※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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お泊まり・午後①(霊夢Side)

「う…んん…」

 

ん……なんかされてる…?

気のせいよね…。

 

 

 

「ホッ…」

 

…気のせいじゃなかったし!

何よ今の“ホッ”ての!?

こいつ…寝てる私に何かしてるの!?

 

「失礼…しまーす…」

 

「!?」

 

なんか顔に手を伸ばしてくるんですけど!?

ヤダヤダヤダなにするの!?(少女薄目中)

 

キュッ

 

「ふがっ…」

 

「クククッ…!」

 

鼻つまんで笑ってるわね…!?

落ち着いて、落ち着いて私。

起きてることバラすならこいつが驚く形でバラした方がいいのよ。今バラした所でそんなに驚かないわ。

今は自然に、そう、自然にするのよ…。

 

スッ…

 

あら?お終い?……いいえ、エスカルゴのことだし、次は何するかとか考えて…

 

ぷにっ

 

「ふおぉぉ…!」

 

!?

 

ちょっ、ほっぺ触るとか何よこいつ!?

慎みってものを知らないの!?

人が寝てるからって…!(←寝たフリ)

 

ぷにぷにぷにぷにっっ

 

「〜〜〜〜!!」><

 

何その顔…こいつこんな顔するの?

子供みたいだしそれに…凄く楽しそうじゃない。

 

…さて、凄く熱中してる所で……

 

「……起きてるわよ」

 

「!?!?」

 

予想通り…とんでもなく驚いたわ。

まぁ、コケはしなかった様だけど…。

 

「あんた…人が黙ってりゃ好き勝手やってくれちゃって…」

 

「………」

 

これは完全に焦ってるわね。

さて、そろそろお腹も空いてきたことだし…。

 

「ご飯作るわよ、手伝いなさい」

 

「わかった」

 

…あら?すんなりOKするのね。

 

 

 

トントントントン…

 

今現在、エスカルゴと調理中。

 

何考えてるのかわからないけど…なんか暗い顔してるわねコイツ。聞いてみようかしら。

 

「何よ、そんな暗い顔しちゃって」

 

「…そんな顔してたか?」

 

「ええ、してたわ。…と見せかけて、変な事考えてたんでしょ?」

 

変な事というのはもちろんさっきやってたみたいなことなこと。

 

「いや、考えてない」

 

「ふーん、じゃあ何考えてたのよ?」

 

「…ぷにぷにしすぎたかなって…」

 

「そ、そんなこと気にしてたの?」(;゚ロ゚)

 

「えっ?」

 

驚いたわね…。

こいつがそんなの気にしてるなんて。

 

「…怒ってない?」

 

「怒るわけないでしょ、あれくらいで」

 

「良かったぁ…」

 

ホッと胸を撫で下ろすエスカルゴ。

 

こいつの中の私、あれくらいで怒るのかしら。

 

 

 

『…………』

 

そこからは黙って調理を進め、一緒にお昼を食べる。

 

『いただきます』

 

パクパク食べているけど…何か考えているようね。上の空って感じがするわ。

 

「…なによ、不満?」

 

ちょっと聞いてみる。

 

「いいや、不満なんて無いぜ。美味しいよ」

 

「そ、そう…ならいいけど…」

 

こんなストレートに褒められると…少しだけ照れるわね…。

 

 

 

『ごちそうさま』

 

皿洗いが出来ないエスカルゴの代わりに私が全ての皿を洗う。まぁ、手馴れた作業ね。

 

「おまたせ」

 

霊夢もコタツに入ってくる。

 

「早いな」

 

「そうかしら」

 

「ああ」

 

返しようが無い返事をされると会話が続かないのよねぇ…私から何か言ってみようかしら。

 

「ねぇ」

 

「ん?」

 

「今朝、分身出して何やってたの?」

 

「特訓だよ」

 

「特訓?」

 

「昨日霊夢とやりあった時はさ、霊夢が待っててくれたけど…魔理沙みたいな奴が待ってくれるとは思えないじゃん?」

 

「そうね」

 

魔理沙は…確かに、“待ってくれない奴”の代名詞となり得るでしょうね。

 

「だから、出来るだけ早く分身を作れるようにしとこうかな、と」

 

確かにそれは良い考えね。

 

「結果、どうだったの?」

 

「昨日より早くは作れたけど…」

 

「けど?」

 

「ゆっくり作った方が良いみたいなんだよな」

 

「なんで?」

 

「ゆっくり作った方がちゃんとエネルギーを送り込めるから、攻撃もある程度出来るみたい。エネルギーを早く送れればいいんだがそうもいかなくてな…」

 

ふーん…でもそれって…。

 

「それ、何かしらの方法で分身を強化できれば良いのかしら?」

 

「強化、ねぇ…。俺、強化魔法使えないぜ?」

 

「強化する事が出来るのは魔法だけじゃないわ。霊力でも強化出来るのよ」

 

「え、ホントに?」

 

知らなかったのね…。

 

「ええ。だから私はいつもそれやってるもの」

 

「いつもって…例えば?」

 

例を求めてくるか…。流石エスカルゴね…。

 

「そうねぇ…戦う時に拳や足を強化したり…ああ、あと、お祓い棒も強化してるわ」

 

「ええ……そうか、だから初めて俺と戦った時あんな遠くまで吹っ飛ばせたんだな?」

 

「そういうこと」

 

確か、玄関吹っ飛ばしたんだっけ。

あれはやりすぎたと自分でも思う。

 

「お祓い棒を強化する必要あるのか?あれ単体でも痛そうだぞ」

 

「痛いだけじゃ戦闘では使えないわ」

 

「そ、そうだな…」

 

実演してあげましょうかね。

 

「玄関から3本…いえ、2本持ってきて」

 

「…?わかった」

 

そりゃ、自分では行かないわよ。

見たいというなら準備させるわ。

 

「ほい」

 

「ありがと」

 

「おう」

 

「いい?これが強化前」

 

「ふむふむ」

 

「ハァッ!」

 

「うぉっ…」

 

掛け声とともに畳に叩きつけると、バキッと音を立てて折れた。

 

…まぁ、こんな所かしら。

 

「それで、これが強化後」

 

「いや待て」

 

?

 

「なに?」

 

なんで止めるの?

 

「俺は適当に2本持ってきたんだ。何でそれが強化後だと分かるんだ?」

 

そういう事か。

 

「ああ、それはね。これを今強化したからよ」

 

「え…念じるとか祈祷するとか無しでか?」

 

「ええ」

 

こいつの中では、強化すると言ったら念じたり祈祷したりするのね。魔法使いじゃないんだから…。

 

「ほ、ほう…。あ、続きお願い…」

 

言われなくても。

 

「ハァッ!」

 

「おお…」

 

ドッ…という鈍い音と共に畳に叩きつけられたお祓い棒。折れるどころか曲がってすらない。

 

手がジンジンするわね…痛い…。

 

「…ね?こんな感じよ」

 

「凄いな…」

 

これで凄いと感じてくれたの?

 

「だから、あんたが急いで出した分身も、霊力を乗せれば少しは強化出来ると思うの」

 

「なるほど…」

 

「早速やってみる?」

 

「!良いのか!?」

 

何この喜びようは…。

 

「ええ。暇だしね」

 

「あはは……」

 

…一言余計だったわね。

 

2人で外に出る。

 

「よし…。『分身』!」

 

バチバチと音を立てて分身が生まれる。

 

「ヤァ」

 

「ほんとに早くなったわね…」

 

「いや、中身はほぼスッカラカン」

 

「そうなの?」

 

「ああ」

 

ああ、早く作ったからか。

 

「オイ俺、コンナンジャマトモニ戦エナイゾ」

 

「わぁってる、少し待て」

 

「霊夢チャンニ強化シテモラウンダロ?ワカッテル」

 

「なら言うな」

 

「ヘイヘイ…」

 

「ちゃんって…ちゃん付けなのね…」

 

「コイツ、誰にでもちゃん付けなんだぜ。レミリアちゃんに咲夜ちゃんに魔理沙ちゃんだとさ」

 

「うわー…」

 

ちょっと引いたわ。

 

「ナッ…引カナイデクレ霊夢チャン!!」

 

何慌ててるのよ…。

 

「分身なのに自我があるのね」

 

「ああ、そうらしい。それで、強化ってどうやるんだ?」

 

「私の体の一部じゃないものを強化するときは、対象に触れなきゃ…」

 

「触れる?」

 

「お祓い棒だったら、掴むとか…。まぁ、しっかり握らなきゃダメね」

 

「握る…」

 

「さ、手出して」

 

「オホッ、霊夢チャント手ヲ繋グノカァ!」

 

コイツと繋ぐのなんかヤダ…。

 

「ダメだ!!」

 

!!

 

「な、何よ?」

 

「邪魔スンナヨ俺」

 

「霊夢が手を握るなんてそんなのダメだ」

 

「え…だって強化するんでしょ?」

 

「ソウダソウダ!」

 

「コイツは俺の分身とはいえ俺じゃない。俺以外の男と手を繋ぐなんて許さねぇ」

 

な、何よ…男らしいとこあるじゃない。

 

「…ありがとっ!」

 

ギュッ…

 

「!?!?」

 

「ど、どした…?」

 

「…ハッ!な、何でもないっ!」

 

抱きついちゃった…。でも…イイかも…。

 

「オイオイオイ、何ヤッテンダヨォォ!」

 

「?」

 

「今完全ニオ前モ霊夢ヲ抱キ締メルノガ自然ナムードダッタロウ!!」

 

「…そう、かもな」

 

そ、そんなムードだったかしら…。

 

「そ、それで、強化はどうするの?」

 

「あー…他の方法はある?」

 

あるっちゃあるけど…。

 

「霊力を込めた御札を貼るとか…」

 

「じゃあそれで!!」

 

途端に元気になったわね。

 

「わかったわ、準備する」

 

御札に力を送り始める。

 

「オイ!邪魔スルナヨ!!折角手ヲ繋ゲソウダッタノニサァ!!」

 

うるさいわね…集中出来ないじゃない。

 

「黙れ、強化してもらったら戦うぞ」

 

「イイヨコイヨ。霊夢チャンヲ賭ケテ決闘ダ!」

 

わ、私を賭けて!?

 

「そういう訳じゃないんだが…いいや、それで」

 

イイの!?……そろそろ良いわね。

 

「準備出来たわ。どこに貼る?」

 

「キョンシーみたいに、デコっぱちに頼む」

 

「OK」

 

ペタッ

 

ふふっ、中々面白いわね。

 

「オイ、俺ノ意思ハ!?」

 

「黙れ分身。お前は俺に生み出され俺に使役される者だ。どっちが上かしっかり分からせてやる」

 

「言ッテクレルジャネェカヨ?調子乗ッテンノカ?ア?」

 

「不良かお前は」

 

「イイヤ」

 

「……霊夢、合図頼む」

 

「わかったわ」

 

『…………』

 

どのタイミングで言おうかしら。

でも、もう良いわよね。

 

「初め!!」

 

「雷速『クイック』!うおおおお!」

 

「雷速『クイック』!ハァァァァ!」

 

勢いよく相手に飛び込み…

 

ドカッバキィッ!

 

「うぅぅ…」

 

「グゥゥ…」

 

互いの顔を殴る。痛そう…!

 

「痛てぇな…!」

 

「俺モ痛テェヨ…!」

 

飛び退き距離をとる2人。

 

「雷武器『雷砲』!サンダァァァ!」

 

「雷武器『雷刀』!はぁぁぁぁぁ!」

 

へぇ…弾を斬るのね。妖夢みたい。

 

「雷武器『雷銃』」

 

「!?…くっ…!」

 

速いけど何とか避けられる。

 

「ヘェ、ヤルジャン」

 

「当たり前だ、俺はお前だぞ」

 

「ソウカ。ナラコレハ?雷銃操法『スパークショット』」

 

「!!!」

 

ドドドド…

 

凄い連射ね。

 

「痛てぇ…」

 

エスカルゴが避けられないなんて…。

 

「痛てぇっつってんだよ!雷鎧『サンダーアーマー』!」

 

あ、キレた。

 

「クッ…守ッタカ」

 

「今度は俺だ!雷符『Midnight☆Thunder』!」

 

ブワッ…

 

「残念ダナ、俺カラハ見エテルゼ」

 

…私からは見えないんだけど…。

 

「な、何だと!?」

 

「当然ダ、俺ハオ前ダカラナ」

 

「チッ…解除」

 

フッ…

 

あら、晴れたわ。

 

「アレ、撃タナイノカ?」

 

「効かないんなら意味は無い」

 

「ソレガ、意味ガアルンダナー」

 

「なにっ?」

 

「一定以上ノダメージヲ喰ラウト分身ハ壊レル」

 

「なるほど…」

 

壊れる?どんなふうに壊れるのかしら?

 

「ソノ、一定以上ノダメージッテノハ、ソノ時練ラレタエネルギー量ニ比例スル」

 

そこまで言って良いの?

 

「…雷符『Midnight☆Thunder』!」

 

ブワッ…………バリバリバリィィ…

 

また見えなくなった。

 

「グッ…ウゥゥ…!」

 

「どうだ!?」

 

フッ…

 

また見えるようになった。

 

「耐エタゼ」

 

平然と答える分身。

 

「キツかったろ?」

 

「イイヤ?強化シテモラッタカラナ、マダマダ余裕ダ」

 

「なるほど、強化か…」

 

強化しすぎたかしら?

 

「なら次は…」

 

「俺カライク」

 

「…来い」

 

「雷符『Midnight☆Thunder』」

 

ブワッ………

 

「あ、ホントだ。見えるな」

 

私からは見えないってば!!

 

「ダロ」

 

バリバリバリィィ…

 

「ふぐっっ…ちょっと痛いな…」

 

…そろそろ気になってきたわね…。

 

「ヤッパ効カナイカ」

 

「ちょっとちょっとぉ!」

 

『ん?』

 

「喋ってないでちゃんと戦ってよね!見てる側としてはあまり面白く無いわよ!」

 

『はーい…』

 

「よし、続きだ!」

 

「来イッ!」

 

互いに互いの攻撃が効かないんだもん…長引きそうねぇ……。

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