※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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お泊まり・2日目(エスカルゴSide)

「ほら、起きなさい」

 

「うにゅ……」

 

もう朝か…。

 

「ご飯出来てるわよ」

 

「!すまん、手伝えなくて…」

 

「大丈夫よ。あんた、すごく気持ちよさそうに寝てたから起こさずにおいたわ」

 

「ありがとう…」

 

うう…こんな良い奴なのに…あの時俺は…!

 

『いただきます』

 

相変わらずのキノコ料理。

文句がある訳では無いが、気になる事がある。

…魚、どこから取ってきてるんだろ?

幻想郷には海が無い…と、前にレミリアから聞いたことがある。まだ幻想郷全土を見た訳じゃないから心から信じることは出来ない…が、もしそうならこの魚は…どこから?

 

『ごちそうさまでした』

 

さて…何しようか…。

 

またまたコタツに入りながら考える。

 

「さぁ、片付けは終わったわ。あんたはもう帰りなさい」

 

あ、“帰りなさい”。そう来ましたか。

 

「…おう。じゃあそうするよ。ありがとな」

 

襖に手をかける。

 

「ちょっ、ちょっと!」

 

「ん?」

 

なんか止められたんですが。

 

「ホントに帰ろうとする?そこさ…」

 

「帰りなさいなんて言われたら…」

 

「冗談よ、冗談!」

 

「あ…そう、なのか…」

 

「そんなに帰りたい?」

 

「いや…。今日中に帰ってこいってフランらに言われてるからな」

 

「え…今日は泊まってくれないの?」

 

「ええ!?」

 

「今日も泊まってくれるのかと…」

 

「ええええええ!?」

 

「じゃ…勝負よ!貴方が勝ったら今日帰っていいわ。私が勝ったら今日も泊まって!良いわね!」

 

「う…うん…」

 

負けたとしても、隙を見て逃げれば……あー、心が痛むな…。仕方ないか…。

 

外に出て距離をとる。

 

「スペルカードは4枚まで!被弾可能回数は0回!制限時間は…無し!戦闘不能になったら終了!!これで良いわね!」

 

「お、おう!」

 

って…4枚!?少なっ!!!!

 

「行くわよ!スペルカード発動!霊符『夢想妙珠』!!」

 

避けられる…けど、相殺と反撃を同時に行った方が効率的…かもな。距離を詰められないように…ね。

 

「スペルカード発動!」

 

あれ?発動宣言初めてか?

 

「雷神『Thunder☆Fall』!!!」

 

ドドドドドドドドド……

 

「くっ…守りじゃなくて相殺に来たのね」

 

「ああ!相殺しきったら残りので霊夢に…」

 

「!残り…来たわね!霊符『夢想封印』!!」

 

霊夢も相殺&反撃してきた。

この繰り返しなら俺の方が有利だな。

いや、霊夢にはまだ奥の手がある。アレだ。

使うことは無いだろうが、もし使われたら俺は終わりだ。確実に負ける。

だから、ここで守りに入るべきだ。

ホントは、攻撃力やスピード上げたかったのだがそうもいかない。枚数が少なすぎる。

 

「雷鎧『サンダーアーマー』最大出力!!」

 

バチバチバチバチバチ……

 

続けてもう1つ…使うか。

いや、3枚目で終わらせる!!

 

「絶技『天翔雷霆零槍』!!」

 

こいつに全てをかける!

 

「うおおおおおお!!いけええええええ!!」

 

全力で投擲する。

 

「夢境『二重大結界』!!」

 

バチバチバチバチバチ…

 

霊夢は結界を展開し槍を受け止める。

 

「んなっ…まだそんなもんじゃねぇだろ!!」

 

呼びかけに答えるように尚も進み続ける槍。

だが、それが霊夢を貫く事は無かった。

 

バァァン! パリィィン…

 

結界の角度を変えたのか、槍を上に逸らされ、同時に結界が砕け散った。

 

「うそ…だろ…」

 

俺はほぼ満身創痍。

本当に薄く鎧を纏えているが、これが限界。

こんなの鎧じゃない。だが、解除したら折角1枚使ったのが無駄になるので維持でも持続させる。

 

「はぁ…はぁ…くっそ…」

 

「はぁ…はぁ…中々、やるじゃないの…」

 

霊夢も結構息が切れてる。

 

「次で決めるわ。覚悟することね」

 

「つーか…次のでラストだろ…」

 

「ええ、そうね。あなたも私も、残り1枚よ」

 

「くっそ…」

 

「今夜も泊まりなさい。『夢想て──」

 

て!?“て”ってあのヤバいやつじゃん!

夢想天生…これやられたら確実に負ける!

…そうだ!

スペルを切り離す!雷符『Midnight☆Thunder』から、雷と闇を切り離し、闇だけのスペルを使う!

大丈夫、出来る!俺には、闇を操る力もある!

 

「───んせ─」

 

「深淵『Darkness Flash』!!!!」

 

フッ…

 

「なっ…何よこれ!?」

 

霊夢はスペルを中断した。

闇に包まれたからだ。

ルーミアが自分の周りにだけ闇を纏っていたので、それを真似てみた。今回は霊夢だけに纏わせた。

よって、霊夢は今何も見えていない。

 

本当は、この後はか〇は〇波…じゃなくて、電気の方で攻撃出来るはずだったんだが…その力が無いため、闇だけになってしまった。

…というか、切り離せてないじゃん…ホント不完全だな俺は…。やっぱ闇だけってのはまだ無理か…?

 

「ちょっとぉ!なんなのってばぁ!!」

 

目を擦ったり手をバタバタしてる霊夢。

終わらせよう。スペルが尽きたのなら、非スペルで攻撃するまで。

 

「『キュッとして──」

 

ヨロヨロと霊夢に近付く。

 

「──バチバチ』!!」

 

ギュッ

 

「きゃあああっ!…くっ…このぉっ…!」

 

「ぐふっ…」

 

肘が脇腹に当たる。

 

「痺れるじゃないの!」

 

「それが目的だ…!」

 

戦闘不能になれ…!

 

バタン…

 

「うおっ…」

 

霊夢が倒れたので俺も倒れる。

 

「もう動けないわ…」

 

「じゃあ…」

 

「ええ、あんたの勝ちよ…」

 

「よっし…!」

 

尻ポケットから充電器を出し、左手首に刺す。

 

「さぁ、帰りなさい…」

 

おい、早速かよ。

 

「お前をほっとけるか」

 

「……どうする気?」

 

「霊夢を中に運ぶ」

 

「あんたもフラフラじゃないの…大丈夫よ」

 

「いや、もう少しは大丈夫だ。ほら」

 

充電器を見せる。

 

「…なるほどね」

 

「よいしょ」

 

「んっ…」

 

霊夢をお姫様抱っこし、中に運ぼうとする。

針がズブズブと刺さるが気にしない。

 

「ここでいいわよ」

 

「え?でも…」

 

「良いから」

 

「…はいよ」

 

ここでいいと言うので縁側に降ろす。

 

「こうして外眺めるのも良いものでしょ?」

 

「そうだな…」

 

確かにいいものだ。

優しい風がなんとも心地よい。

 

「よいしょっ…」

 

「あ、おい…もう大丈夫なのか?」

 

「もちろんよ。私を誰だと思ってるのよ」

 

「霊夢」

 

「博麗 霊夢、よ」

 

「はいはい…」

 

中に戻り何かを持ってくる。

 

「はい、あんたの荷物」

 

「あ、ありがと」

 

帰れってことか…。

 

「じゃ、またな」

 

立ち上がり霊夢に向き直る。

 

「ええ」

 

少し寂しいな。

 

「…また、来てよねっ!んっ♪」

 

チュッ…

 

「…っ!?」

 

え…えええええ!?なぁにこれぇ!?

 

「ふふっ…これでまた来てくれるわよね♪」

 

ニコッと微笑みながら言う。

 

何この子めっちゃ可愛いんですけど。

 

《この瞬間、エスカルゴが抱いていた“霊夢が苦手”という意識は全て吹き飛んだ。そう、苦手意識を払拭したとはいえ、心の底から出来ていた訳ではなかったのだ。》

 

「…おう!」

 

「ふふっ♪」

 

「じゃ!」

 

「ええ!」

 

俺たちは笑顔で別れた。

 

 

 

「霊夢…愛い奴め…ふふ…ふふふ…」

 

単純なことに、俺はメロメロになっていた。

普段は棘だらけなのにあのデレっぷり…そう、ギャップ萌えというやつだ。レミリアよりもギャップが大きいような気がする。

 

 

 

1時間後

 

紅魔館が見えてきた。

途中、森に寄って満タンになるまで充電してきた。

 

俺は、またフランたちに会える事を喜ばしく感じながら紅魔館へ向かった。

 

 

 

痛い目に遭うとも知らずに。




お泊まり編おしまーい…です。
エスカルゴ側は…ね☆
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