※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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身近に居たオタクちゃん

「エスカルゴさん!私、新しい技術を得たので、実験台になってください!!」

 

「ストレートに言われると一周まわって気持ちがいいな。いいよ、外行こう」

 

「やった!お願いします!」

 

 図書館で本を読んでいると、突然美鈴が大声を出しながら入室。そのせいで、パチュリーは誰が見ても明らかなほどに顔を顰めて、美鈴を睨む。しかし当人は、そんな事は全く気にしておらず、俺の腕を掴み、外へ引っ張っていくのであった。

 

「よーし……!いきますよぉぉぉッ!!」

 

 門を守るように立つと、左手の甲を俺に見せるように構える。すると、「コォォォォ……」と、初めて聞く呼吸音が彼女の口から聞こえてくる。そして地面を蹴って肉薄するなり、叫ぶ。

 

「山吹色の(サンライトイエロー)波紋疾走(オーバードライブ)ーーーーッッ!!!」

 

 すると山吹色のオーラを纏った美鈴は、目にも留まらぬ速度で拳を繰り出す。どうにかして回避しようにも、美鈴は俺の回避する先を読んで拳を放っているので、何発かは腹、胸と顔に喰らってしまった。

 すると、俺の体に妙な現象が起きる。

 

「ゴブォッ……ウォエ゙ッ……」

 

 日光耐性ならあるはずなのに、拳を受けた腹、胸、顔の三ヶ所を基点として体が蒸発し始めた。視界が無くなり首まで蒸発が進み、胴体が消え、そこで意識は完全に途切れた。

 すぐさま復活すると、美鈴は目を輝かせながら俺が倒れた所を見ている。

 

「何だ、今の……?」

 

「“波紋の呼吸”ですっ!!」

 

「波紋……?」

 

「あれれ、エスカルゴさんはご存知ないですか?ジョジョ、外の世界ではガンダムと並ぶくらいに国民的漫画だと早苗さんが言ってたんですけど」

 

「あ、あぁ〜……多分、そうだと思うよ。俺でも少しは知ってるくらいには有名だし……」

 

 まさか美鈴の口から「ジョジョ」という言葉を聞く日が来るとは。この世界に、ジョジョが存在しているのか?鈴奈庵でも見なかったのに……。

 

「でも波紋は知らないんですかー?」

 

「ちょっとだけ知ってる程度なんだよ。3部から6部までなら……」

 

「そうなんですね。私は1部から3部です!それ以降はあんまり興味が湧かなくって……。それに1部と2部は特に格闘要素が強いですし!!」

 

「その格闘が波紋……ってやつなの?そういや、3部でジジイがそんなの使ってたような……」

 

「3部でジョセフが使ってましたね。咲夜さんは私よりもジョジョが好きなんですよ!特にDIOが好きだそうです!しかも、ザ・ワールドなんて、スペル名として使うほどなんですからっ!ナイフ攻撃も確かDIOの真似として始めたはずですし」

 

「アレってDIOの真似だったの!?」

 

「はいっ!」

 

「時間停止の能力を持ってるなら、DIOの真似をするには丁度良すぎるよな……成程そうか……」

 

「すぐに真似できるなんて羨ましいですよね〜。私なんて、30年以上も稽古を続けて、やっと最近近いものを得られたんですよ?すぐ使えるようになるなんて、ジョナサンは本物の天才ですね〜」

 

「ジョナサン……えっと……承太郎の祖父の祖父だったっけ……?」

 

「そうですそうです!まぁ、首から下はディオに乗っ取られてしまうんですけどねぇ〜。いやぁ、主人公が死んで次の世代に交代する漫画なんて、あの時代ではそうそう見かけませんでしたから、かなり衝撃的でした!」

 

「美鈴、漫画好きだもんなぁ」

 

「特に格闘漫画が好きですね!」

 

「だよねぇ。……てか、何で紅魔館にジョジョがあるんだ?咲夜さんも知ってるんだし、紅魔館にあるんだよな……?」

 

「ありますね!」

 

 俺は全く見かけたことがないが……。そもそも大図書館の漫画のある場所に殆ど行かないから、外の漫画に気付けないというのもありそうだ。

 

「幻想郷に来るちょっと前に咲夜さんが紅魔館に来たんですが、有名種族であるはずの吸血鬼すら知らないような世間知らずな子だったんですよ。そしたらお嬢様が、吸血鬼の凄さを漫画を通して伝えようとしたんですっ!自分で吸血鬼の凄さを語るのは気が引けたんでしょうね〜」

 

「確かにレミリアは語らないわな」

 

「その際に、吸血鬼が出てくる漫画として候補に上がったのが『ジョジョの奇妙な冒険』でした。日本に来る予定が出来た頃だったので、敢えて、日本の漫画を選んだわけです」

 

「そんな経緯が……」

 

「そして3部まで読み進めた咲夜さんはすっかりDIOに憧れるようになって。幻想郷に来てスペルカードルールを知るなり、最初に作ったスペルが

『幻世「ザ・ワールド」』だったはずですよ」

 

「どんだけ好きなんだ……。そんな素振り、全く見せた事ないのに」

 

「普段はほぼ完璧ですからねぇ」

 

「……美鈴、俺もまだ知らない咲夜さんの一面を知ってるんだな。妬けるなぁ」

 

「咲夜さんとの付き合いは、あなたよりもずっと長いですからね♪」

 

「チッ」

 

 思わず、本気の舌打ちが出てしまった。美鈴の言うことは全くその通りであることもそうだし、咲夜さんのそんな一面を知っているというのも、心底羨ましい。

 

「……と、話が逸れてしまいましたね。それで、ジョジョ1部と2部に主に出てくる技術の中に、波紋の呼吸というのがあるんです。色々な用法がありますけど、戦闘面での主な使い方としては、吸血鬼や屍生人(ゾンビ)、あと柱の男の弱点である太陽のエネルギーを送り込むんです!」

 

「マジで吸血鬼特効の技術じゃん、コワ〜……」

 

「思ったより完成に近かったので良かったです!ありがとうございました!……あ、殺しちゃってすみません!……てへっ♪」

 

「『てへっ♪』じゃないよ全く。別にいいけど。じゃ、俺は読書に戻るから……」

 

「あ、はい!わかりました!……あ、もしかしてジョジョ読んじゃう感じですか!?もしそうなら今度語り合いましょ!!」

 

「お、おう……。だけど、あぁいう能力バトルの漫画を読んじまったらアイディアパクってもっと強くなるぜ、俺。俺は真似るのが得意だからな」

 

「それならそれで腕が鳴るというものです!」

 

「そんときは、美鈴が実験台になってくれない?誰かさんと違って殺しゃしねぇし」

 

「ははは……楽しみにしてますね!」

 

 ひとまず、美鈴に呼ばれるまで読んでいた本を読み終えた後、本当にあったジョジョの単行本を1巻から読み始めた。

 俺から見て参考になりそうな能力は多数あったものの、実用的なのは能力より「戦法」だな、と考え直し、より深く作品を読み込んでいく内……それなりにハマってしまった。




神主によるジョジョパロを今更ながらこんな風に説明してみた。これによって、紅魔郷レミリアのパンの枚数の下りもすんなり説明がつくという。
ついでに、美鈴に吸血鬼特効の技術も備えさせて超強化。美鈴にはどれだけ盛っても良いんだよ。格闘なら盛りすぎて良い。
今回出す波紋は山吹色(サンライトイエロー)か緋色(スカーレット)で迷ったけど、やっぱり波紋といえば山吹色かな、と。
美鈴の事だし自分(オリジナル)の波紋も開発してそう。
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