「……んっ……ふわぁぁ…」
起きたぞ…。…あれ?鈴仙居ないや…。
ガラッ
「!」
「あ、起きたのね!おはよっ、エスカルゴ♪」
「…おはよ」
「朝ご飯作ってきたよ♪お粥だけどね」
「ありがとう」
「フー…フー……はい、あ〜ん!」
おおおっ!!
「…あー…」
パクッ
「どう?美味しい?」
「うん、美味しい!」
「良かった♪あ、今日はお昼頃退院出来るってさ!」
「そっか。わかった」
「ごちそうさまでした!」
「全部食べてくれたね!」
「そりゃ、美味しかったからな」
鈴仙の料理は病院食と団子しか食べたことないけど、それだけなら咲夜さん越えてるかもしれない。
どちらも美味いけどなぁ…。
「ありがとっ!そうだ、お腹休めたら、渡したいものがあるんだ!」
「…?」
“お腹休めたら”ってことは食べ物か。
1時間後
「そろそろね。今持ってくるわ」
「ほーい」
なんだ?
「ジャーン!」
お、もう持ってきたのか。なんかお皿持ってるし。
「私も居るウサ!」
てゐがひょこっと顔を出す。
「………おはよう」
「ガクッ……そこからウサ…?」
「挨拶は基本中の基本だぜ?」
「そ、そうウサね。おはようウサ」
「おう。…で、持ってるそれは…一体?」
「今日は何の日かわかるウサ?」
「俺が退院する日」
「そっ…それはそうウサね。でも、もっと世間的な…行事ウサ!」
??????
「…?わかんないな…」
「正解は…バレ…もごっ」
「てゐ?答えは私に言わせて?」
「もごっ…」コクコク
「?」
バレ?バレット?
「今日はバレンタインデーよ♪」
「あ…」
すっかり忘れてた。外の世界じゃあ苦痛でしかなかったから、記憶から抹消していた。
「そこで、お団子作ったの♪食べて!」
「おお、ありがとう!」
「私も作ったウサ♪食べて欲しいウサ♪」
「…………」ジー…
「な、何ウサ!?」
「いや、何でも。じゃ、てゐのから頂きますか」
「えー?私のから食べてよー…」
「てゐのやつ、ぜってぇなにか入ってんだろ」
「………」
「鈴仙のは、お楽しみとして取っとくのさ♪」
「ならいいんだ♪」
「いただきまーす」
パクッ
「んっ…」
なんだ、普通に美味…い?
ピリッ
なんか辛いぞ。
ゴクン
「おいてゐ。中になにか入れたろ?」
「す、少しだけウサ…」
「何入れた?」
「…辛子」
「うーわ…団子に辛子とか…やめろよな…」
「…逃げろっ!」
「逃がすか!混合武器『雷刀&雷銃』!!」
ジャキィィィン!
「ウサぁ!?」
全方位からナイフでてゐを囲む。
これは咲夜さんのをモチーフにしたものだ。
自分のスペルも、合わせれば少しは強くなる。
「喰らえ」
パチン☆
ギュッ
ナイフが一斉にてゐに降り注ぐ。
「ぎゃああああ…」
「へっ…全身痺れたろ」
「ウ…サ…」
「エスカルゴ…えげつないわね…」
「辛いんだもん」(・ε・` )
「ふっ…そうね」
「じゃあてゐの団子…残りは一口で食べるとして…」
「食べるの!?」
「捨てるのは勿体無いだろ?」
「そうだけど…」
「お茶ある?」
「うん、あるわよ」
「ならそれで流し込もう」
「喉に詰まらせないでよ?」
「わぁってるよ」
数分後
「はぁ…辛かった…」
てゐは既にどこかに行ってしまっていた。
「お、お疲れ様…」
「でも、やっと鈴仙のお団子が食べれるぜ」
「ふふっ、味わって食べてね♪」
「おう!」
パクッ
「ん〜っ!美味しい!」
いつもとは少し味が違うような気がするけど…これはこれで!
「良かったー!」
「ごちそうさまー!」
美味しかったのであっという間に食べてしまった。
「味わってって言ったのに…」
「味わったよ?すげー美味しかった!」
「それならいいけど」
でも、身体がなんか変なんだよな。
なんか胸が熱いというか変な感じ…。
「どうしたの?」
「いや…なんで…も?」
ん?なんか鈴仙の顔見たらすげームラムラしてきたんですけど何ですかねこれは?頭がボーッと……。
…我慢は身体に毒だよな。
「鈴仙!!」
「キャッ!」
ドサッ…
へへ、押し倒してやったぜ。
「な、何?」
「…なんかすげームラムラする!…良いか?」
「え…ええええ〜!?」
「俺もう我慢出来な…」
バーン!
『!?』
「はいはーい、良い所ごめんウサー!お師匠様から伝言で、“やっぱりまた今度にしてくれ”だってウサー!」
『……………』
「ほい、これ飲んで!」
「てゐ…これは?」
「解毒薬らしいウサ。何飲んだウサ?」
「知らんよ。…それ本当だろうな?」
「うんうん、天地神明に誓って嘘じゃないウサ!」
嘘くせー…。
「んじゃ飲むぞ。お茶お茶…」
ゴクンッ
「…ふぅ…」
なんかムラムラが治まったな。
「私が思うに、鈴仙がお団子に混ぜてた粉が原因かもしれないウサね」
「え?粉?」
「…………」
「れ〜い〜せ〜ん〜?」
「え…えへへ…お師匠様から、“これでオトシちゃいなさい♪”って渡されたから…」
「永琳先生か…ったくあの人は…」
なるほど、媚薬だったのか。
だからあんなにムラムラしたのね。
はー、薬効きすぎだわ。
「ごめんねエスカルゴ…」
「大丈夫大丈夫、気にすんなって」
「うん…」
「…あと、これも預かってきてるウサ。ほい」
『何これ?』
これ、どーみてもポッキーだよな?
「“2人で食べて”、って言ってたウサ。じゃ、私はこれで〜」
戻ってったし…。
「よし食べるか!」
「なら私が食べさせてあげる!」
パクッ
「おっ…!」
「んっ♪」
棒の片方を咥えて、もう片方を食べてと促す鈴仙。
紛れもなくポッキーゲームだわこれ。
「イイのか?」
「んっ!」コクッ
「オッケ」
パクッ
「んん!んふふーふ!」
ごめん何言ってるか分からない。
「あえうおー(食べるよー)」
「んっ♪」ニコッ
通じたか?
そしてそのまま食べ進める。
「ん…」
もう唇がくっつきそうだ。
「んっ!」
「!!」
鈴仙が最後の一口分を食べた。
チュッ
「んむっ!!」
柔けぇ〜…!
「ふふっ…チューしちゃったね♪」
「お、おう…」
「あっ、あと⑨本あるよ!食べよ!」
「お、おう!!」
あと⑨回も…ふへへへ…。
数十分後
「あはは…あは…」
俺はもう頭がオーバーヒートしている。
顔が熱い…多分真っ赤なんだろうな。
それに、呆けた顔をしてそうだ。
「照れるよぉ…」
鈴仙も顔を真っ赤にしている。
「ありがとな…美味かったよ」
「私も…美味しかったわ♪」
「ふふっ…またやろ?」
「うんっ!」
ダダダダダ…
『!?』
バーン!
『エスカルゴ!!』
「お、おお…フランにレミリア…どした?」
「迎えに来たのよ♪帰りましょ♪」
「そーそー!咲夜も待ってるわ」
「そ、そっか…」
鈴仙は玄関まで見送りに来てくれた。
「またね、エスカルゴ♪」
「おう、またな!」
「お大事に!気を付けてね!」
「わかってるさ」
バシュッ
すっかり体調も良くなった。
頭の調子もいい。いや、さっきオーバーヒートしたから反動でボーッとしてるだけか。
「帰ったら、渡したいものがあるの。受け取ってもらえるかしら?」
「ん?」
なんだろ…?
「わかった」
「私も渡したいものあるけど…お姉様のあとで良いわ♪」
「あら、珍しいわねフラン。そうさせてもらうわ」
「うふふっ…♪」
そんな話をしていたらあっという間に着いた。
『ただいまー!』
「ただいまーっと」
「今持ってくるわ」
「おうよ」
まさかレミリアもお菓子…いや、そりゃ無いか。
「ね、エスカルゴ」
「なんだ?」
「私、部屋戻ってるから、お姉様のが終わったら部屋に来て?」
「りょーかい」
「忘れないでね!」
「おうよ!」
走って戻って行った。コケるなよー。
お、レミリア来た。
「…これ、あげる」
「こ、これは…!」
カップケーキじゃないか!
「今日、バレンタインデーでしょ?だから昨日…咲夜と作ったの。…食べてくれる?」
「もも、もちろん!」
おお…レミリアからお菓子…泣きそうだぜ…!
「あ〜ん…」
「!?」
「早くして」
「…あ゙ー…」
ガパッ
「うわっ…牙が凄いわね…」
「いや、それはレミリアもな」
「うっ、うっさいわね…。ほら、食べさせてあげるから」
「……」
パクッ
「すげぇ!ふんわり焼けてるじゃないか!」
「ふふーん♪頑張ったんだから♪(咲夜と)」
「ありがとうな!美味しかったよ!」
「ふふっ…嬉しいけど照れるわね…」
「また食べたいな♪」
「また来年作ってあげるわ」
「おおっ♪楽しみにしてるよ!」
あ…ホワイトデーのお返し…。
えーと…鈴仙とてゐとレミリアな。よしよし。
「そうだ、フランに呼ばれてるんだった。また後でな!」
「わかったわ」
フラン…どうしたんだ?
「入るぞー」
一応呼びかける。
「あ!ちょっと待って!呼んだら入って!」
「…わかった」
呼びかけて正解だったな。
数分後
「いーよー!」
「ほーい…」
ガチャッ…
なんだこの匂い!?甘ったる!!
「!?」
「ハッピーバレンタイン♪エスカルゴ♪」
「お…おま…」
全身にチョコを塗りたくったフランがベッドに寝ていた。
「ほーら、シーツが汚れちゃうわ」
「ド、ドースレバイイノカナー?(棒)」
「もう…早く舐めて?」
「………………………………………………」
理性☆崩壊
十数分後
「ふぅ…」
明日は舌が筋肉痛かもな…。
「エスカルゴったら…すっごくガッついてたわね♪」
「し、シーツが汚れちゃうからな!」
「私の裸を早く見たかったんでしょ?」
「んー?何のことかなー?」
「とぼけたって無駄よ♪」
「へへっ、そうかそうか…」
あー、エロかった…。舐める度にピクピク反応するからめっちゃくちゃ興奮したわ。
じっっっくり見させてもらいましたよ、可愛い可愛いフランの「○○(自主規制)」
「んー…」
「どした?」
「お風呂入らない?」
「!?」
「このままじゃ身体が…」
「うん、舐めとったとは言えベトベトするよな。よし行くか」
「うんっ!」
カポーン…
「気持ちいいわね〜…」
「そうだな〜…」
「お互い裸だとなんか変な感じね」
「……うん」
念の為に腰にタオル巻いてるけどな。
「なぁ…さっきのさ…」
「さっきの?」
「身体にチョコ塗ってたやつ」
「あれがどうかしたの?」
「あんなの、どこから覚えてきたんだよ?」
「パチェの図書館よ」
「………」
ホント、あそこってなんでもあるよな…。
「風邪引くかもしれないぞ?」
「部屋は暖かくしてるもの、大丈夫よ♪」
「ま、まぁな…」
あんなあられもない姿見たら…ああああああああ、思い出して興奮してきた…!
「どしたのエスカルゴ?顔が真っ赤っか」
「の、のぼせちゃったかな」
「こんな早く?」
「おう。そろそろ出るよ」
「はぁ〜い…じゃあ私も出るわ」
「………」
「ふぅ…スッキリしたぜ」
胃もたれしそうだなや…ま、それはそれでいっか。
「あのエスカルゴさん」
「んぁ?あ、小悪魔」
「あの…これ…」
「!」
小悪魔が差出してきたのは、ハート型のチョコだった。
「お、俺に?」
「は、はい!」
「良いの?」
「もちろんです!食べて下さい!」
「いただきまーす!」
ポリッ…
……ん?
「ど、どうですか?」
「うん、とても美味しいよ、ありがとう!」
これ……味が無いぞ……!?無味って!!
どういうことだ!?舌が馬鹿になったか!?
「良かった〜!初めての生成魔法、成功だぁ!」
「おお、おめでとう!」
なるほど…魔法で作ったのね…。
まぁ、こういうのは味じゃねぇよ。“気持ち”さ。
「ごちそうさま!」
「喜んでいただけましたか…?」
「うん、もちろん!ありがとうな!」
「〜〜!!」
あら…羽パタパタさせて図書館の方に行っちゃった。
「ふぅ…」
手近な椅子に腰掛ける。
「ねぇエスカルゴ」
「!!」
ビックリした…急にパチュリー出てくるとか…。
「ど、どうしましたか?」
「さっきの小悪魔のチョコ、どうだった?」
「ふぇ?美味しかったですよ」
「味無かったんじゃない?」
ピクッ…
「…やっぱりそうだったのね…ごめんなさいね」
「!?ど、どうしたんです?」
「まだあの子は魔法が完璧じゃないからね…。覚えたての生成魔法であのチョコ作ったのよ。まぁ、次までに完璧なチョコ作れるようにしたげるから、楽しみにしてて」
「は、はい!」
流石はパチュリーと言ったところか。
見抜いてるとはなぁ…。
ガチャッ
「あの〜…」
!!
「美鈴さん?どうしたんですか?」
「エスカルゴさんにお客様が…」
「わかりました、すぐ行きます」
「お、大妖精にチルノ」
「え、エスカルゴさん、ハッピーバレンタイン…です…」
「さいきょーのあたいが来てやったぞー!」
「ち、チルノちゃん!(汗)」
「おお、わざわざ来てくれたのか。ありがとうな」
「かき氷作ってきてやったぞ!はい!」
かき氷!??!…まぁ…チルノらしいな。
「…いただきまーす」
スプーンを作ってかき氷を食べ始める。
シャリッ…
「…口溶け滑らかで、氷だけでも何故かいけるな」
「はっはっはー、そーだろそーだろー!やっぱりあたいはさいきょーだ!」
「ごちそうさまっと…」
腹冷てぇ…風呂入ろうかな…。
「私も…持ってきました!これ、どうぞ!」
「おお、ありがとう!これは…焼き鳥だな!」
「そうです!ミスティアちゃんのところの焼き鳥買ってきました!」
「なるほど!あれ美味しいよな!」
「そうなんです!ぜひ食べて下さい!」
「早速!いただきまーす!」
パクッ
「ん〜!ほどよく温かくて、タレと肉が上手く絡み合ってて…やっぱ美味しいな!」
「そうですよね!ふふっ、喜んでいただけたようで嬉しいです!」
「2人共、ありがとうな!」
「へへっ!」
「ふふふっ」
「じゃ、遊びに行こ、大ちゃん!」
「そうだね!」
行っちゃった…。
ヒュオオオ…
「うー、寒いな…中入ろ…」
「なのか〜♪」
「!」
この声…ルーミアか。
まさかまた背後取られるなんてな…。
「エスカルゴ〜」
「よっ!どうし…うわぁ!?なんだそれ!?」
デカい黒鳥……烏!?
「んー?チルノと大ちゃんが何かあげてたから、私もエスカルゴになにかあげようと思って〜」
「そのデカいのはなんだ?」
「烏!飛んでたから捕まえた!食べて!」
「お、おう…今晩の夕飯にでも…」
咲夜さん、大丈夫かな?
「生で食べないの?」
「食べるかぁ!生では食べないよ!」
「そっかー…じゃあもう1つあげる!」
「?」
「“私”をあげる!」
「…ん?どういう事かな?」
「私のこと食べてもいーよ!」
「………」
何言ってんだルーミア…。
「いやいや、ルーミアのこと食べれる訳ないだろ」
「?私の血飲んでいいよってことだよ?」
ガクッ……言い方何とかせい…。
「じゃあ少しだけ飲ませてもらうな」
「うん!」
ルーミアの首に口を近づけ…
カプッ
「あっ…」
チュウウウ…
「んんっ…うっ…」
「プハッ…ふぅ、ごちそうさま!」
「あれ…もうお終い?」
「ああ、もう十分だからな」
「そっか…。その鳥、絶対食べてね!」
「おうよ」
「じゃあ帰るね、またねー!」
「またな!」
スキップしながら帰って行った。
「…これって…バレンタインに数えるのかな?」
まぁいっか。入ろ。
「わっ!なんですかその鳥!!」
あれ、美鈴起きてたのか。
「今ルーミアから貰ったんです。凄いですよね」
「あはは…そうですね」
ガチャッ
「おかえりなさいませ。なんですか、その鳥は」
「ルーミアから貰ってきました。今晩の料理にどうぞ」
「わかりました…あと、少しお時間よろしいですか?」
「はい?…いいですよ」
「では…厨房まで付いてきて下さい」
「…はい」
なんだろう?
まさか咲夜さんまで…いや、それこそ無いか。
その頃────博麗神社
「みんな、準備は良い?」
「おうっ!お酒もバッチリ持ってきた!」
「もちろんだぜ!」
「準備万端よ」
「それじゃあ行きましょっ!紅魔館へ!」
『おー!』
なんとか、スキマ時間使って…!