「雷武器『雷斧』!!うおおおお!」
「雷武器『雷刀』!!ハァァァア!」
俺らがこうして武器を交えるのは何度目だろうか…もうかなり長くこうしているような気がする。
けれど実力はほぼ同じくらい、しかも互いに攻撃は効かないのでかなり長引いていた。
「雷斧『雷撃一振』!!!!!」
「ウオッ」
スペルで一時的に攻撃力を上げ叩きつける。
だが、やはり全く効かない。
「チィッ!!雷玉『電気玉』!!」
「俺モ!雷玉『電気玉』!」
2人して両手を掲げ力を溜める。
「オルァァァァァ!!」
「ソォラ、コレデモ喰ラエ」
バチバチバチバチバチィィ…
互いの電気玉が空中衝突し、激しい音を立てる。
ドオオオオオオオオッッッ
しばらく拮抗していた玉は弾ける。
「ウオッ」
「うああっ」
「きゃあああっ!あんたら、神社壊す気!?」
「ソンナツモリハ」
「微塵も無い!」キリッ
「何を息ぴったりに…!」
「行くぜ!雷神『Thunder☆Fall』!!」
「雷神『Thunder☆Fall』」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドド……
「暴れすぎよぉぉぉ!!」
「まだ倒れないか!?」
「オウヨ」
「くっそが…」
流石俺の分身…。
「オ前ノスペルデハ俺ハ倒セナイ」
「?どういう事だ」
「オ前ノスペルハ攻撃力ガ無サ過ギル」
「…え?」
いやいや、かなり高めてあるはずなんだが。
「痺レサセル事バカリ考エ過ギダ」
「………」
確かにそうかもしれん…。いや…
「でもよ、痛いってレミリアも言ってたし…」
「スペルガ当タッテ痛イト言ッタ訳ジャナイ。痺レテ痛イト言ッタンダ」
「………じゃあ、痺れさせられなかったら俺は無力なのか?」
「アア、無力ダ」
!!
「そんな事は無い!」
「ア?闇ノアノ女ニ効イテナイダロ」
「あれはっ…闇属性で攻撃したからだ」
「……マァソウダナ。ダガ、地底デハドウダッタ?」
「………」
「暑クテ熱クテ、効カナカッタロ」
「熱かったからだろ」
「イイヤ、高火力デ押シ切レルハズダッタ」
「!?」
「痺レサセル事モ大事ダ。ダガナ、弾幕ノ密度ヲ増ヤスヨリ火力ヲ上ゲロ」
基礎力向上の特訓……かな。
「火力上げたらお前倒せるのか?」
「アア」
「なら、次で決めてやるよ」
武器と同じくスペルも進化出来る…と思う。
霊夢が『夢想妙珠』から『夢想封印』に進化させた?ように。いや、強化版なのかな。詳しいことはわからんから何とも言えん。
だから俺もそんな風に…。
「ソンナ簡単ニ出来ルノカ?」
「やってみる!!」
「ソウカ、カカッテ来イ」
「…雷符『Dark Side of the Full Moon』」
ブワッ…
「見、見エナイゾ!」
「ああ、俺もだ!」
「!?」
分身の表情は見えないが、多分驚いているだろう。
このスペルは、雷符『Midnight☆Thunder』の強化版であり、お空のスペル…焔星『十凶星』のパク…真似だ。全員の視界を奪った上、10個の巨大な満月…電気玉で攻める。
「ウオアアアアア!!」
「うぎゃああああ!!」
俺にも当たるとか…。もっと離れてから使えば良かったな。見えないから避けられない。
フッ…
闇が晴れた。
「はぁ…はぁ…」
「ハァ…ハァ…」
俺も分身も膝をついている。
「なんだよ、倒れてねぇじゃん…」
「イヤ…モウ少シデヤラレル所ダッタ…」
なら…次こそ決める!
「『雷神拳』!!!」
「!?」
手にだけ雷を纏い強化する。
「うおおおおおお!!喰らええええええ!!!霊夢は渡さねええええええええ!!!!」
バキィッ
思いっきり正面から顔面を殴る。
「ウオ…ア…」
パリィィィン…
ガラスが割れるような音を立て分身は消えた。
…なんで“霊夢は渡さねぇ”なんて言ったんだ?
「お疲れ様…」
何故か疲れた様子で霊夢が迎えてくれた。
「おう」
「ったく…暴れ過ぎだったわ」
「てへへ…」
「私が結界貼ってなければ神社壊れてたわよ」
「ゑ゙……」
結界貼ってたの?てかそんなに危なかった?
「あ、ありがとう…」
「限度ってものを考えなさいよね」
「はーい…。…でもあいつ、霊夢と手を繋ぐとかどーのこーの…」
「別に、アイツもあんたでしょうが」
「そうだが俺本人では無いだろ」
「そりゃあ…本人では無いわね」
「だからそれが許せないというかなんというか…」
「あんた独占欲強過ぎね」
グサリ
「………」
さっきより太いグングニルが刺さったぞ。
ああ、この太さは投擲用グングニルだな。
「…でも、そういうの好きよ」
頬を赤らめながら言う。
「…へっ?」
「好きって言ってんの!何度も言わせないでってば!ほら、もう中に入るわよ!」
「お、おう…」
なんかすまないな…。
「はぁ〜…疲れた…」
中に入るなり、また霊夢とコタツに入る。
「もう休む?」
「それもイイけど…折角霊夢と2人きりなんだからもう少し…その………」
「…なによ…」
「さっきみたいな事…しないか?」
「さっき?」
言うのは恥ずかしいな…。
「こうさ」
ギュッ…
霊夢を抱き寄せる。
「ちょっ…」
「へへっ」
「………」
あれ?なんか大人しくなったぞ。
「霊夢ー?」
「…なによ」
「あ、起きてたか。寝てるかと」
「寝る訳ないでしょ」
「さっき寝てたくせに…えいっ」
ぷにっ
「やったわね!?」
「やったよ」
ぶにっ
「あがっ……」
「そんなに柔らかくないわね」
そんな強く押すな。
「そりゃ多少は筋肉質ですよーだ」
「…そうみたいね。ふーん…」
ぶにっぶにっ
「ちょ、つつくなって」
「あんたもさっき私にやったじゃない」
「んじゃ俺も…」
「あんたはダメよ」
「なんでさ!?」
「さっきやったでしょ!まだやる気!?」
「ダメ?」
「ダメ」
「ちぇ…」
興味を持ったのか、仕返しのつもりなのか、執拗に頬をつついてくる。俺はされるがままになっていた。
そして、ダラダラ過ごすうちに夜になった。
「夜だな」
「夜ね」
「…どうする?」
「寝ましょっか」
「いやごは…」
おっと、ご飯を催促するところだった。
「ご…?ご飯のことね」
……まぁいっか。
「私もお腹空いたわ。手伝いなさい」
「おうよっ!」
『いただきます』
博麗神社での2度目の食事。
相変わらずコタツで食べる。
「うん、美味い。霊夢はいい嫁さんになれるな」
「や、やめてよ…/////」
おっと、ついジジ臭いことを…。
でも、なんか霊夢の反応が可愛いな。
いつもと違って、あまり棘を感じない。
まんざらでもないような様子を見ると、やっぱ霊夢も女の子なんだなぁと実感する。しかし…
「…それにしても、キノコ料理が多いな」
「魔理沙がよく置いてってくれるからね」
「なるほどな」
それにしても美味い。
ガタンッ
『ん?』
ガララッ
「よう霊夢!来たぜ!」
「…あー、いらっしゃい魔理沙」
噂をすれば…ってやつだな。
「ん?なんでエスカルゴが居るんだ?」
「…遊びに来てくれたのよ」
「へぇ。お前、霊夢の事が苦手だったんじゃ無いのか?」
「ん…前はな」
「えぇ、苦手って思われてたの?心外ね」
「いや、ボコボコにされたから…」
「ああ…やっぱりやり過ぎたかしら…。それで魔理沙、何しに来たのよ」
「いつも通り、キノコ置きに来ただけだぜ」
「そう、いつもありがと。助かってるわ」
「おう。…おいエスカルゴ、私と戦え」
「えー…」
「あれっ?ノってくれないのか?いつもノってくれるのに」
ちっ…そうだな。
「…しゃーないな。霊夢、良いか?」
「ええ、やってらっしゃい」
「サンキュ」
「なんで霊夢に許可取るんだ?」
「えっ…いや…なんとなく」
察したか?…もし察したらこう言ってやろう。
君のような勘のいいガキは嫌いだよ。…と。
「ふーん…ま、やろうぜ」
「おう」
2人で…いや、霊夢も含め3人で外に出る。
「エスカルゴー、精々、神社壊さない程度に頑張りなさーい」
「霊夢が応援なんて珍しいな」
「なんとなくよ」
「なんとなく…ねぇ…」
魔理沙がなんか怪しんできたな…早く始めるか。
「よし、やるか」
「どこからでも来い」
「遠慮無く。『分身』!!」
「分身!?」
「むむむむむ…!」
「分身なんてさせないぜ!恋符『マスタースパーク』!!」
やっぱダメかよ!
「解除!雷壁『雷纏反撃壁』!!」
とりあえずは受け止め、その隙に!
「『分身』!!うおおおおおお…!」
「させるかァァァァァ!!!」
壁を壊そうと力を込める魔理沙。
「耐えろ…耐えるんだ…!」
「…ヤァ」
よし!間に合った!
「壁解除!」
ドォォォン…
解除と同時に避ける。植木などがまずいと思ったが、いつの間にか結界が貼ってあった。
「げげっ、2人になってやがる!!」
『へへへ、どうだ!?』
「だからどうしたってんだ!魔砲『ファイナルスパーク』!!」
「!!おい、俺!」
「アア、ワカッテル!」
『混合武器『雷銃&雷砲』!!』
からの…
『「ダブルエスカルゴ・スパーク」!!!』
「っ!?」
ちゅどーん
魔理沙のファイスパと俺のエスパがぶつかり、少しも拮抗すること無く押し切る。
2人なのでダブルをつけることにした。
分身は今の一撃だけで消えたようだ。
力使い果たしたのか。
「痛ててて…」
「まだやるか!?」
「いーや、今日はもう降参だ」
イヤにあっさり引くな…。
「へへ、俺の勝ちだな」
「あっという間過ぎだぜ…というか今の技!」
「ああ、魔理沙のマスパを真似させてもらった」
「ずっりーなぁ…」
「えへへ…。強さでは俺の方が上でも、美しさでは魔理沙の方が上だよ」
俺の黄色一色だもん。
「へへ、当然だぜ!!」
「さぁ、用が済んだら魔理沙は帰りなさい」
「霊夢お前、酷いやつだな!なんでそうすぐ追い返そうとするんだよ!?」
「私はもう寝たいの」
「ちぇっ…じゃあ、また来るからな」
と言って不満げに飛び立って行った。
「やっと帰った…」
「あはは…。そういえば、何しに来たんだ?」
「キノコ置きに来たのよ」
「ほぇ?」
あ、そういやそう言ってたな。
どこに置いたんだ?
「ほら、見なさい」
「んん〜⤴?」
よく見ると、扉の陰に袋が置いてある。
「あの袋か?」
「ええ」
「陰にあるから出る時に気付かなかったな」
「でしょうね。私もよ」
「…んで、これからどうするんだ?」
「決まってるでしょ。風呂よ」
「おっ…おう…」
霊夢と入れたり…なんちって…。
「一緒に入る?」
!?!?
「良いのか!?」
「冗談よ」
「ちぇっ…」
「絶対覗かないでよね!」
バタン
「はぁ〜い……」
何故か風呂の前で待たされてる訳だが…。
覗いちゃダメならコタツに居たい…。
コンコンコン
「なによ?」
「コタツ行っちゃダメ?」
「ダメよ!」
「なんでさ?」
「乙女が1人でお風呂入ってて危ないと思わないの?襲撃とか…」
「霊夢なら返り討ちにするだろ」
「裸じゃないのよっ!!!」
「はいはい、わかったわかった、居れば良いんだろ、居れば。わかりましたよっ!」
ちぇっ…
「……ん?」
そばに霊夢の巫女服を発見。
ゴクリ……
三十分後
「ふぅ…」
!!!!やばい、霊夢が来る!!!!
急いで巫女服を畳み、元通りにする。
「お待たせ」
「ホントだよ…長風呂しすぎだぜ」
危ねー危ねー…。
「ごめんなさいね。はい、次どーぞ」
「ういっす…」
霊夢が居なくなったのを見計らい服を脱ぐ。
浴室に入り、浴槽に入る前にまずは身体を洗う。
「ふぅ…」
巫女服…いい匂いだった…。
ガチャッ
「!!」
「こっち見るな!!」
「は、はい…」
振り向きそうになってた顔を正面に戻す。
入ってきた?霊夢が?
「服いじった?」
「Oh......」
「答えなさい」
「いじった」
「なんでよ」
「いい匂い…だったから」
「にっ…匂い嗅いだの!?」
「……うん」
「変態!」
「………」
「一緒に寝ようと思ったけど、やーめた!」
「ええ!?」
一緒に寝てくれる予定だったの!?
「そんな変態と寝たら何されるか分かったもんじゃないわ!」
「…ごめんなさい…」
「背中洗ってあげる」
「!?」
「こっち向かないで」
「ういっす…」
ゴシゴシ…
「背中広いわね」
「そりゃ男ですからな」
「そういうもの?」
「そういうものだ」
「ふーん…」
「ハイ洗い終わったっと」
「ありがとな」
「じゃ、私はこれで…」
「なぁ」
「なによ」
「今どんな格好なんだ?」
「…風呂場なんだから裸よ」
「じゃあ、一緒に入らないか?」
「却下」
「(´・ω・`)」
なら力ずくで…!
クルッヒョイッ
振り向きざまに霊夢を抱える。思ったより軽い。
「キャッ!?ちょっ、見な…」
「見てないよ〜」
俺は目をつぶってる。浴槽の位置は確認済みだから、あとは霊夢とINするだけさ♪
ちゃぽん…
「ふぃ〜…」
「ちょっと、私まで入れてどういうつもりよ」
「別に?1人で入るのは寂しいなと思っただけ」
「………」
「見てないならいいだろ?」
「……まぁね…」
数分後
「私先に出るわ」
「はいよ」
「見たら殺すから」
「見ねぇって」
ザバァ…
はぁ…見たかった…。
バサッ
「わぷっ」
「ほら、拭きなさい」
「お、おう」
顔に投げるならそう言ってくれ…浴槽内に落ちるとこだったじゃないか。
このタオルは乾燥してる…てことは霊夢が使ったやつじゃない、か…。
あらかじめ準備していたパジャマに着替え、霊夢の所に戻った時には既に布団が2つ敷いてあり、霊夢はその1つに入っていた。
「寝るわよ」
「…うん…」
「なによ、不満?」
「いや。霊夢と寝たいななんて…」
「並べて敷いてあるじゃないの」
「うん…」
「おやすみ」
「あ、おやすみ…」
俺も布団に入り、とりあえずは眠りにつく。
「……」
目が覚めた。
時計を見ると、まだ午前2時半だ。
草木も眠る丑三つ時…か。ホントに静かだな。
「霊夢ー…」
「すぅ…すぅ…」
うん、寝てるよな。
じゃ、かるーくイタズラしますかね。
さっきまでと違って霊夢もパジャマだからな…色っぽいサラシは拝めないか。
「起きるなよー…?」
つんっ…
申し訳なくは思うが、腕を伸ばしてほんの少しだけ胸を触る。
「ふあぁぁぁぁ…!」
柔らけぇなぁ…。
「んん〜…」
ゴロンッ
「うおっ…」
寝返りうってこっちを向く霊夢。
中々転がりましたね霊夢さんよ…。
互いの顔の距離は10センチ程しかない。
「おーい…」
囁き声で問いかけるが反応は無い。
「マジか…」
こんな可愛い顔を間近で見ててさ、我慢なんて出来るわけ無いんだよな。ましてや霊夢だしな。
「ん〜……」
唇を重ねようとして思いとどまる。
やはり巫女はそういうのはまずいんじゃないか?
巫女は純潔をどーのこーのってよく漫画で見たし…えー…どうしよ…。うん、このまま欲望に従っても良いけど、この場合は後悔しそうだ。
やって後悔かやらずに後悔か。いつもなら前者を選択する。だが今回は俺だけの問題ではないので後者を選択する事にしよう。
大体、こういうのが“健全な付き合い”というものじゃないか?フランともレミリアとも鈴仙とも、進み過ぎてるような気がする。
いや、鈴仙は別だな。永琳の入れ知恵があり、フランたちに負けじと向こうから攻めてくるんだから。
舌入れてきた時はクッソ驚いたけどな。
あれは絶対永琳の入れ知恵だろ。
こう考えると…日本のカップルは進み過ぎてるような気がする。リアルであるのかはわからないが…漫画で見た話だと、告白した、若しくはされた勢いでエ〇チして…ってのをよく見る。しかし、中学生カップルでも結構してるらしいから…やはり進み過ぎてるだろ。
それを踏まえると、俺たちはやはり進みすぎてないのかなとも考えてしまう。ま、あくまでも考えの材料として捉えておこう。
ゴチャゴチャ考えてた─────その時だ。
チュッ
「ん!??!」
俺ではなく、霊夢からしてきたのだ。
あくまでも寝返りうった時に…なのだが。
やっちまった…!こんなのバレたら…!!!
頭を抱える。
そして、頭の中に“死”の文字が浮かぶ。
だが、そんな心配は必要なかったようだ。
最後の方は午後じゃなく午前だけど…まぁいっか(汗)