幻想郷を襲う、謎の異常気象、局地的地震。
例によってあまり真面目に調査をしてなかった霊夢だが、博麗神社倒壊をキッカケに本腰を入れて調査を開始する。
いやはやどうなることやら。
はっきり言います。………ネタ回です。
理由はあとがきにて。
神社倒壊から3日。
神社は再建され、霊夢の住むところがなんとか復活した。だが犯人はまだ見つからない模様。
突然降ってくる雨なんて、俺ら吸血鬼にとってはクソ迷惑極まりないので、俺も自分なりに調査を進めているのだが、全く手掛かりは得られない。
…最も、外の世界でほんの少し知識を得ていた俺からすれば、1%程は犯人にあたりがついていた。
倒壊から5日目
「行くわよ、エスカルゴ!」
朝早く霊夢が訪ねてきたので、玄関でパジャマ姿のままフランと手を繋ぎ、眠い目を擦りながら応対する。何ともだらしない。
「おう…犯人わかったのか?ふわぁぁ…」
ねみ…。
「ええ。犯人は天界に居るわ」
「ほー…」
やっぱりそーでしたか…うんうん…。自分の手でちゃんとした証拠掴みたかったんだがな…。
「私も行くー!」
「…だそうだ、霊夢。良いか?」
「ええ、別にいいわ」
「やったー♪」
フラン…危なくないか?大丈夫か?
ま、いっか。フランほどの実力者なら。
「レミリアはどうする?」
霊夢が尋ねる。
「んー、そうねぇ…。行きましょうかね」
「そか。頑張ろうな」
「ええ」
「決まりね。さ、行くわよ」
「着替えさせろ」
ツッコんだことで目が覚めた。
「早くして」
「おう」
さっさと部屋に戻り、咲夜さん特製戦闘服に着替える。見た目は普通だが更に動きやすくなっているのが特徴である。服なのに重さをあまり感じない。
なので勝手に戦闘服と呼んでいる。
咲夜さん曰く、「それを“戦闘服”だなんて…。もっとしっかりした戦闘服お作りしますよ?/////」
…だそうで。
また今度お願いします、とやんわり断ったが。
「お待たせ」
「遅い」
早口且つ即答なのでどれほど急いでるかがわかる。
「3分だが」
「1分で着替えなさい」
「無茶言うな、移動もあるんだぞ」
紅魔館は広いんだからさ。
部屋から玄関まで、どれほど“走る”と思ってる。
「ほら行くわよ」
「はいはい」
「お気を付けて」
咲夜さんがお盆を抱えながら見送る。
朝ご飯はまだだ。紅茶一杯しか飲んでない。
最も、朝早くということでお腹は空いてない。
「いってきまーす♪」
「こらフラン、あんまりはしゃがないの」
「はーい♪」
「やれやれね…」
「ははは…」
俺とフランにとっては2回目の異変解決か…。
というか早く外行こうぜ?
ガチャッ
「!?」
「霊夢ー、遅いぜー?」
「ちょ、魔理沙勝手に…」
魔理沙とアリスか。この2人も行くのか。
「何よあんたら、待っててって言ったでしょ?」
霊夢が魔理沙たちを咎める。
「私も止めたんだけど、魔理沙が…」
「霊夢が遅いから迎えに来たんだぜ」
魔理沙らしいな。
「はあ…。メンバーも揃ったし、行きましょ」
『おー!』
みんなで外に出る。
「そーいや、なんでアリスも?」
気になったのでズバリ聞いてみる。
「魔理沙が心配だからね」
「なるほど」
魔理沙が来た理由は…聞くまでもないな。
「紫!」
門を出たところで、霊夢が紫さんを呼ぶ。
「は〜い、随分待ったわよ〜♪」
スキマから登場…では無く、空中からふわりと降りてくる紫さん。今度はそう来たか。
「今開くわね。行きましょうか」
スッ…
早速スキマを開く。
「行くぜ!」
魔理沙が一番に飛び込む。
「魔理沙は私が守るわっ!」
うわぁ…。
「私も行くわ!」
「あ、フラン!」
フランは魔理沙に続いてアリスと同時にスキマに飛び込み、それを見てレミリアもフランに続く。
「えっ、ちょまっ…」
俺も続こうとするが…
「あんたはこっち!」
グイッ
「ゔに゙ゅっ!?」
霊夢に襟を引っ張られる。
スッ
スキマが閉じた。
残りは俺と霊夢と紫さんの3人だ。
「おい、苦しかったぜ霊夢…」
「あんたがフランに続こうとしたからでしょ」
「ダメ?」
「私1人になるじゃないの!」
「あ、そうか。すまん」
「ホントよ」
「じゃあ霊夢、犯人はよろしくね」
紫さんは行かないのね。まぁ仕方ないか。
スッ
「ええ」
「こっちが犯人に通じるスキマ?」
『そうよ』
ハモるねぇ…。
「魔理沙やレミリアに倒させるのは道中のちょっと面倒臭いやつよ」
「へー。バラバラに行くこと、魔理沙は知ってるのか?」
「知らないわ。でも何とかするわ」
「あはは…」
「それに…」
「?」
「今回の犯人は…絶対に私が倒すわ」
パンッとお祓い棒を手のひらに打ち付ける。
「えらく気合い入ってんな」
「神社やられたからね」
「なるほどな」
「頑張ってね」
紫さんが優しく微笑む。
「ええ。行くわよっ!」
「ああ!」
2人でスキマに飛び込む。
これのボス…アイツだろ?俺ら勝てるかな…?
この時の俺はまだ知らなかった。
まさかこの異変が、目玉飛び出る程意外なカタチで終わることになるなんて。
スキマから抜け、着地する。
「っと…。ここが天界か?」
そこまで特別な感じはしないけど…。
「そうね。…変ね」
「何がだ?」
「スキマ抜けたら目の前に敵が居るようにする手筈だったんだけど…」
「あれま」
「紫がそんなミスするなんて思えないんだけど…」
「そうだなぁ…」
なんでだろう…?
そう思ったその時───。
「ハーッハッハッハッ!」
なんだ、このThe・高笑いは。
と思いつつ振り返ると、背後には1人の少女がいた。
腰まで届く青髪のロングヘアに真紅の瞳。
頭には桃の実と葉が付いた丸い帽子をかぶり、半袖、ロングスカートに、ブーツを履いている。
あの腕を見てると、二の腕に触れたいという欲求に駆られる。……間違いない、比那名居 天子だ。
「よくここまで来たな!褒めてあげるよ!」
腰に手を当てがい、何故か上から目線で言う。
「あんたね!?ウチの神社を崩してくれたのは!!」
お祓い棒を天子に向けながら叫ぶ。
「そーそー、私だよー」
ニヤニヤしながら答える天子。
「何よその言い方は!!」
「だぁってぇ…退屈だったんだもん」
うわぁ…。
「退屈ですってぇ!?退屈しのぎの為にわざわざ神社を崩したって言いたいわけ!?」
「そーそー。それに、そうすればあんたと戦えるかなって思って」
「はぁ?何よそれ」
「幻想郷最強の女──博麗霊夢。前々から興味あったんだ。だけどあんたを呼ぶにはこうするしかないと思ってね!」
「…はぁ〜…。どう思う?エスカルゴ…」
「えっ、ど、どうって…」
急に話を振られ少し戸惑う。
「馬鹿だなぁとしか…」
「そうよねぇ…」
「ば、馬鹿ですって!?この私を!?」
「そうよ、あんたに言ってるのよ」
「…勝負よ!博麗霊夢!」
「あっそう、話は聞かないのね。なら良いわ、さっさと片付けさせてもらうわ。こちとら朝ご飯がまだなのよ」
「霊夢もかい!」
「エスカルゴ、援護頼むわね」
耳打ちしてくる。
急に近付いてきたので少しドキった。
「わ、わかった…」
まだ少し眠いのか、いつものようにパッチリ開いてない目が何とも言えぬ可愛さを醸し出してる。
「ほらほら、いくよっ!」
そう言って弾幕を放ってくる。
『!!』
被弾しないよう、よく見極めて避ける。
何か面倒臭い弾幕だなぁ。
「気性『勇気凛々の剣』!!」
「うぉっ」
「エスカルゴ、気をつけて!」
「わかってる!」
大きな弾幕と小さな大量の弾幕を放つ天子。
遅いから避けやすいけど…弾幕の密度がフランのそれとは比にならない。俺が咲夜さんの真似したあのスペルと同じくらいか。
攻撃したいけど…俺じゃあダメだな。
何とかして時間稼げれば…。いや、そうだ。
……あれだ。時間稼ぐ必要無いじゃん。
「『分身』」
バチバチバチバチ…
「…オイコラ、エネルギーネェゾ」
開口一番、分身はそう言った。
今回は本当に見た目だけの、スッカラカンもいい所の分身を生み出した。
そして、こいつはエネルギーの塊なので、ダメージという概念がない。つまり特攻隊だ。
「待て待て。ここには霊夢がいる。その意味が分かるな?」
「…ソウカ、ソウイウ事カ」
ニヤリと笑う分身。
「霊夢!霊力強化の御札を!2枚!!」
「わかったわ!!」
天子の弾幕を避けながら2枚の御札を投げる。
それを分身は身体で受け止めるなり……
「ウオオオオオオオ!!霊夢チャンノ力流レテキタアアアアアアアア!!!行クゼェエエエエエ!!」
と叫び天子に突っ込んで行った。
「な、何なのこいつ!?攻撃が効かない!?」
残念ながら、ただのエネルギーの塊なのでね。
とんでもない攻撃じゃないと壊れないよ。
御札も2枚だしね。
「ウオオオオオオオ!!」
アイツ、完全に自我を失ってやがるな。
良い意味で暴れてくれるので、別に止めはしない。
しかも、上手く天子の気を反らせている。
「なぁ霊夢。今チャンスだろ」
クレイ戦のときの分身のようなことを言う俺。
「そうね。せーので行くわよ」
こちらも、あの時の俺と同じような事を言う。
トドメか。何とも呆気ない。
「……せーの!霊符『夢想封印』!!」
「雷符『Dark Side of the Full Moon』!!」
ブワッ…
「ちょっと!?何も見えないわ!!」
天子は、もはや俺にとってはお決まりのセリフを吐き狼狽える。…多分狼狽えてる。
「ちょっとエスカルゴ!?私の視界まで奪ってどうする気!?」
ああ、そうだった。
「霊夢が弾幕放ったあとだから大丈夫だ」
「そういう問題じゃなくて!」
チッ、仕方ないなぁ!
ガシッ
「ほら、これならいいだろ」
「う、うん…」
暗闇の中ではあるが、なんとなく霊夢の位置がわかったので手を掴む。……匂いでわかったのだ。
それにしてもおかしいな。被弾しないの───
「ああぁぁぁああ!ビリビリすりゅうううう♡」
『!?』
暗闇の中で聞こえてきた嬌声に、俺も霊夢もビクッとする。そして2人共思った。
これは聞き間違いだ、と。
何故なら、こんな場で発する声じゃ無いからだ。
「んああああ!!またきたぁぁぁああん♡」
「………(引)」
「…ねぇエスカルゴ?」
「…何でしょう霊夢さん?」
「あいつ…なんなの?」
「何なんでしょうかね?」
マジでMなのか?
「…帰りましょ」
倒す気失せたのね…。わかり易いやつだ。
「おう…」
まだスペル発動中なんだが…?
「紫ー、聞いてるんでしょー?もう帰るわ」
「そこから3歩程歩けばいいわ〜」
どこからか紫さんの声が。
「…だって。行きましょ」
「おう」
2人で歩き出す。
3歩程歩くと空気が変わった。
目を開けるとそこは、紅魔館門前だった。
緋色の雲は晴れ、いつも通りの空に戻っていた。
「お疲れ様、2人共」
紫さんが優しく微笑む。
「ええ、ホント疲れたわ…」
「あはは…」
苦笑いしかない。
「魔理沙たちは?」
「今呼ぶわ」
スッ
アイツら…なんて言うんだろうなぁ…。
「うわぁっ!」
『キャッ!』
ドササッ
落下してきた4人。
「おい霊夢!なんでボス倒させてくれなかった!?」
起き上がるなり早速文句を言ってくる魔理沙。
「まぁまぁ、そうカッカしないの」
「止めないでくれアリス、これは私の沽券に関わることだっ!」
あはは…。
「ねぇエスカルゴ」
「ん?」
魔理沙たちの話を聞いていたかったが俺も誰かに話しかけられた。
「普段あなたとやり合ってるお陰で、雷に対する耐性が出来てたみたい。ありがとうね」
フランとレミリア…2人を見ると、服が所々焦げている。雷に打たれたか。…衣玖さんと戦ったの?
「うんうん♪ありがと♪」
「おう…」
なんか俺、少し寂しい。
そしてこの後は、紅魔館で朝ご飯を食べながら紫さん以外のメンバーで話し合いをした。
話し合いとは勿論、宴会をいつやるか、である。
結果、人が集まろうとそうでなかろうと、今夜行うことになった。
「じゃあな。また夜に来るぜ」
「私も」
「ほいほい、じゃあな」
玄関から魔理沙とアリスを見送る。
今回の異変、モヤッとしたまま終わったなぁ。
つまりまとめると……
全ての事件の犯人は、天人の比那名居天子。
天界での退屈な生活への不満と、異変を起こして、それを解決するためにやってくる霊夢と戦いたがってた。つまり暇潰しだな。
霊夢に退治されたがってた?Mかよ。…Mだな。
そして博麗神社の局地的な地震は、天子が自分の能力で起こしたもの。
大方こんな所か。やれやれだぜ。
…いや待て。神社再建のお金…アイツからごっそり取った方がイイんじゃねぇか?
いやいや、そんなのはいい。半年の辛抱だ。
数時間後
「じゃあ、ちょっくら行ってくる」
「気を付けてね!」
「おうよ」
お昼も食べたので、フランに見送られつつ博麗神社へ向かう。…もちろん、霊夢を好きにするためだ。
今回、資料が無さすぎて挫折しかけました…。
ほんとに無さすぎ。
ニコニコで動画見れないので、YouTubeに無ければ詰んでしまうのですよ…_(›´ω`‹ 」∠)_
という訳で詰んだので、今回の異変はネタ回となりました。お許し下さい…┏○┓
要石「カナメファンネル」気性「勇気凛々の剣」
の動画しか見つからないとはこれ如何に…。