3日目。昨晩は、妖夢が来なかった事を幸運だと思いホッとしながら眠りについた。そして3日目の今日、弦月姫ちゃんと咲夜、レミィに続いて、次はレミィからの刺客が私の元にやってきた。
「あの〜……パチュリー様……?」
「何よ美鈴。ジョジョの場所は知ってるでしょ」
「ええ、ですが今回は小説の『恥知らずのパープルヘイズ』を借りに……じゃなくてっ!パチュリー様、エスカルゴさんについて何かご存知なのでは!?」
「何で?」
「最近、あの人は図書館に入り浸ってますからね。私でなくとも、そう考えるのが妥当というものかと思いますが?」
「確かに、それはそうよね。でもそれあなたの考えじゃないんじゃない?」
「ギクゥッ!!」
「推測だけど、レミィの差し金よね。自分と咲夜と弦月姫ちゃんじゃ探れないからね。……ここでもし、あなたを追い返せば、多分レミィは次にフランか、レーテをけしかけてくるのでしょうね」
「……つまり
「トーゼン。言っとくけど、昔の私とは違うわよ。スペルカード3枚、残機0で勝負しなさい。そして私が勝ったらこの件についてもう詮索しないで」
「燃えますねぇ!ですが私は、スペルカード0枚で構いません!」
「……舐めてるの?」
「いえいえ、ただ身体を動かしたい気分なので!!あー……でもやっぱり1枚は使いますね!」
「レミィの命令か頼みかは知らないけれど……本気で戦わなかったこと、心の底から後悔するといいわ。火金符『セントエルモピラー』!!」
スタートの合図だと言わんばかりに火球を放ち、柱状に火が立ち上るように爆発させる。美鈴はその火球を飛び退く事で回避。それでも私の攻撃はまだ続く。1発で終わらせてられない。
「よっ!ほっ!……うわわっ!?」
「くっ、ちょこまかと!はぁぁッ!!」
「気合い入ってますね、パチュリー様!なら私も……負けていられません!!」
「!」
ゴツンと両拳をぶつけると、度重なる私の攻撃を回避しながら距離を詰めてきた。思ったより速い。火球を作り、投げるという攻撃ではイマイチ効率が悪いかもしれない。
「いきますよぉ!気功符『かめはめ波』!!」
両手を貝のように合わせて、自身の「気」を手に集中させていくと、虹色の光が集う。魔法ではなくマスパのような光線系の攻撃らしい。それなら私も打つ手もある。
「魔術『
「────へっ?ふぎゃあぁぁああっ!!」
「ッ……はぁ……危ない、間に合ってよかった……」
自分の技に勢いよく吹っ飛ばされて、美鈴は服の所々を焦がすハメになった。そこまでの威力の技を私にぶつけようとしていたなんて、案外美鈴も容赦無いらしい。
それでもここは、防御にも長けている私が勝つ。何をどうしても、絶対勝たなくてはならないから。
「くぅ〜っ……まさかカウンターしてくるとは……。流石に読めません、そんな技……」
「優れた魔女は
「悔しいですね……序盤は好調だと思ったのですが、まさかカウンターだなんて……」
「まだまだってことよ。じゃ、先に言った通り……」
「この件について詮索はしない、ですよね。当然、わかっています。では私はこれで」
「恥知らずは?」
「あ、お願いします!」
「小悪魔!近くに居るでしょ?美鈴に『恥知らずのパープルヘイズ』、渡してやりなさい!」
「わかりましたぁ〜〜〜」
思ったより遠くで声がする。まぁ、シガレットやここあよりは近くに居るようだし、そのまま任せて大丈夫だろう。
小悪魔が美鈴に小説を渡し、美鈴が図書館を出るのと同時に……今度はレイチェルが入ってきた。一瞬酷く動揺しかけたが、いつものように読み聞かせをしてほしいだけなのだろう。
「パチェ〜!」
「なぁに?今日は何の本を読んでほしいの?」
「んー、今日は違うんだよね。……パチェ、お父様について何か知ってるよね?」
「……!」
「知ってる可能性……100%か。フフッ、やだなぁ、そんなビックリした顔しないで?可能性を視たり、操ったりするのは私の能力だよ?」
「そ、そうね……確かに私は彼の行き先に心当たりはあるけれど……」
「へーっ!なら勝負だっ!私が勝ったら洗いざらい話してもらっちゃおっかな♪」
「構わないわよ。……因みに、レーテ?急にその話を持ち出すということは……レミィが?」
「そーだよ、お母様のお願いなのっ!明明後日には私達と寝るからぁ、それまでには帰ってきてほしいから〜って!」
「……成程」
「あとね、フランは今日来ないから安心して大丈夫だよ、パチェ!」
「そうなのね。
「大丈夫だよぉ、私が嘘つく確率は0%だもん♪」
「…………スペカ3枚まで、残機0でどう?」
「分かった。一発勝負が好きなんだね。じゃあね、始める前にィ……1つだけオ・マ・ジ・ナ・イ♡」
「?」
「『パチェは今日一度だけ被弾する』」
「……!しまった────!!」
「まさか、今更ルール変えるなんて言わないよね?逃げられないよぉ?私の操る
そう言ってニヤリと口元を三日月形に歪めて笑うレーテからは、彼女の母、レミィの血を色濃く受け継いでいる事実をひしひしと感じられた。