※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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霊夢Sideもやろうと思い立ったので…。
なんでこう思ったんだろ?


お泊まり・午前(霊夢Side)

霊夢Side

 

 

 

「ナンデコンナ朝カラ外ニ居ルンダヨ」

 

……?誰?エスカルゴ?もう来たの…?

 

私は男の声で目が覚めた。

 

「お前俺の中に居たクセにわかんねぇのか?」

 

やっぱりエスカルゴの声だわ…。

 

襖を少しだけ開け、外を伺う。

 

エスカルゴが分身と喋ってるわね。

どっちが分身だか分かったもんじゃないけど。

 

「ワカル。ダカラ聞イテル」

 

…もっと早く起きれば良かったわね…話の筋が全く見えないわ。

 

「???」

 

片方のエスカルゴが首を傾げてるわね。

 

「サッサト中ニ入レ。ソンデ襲ッチマエ」

 

襲うって誰を?……私を!??

そっ…そんな!そりゃ、香霖堂で調べ物したり道具買ったり、準備は整ってるけど…でも今日急にってのはダメぇ…!

 

「はぁ!?何言ってんだよ!?」

 

ホッ…。

 

「大声デガナルナヨ。響クダロ」

 

「霊夢を襲っ…はぁぁあ!?」

 

そこまで言わなくても…。

 

「何ヲソンナニ驚イテル?俺ハオ前ダ。オ前ノ考エナンカ全テ見通シダ」

 

「いやいやいや…そんな事考えてないから!」

 

「心ノ奥底ハソウイウ欲求デイッパイダッタゾ」

 

…エスカルゴ、そんな事考えてたの?

ううん、そういう事をするのを考えて準備したんだから…私も人の事言えないわね…。

 

「オーケー、またなんかあったら教えてくれや」

 

「ン?ソレハドーユー…」

 

「解除」

 

「ダカラ待テッテ…」

 

シュンッ…

 

「はぁ、やっと静かになったぜ…」

 

分身を消したのね。

そろそろ出ていこうかしら。

 

カララッ…

 

「よ、よう霊夢!来たぜ!」

 

人が見てたとも知らずに…可哀想なヤツね。

言ってやろうかしら。

 

「見てたわよ」

 

「!?」

 

あら、表情強ばらせちゃって…。

 

「まぁ入りなさい」

 

「…はい…」

 

そんなしょぼんとしなくても…。

 

「お邪魔しまーす…」

 

「来てるならそう言ってよね」

 

「襖叩いたんだが反応が無くて。寝てるのかと思ったんだ。邪魔しちゃ悪いし…」

 

あら…気付かなかったわ。

 

「別にイイわよ、次からは起こしてよね」

 

「ん、わかった」

 

…次から?うん、また誘おうかしらね。

あと…

 

「荷物は?」

 

「このカバンに入ってるのだけ」

 

背負ってるリュックを見せてくる。

 

「小さいカバンね。何が入ってるの?」

 

「パジャマと充電器」

 

「……それだけ?」

 

「それだけだが?」

 

少ないわね…。

 

「泊まりに来るってのに、随分と少ないのね」

 

「長期の旅行って訳じゃないだろう?一晩だけならこれで事足りるさ」

 

「なるほどね」

 

つまり、他の道具はここのを使うって事ね。

あ、お泊まりだからそれが普通か…。

 

「そんで、どこから見てたんだ?」

 

唐突ねぇ…。

 

「んーと…私を襲う…とかどうのこうの話してたところからかしら」

 

ホントはもう少しだけ前からだけど。

 

「安心しろ、襲いはしない」キッパリ

 

「えっ?」

 

「…えっ?」

 

し、しまった!!

 

「い…いや、何でもないわ」

 

「そっか…」

 

あ、朝のお掃除しなきゃ!

 

「そ、掃除手伝ってよ」

 

「オッケ」

 

ホッ…。

 

 

 

1人じゃ退屈で仕方ない掃除も、エスカルゴとだと退屈しないわね。いやっ…寂しくないって意味よ!

 

…ん?なんか嫌な予感がするわね…。

 

「ちょっとぉ!」

 

「!?…なに?」

 

「今他の女の事考えた?」

 

「!?!?!?」

 

なんとなくそう感じたんだけど…図星だったようね。

 

「な、なんで?」

 

「なんとなくそう感じただけよ」

 

「へ、へぇ〜…」

 

今自分がどういう状況に置かれているのか、分からせてあげなきゃね。

 

「いい?今、あなたと私は2人きりなの。他の女の事は考えないで。私だけを見て私のことだけを考えなさい。あんたの考えなんて丸わかりなんだから。良いわね!?」

 

あ……2人きりなんて言っちゃった…。

 

「わかった」

 

「!」

 

…素直ね…。

 

「よろしい」

 

…思ったことを素直に言う…そんなに難しくはなさそうね…。このままアイツに………ん?

 

「ほら手が止まってるわよ!」

 

全く、油断も隙もない…。

 

「はっ、ひゃい!!」

 

何よその返事…。

 

 

 

 

 

もういいかしらね。

 

「なぁ霊夢、こんなもんか?」

 

あら、図ったかのようなナイスタイミングね。

 

「ええ、お疲れ様。箒は私片付けとくから先入ってて」

 

「はーい」

 

さて、さっさと片付けて…お昼の準備でもしましょうかね。

 

 

 

「これでよし…と」

 

私はさっさと箒を片付け中に戻る。

 

すると、水を出しっぱで水道の前に佇むエスカルゴの姿が目に入る。羽はだらんと垂れ下がっている。

 

…なにやってるの?水が勿体無いじゃないの。

 

「っぽうっ!!」

 

「!?」

 

な、何よ今の声!?

 

思わず吹き出しそうになった口を必死に抑える。

えー、アイツあんな声出すんだー…。

ああ、吸血鬼って流水もダメなんだっけ。

それにしても面白いわねー…ぷふっ…。

 

 

 

「うぅぅにゃああ⤴⤴⤴⤴」

 

ぶふぉっっっ……!

 

あぁもう…軽く吹き出しちゃったじゃないの。

さて、早くしないと先に進まないわね。

 

「…何変な声出してんのよ」

 

わざと不機嫌っぽい声を出す。

 

「うわぁっ!」

 

ドタッ

 

「いてて…」

 

尻もちつく程かしら…?

 

「どいてくれる?手洗えないんだけど」

 

「ああ…ごめん…」

 

「ったく…」

 

ちょっと言い過ぎたかしら…。

 

さ、こたつこたつ♪

お昼はその後♪

 

 

 

「ほら、こたつ入りましょ」

 

まだ水道の前で座り込んでるアイツに声をかける。

 

「湿ってる…これか」

 

なんかブツブツ言ってるわね…。

 

「これ…霊夢の匂いだ…」ボソッ

 

「!?」

 

ちょっ、なにタオルの匂い嗅いでるのよっ!?

 

「きっ…気持ち悪い事言わないでよ!私が使ってるんだから当たり前でしょう!?」

 

全くこいつは!!

 

「そ、そうだな…。こたつ、入るぞ」

 

「どーぞ」

 

「よっこら…ん?」

 

グニィ…

 

伸ばしてる足がなにか硬いものに…。

これエスカルゴの足かしら。

見た目より結構筋肉質なのね。

 

「………私の足よ」

 

「そ、そか…」

 

「いやどかしなさいよ」

 

いや、どかさなくていいわ。

 

「足伸ばしてないんだが…」

 

足長いのね…。

 

「え…あんた足長すぎよ…」

 

「ぶつかるのが嫌なら俺こたつから出るぞ」

 

「いやっ…」

 

「ん?」

 

しまった…!変な声でちゃったわ…。

 

「べ、別にいいわよこのままで…」

 

「お、おう…」

 

リラックスすればいいのに。

それにしてもエスカルゴの奴、あんまり楽しそうにしてないわね。

どうして…?私じゃ不満…?

レミリアたちじゃなきゃダメなの…?

そういうのってなんか…悔しいわね。

ずっと黙っちゃってさ…。

今も…レミリアたちの事考えてるの…?

 

「……グスンッ……」

 

「霊夢…?」

 

「…なによ」

 

「えっ…霊夢、なんで泣いて…」

 

泣いてたの…?私が?

 

「泣いてないから!」

 

「いや泣いてるだろ」

 

「これはその、ホコリが入っただけよ!」

 

ベタな言い訳ね…。

 

「ホコリ?俺は何ともないが」

 

何マジレスしてんのよコイツ!

 

「吸血鬼は目の構造も違うんでしょっ!」

 

「そんな変わらんよ…」

 

「ああもううるさいな!ほっといて!」

 

あ…言っちゃった…。

 

「ほっとけるかよ。霊夢が泣いてんだぞ?余程のことに決まってら」

 

何をいけしゃあしゃあと…!

 

「あんたのせいでしょ!?」

 

「はぁ!?」

 

…もう、思ってること全て言ってやるわ!

 

「どういうこと?」

 

「どーゆーこともこーゆーことも、こうしてる間にもあんたはレミリアたちの事考えてるんでしょ!?良いわよ、帰りなさいよ!帰してあげるから!」

 

「あのー…ちょっと誤解してるようだg…」

 

「何が誤解よ!あんたってばここに来てから全然楽しそうじゃないじゃないのよ!こたつに入ってからはほとんど黙っちゃって!!あいつらの事考えてるんならそっち行けば!?」

 

頭に血が上り大声でまくし立てる。

 

「…そう思わせたんなら謝る。すまない」

 

「口だけならなんとでも言えるわよ!」

 

「確かにそうだ。だが、嘘は言ってない。黙ってたってのも、フランたちの事じゃなくこたつの事考えてた訳で…。それに、さっき霊夢に“私だけを見て”って…言われたばかりだしな」

 

コイツ…馬鹿正直に…。

 

霊夢は少しだけ落ち着きを取り戻した。

 

「…全然楽しそうじゃないのは?」

 

「これはその…内心大騒ぎしてるのを隠してるというか…」

 

「…はぁ?何でそんなことするのよ」

 

全くわかんないわ。

 

「その…普段以上に騒いでるとさ、霊夢に変に思われるだろ?」

 

「……ふっ…何よそれ」

 

なんか、笑えてきちゃったわ。

あんなこと考えてたのがバカみたい。

 

「あんたはいつも騒いでんだから、ここでもいつも通りにしてればいいのよ」

 

「…おう。でも…霊夢もいつも通りにしろよな」

 

近くにあったティッシュ箱を投げながら言う。

 

「私はいつも通りよ」

 

私はそれをキャッチし、涙を拭きながら答える。

 

「いーや、それは嘘だな。前に咲夜さんから聞いたぜ?コタツ入ったら手ェ広げてダラーンと伸びてるってな」

 

なっ…!?

 

「あのメイド…余計なことを…」

 

と言いつつ後ろに倒れる。

 

これじゃ説得力は皆無ね…。

 

「俺も伸びたいな…そっち行ってもいい?」

 

何よこいつ、急に積極的になっちゃって。

 

「はぁ?狭いわよ?」

 

「大丈夫大丈夫」

 

いやいや…。

 

「あんた良くても私良くないんだけど…」

 

「ちぇ…」

 

立ち上がりかけたのを辞めるエスカルゴ。

 

「冗談よ。来なさい」

 

この言葉を待ってましたとばかりに滑り込んでくる。

 

「あったけぇ」

 

「そんなにくっつかないでよ…」

 

逆方向を向いてるとは言え、背中合わせの状態…これじゃ暑いわね、コタツ要らないじゃない。

 

「狭いからね」

 

平然と答えるな!

 

「だからそう言ったじゃないのよ」

 

「だな」

 

こいつの背中…おっきくて温かいわね…。

安心して…眠れそ…。

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