下品なんですが……フフ……勃(ry
胸のサイズはちょっと解釈違いですけども、それはそれとして可愛すぎる。
ガチャで出てきたら課金してでも引きますね。
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「────ッッ!?」
ヘラが目の前で爆発したゼウスは絶句している。今の今まで自分に抱きついてきたり、涙を流したり様々な表情の変化を見せてくれていた妻が、一瞬でその形を失ったのだ。こうなるのも仕方ない。
彼女だった肉塊は、放物線を描いて飛び散ると、ドチャドチャグチャグチャと水っぽい耳障りな音を立てながら床に散らばった。
ゼウスはそれを無表情で……しかし、ほんの僅かに口をポカンと開け、肉塊と血溜まり、ティアラや、彼女の衣服を見つめている。
「……ヘラ…………?」
答えない。肉片はほんの少し動いているようだが口が無ければ答えようもない。しかし肉塊でも動くというのは気味が悪い。手などの部位が蝙蝠に変身するという俺達吸血鬼の方が普通に思える。
「ヘラァァァ!!あああぁああぁぁあッッ……うおおおおおおおああああああぁぁぁっっ!!!」
ゼウスが叫ぶ。鼓膜がビリビリと震え、凄まじい怒号を発する。この攻撃で、彼も分かっただろう。既に悪魔が侵入している事を。
「おのれ悪魔ァァァ!!!うおおおおおおおお!!捻り潰してやる、出てくるがいいッッ!!」
「……!?」
流石のゼウスもこれにはご立腹らしい。ゼウスはこれまで数多の女を抱いてきた好色漢だが、ヘラはその都度ゼウスの邪魔をした。嫉妬深いヘラの目を欺くのは、流石のゼウスですら一苦労したという。
だから俺がヘラを殺したり無力化させれば、彼も心のどこかで安心したり、「これで好き勝手できるだろう」と思うかもしれない、などと微かな期待を寄せてはいたが……。やはりそんなのはただの希望的観測だったらしい。
そりゃそうだ。如何に自分の邪魔をされようと、それでも妻とし続けるからにはやはり愛が必要だ。それはそれとして浮気はしても、やはりゼウスも、ヘラを愛していたのだろう。案外ゼウスはヘラとのイタチごっこを楽しんでいたのかもしれない。
そんな妻を目の前でバラバラにされたのだ。彼の怒りは察するに余りあるものがある。まして、俺にとっては特にだ。
しかし、そこは流石ギリシャ神。絶対の不死性を持っているだけある。肉塊となっても生きてはいるようだ。気持ち悪い。
「出て来いと言っているのが聞こえんのかッ!余はゼウス!神々の父!天空の支配者であるぞッ!!」
「……」
「どこに隠れた?貴様がその気ならば仕方がない、この神殿ごと破壊してくれるッッ!!殺してやるぞ悪魔め、余を敵に回した事、黄泉の国で後悔するがいいッ!!」
顔を真っ赤にさせて叫ぶゼウスを見て、我ながら根性腐ってるなと思うが、どうしても「死なねぇんだよなぁ……」などと考えてしまう。
例えこの身を焼かれても俺が死ぬ事は無いのだ。
「喰らうがいいッ!」
「えっ────」
ゼウスが雷霆を掲げたその瞬間、球状に凄まじい威力の稲妻が迸る。それは柱の陰に隠れていた俺の身体を貫き、神殿の天井も、他の柱も床も、全てを破壊し尽くした。
「うおおっ!?やべ、崩れるッ……!!」
幾ら生き返るとは言っても、瓦礫に潰されるのはごめんだ。俺は慌てて適当な箇所にスキマを開き、瓦礫から回避した。
けれども俺の目の前には、透明の刃が付いた鎌を携えたゼウスが、怒りを露わにさせて立っていた。意外にも、筋骨隆々な足が見える。最高神だからか自然と対象より上に立ってしまうらしい。
「ッ……」
顔は見えない。正面ならば見ない方がいい。もし正面から見てしまったら俺は「恐怖」にやられる。危惧すべきはアダマスの鎌より「恐怖」の甲冑だ。アイギスの楯を装備していないだけ、まだマシか。足だけ見えるこの状態で戦うしかない。
「死ぬがいいッ!!」
「母さんッ!!力を…………!!」
鎌が振るわれた刹那、球状の結界が俺を覆った。ゼウスは結界を切り裂かんと力を込めるが、流石に唯一神たる母さんの結界はそう易々とは切れずに、火花を散らして刃を滑らせると一旦距離を置いた。
「おのれ……貴様……!」
「……やっぱ何でも切れるってのはガセか」
(がせ?)
「ヘッ、全知全能はやっぱ嘘なんじゃあねぇーか?なぁ、ゼウスさん?」
「戯れ言もそこまでいくと哀れだな悪魔よ」
「戯れ言?本当にそうか?結界も切れないクセに、なぁにが全知全能なんだっつの。笑わせるぜ。妻も守れないクセに、全知全能を名乗んなや。そんなに安い肩書きじゃあねぇだろ、全知全能ってのはさ」
「ッ…………!!」
「さてっ。ご主人様が来るまで時間稼ぎといくか!折角特訓したんだから、ヘラみてェに簡単に壊れてくれるなよ?
「うぬぅ……余を甘く見るなよ…………!!壊れるのは貴様の方だ……!」
◆
ヘリオスを撃破し、ニュンペー、その他の神々も撃破しながら神殿へ向けて前進するへカーティア。しかしそんな彼女の前に、今度はかつて同じモノを司っていた昔の仲間達が現れた。
「ちょっと、ヘカテー!私達を裏切っただなんて、なんでそんな馬鹿な事をするのよッ!?」
「そんな事して、あなたにどんなメリットがあると言うのっ!?」
「ゼウス様に宣戦布告したってヘリオスから聞いてビックリしたわよ!でも嘘だって信じたかった!」
「……私も……嘘だと、思いたかった……。なのに……。さっきの戦い、見てたよ?……なんだか変わったね。悪い方にさ」
「そう?あなた達のそういう妙に仲間意識が強い所なんかは、全く変わってないわね。面白いわ」
「当たり前でしょ、仲間なんだから!……でもね……あなたが裏切ったんなら、せめて仲間だった私達の手で倒してあげる!」
「今までありがとう、ヘカテー。……さようなら」
セレネのその言葉と共に、神々の軍勢から多くの女神が飛び出してきた。すぐ倒さずに見てみると、それはデーメーテール、イシス*3、そしてハトホル*4だった。全員へカーティアやアルテミス、セレネなどと縁のある、月に関する女神達である。
「あらぁ囲まれちゃった。袋叩きにされるかしら」
「その兜……ヘリオスの使ってたヤツね」
「うん?……あぁ、これ?後で私の配下に与えようと思ってね。あ、もしかして私がこれ使うと思った?ふふ、わかったわ、しまっといてあげる♡」
「……」
魔法で隠れ兜を収納するのと同時にアルテミスが口を開く。喋らずにさっさと動けばいいのにね、とへカーティアは内心呆れ始めていた。
「狩猟の神である、このアルテミスが口にするぞ。
「……♪」
「私は
「ふふ、皆纏めて行動不能にさせてあげるわよん。サヨナラ。……宇宙『アブソリュート・ゼロ』」
へカーティアを中心に真っ白な霧が広がる。その霧を煙幕だと勘違いした神々は身を寄せ合って警戒するが、次の瞬間には、心臓も思考も、何もかもが完全に停止してしまっていた。
「うん、神殿までは直行できるわね。さてさてぇ、エスカルゴくんまだ無事だといいんだけど……」
ペルセポネとハデス、ゼウス、ヘラ以外のアレスなどの十二神を、たったの一撃で倒してしまった。へカーティアが少し殴れば氷像となっていた神々は粉となってしまう。
そしてへカーティアは、十二神の一人、アテナを破壊しようとして、ある事に気が付く。
「あら……?アイギスの楯はアテナが持ってたのね。こりゃあラッキーだと言わざるを得ないわ。これがここにあるという事はゼウスの防具は無いも同然。ま、こんなのあっても勝てるんだけど……不安の芽は少しでも減らしておきたいし。……にしても、
少々嫌な予感がしたへカーティアは彼が一足先に向かった神殿へ急行する。
何度も来た事があるので、構造は把握している。だから、彼のように
そこでは、エスカルゴが腰を抜かしへたり込んでいるらしく、床に尻をつけてゼウスを見上げているようだった。
「エスカルゴくんっ!!」
「ほぉう、来たかヘカテー。貴様と手を取り合った悪魔はやはりコイツか」
「!」
ヘラの玉座の周辺には、大量の血と臓物、肉片が飛び散っていた。少なくとも、彼自身の目的は達成できたようだった。
しかしどうも彼の様子がおかしい。ゼウスを直視しながら全く動こうとしない。声すらも発さない。彼女は自分の顔から血の気が引いていくのを感じていた。
「今思えばこの悪魔も哀れなものだ。貴様の言葉に惑わされ、余の妻に手を出すとはな。貴様も貴様だヘカテー。叛逆するなら何故己の力だけで動かぬ?こんな悪魔を連れて、貴様は何を狙っている?」
「その子は私の大事な配下よ。だから連れてきた。ただそれだけ」
「ほほぉ、配下か。余の『恐怖』に屈する程度で、よくも配下などにできたものだな」
「ッ……やっぱり『恐怖』に……」
「余は神々の父、ゼウス。この程度は造作もない。さて、最後の猶予として貴様に問う。ヘカテーよ、元の鞘に納まれ。今ならば、ハデスも貴様の叛逆を赦すであろう」
「フンッ、バカ言ってんじゃないわよ。私はもう、こんな世界でヌクヌクと暮らすつもりは無いわよ。刺激が足りないわ。というか、元の鞘にってそれ、男女の仲のヤツに使うべきでしょ。気持ち悪いし、この局面で言葉選び間違えないでくれるかしらね?本当に気持ち悪い。身の毛もよだつとはこの事ね」
ギチギチと音が鳴る程に強く拳を握る。そこまで長くない爪が食い込み、手のひらから血が流れた。
ゼウスは顔色一つ変えやしない。エスカルゴも、血の匂いを漂わせているのにも関わらず、微動だにしてくれなかった。
如何に彼が不老不死と言っても、最高神レベルの戦いに巻き込まれたのなら無事とはいかない。参戦するにしてもしないにしても、彼女としては、早く彼に正気に戻ってもらいたかった。
《隠岐奈さん、彼の精神力を早く建て直して!早くしないと間に合わなくなるかもしれないわよ!私が彼を手に掛けるのは嫌だし……》
《既にやっている、そう焦らせるな……!》
《既にやっているですって!?だけど、彼の精神は見るからにグズグズになってるわよ、これって一体どうすればいいの!?私、精神とかそういうのには少し疎いから分からないわ!》
《そういう魔法は使えないのか?》
《私のは物理特化の魔法ばかり!洗脳以外で精神に作用する魔法なんて全く開発してないし、ぶっつけ本番で試そうものなら本格的に彼を壊してしまう!恐怖に飲まれているだけなのよ、ゼウスの甲冑で!でも、正気を失ってるに等しいから、私の声が彼に届かないわ……》
《まぁ、そんなに焦るな。らしくないぞ。……なら、ほんの一時的でも構わないから恐怖を忘れさせればいいんじゃないか?何でもいい、エスカルゴの気を逸らせる何かがあれば……》
《……恐怖から彼の気を逸らせばいいのね?》
《精神が疲れた時、何かしらで癒されると回復するだろう?それと同じ事でな、恐怖というストレスを忘れる程のショックを、エスカルゴに与えるんだ。精神に作用するショックを、だぞ?》
《ふむ……。私より隠岐奈さんの方が精神的な事には詳しいだろうし、ヤッてみるわ。問題は、ゼウスがそんな隙をくれるはずないであろう事────》
ゼウスの動きを注視しながら隠岐奈とやりとりをするへカーティア。しかしゼウスはクルリと彼女に背を向けると、ヘラの肉片へ歩み寄り、土遊びする子供のように肉片を掻き集め、ネチャネチャと酷い水音を立てて弄り始めた。
「な、にを……やっているの…………?」
「知れたことを。ヘラを甦らせるに決まっている。貴様もギリシャ神の端くれなら知っているだろう。不老不死だが再生能力はほぼ皆無である事を」
「……ッ!」
「……余を倒すというのなら今だぞ、ヘカテー」
「フンッ。何のつもり?敵に背中を向けるなんて、大神ゼウスも堕ちたものね。死にたがり?」
「ヘラが蘇る時……それが貴様らの最期だ」
「あっそう。その前にアンタを倒すし問題ないわ。さぁエスカルゴくん、しっかりなさい」
「……」
「無駄だ。コイツは今、『恐怖』に飲まれている。
「何ですって……?」
「冥界の女神でもある貴様に言うのも変な話だが……冥土の土産に教えてやろう。余の『恐怖』の甲冑は
「……!」
それを聞いて、へカーティアは天啓を得た気分になった。成程、と素直に感じた。
彼は幻覚を見ている。つまり、声は届かなくとも意識自体は残っている。ならいつものように思考を覗く事が可能というワケだ。
そして、思考を覗き彼の見ている幻覚を
「……悪趣味ね、ゼウス。最高神、天空神、大神、と持て囃されるアンタが、まさかこんな陰湿な攻撃をしているとは思わなかったわよ」
「勝てば良いのだ。万事はそれで保たれる」
エスカルゴは幻覚を見せられていて、それに対し本気で恐怖している。その内容は、彼が一番恐れる極めて残酷なもの。
人によっては予想がつくであろうその内容だが、へカーティアは彼の思考を読んでやっと彼の恐怖へ理解ができた。もし覗かなければ分からなかった。
《────さて。ゼウスは隙だらけだし彼を目覚めさせるなら今しかないわね》
《ゼウスとやらの動きには気を付けるんだぞ。もしへカーティアまでやられたら一巻の終わりだ》
《……わかってるわよん》
《こちらも最大限で精神力を引き出している。後はへカーティアが何かしらのキッカケを与えるだけで正気に戻ってくれるはずだ》
《了解したわ》
《ぶっちゃけた話、殺せば元に戻ると思うがな……。ゼウスに、エスカルゴが即時復活する不老不死だと知られるのは大きな痛手だ》
《そりゃそうよ》
ゼウスがヘラを組み立てている中へカーティアはエスカルゴに歩み寄る。両肩に優しく手を乗せて、横目でゼウスを警戒しつつ、彼の耳元で囁くように揺さぶりをかける。
「起きなさい。戦いの時間よ」
「…………」
「それは幻よ。ちょっと鮮明すぎるけれど。霊夢は生きてるわよ、安心なさい」
「…………」
「そりゃあ、それは恐いでしょうね。でも大丈夫、誰も死んでないから。フランは誰も殺してないわ。別にキレてないから、大丈夫よ」
「……………………」
「もしもーし、聞いてるのー?絶望感がエグいのは分かるけど起きてー?」
肩をミシリと握ってやると、彼の表情に少しだけ変化が現れた。外的刺激も感じているようだ。
へカーティアはそんな彼の反応を見てそれならと行動内容を決めた。彼の好きな感覚を与えてやり、絶望的な悪夢から目を覚まさせてやろう、と。
「仕方ないわね。報酬の前払いよ。……
普段の彼が彼女達にするように、へカーティアは彼を抱き締め、それから頬を撫でるように手を添え優しく唇を重ねた。
ピクリと彼の身体が軽く震え、何かしらの反応が見られそうになったその時。
「────愚か者めが」
ゼウスは口元を歪めて嘲笑する。雷霆が煌めき、一筋の雷が2人を同時に貫いた。内臓を焦がされ、2人は呆気なく絶命する。
エスカルゴの肉体は消えて、ゼウスの『恐怖』の洗脳が解けたエスカルゴは肉体を構築し復活する。己の足元に、胸に大穴が空いているへカーティアが血塗れで倒れているのを見て────。
「へカーティア?……へっ……?嘘…………え……」
「……成程、本体がどこかにあると見えるな。フン、強かな悪魔だな」
「ゼウステメェ、へカーティアに一体何をしてっ……ぶっ殺してや──」
「私はここよ♪」
ポンと肩に手を乗せられ、振り返ると……そこにはへカーティアが何食わぬ顔で立っていた。けれどもその傍らにはやはりへカーティアの死体がある。
「……え??」
「はぁいエスカルゴくん、復活おめでとう♡」
「えっ……えぇ?うん……?」
「忘れた?私の本体は各地獄にあるの。ここにいる私を殺したって、なぁんの意味も無いわ〜♡」
「…………閃いた」
「コラッ。よからぬ事を考えないの。何でもエロに繋げるそのスケベ思考はゼウス以上ね」
「……」
「……報酬、受け取ってくれた?」
「うんっ。……はは……どうかしてたな、あんな幻に絶望するなんてね。フランがハーレムにブチギレるなら、もっと早くキレてるっつーのにさ……」
「全く、その通りよ。さて、ゼウスを潰しましょ」
「おーっ!!」
「……何か勘違いしているようだがな。余は貴様らを殺す事など造作もないのだ。復活しても無駄だぞ、その都度殺すのみだからな。世界ごと消してやるぞ貴様ら……」
「「…………ッ!!」」
◆
フランがハーレムにブチギレ、俺を含め彼女やら何やらを全員破壊してまわるという悪夢から覚め、ようやくまともにゼウスと対峙する。
あれは悪夢だった、本当に悪夢だった。それしか言えない。あれ以上の絶望は、きっと無いだろう。恐怖で固まり……俺は何もできなかった。最初に破壊されたのが霊夢というのが一番の衝撃だった。
「……うっ……」
「きゃあっ!?エスカルゴくん何してるのよ!?」
もう同じ手は食わない。ゼウスを見ないで戦う。その決意表明の為に両眼を抉り出した。こうやって目を抉りでもしないと眼に頼った戦いをしそうだ。
「こーでもしないと、また恐怖にやられそうで……。それが怖いんだよ」
「だからって抉るのはバカよ……。あ、でも蝙蝠なら
「うん。……さてゼウス、お待たせ。本格的に潰す。アンタにゃここで、無駄に生き長らえた分のツケを払ってもらうぜ」
「……小僧が」
「何とでも言えばいい。けどな、叛逆される運命は変えられなかったって事を分からせてやる」
「どっちがだ。
「……
ゼウスの発言に首を傾げる。すると背後から、神殿の瓦礫の上を歩く、コツンコツンという足音が聞こえてきた。
ゼウスを警戒しつつ振り返ると、そこには……少々ゼウスに似た顔立ちの2人の荘厳な雰囲気を纏った神様が現れた。挟み撃ちにされた。
俺にはそれが誰なのか、パッと見では2人の内の1人しか分からなかった。何故ならソイツは、象徴としてあの得物を描かれる事が多かったから……。
「ポセイドン……ハデス様っ!?ポセイドンはさっき倒したはず……ハデス様はどうして
「貴様の謀反を知ったからだヘカテー。案ずるな、留守はペルセポネに任せてある。ポセイドンを元に戻したのは我だ」
「ねーへカーティア、ポセイドンってマジで
「ええ、そうだけど……。って、ちゃっかり目玉復活させてるし」
「そりゃあ、ポセイドンとハデスも見てみたいし。ゼウスはへカーティアに任せるしね」
「あら、そう?助かるわね。……OK、ポセイドンとハデスはあなたに任せた。背中預けるわよ。もう、私に痛い思いさせないで」
「了解、ご主人様。……あんな物でこの俺に勝てると思ったら大間違いだって、思い知らせてやる」
ジワジワと心拍、モチベーション、テンションが上がってきているのを感じている。隠岐奈……里乃の能力で精神力が引き出され、高められているのだ。もう屈しない。
もう、俺に怖いものは無い。ゼウスの『恐怖』が目から作用する仕組みで本当に良かった。ゼウスをしっかり見なければ平気だ。先程は、つい好奇心が勝り見てしまったのだが……。
「……さあ、俺が口にするぜ。お前らはもう運命から逃れられない。俺達に負ける運命から、な」
「それじゃ……仕上げよッ!」
「了解!」
俺達は同時に飛び出した。己の欲望の為、そして世界の理を根底から覆して、刺激的で自由な日々を享受する為に。
相手が最高神クラスだろうと関係ない。唯一神も雷神も厄神も水神も地獄の女神も皆、俺の味方だ。皆が居れば、俺はどこまでも強くなれるのだから。
何が面白いって、ゼウスの強さって武器や防具だけなんですよね。雷霆とかそういうの含め誰かに用意してもらったヤツばっかで。
ヘラクレスとかの英雄の方が腕っぷしでの武勇伝を残してる。
ゼウスの強みっていうのは、個人的には「組織的な強さ」だと思ってます。オリンポス十二神を含めてやっとゼウスの真価が発揮されるんじゃないかと。
天空神ってぶっちゃけそこまで戦闘に特化してないじゃないですか。魔術に優れてるわけでもないし、武器といえばアダマスの鎌やアイギスの楯くらいで雷霆なんてキュクロープスからの貰い物です。
事実、武器を奪われたゼウスはテュポーンに敗北を喫しています。
ゼウスがテュポーンに勝てたのは武器のお陰もあるでしょうが、テュポーンが無常の果実を食べたのが大きいでしょうね。食べると望みが叶わなくなる、というものです。つまりテュポーンの自滅ですね。ゼウス、実は命拾いしただけなのでは?
果実無しではどうなってた事か……。
なので、武器無しゼウス個人では、
勿論、テュポーンはギリシャ神話最強の怪物なのでコイツだけを強さの指標にするワケにもいきませんけどね。