※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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虹龍洞製品版、発売ですね。真夜中に車を走らせ、丑三つ時に買いました。BitCashのカード買って。
なんでBitCashにしたかって?
アビリティ「カード」に因んでカードで買っただけなので深い意味は無いです。
早苗で2周、霊夢で1周(ノーマル)しましたが、苦手な弾幕が多くて少し泣きそうです。
数話後に虹龍洞編スタートです。お楽しみに。


無双

「髑髏の飾りの杖なんて、いかにも(・・・・)って感じだな!ええ?ハデスさんよー!」

 

「……貴様さえ存在しなければ……ヘカテーが我々を裏切る事もなかったというのに……!全ての元凶は貴様だ、悪魔めが……!」

 

「は?逆恨みかよ。こっちの事情も知らねぇくせによくそんな恨み言を言えるね。…………まぁいいや、これから死にゆく奴には好き勝手言わせてやるよ」

 

「ほざけ小僧がァ!!」

 

 瞬間、杖を二叉槍・バイデントに変化させると、鋭い突きを仕掛けてくる。しかし俺は、例によってこれより速い攻撃を知っているので、より遅いこの攻撃を喰らうはずもなく、余裕で身を躱した。

 時間差攻撃のつもりか、逃げた先にポセイドンも三叉槍・トライデントで攻撃を仕掛けてきていた。これは翼を貫かれそうだったので、蝙蝠化で回避。

 2人が蝙蝠を潰すのに必死になっているのを見て少し離れたところで集合、実体化。

 

「ポセイドンのオッサンは無口なのか?この、クソレイプ魔がよォ。そのヤリチンさだけは割とマジで尊敬に値するぜ。経験人数だけで言うなら、ゼウスレベルらしいじゃん?いつか俺もアンタ超えられるかな?」

 

「……」

 

「なぁ、ペルセポネ誘拐犯のハデスぅ」

 

「……」

 

「あんた兄貴なのに、なまじ凄い弟なばっかりに、地下のゼウス(ゼウス・クトニオス)って呼ばれてんの?ははっ!俺も兄貴だけどさ、『吸血鬼のヒビキ』だなんて呼ばれたらそいつら皆殺しにしてやるよ?だってムカつくもん普通に。よくムカつかないね、凄い凄い♪」

 

「……」

 

「ポセイドンは海のゼウス(ゼウス・エナリオス)だよね。凄いなぁ。弟を基準にされた渾名なんて嫌じゃねぇ?兄貴としての意地とか威厳はないの?」

 

「「……」」

 

 クロノスから吐き出された時に兄弟としての順が入れ替わったという説がある。だからゼウスが兄でポセイドンやハデスがゼウスの弟だと。

 いやいやそんなのあるかよ、と思う。こじつけが過ぎる気がしてならない。ゼウスを最高神に据える為の口実な気がする。

 

「ずっと黙ってんじゃあねぇーよ、つまんねぇな。こちとら興奮してんだぜ?ギリシャ神とこうやって戦えてるって事がよォ……俺を奮い立たせるんだよ。精神的にも……肉体的にもなァッ!!」

 

 両手の爪を伸ばして、引っ掻き攻撃を仕掛ける。まずはゼウスに次ぐ実力者と言われるポセイドン。コイツを潰してやる。

 ここは海洋ではない。自分の領域ではないので、ポセイドンは十全に能力を発揮できない。ならば、今の内に潰すのみ。しかし同時に、神奈子様の水を操る能力も縛られているが────。

 

《頼みましたよ神奈子様!》

 

《任せろ》

 

「眷属『擬似神化』!!」

 

 今回は五柱のみならず、力を借りている全ての神から力を受け取った。勿論、俺が扱える分だけだ。しかしこれで実質的に能力が幾つも追加されたのに等しい。2対1だろうと勝てる。

 

「そらっ、風の刃だっ!」

 

「「……ッ!!」」

 

「んでもって、傷翼『六枚の翼(アイアンサンド・ウィング)』!!」

 

 勝負服に加え母さんそっくりの翼。テンションは最高潮に近付いてきている。神殿の材料に鉄がほぼ含まれていないからか、普段より少し小さいものの形成はできた。ただし、小さいとそれだけ間合いも狭くなってしまうので警戒は必要だろう。

 

「俺に近付きなよポセイドン、それでお前を潰す。ハデスも来なよ、あの世に送り返してやるよ」

 

「…………小僧が」

 

「身の程を知れよ、悪魔め」

 

 俺の発言などまるで気にしていない様子で、奴はトライデントを構え、突進してきた。水を操れない水神なんて、所詮はこんなものなのかもしれない。神奈子様はもっと他の権能があって良かった。

 ハデスもバイデントを構え襲ってくるが、奴らの槍を破壊するように砂鉄の翼で襲ってやると、槍をギャリギャリと削ってしまう。

 しかし削る速度より2人の突きの速度が上回ったらしく、柄だけとなりながらも砂鉄の翼を貫通し、俺の心臓を的確に狙ってきた。

 

《────ッ、袿姫!!》

 

《最高硬度でイくわよ!》

 

「埴輪『杖刀人装備・埴輪兵士型』!!」

 

 全身にセラミックスの装備が施されたその瞬間、トライデント、バイデントの柄が鎧に弾かれ、遂に奴らの手元から折れてしまう。

 

「「ッッ…………!?」」

 

「ビックリでしょ。俺も壊すのに一苦労したんだ、アンタらじゃあこの鎧の破壊は不可能さ。……んで、アンタらさ……近付いたね(・・・・・)?」

 

「「?」」

 

 6枚の翼を優雅にはためかせた直後、残っていた神殿の柱が一斉に倒れ始めた。しかもどの柱もその狙いは的確。ハデスとポセイドンを狙っている。

 雛に近付く者は不幸になるが、雛本人は不幸にはならないという。そして今の俺は、ある意味で雛に近い状態なので、俺に近付くとこうなるのだ。

 それに加えて、今の俺はてゐからの幸運の付与により幸運状態にある。相手の運だけを下げ、自分の運を高めると、最高に都合のいい事ばかり起きる。これ(・・)もそうだ。

 

「こんな柱で我らをどうにかできるなどと……本気で思ったのか?」

 

「だとしたら……舐められたものだなッ!!」

 

「もっと早くその反応した方がいいよ」

 

 武器を失った2人は素手で向かってくる。もう、こうなると不死性だけが取り柄の木偶の坊だ。俺がどうこうされるはずがない。

 

「武器も無しに俺に勝てると思うんじゃあねぇぞ!神殿跡地ごと吹っ飛べ!旧約『インドラの矢』!」

 

 2人の間を狙い小さな光を放ち一息に爆発させ、神殿跡地をも更地に変える。へカーティアの安否は知らないが、彼女なら大丈夫だろうという絶対的で圧倒的な信頼感がある。

 

《いやまぁ大丈夫だったけどせめてこちらを確認はしてほしかったわ!?急に爆発するんだもの、少しビックリしちゃった!》

 

《この攻撃が『ビックリ』で済むのかよ。ハデスとポセイドンが手足欠損する程なんだけど》

 

《え、脆っ……》

 

《え、怖っ……殺す気で放ったのに欠損で済んだのがおかしいくらいだよ。これで『脆い』は流石に扱い酷いって、へカーティア?》

 

《え〜?だって私、ちゃんと防御すれば怪我しないもの。所詮、自分の領域(テリトリー)でしかまともに戦えない神(ヤツ)なんてこんなものなのかもしれないわね》

 

《本領発揮できてない神を倒しても面白くないよ。俺もそっち参戦していい?》

 

《OK、OK。いつでもいらっしゃいな、こっちもすぐ終わっちゃうから》

 

「……だとさ。ゼウス倒しに行ってくるからハデスとポセイドンとはお別れだね。それじゃサヨナラ」

 

 スペルによる弾幕でも普通の弾幕でも、ましてや肉弾戦でもない。神奈子様の風の刃にて、右半身と左半身に唐竹割りにしてやり、倒れそうになる所に細かい風の刃を放ちまくる竜巻を作って、ハデスとポセイドンを細切れの肉片に変えてやった。

 

「……幾ら自分の領域(テリトリー)じゃあないとダメだからって、格落ちしすぎだろ……」

 

 これなら信仰心を失いかけている日本の神の方がまだ力も強さもあるように思える。

 ────対してゼウスはこの天空こそが彼自身の領域(テリトリー)であり『恐怖』という甲冑と雷霆(ケラウノス)という武器を有している。この2人より圧倒的に強いのはきっと間違いないだろう。

 アダマスの鎌もあるものの、あちらはまだ対処もしやすいので、何とかなるはずだ。袿姫の鎧はあの鎌すらも通せないはず。何せ、強度はダイヤモンドなんかよりも上なのだから。

 

《……次は決戦だね。皆、もっと力を貸してくれると嬉しい》

 

《はいはい、いーよぉ!終わったら久しぶりに濃厚エッチしよーね!》

 

《いつも濃厚だと思ってたのは俺だけだったか》

 

《んー、じゃあ、いつもより濃厚でって感じ!》

 

《諏訪子と1日中ヤッてみたいな、たまには》

 

《流石にそれは無理かな……。でもまぁ、ある程度の長時間ならオッケー☆》

 

《よし、新たなご褒美が増えた。やる気上がるわ、マジで♪》

 

《ならば、こちらもそれ相応の褒美を用意しよう。お前の望みを叶えてやる。もし良ければ二童子にも声を掛けておくが?》

 

《寧ろそっちが俺の望みだわ》

 

《……そこはお世辞でも私を指名してほしかったが、まぁ、気を遣われるよりマシか。だが、2人がOKすればの話だからな。過度な期待はするな》

 

《ラジャー》

 

《そうねぇ……ゼウスさんって最高神らしいから、私からもカルちゃんにご褒美……。うーん……親子だしエッチしちゃうワケにもいかないし……。あ、お風呂なんてどうかしら?一緒にお風呂入りましょう?》

 

《最高。ロリスと夢子も連れてなら尚良しだね》

 

《う、うーん……あの子ならOKしそうだけど、一応聞いてみてからね。夢子ちゃんはダメそうだけど》

 

《ま、母さんだけでも最高だけどね》

 

《我からも何か欲しいか?》

 

《タケちゃんからは特にねーかな。もう布都御魂剣受け取ってるし》

 

《そうか。ならいい。テンションは上げてもいい、だが気は緩めるな。引き締めろよ》

 

《分かった》

 

《私からは……アレよね?》

 

《うん。へカーティアのは契約に織り込み済みだし改めては大丈夫だよ》

 

《そう、ならよかったわよん》

 

《私からは……特に無しだ。力を貸してもらえるのが何よりの褒美と思え》

 

《分かっていますよ、神奈子様》

 

《じゃあ私はテキトーにラッキーにしてやるウサ。ま、へカーティアがメインで戦うんだろうけど〜。とりあえず応援くらいはしとくよ》

 

《サンキュー。帰ったらウサ耳モフモフさせろ♪》

 

《ひぃっ!?》

 

 他にも袿姫、雛、サグメ、早苗などが多種多様な

「ご褒美」をくれると宣言してくれた。褒美などが無くとも頑張るつもりではあったが、それがあると考えるだけでテンションとやる気が倍以上になる。

 餌で釣られてるだけだ、と思っている神も中には居るかもしれない。そう思われていたとしても俺は

「だからどうした」としか思わないが。

 餌に釣られる事の何が悪いのか。子を躾ける時、動物などを躾ける時なんかは、まさにこれだろう。良い事をしたらオヤツ、悪い事をしたら叱るなど。それによって「覚えて」くれるのは、餌に釣られてそうなってくれたに過ぎないのだから。

 

「さーて、へカーティアんとこ行きますか。ゼウスぶっ倒してご褒…………あれ、どこ?後ろで戦ってたはずだけど……」

 

《上よ》

 

《……?居なくない?》

 

《宇宙よ、早く来なさい》

 

《いや無理じゃね?》

 

 サラッと何言ってんだと思わず溜め息が漏れた。ゼウスは天空、宇宙も統べる神で、へカーティアは月とも関係がある。つまり、そういう事だ。

 あの2人の戦いは宇宙規模。やっぱり俺などでは足手まといにしかならないのでは……と思った直後、へカーティアの魔法が作用したか、俺の身体は星の光に照らされる宙(そら)の世界へと放り出されていた。

 一先ず、彼女の邪魔にならないように好き勝手に暴れさせてもらおう。

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