 大 ラ リ

  た ン   妖 ル グ

  て     精 バ ル

 

 

 

「Aブロック1回戦、1試合目!こ、これは……まさに夢の対決だぁっ!!新旧妖怪の山の支配者対決ッッ!!星熊勇儀&伊吹萃香ペアvs天魔様vs姫海棠はたて〜!!」

 

「紗……おっと、この場では天魔と呼ぶ方がいいのかな?」

 

「儂としても、そうしてくれると助かりますなぁ勇儀殿」

 

「ハハッ、天魔ってばキャラ崩壊してない?変に緊張してるんだねぇ。ね、はたてぇ?」

 

「カエリタイカエリタイカエリタイカエリタイ……」

 

「はたては人数合わせに過ぎない!ここは私が、お二人の相手をしましょうぞ!」

 

「そりゃないよぉ、2対2だよぉ?」

 

「そうだ。己が力を奮いたいがために誰かを呼ぶのは良くないなぁ」

 

「くっ……すまんなはたて、今一度愚かな上司に従ってくれい」

 

「カエリタイカエリタイカエリタイカエリタイカエリタイカエリタイ……」

 

「な、なんか、色々とやばい気がするけど……!それじゃあ、始めぇぇぇっ!!」

 

 合図と共に動き出す勇儀と天魔。一方萃香は、霧となって見えなくなってしまう。空気に紛れ、勇儀の動きに合わせるつもりらしい。

 

「オオオオオオォォッ!!!」

 

「ぬぁぁっ!!」

 

 勇儀は大きく腕を振りかぶり、真上から天魔に拳を振り下ろす。腕で受け止める天魔だが彼女も負けておらず、足が砂に埋まるほど、しっかりと耐えている。

 

「ひっ、ひゃあぁぁぁっ……な、なんで、なんでこうなるのぉおおおおおっ……」

 

「ばあ♡」

 

 ステージの隅で頭を抱えて蹲るはたて。しかしそんな彼女をどうにかしようと、萃香が、頭だけ彼女のそばで実体化させる。

 はたてがおかしくなったのは言うまでもない。

 

「びやぁああああっ!!いやあああああああ!!たしゅったしゅけてええええぇあやああああ!!あ゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っっっ!!!」

 

「あっ」

 

 会場中に響き渡る程の大声で泣き叫びながら、目にも留まらぬ速さで飛び立ち、どこかへ行方を晦ましてしまった。

 

「え、えーと……姫海棠はたて……試合放棄!!よって勝者、勇儀&萃香ペア!!」

 

「「「えええええええええええぇぇぇええぇぇっっっ!??」」」

 

「オイ萃香、あんたのせいだよ!」

 

「えぇ〜私ぃ?天魔は勇儀が相手するんだから、私ははたてと遊んでもイイじゃん」

 

「勿論そうだが、逃げられては意味が無いだろ?全く、これだから遊び気質な奴は……!」

 

「勇儀だって紗……天魔と遊んでたじゃ〜ん」

 

「は、はたての奴め……こ、この、この儂に恥をかかせおって……!!」

 

「けどさ、元はと言えばあんたのせいだよ紗那?せめて文なら良かったのになぁ。娘とエントリーされる前に予約しときゃあ……ねぇ、勇儀?」

 

「うんうん。はたてを責めるのはダメだ、お前の落ち度だからな」

 

「くっ…………ですな、自戒します……」

 

 赤くなった顔を見られたくないのか、天魔も即その場から飛び立って、どこかへ消えていった。ただ、勇儀と天魔の殴り合いによってステージは既に半壊状態。もし試合が続行されていたら……半壊どころか全壊……否、崩壊していただろう。

 この一瞬だけでも天魔の恐ろしさが会場の皆に伝わったはずだ。

 

「そっ、それじゃあ、気を取り直して2試合目にいってみよー!」

 

「まずはこちら!レミリアお嬢様とその妹フランドール嬢!!お相手は〜……えっと……?元不良易者、今は冒険者!?易者&蟒蛇〜!!」

 

 会場はイマイチ盛り上がらない。皆からすれば

「誰だアイツ?」「誰だ!?」……のような感じだからだろう。ましてや易者は、俺の分身に憑依してるので俺の2Pカラーのようになっている。

 

「それでは、始め〜!!」

 

「あの人の彼女さん達が相手か……!しかしこの易者、決して手を抜きはしない!!」

 

「や、やめとこうぜ易者ぁ……俺ァ、勝てる気がしねぇよ……」

 

「何アイツ、エスカルゴのパチモン?」

 

「そうね。フラン、半殺し(や)っちゃいなさい」

 

「はーい♪」

 

「ッ!?消っ……」

 

 圧倒的速度で肉薄し、拳を構える易者の顔面を殴り飛ばすフラン。頭など吹き飛びはしなかったものの、背中が壁にめり込んだ易者は、泡を吹き白目を剥いて倒れた。

 それを見て、デカい図体の割に小心者の蟒蛇は易者を抱えて敵前逃亡してしまう。尤も、逃げずとも易者がダウンした時点で敗北は確定しているのだが……。

 

 

◆

 

 

 そして試合は進んで、俺が予想していた通り、チルノと大妖精は2回戦まで勝ち上がった。ただその次の相手が里乃と舞であることが気になる。季節の力無しに、チルノ……そして大妖精が敵う相手なのかどうか……。ハッキリ言って、里乃と舞は強敵だと思う。

 

「1回戦は全体的にアレだったけど、2回戦こそ激しい戦いを期待しているぞー!」

 

「という訳で2回戦、いってみよー!まずはこのペア!山の四天王の二人、勇儀&萃香ペア!!」

 

「やるぞー!」

 

「吸血鬼には負けんさ」

 

「そんな二人の相手をするのは、こちらの姉妹!レミリア&フランドール!スカーレット姉妹ー!こちらもかなりの実力者です!どうなるのか全く予想できない!」

 

「舐めてかかると大怪我しそうね」

 

「普通の攻撃じゃ傷一つつかないけどね〜!」

 

「激しくなるのは間違いないだろうね!それじゃ始めィ!!」

 

「1枚使うね!禁忌『レーヴァテイン』!」

 

「構わないわフラン、トバしなさいッ!私も……

『レッドマジック』!!」

 

 蝙蝠になり、当たり判定を極めて小さくさせ、大きな弾幕を複数発射して、その軌跡には小粒の弾幕を残す。勇儀も萃香も、力任せの弾幕を発射するも、フランは炎の剣で斬る上、レミリアには掠りもしない。

 二人が自分達の思っている以上に戦闘慣れしていると判断した勇儀達は、先程の天魔戦のように手分けして戦うことにした。

 

「いくよレミリア、死ぬなよッッ!!」

 

 勇儀は正面から殴ろうとして、被弾しようともそのまま真っ直ぐに突き進んでくる。レミリアはそんな勇儀に特攻中の彼を自然と重ねて、これはまずい、このタイプは難敵だと内心舌打ちする。

 弾幕を放ちながら距離を取るが、勇儀は瞬時に追いつき、当たり判定が小さいにもかかわらず、その大きな拳を蝙蝠レミリアに叩きつけた。

 

「ギッ……!」

 

「お姉様!?」

 

 血を噴き出しながら、人型に戻ったレミリア。しかしそこには、普通あるはずのもの……右腕が失われていた。フランは悲鳴にも似た声で驚いたものの、彼女本人は何が起こったのかがまだ理解できていないようだった。

 

「は?腕、が……?この、私が……腕を失くす、ですって……?」

 

 二の腕の途中で吹き飛ばされている。断面から溢れる夥しい量の血を見て、ようやくその事実が理解できたようだった。

 

「おっとすまないねェ、いつも戦ってるのがヤツだから、つい力加減をミスっちまったよ。ヤツは不死身、手加減無用だからねェ」

 

「全く、相変わらず鬼ってのは雑なのね……!私そんなに再生力高い方じゃないんだけど……」

 

 腕だけではなく身体にもダメージがあったか、口元から一筋血を垂らしている。フランはそんな姉の姿を見て勇儀に殺意が湧くが、そのドス黒い感情を抑え込み、レーヴァテインを振り回す。

 

「よくもお姉様をっ……!!」

 

「萃香」

 

「あいよっ!」

 

「きゃっ!?」

 

 萃香はフランの背後で実体化し、羽交い締めにして彼女の自由を奪う。鬼の力だ、いかにフランだろうとその拘束からは逃れられない。

 

「ハアアアアアァァァァッ……!!」

 

「カハッ……」

 

 勇儀は軽めに掌底を叩き込むと、フランはレーヴァテインを手から失い、目を白黒させる。

 レミリアは既に大量の血を失って、ゼェゼェと荒い息をしている。こういった怪我に全く慣れていない彼女だからこそ、自分が腕を失った事すら心の底から信じられていないほどだ。

 

「運命……『ミゼラブルフェイト』……!!」

 

「なんのちょこざいなッ!」

 

「チョロいねぇ」

 

 何本もの鎖を出すが、勇儀も萃香も、拳一つでそれを粉砕してしまう。過去にはあの大悪魔をも拘束したこの技だが、ある種の超越者には、全く通用しないのだとレミリアは痛感してしまう。

 桁違い……あまりにも桁違いなパワーだ。このデタラメなパワーが相手では、力で劣る吸血鬼に勝ち目は無かった。それこそ、俺のようにゾンビ特攻を仕掛けるしかない。

 しかし不死身ではない二人にそれはできない。ぐるぐると渦巻く思考の中で、レミリアが出した答えは─────。

 

「フラン、起きてる?」

 

「……お姉様は、生きてる……?」

 

 腕の再生が済んで、新しく生えた手でグーパーしてみるレミリア。前の腕と変わらない機能だ、これなら大丈夫だろうと彼女は一旦安心する。

 

「最後、合わせなさい。奴らに一矢報いなきゃ、負けても負けきれないわ」

 

「わかった……本気出してやるッ!!」

 

 腹を押さえながら起き上がるフラン。妹はまだやる気十分だ、これならイケるかもしれない、とレミリアは拳を握り締める。

 二人が構えるのを見るや、降参するだろうなと予想していた鬼達も構え直す。萃香も実体化して二人を迎える気満々である。

 

「行くわよッ!」

 

「うん!」

 

(嫌な運命(みらい)ね……。でも、何もしないで降参するくらいなら────!!)

 

 二手に別れる姉妹。力は鬼に劣る吸血鬼だが、速度ならば鬼に勝る。それを活かしての攻撃だ。できる限り飛び回って速度を上げていくと、遂に二人は姿を見失う速度にまで到達する。そして、姉妹同時に真上から引っ掻くように腕を振るい、勇儀、そして萃香の首を刈り取らんと迫る。

 しかし、姉妹の努力虚しく────。

 

「「無駄だよ」」

 

「「ッ……!!」」

 

 軽く拳を振り上げる二人。拳の先にあるのは、レミリア……そしてフランの顔。鬼二人と姉妹のリーチはあまり変わらないものの、戦闘の経験は二人が勝っていることもあり、姉妹の動きを予測した上で拳を回避していたらしかった。

 顔面に拳を喰らい、二人は呆気なく気を失い、ステージに力なく落下してしまった。

 

「まだまだ青いね、再生力鍛えて出直しな」

 

「マトモな戦法じゃあ、私らには勝てないよ〜」

 

「きまった〜ッ!!圧倒的パワーで吸血鬼姉妹を沈めたー!!なんてパワーだ、なんて強さだ!!この二人を止められる猛者は現れるのか〜!?」

 

 ─────勝てない。あまりにも、強すぎる。デタラメな強さとはまさにアレだ。もし仮にこの大会で俺達と彼女達が戦う事になれば……わざとでもいいから彼女達の攻撃で一旦死んで、勝利をもぎ取るしか……。

 しかし、そんな勝ち方で勝っても嬉しくない。何か、ルーミアと勝てる方法はあるのだろうか。

 前回のように永遠亭陣営にて試合を見ていて、内心焦りを覚えている。こんな調子で勝てるとは到底思えない。

 

「お次の対戦はこちら!怒濤の勢いで勝ち進んだ妖精コンビ!チルノ&大妖精〜!!」

 

「対するは後戸の国からやってきたダンサーズ!爾子田里乃&丁礼田舞ーっっ!!」

 

「あわわわ……ま、まずいよぉ……」

 

「大丈夫だよ大ちゃん、あたいが守るっ!」

 

「ぷぷぷー、守りながらで僕達と戦えるかな?」

 

「もーっ、そうやって油断しないの!あの妖精、お兄さんが鍛えてる妖精だから、結構力つけてるはずだよ?」

 

「げー!嫌だなぁ」

 

「それでは、2回戦2試合目、始めッ!!」

 

 合図が出されるとすぐに炎の弾幕を放ち始める大妖精。そしてそれに続くように氷の弾幕を放つチルノ。属性違いの弾幕は、属性魔法を使う者になら有効だろうが、この二人に通じるかどうか。

 

「ふっふっふ、そんな弾幕僕達には通じないよ!里乃!」

 

「わかった!」

 

「「弾舞『二つ目の台風』!!」」

 

 二人を中心に弾幕が放たれる。カーブ、そしてカクカクと曲がってからカーブを描くように動く厄介な弾幕だ。チルノは初見ではないようだが、大妖精はその限りではない。

 

「やっ……な、何これぇっ……」

 

 消せども消せども、里乃達の御札の弾幕は止むことは無い。チルノの後ろに隠れたりもしたが、それではダメだと表に出るも、余計被弾に被弾を重ねてしまい、ダメージが蓄積してきた。

 一方大妖精を守ると息巻いていたチルノだが、里乃達がチルノの予想を遥かに超える程の密度で襲いかかってきたので、実はチルノも、手一杯な状態だった。

 密度、そして複雑に混じり合う弾幕。右も左も弾幕だらけで、見て回避するなんて大変だ。ほぼ感覚頼りである。

 

「くっそー!ちょっと早いけど……バーニングなあたいになってやる!ハアァッ!!」

 

「「ッ!?」」

 

 チルノは溜めていた熱を放出し、バーニングチルノに変身した。こうなると余計に一筋縄ではいかなくなるので、かなりの強敵だと言える。

 

「な、な、なんとぉッ!?氷の妖精がっ……炎の妖精に変身したァァァァ!?」

 

「こ、これは一体どういう事でしょうか!?」

 

「燃えろ燃えろ燃えろ燃えろおおお!!あたいが全部燃やし尽くしてやる!!」

 

「これは凄いねぇ、妖精のキミがここまでの力をつけるなんて……!プライベートで戦ってみたいかもしれないな〜」

 

「そうねー、ルールが定まってる戦いじゃあ弾幕ごっこの中でもあまり力出せないし……」

 

「んー、どうする?降参する?」

 

「しとこっか。次に期待ってことで!」

 

「そだね!」

 

「……!今だっ!」

 

 顔を合わせて大きく頷いた里乃と舞は、弾幕の発射をやめてしまう。それを受けてチルノは今が勝機とばかりに攻め立てるも……。

 

「私(僕)達、降参しまーっす!」

 

「ええええええっ!?本当に降参しちゃうの!?な、なんで……!?」

 

「今度、プライベートで戦ってみたくなってね!次が楽しみだから、降参するね!」

 

「えぇ〜……。でもまぁ、仕方ないか……」

 

「逃げるなー!お前達、逃げるなー!!」

 

「大丈夫、キミとの勝負からは逃げないさ!また今度、ゆっくりキッチリ、改めて勝負しよう!」

 

「ッッ…………」

 

 こうして、モヤモヤした勝利の仕方で2回戦は幕を下ろした。明らかに組み合わせが悪かった。しかしこれも運である。

 むしろこの結果に不安を覚えたのは鬼二人だ。何か、次の戦いについて嫌な予感がしていた。

 

 

◆

 

 

「ふむ。山の四天王というのはわかりませんが、恐ろしいパワーですね。全てを捩じ伏せられる、圧倒的な力……。私達のブロックに鬼が居なくて助かりましたね。流石に私も負けますよ。あんな圧倒的暴力には……ね」

 

「そうですね、吉弔様……。奴らの本気の攻撃が当たったら、とっくに死んでるのにもう一度死にそうです」

 

「ふふ……今の戦いを見る限りでは本当にそんな感じがしてきますね。吸血鬼の肉体というのは、殴って壊れるほどヤワじゃない。それすらも破壊するというのは……恐ろしいものですね。決勝のトーナメントで当たらないことを祈りましょう」

 

「ですね」

 

「一つ懸念があるとすれば、私と同じブロックの英雄さんのペアが未だ不明なことですね。尤も、誰が相手だろうとあの作戦は有効でしょうが……それまで、あなたは速攻でやられない事ですね」

 

「もちろんです吉弔様!」

 

「よろしい」




前からよく描写してた通り、エスカルゴvs勇儀は毎回エスカルゴ死んでます。少なくとも、1回は死にます。能力と再生力の併用で、ゾンビ特攻を仕掛けてやっと勝てるという程度です。
レミフラ、再生力は普通の吸血鬼レベルなので。
ただし、宴会時は瀕死で済んでますが、勇儀からすればじゃれあいなので、戦いとしてはノーカンですね。
もしエスカルゴが不老不死じゃなかったら勇儀は彼相手でも手加減しなくてはならないので、勇儀からすれば好き放題に力を奮える遊び相手という感じですね。

前回の反省を活かして、サクサクっと進むように書いてみます。

罫線トーナメント表はズレていたか?

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