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魔 天 鈴 咲 輝 サ お へ
理 子 仙 夜 夜 グ 空 カ
沙 & & & & メ & &
& 針 巫 弦 永 & お ピ
魅 妙 月 月 琳 さ 燐 ┃
魔 丸 姫 と ス
り
「色んな意味で壮絶だったCブロックも終わって遂に最後のブロックが始まるぞっ!えーっと……魔理沙と組むのは、大昔の魔法使いにして悪霊?しかもそんな悪霊も今では魔理沙の師匠らしい!つまり師弟コンビだね!」
「お相手は、遥か天界から地上に舞い降りた天使ならぬ天子!比那名居天子!パートナーは小人の末裔、少名針妙丸!厄介なペアだって話だわっ!どんな戦いを見せてくれるのか、楽しみね!」
「なんか紹介アッサリ過ぎじゃない?ここで私の力を示して、圧倒的な強さを目に焼き付けさせてやるわ!」
「私じゃなくて私達ですぜ天人様!へっへっへ」
「……その喋り方、まさかあんたは夢の針妙丸?ま、別にどちらでもいいんだけど」
天子が普通に天人してる……と、そう見ていいだろうか。違和感がハンパじゃない。針妙丸より違和感がある。快楽主義者と言ってもいい天子が何故あんなに真面目を気取っているのだろうか。アレを違和感と呼ばずしてなんと呼べばいいか。
「とうとうお披露目だよ魔理沙。大丈夫かい?」
「モチロンだ、魅魔様!今日も、そんで明日も、優勝してやる!」
「その意気で頑張りな」
「私の活躍がスゴすぎて魅魔様の出番を潰したらごめんなっ☆」
「そうだね、決勝までは魔理沙に任せようかね。それくらいの力が今の魔理沙にはあるだろうし」
「へへっ……♪」
あれが魅魔か。前回は魔理沙の中に入っていて姿が見えなかったが、ようやくその姿を拝めた。緑の長髪、魔導師のような服装、The・オバケな足の無い霊体……三日月のついた杖。溢れる力がとんでもない圧力を生んでいる。少女というより大人の女性に見える。
「厄介コンビと師弟コンビ、勝つのは一体どっちなのかぁぁっ!?Dブロック1試合目、始め!」
「『六震-相-』」
「ッ!?」
無造作に天子が剣を刺した。すると、地に足をつけていた魔理沙は、距離があるにも関わらず、すっ転んでしまった。
「な、何だ、今の……足元が震えたような……」
「私の射程距離はステージ全体だってのを示してあげたのよ。どう?あなたとは格が違うのよ」
「言うじゃないか不良天人め」
「いっ、言ったわね……そのNGワードをッ!!トバすわよ、針妙丸!『全人類の緋想天』!!」
「そんなモンで、鍛え上げたこの私に効くかっ!よく見ろ、これが本物だッ!!魔砲『ファイナルスパーク』ッッ!!!」
周囲の気質を集める天子のこの超大技は、技の性質故により多くの気質がある地上の方がずっと威力が高い。地底でやったところで……だ。
「この私が、押し負けるですって……!?そんなことがあるわけ無いでしょ!!」
「あるんだなぁこれが!!お前は打たれ強いし、強気でいくぜ!!」
火花を散らしながらレーザーをぶつけ合う二人だったが、目に見えて天子が押されてきている。もう少しで天子にぶつかるという所で彼女は更に力を加えつつ、相方の針妙丸に助けを求めた。
「くっ……!針妙丸、知恵を貸して!あの悪霊が
「うぇっ!?えーと、えーっとぉ〜〜〜…………策は二つあるんですけどぉぉぉ……!!」
「判断が遅い!!どっちでもいいわ!私がそれに合わせるから!!」
「ひゃいっ!?じゃ〜こうすればいいんだぁ!!夢幻の小槌よ、我が願いを叶えたまえ〜!!」
針妙丸がシャラン、シャランと小槌を降ると、魔理沙のファイナルスパークが天子を貫く。一体何をやったんだと目を見張るものの、煙のせいでよく見えない。
「よくやったわ!地震『先憂後楽の剣』!!」
「へへっ……1試合につき一回だけですからね、安全に小槌を使えるのは!!」
「それで十分!この技で仕留める!!」
ゴゴゴ、と地響きが聞こえてくる。この音には嫌というほど聞き覚えがある。自身の前触れの、あの音……天子が癇癪を起こした時のあの音だ。
「ま、まずい!?」
慌てて飛び上がる魔理沙。天子は土煙の中から飛び出すなり、剣を無茶苦茶に振り回して彼女に追いすがる。スカートの先を斬るが、しっかりと当てる事は叶わない。魔理沙の方が僅かに速度が上回っているのか、距離が離されている。
どうやら、貫かれたと思っていたが瞬間移動のようなものをしたらしい。やはりあの小槌、大抵何でもありか。かなり厄介そうだ。
「針妙丸ッ!!!」
「はいはい!小槌『お前が大きくなあれ』!!」
あろうことか、針妙丸は、対象を巨大化させるあのスペルを天子に使った。速さで追いつかないなら、身体を大きくしてしまえばいい……などと考えたのだろうが、思い切った事をするものだ。
「なっ、なんだと!?」
「アンタは落ちなきゃダメなのよッ!!」
「ガッ……」
飛び上がる魔理沙を、巨大化天子は真上からの平手打ちで地面に叩き付けた。すると素晴らしいタイミングで先程の天子のスペルが発動した。
即ち、巨大な地震が発生したのである。
クセのある時間差攻撃、それから対地面特攻が持ち味のあのスペルは、「攻撃対象をどう地面に押さえておくか」が大きな問題だったが、天子は小槌による巨大化という力技でそれを解決した。中々ヤバそうなコンボ技だ。
「う、がっ、く、あ……た、立て、ない……!」
上下に大きく揺れる地面。故に魔理沙は、地に叩き付けられたままの姿で未だ立てないでいる。地面に固定され衝撃を受ける様は、まるで飛べぬ雛鳥のようにも見える。
「これで終わりよおぉぉぉっ!!」
「……足が無くて良かった、本当に良かった」
「……!?魅魔、様……逃げて……」
魔理沙を潰そうと拳を振り下ろす天子、しかしその拳の前に立ちはだかるは彼女の師匠の魅魔。三日月のついた杖を振りかざすと、天子の動きが止まった。何かに縛られたかのように、不自然にピクピクと動いてもいる。
「うご、けない……!?」
「おやおや、天人様とやらはこの程度の結界すら破れないのかい?つまらないねぇ、少しだけ強度落としてあげようか?」
「バカにしてえええぇぇっ……!!」
「魔理沙」
「ありがとな魅魔様!まさか、こんな序盤で使うことになるとは思わなかったけどな……ッ!魔砲『ファイナルマスタースパーク』ッッ!!!」
ミニ八卦炉を巨大化天子に向け、まさかのこのスペル。奥義にも近い扱いをしていたはずだが、天子の肉体は魔理沙の言う通り打たれ強いので、この技まで追い込まれてしまったのだろう。
「ダメだ、天人様んこと大きくしすぎたぁっ!?場所が狭くて瞬間移動できないいいいいッ!!」
「瞬間移動なんて必要ない、こんなのは正面から受け止めるまでぎゃああああああああっっ!!」
「天人様ーーー!!」
爆発した。まるで、ギャグ漫画にも似たノリで終わった。しかし、魅魔のサポートが無ければ、どうなっていたのかわかったもんじゃないほどの競った勝負だったとも思う。
天子の打たれ強さなら、俺もよく知っている。何しろ雷刀が壊れるのだから、並大抵じゃない。鋼鉄の肉体みたいなものだ。いや、鋼鉄以上だ。魔理沙がトドメにファイナルマスタースパークを選択したのも納得がいく。
「じょ、序盤からギリギリの戦いだったね……!巨大化は治るのかな?治らないのならコロシアムから出すしかないけど……」
「大丈夫ー、すぐ治せるからー」
針妙丸がまた小槌を振ると、ステージに倒れた巨大化天子が元の大きさまで縮んだ。針妙丸では運べないので、運営の河童達が運んでいくようで針妙丸はそれについていっている。
やがて、例によって母さんが壊れたステージを修復し、次の試合に移る。
「あ、次私達だ。いってきますのちゅー……♡」
「まーた巫月は……。公衆の面前なのよ?」
「別に何でもいいもーん」
「エスカルゴも何か言ってよね。……って、エスカルゴは一番頼りにならなかったわね」
「別にいいじゃないか、公の場でできる数少ないスキンシップだ」
「これもできない部類だから。相変わらず倫理観バグってるわね」
とうにキスを済ませている俺達を見て、鈴仙は溜め息をついた。妊婦にストレスをかけることは良くないが、既にヤッてるなら仕方ない。
「さて、次の試合にいってみよー!」
「永遠亭のプリティウサギコンビ!妊婦の鈴仙、動いても大丈夫なのっ!?そして、幻想郷イチのファザコン娘、巫月!いつの日か、お父さんとの越えちゃダメな一線を越えそうで楽しみにして、じゃなくて心配してるわ!」
「本音漏れてるよ!雛の性癖どうなってるの!?いや言わなくていいけど!」
「そういえば、出産予定っていつ頃なのかしら?前大会の時点でお腹は大きかったはずだけど」
「来月よ」
「それはおめでたいわね。でも動いて大丈夫?」
「問題無いわ、薬で身体強化してあるから。破水ですら抑え込めるわ」
「に、妊娠中の薬物摂取はちょっと危険だと思うけど……まぁ永遠亭製のお薬なら大丈夫よね!」
「不安なところもあるけど、無理はしない程度に頑張ってね!」
「そんなウサギ母娘のお相手は……メイド母娘!何の因果か、母娘vs母娘の対決になっている!!お父様の目を引こうと髪を伸ばしている弦月姫、前大会の時よりも伸びてるわね!?もしかして、吸血鬼なのに成長が早いのか!?それとも魔法か何かで……!?」
(だから、何故そうやって見抜けるんですかっ!毎回毎回、正確に……)
「弦月姫、鈴仙は狙ってはダメよ」
「わかっていますよ、お母様」
「しかもこちらは能力もまるっきり同じな母娘!弦月姫の方はお花の能力もあるし、相性は最高に良いかもね!これは期待できるね!それじゃ〜、始め〜いっ!」
合図と共に左右に散る鈴仙と巫月。共に弾丸の弾幕を放つが、二人はちょくちょくこまめに時を止めて回避していく。やがて、少しだけ大きめの隙間を見つけるや否やそこに飛び込み二人同時に宣言する。
「「奇術『エターナルミーク』」」
「うっ……雷壁『雷纏反撃壁』!」
二人のあのスペルは、二人には珍しくナイフを使わずに速い弾幕をひたすら放つ弾幕だ。色や、その性質故に夢幻姉妹の発狂弾幕のような感じがしてならない。
「巫月、こっちもカバーして……って、アレ?」
「あなたの事は狙わないわ鈴仙。妊娠時にこんな大会に出るなんて……どうかしてると思うわよ。私なら無理……いや、難しいわ」
鈴仙が自分の方に弾幕が来ない事を訝しむと、そんな鈴仙に気付いた咲夜さんがワケを話した。しかも妊娠中にこんな大会に出るなと暗に諭している。相変わらず優しい人だ。
「いいの?私はあなたを狙うわよ」
「フッ……いいわ、かかってらっしゃい。お腹の子を傷付けないように、さっさとあなたをダウンさせてあげるから」
「言ったわね咲夜!」
鈴仙の動きは、万全な体調のときの半分よりもずっと遅い。どれほど妊娠が負担になっているかわかる。そして咲夜さんは、そんな鈴仙を横目で見るや、隣の弦月姫に指示を出して鈴仙の相手をすることにした。
「……弦月姫、あとは任せたわ」
「まっ……任せて、くださいっ……!」
咲夜さんが抜けたことで、エターナルミークの密度が半分になる。巫月はそれを狙い、壁を消し弦月姫に立ち向かう。
巫月は雷刀で弾幕を斬り進み、弦月姫は弾幕は諦めてナイフで近接戦闘に移行する。
年齢は3つ違うこの二人、しかし見た目年齢は全く同じだ。何なら、弦月姫の方が姉に見える。
「エスカルゴウケ狙って髪伸ばしてるって、それ本気なの?もしそうならそれ相応の対応するよ」
「ええ、本気です……!まだお姉様ほどじゃないですが、私だって────!!」
「そのくらいでエッチなアレコレを許してくれるほど、エスカルゴは甘くないからっ!」
何をムキになってるのか分からないが、巫月は雷刀を地面に刺してそれを起点に弦月姫に蹴りを見舞う。アレは確か俺がよくやる蹴り……まさかコピーされていたとは。
弦月姫は蹴りを手の甲で受けて、至近距離からナイフを投げる。巫月はそれを身体を捻ることで回避し、その回転を利用して、追加で回し蹴りをする。
「くぅっ……!」
セミロングの髪を靡かせて、弦月姫が倒れる。首元に雷刀を刺し、弦月姫の行動を封じる巫月。二人共よくやったと思う。巫月は当然、弦月姫のこともよく褒めてあげたい。
一方、咲夜さんと鈴仙は。
「どこ行ったの鈴仙!見えない……ッ!!」
光学迷彩スーツ無しで姿を消せる能力は、正直凄く使い勝手がいいと思う。しかも、妖怪蔓延るこのステージ、如何に近距離とはいえただ一人の気配を辿るのも相当に難しい。
あちこちから時々放たれる弾幕が、徐々に咲夜さんを追いつめていく。このままいけば兎母娘が勝つ、そう思っていたのだが…………。
「足元がお留守ですよ、お姉様」
「!」
弦月姫が足払いすると、巫月の身体はフワリと宙に放り出される。着地前に弦月姫は時を止めて全方位にナイフを設置した。
そのとき、申し訳なさそうな……動物で言えば耳が垂れ下がってそうな顔で、弦月姫はチラリと俺を見た。巫月に血を流させることは俺の怒りを買うと思ったのだろうが、姉妹喧嘩みたいなものなんだし、そこはあんまり気にしないでほしい。
「────そして時は動き出す」
「あっ……!?」
ザクザクと地面に刺さるナイフ。ここにきて、弦月姫の遠慮と優しさが裏目に出た。ナイフは、一本も巫月に刺さっていない。それどころか掠りすらしていない。
「情けをかけたつもり?」
「違っ……」
「私は違うけどね!!」
弦月姫のナイフを数本拾い上げた巫月はそれを弦月姫の足を狙って投擲。真っ直ぐに飛んでいくナイフは彼女の白い肌の太ももに突き刺さって、鮮血が宙を舞う。
「あぐっ……」
「さぁ、降参するなら今の────」
「降参するのは巫月ちゃん、あなたよ」
時間停止を利用して移動した咲夜さんは巫月の首元にナイフを突き付ける。左右から当てられているなら、もうどうにも動きようはない。
「……鈴仙は?」
「リボンで手足を縛らせてもらったわ。あなたに指示を出したり危険を教えられないように、布を噛ませた上でね。まぁ、捕らえる為に差し出した向こう傷の代償に見合う戦果でしょうね」
「なるほど、気絶こそさせてないけど戦闘不能にさせたってことね」
「流石のモノ分かりの良さね。弦月姫にも、これくらいの理解力が欲しいわ」
(お母様、なにも公衆の面前でそれを言わなくていいじゃないですか……)
「じゃー降参しまーす。ナイフ当てられてるし、もう勝ち目無いよね。やっぱ時間停止ってチートすぎだよ」
「弦月姫相手にはそのチートに打ち勝っているんだから、おあいこよ」
降参を口にした以上、もう取り消せやしない。だから、咲夜さんはナイフをホルダーに収めて、巫月の頭をポンポンとする。
咲夜さんと巫月の絡みは見た事がなかったが、案外咲夜さんは、巫月を子供扱いしていない……ように見えなくもない。
「あれっ!?ほ、ホントに縛られてる!?しかもステージに転がされてるぅ!?いつの間に……!気付かなかった!!」
「鈴仙は姿を消して襲ったみたいだから、それを縛るあの人の技術は凄いわね。……降参について賛同してくれるかしら?」
雛がそう問うと、鈴仙はコクコク頷いた。もうどうにもならないのは、鈴仙もよく分かっていたからだろう。
鈴仙の出産が来月ならば、霊夢は再来月あたりだろう。俺も忙しくなる。気張らなければ。
「じゃあ降参ってことで……!」
「メイド母娘のっ!勝利だ〜〜〜〜っ!!」
「……」
結果的に巫月に勝利した弦月姫。しかし、全然勝った気がしないどころか負けた感じすらある。だから弦月姫は勝利を告げられても全く喜べないのであった。