「話しなさい。何なの?何が起きたの?」
「ッ……」
「じッ、実はッ……信じてもらえないかもだけど……俺、霊愛に襲われてだな……それで……」
「は?」
「でも!それからは合────」
「合意かどうかは問題じゃないの。わかる?まず、親子で何やってんの?そこ聞いてんの。わかる??アンタがどこの誰とヤろうが、別に、私からすれば知ったこっちゃないの。だけど!……それが、自分の子供となれば話は別でしょ…………!?アンタ、一体何をやってるの?自分の子供でしょ?」
「けど俺は抵抗ができねェ状態にされたんだよッ!手を動かすことも!足を動かすことも!!声すらも出せない状態になったッ!!」
「じゃあそうだとして、よ。セックスするには勃起する必要があるわよね?なんで娘に勃起してんの?頭、大丈夫?ダメそうねぇ。死ねば?」
「……な、なんで、勃起したって……」
「霊愛の股から精液垂れてんでしょうがッ!服にもついてんでしょーが!何なのよ!?実の娘に、なに生中出しキメてんの!?アンタそんな頭イカれてる男だった!?そうなんでしょうねェこうして中出しセックスしてた証拠があんだから!!ほらアンタも何か言いなさいよ霊愛ァッ!!」
「うッ……」
お祓い棒で霊愛の肩を叩く霊夢。これはまずい。かなり怒っている。
かなり強く叩かれた霊愛は、倒れながらも震える手で畳に額を擦り付けて、土下座をする。
「ごめんなさいっ……!私がお父さんを襲いました!お父さんは悪くない!怒るなら私を怒ってっ!!」
「なんでアンタがそんな意味不明な行動に出たのか分からないけどこのバカがちんこを勃起させたのは紛れもない事実よね、ならどちらか片方が悪いとかそういう話じゃなくなるのわかる?合意なのよね?
「やめろ霊夢っ……!」
未だ土下座する霊愛の襟を掴み、ガクガクと強く揺さぶる霊夢。俺はそんな彼女の腕を掴んで止め、目を回している霊愛を奪い、抱き締めるようにして庇う。
「霊愛は、悪くないんだ……!悪いのは……一瞬でも興奮してしまった俺なんだ!!」
「だぁ〜かぁ〜らぁ〜!!悪いのはァ……どっちもっつってんでしょぉ……??アンタらには倫理観っつーモンが無いのかしら?無いからこんな事ができるんでしょうけど?本当に狂ってるわね?」
「「…………」」
「霊愛ァ!!」
「……はいっ……」
「アンタ何考えてんの?てかこのバカが言った事は事実なのかしら?」
「事実、です……!私が……お父さんの動きを封じて逃げられないようにして……!私から逃げようとするお父さんをこの部屋に無理矢理連れ込んで!私が、お父さんをレイプしたの!!この御札が証拠っ……!足に貼って妖力とか封じて動けなくさせて、口にも貼って喋れなくさせたの!!合意って認めさせて、さっき剥がしたばっかで!本当は、これは合意でもなんでもないっ!私が一方的に襲ったの!!」
震える手で、グシャグシャになった御札を見せる霊愛。霊夢はそれを奪うように手に取り、残留した霊力を感じ取る。その御札には、俺の残留した妖力などが残っているはずだ。
だからなのか、霊夢は御札を持ったままで俺達を睨みつけるだけになってしまった。
「ふん。確かに霊愛の霊力がメチャクチャ残ってるわね。本気でこのバカを封じたのね。けどね霊愛、私は、霊力を父親レイプに使えと教えた覚えは無いけどね??」
「はい……っ」
「……父親を襲うってことは、習わなくても禁忌だと分かるわよね?」
「はい……」
「何で父親を襲ったの?」
「…………それ、は……」
「言わなきゃ絶縁。出て行きなさい。巫女の仕事は霊麗にやらせるから」
「ッッ………………う、うぅ……好き、だから……!」
「あ?」
「好き、なの……お父さんのことがっ……!」
「…………………………………………はぁ???」
「私、お父さんのこと好きだったの……!ダメだってわかってたけど……!だ、だからっ……だからっ!!え、えっ……エッチ、したくなっちゃったの……!」
「……エスカルゴ、アンタちょっと席外してくれる?パンツもズボンも履いて縁側で坐禅組んでなさい」
「ハイ……」
◆
最悪だ。頼みの綱のお父さんが席を外した。私は正座でお母さんはその前に立っていて……。絶望的な状況すぎる。お祓い棒で叩かれた肩が、まだ痛む。
「霊愛」
「はい」
「アンタ、自分の言ってることわかってんの?」
「……はい」
「実の父親よ?血を分けた父親よ?」
「……わかってる」
「好き?」
「好き」
「……どうして、こんな事になったのかしらね。もう意味がわからないわ……。なんて言えば良いのかも、全く分からない……」
「…………」
「アイツの魔力にヤラれたワケじゃなさそうだし……きっとその想いは本物なんでしょうね」
「…………うん」
「本当は許しちゃいけない事だけど……仕方ないの、かな……これは……」
「…………許して、ください……お願いします…………」
お母さんが揺らいでいる。好機だ。この好機に、上手いこと漬け込むしかない。
私は、痛む肩も気にせずに畳に手をついて、再び額を擦り付ける土下座をして見せた。お母さんは、露骨に大きな溜め息をついて、私の頭をお祓い棒で軽く叩いた。
「……誰にも言っちゃダメ。私達家族だけの秘密よ。仲の良い子にも口外は禁止ね。例えば巫月ちゃん、穹ちゃんでも弦月姫ちゃんでも。魔理沙にも、ね。わかったの?」
「……はいっ……!」
「……。エスカルゴ呼んできて。それから風呂入ってよく股洗いなさい。
「はい!」
パンツを持ち、太ももに垂れる精液を拭きながら子供部屋を出る。お父さんはバカ正直にお母さんの言葉に従っていて、縁側でキチンとキレイな坐禅を組んでいた。
納屋の方から妹と弟の声が聞こえてくる。私達の騒動は、いくら地獄耳と言えどきっと耳には届いていないだろう。それなら安心できる。
「……お父さん」
「霊愛っ……!大丈夫か?殴られたりとか、そういうことはっ……」
「うん。……お風呂、入ってくる。あと、お母さんがお父さんのこと呼んでた……」
「っ……わかっ、た……」
「……ありがとう、お父さん。巻き込んでごめんね、大好きだよ」
「……ああ。俺も大好きだ。後は任せな。やれるだけやってみるから……な?」
「うん……気を付けて、ね……?」
「わかってる」
私の頭をポンポンと撫でて、お父さんは小走りで子供部屋に向かった。
私は暫く風呂に入らず、少し離れた所から2人のやり取りを聞かせてもらっていた。それによると、やはり娘相手に勃起した事を問い詰められていて、お父さんは平謝りに平謝りを重ねていた。
顔面に股がったり、お母さんの真似をして舐めたことなどは伏せていてくれた。
やがて、バチンバチンと嫌な音が聞こえてきた。ビンタ数発と暫くの間のセックスやキス等の禁止で許してもらい、何とか、離婚だけは免れたそうだ。
本来の霊愛は、霊麗みたいに語尾に伸ばし棒がつくような、間延びした喋り方をします。前回のラストみたいな感じのです。アレこそが本来の霊愛です。
あとよく笑います。今は、普段から仏頂面ですが。
身分差とか近親とか、こういう「禁断の恋」的なのメチャクチャ好きなんですよねぇ……。
エスカルゴは、巫月は恋愛相手というか、女として見てますが、霊愛の事は子供として見ています。